金子彰史(かねこ あきふみ)とは、日本のゲームクリエイター・脚本家である。
「日本テレネット」社員、「メディア・ビジョン エンタテインメント(現メディア・ビジョン)」常務取締役を経て、2008年に「ウィッチクラフト」を立ち上げて独立。代表取締役社長を務めた後、2015年から非常勤の取締役顧問。兼ねて2016年から株式会社アリア・エンターテインメント執行役員・クロスメディア部チーフプロデューサー。
代表作はSCE発売のRPG『ワイルドアームズ』(WILD ARMS/WA)シリーズ。
シリーズ作品の多くで、"トータルゲームデザイナー"として開発の根幹に携わる。その仕事はシナリオ・演出・キャラ設定・音楽制作のコーディネートから、果てはモブNPCの会話テキストや敵モンスターの命名にまで及ぶことも。
マンガ・アニメ・特撮、神話やオカルト、映画などをネタ元にしたパロディ・オマージュを盛り込んだ、遊び心満載の作風が持ち味。また独特のセンスで繰り広げられる、促音飛び交い熱血迸るようなセリフ回しが大きな特徴であり魅力。特に(趣味で)怪獣・ロボットに関してはとても力を入れている。
また、親交のある音楽プロデューサー・上松範康と連名で原作者となった初のアニメ作品『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズでは、シリーズ構成・全話脚本を務める。
2016年には上松が社長を務める「アリア・エンターテインメント」の執行役員となり、新設する「クロスメディア部」のチーフプロデューサーとして就任した。
九州に生まれる。小学生の頃は漫画家に憧れていたが、ウルトラマンの絵を描き下ろすも余りにもヘタクソ個性的な絵だったため周りにからかわれ、漫画家になるのを断念してしまう。
あてもなく上京するも生活に貧し、求人誌で見つけたゲーム会社に「ラクそうだった」という安直な理由で応募。「日本テレネット」に入社する。(この際に持ち込んだ企画書は、後に「WA3」となる作品であった)
主に『天使の詩』シリーズの制作に参加し、続編『天使の詩Ⅱ~堕天使の選択~』では入社2年未満ながらシナリオとディレクションを担当した。
日本テレネットを退社後、1993年に福島孝らと共に「メディア・ビジョン」を設立。
主にソニー・コンピュータエンタテインメントの下でプレイステーション用ゲームを制作。ローンチタイトルの『クライムクラッカーズ』に続く形で1996年、『ワイルドアームズ(WILD ARMS)』を世に送り出す。
西部劇とファンタジーが融合しながらSFをベースにした世界観、「口笛」「荒野」「銃」といった要素が散りばめられた王道ストーリー、そのすべてを彩るなるけみちこの音楽などで好評を博し、シリーズ化。
1999年発売の続編『ワイルドアームズ セカンドイグニッション(- 2nd IGNITION)』も大きくヒットを収め、SCEのPS用RPGを牽引するタイトルのひとつとなった。
また同年には、シリーズを原作とするオリジナルTVアニメ『ワイルドアームズ トワイライトヴェノム(- Twilight Venom)』が製作・放送された。
PS2プラットフォームの浸透が進むと、2002年にWAシリーズ第三作『ワイルドアームズ アドヴァンスドサード(- Advanced 3rd)』、2003年にはWA1の疑似リメイク『ワイルドアームズ アルターコード:エフ(- Altercode:F)』を発売。
「WA3」からは、信頼の置けるスタッフに任せる作業を増やすよう心掛けたと金子は後に語っており、その分、自身が楽曲発注だけでなく各シーンに合わせた詳細な音楽演出まで行うようになっている。
2005年、『ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター(- the 4th Detonator)』を発売。販売元との紆余曲折から開発期間が短縮され、シナリオを大幅に削減するなど仕様変更の末の完成となり、以降自らプロデューサーを務めるようになった一因となる。
またこの時期、常務に昇進。「3rd」の頃から、制作作業の楽しさの一方で、立場が上になるほど好きなことを実現できなくなる窮屈さや将来への不安を感じ、"自分なしでも成立する"スタッフ体制を目指すよう努めていたこともあり、自身の"リセット"を本格的に考え始める。
2006年発売の『ワイルドアームズ ザ フィフスヴァンガード(- the Ⅴth Vanguard)』にはプロデューサーとして参加。シナリオは外部からの原案を採用して一部制作のみを担当し、メインの作業をバトンタッチした体制での開発となった。
そうして信頼できるスタッフへのシフトを進めつつ、自身では予てから挑戦したかったというシミュレーションRPGとして『ワイルドアームズ クロスファイア(- XF)』の開発に携わり、翌2007年に完成・発売。
これらで達成感得られたことと、任せられる者がいることで安心感を覚えたのを機に、メディア・ビジョンを退社する意志を固めていたという。
メディア・ビジョンを退社し、2008年に日本テレネット時代の同期だった遠藤正二朗と「株式会社ウィッチクラフト」を立ち上げる。
設立の理由について、理想とは裏腹にどうしても開発の現場では背負った肩書や役職が大きくなるほど重荷になるという苦痛、その一方で十分な体制を作り上げるには相応のポジションが必要という矛盾、その二律背反を解消して堅苦しさよりおもしろさを優先する場を一から作るため決断した、との旨を語っている。また、自身がゲーム制作に誠実に取り組み続けられるよう、必要な"機動力"を実現するための独立とも話した。(詳しくは関連記事参照)
現状、ウィッチクラフトでは版権物の携帯機用ソフトを中心として開発している。
2012年1月~3月放送のテレビアニメ『戦姫絶唱シンフォギア』で初めてアニメ制作に参加する。
原作者のひとりとしてシリーズ構成と全脚本を担当。好評を受けて続編が製作・放送され、人気シリーズとなった。
2015年10月、代表取締役社長を遠藤に任せ、非常勤顧問に異動。その理由については「創作に自分の時間を集中させるため」と発表時のブログで語っている。
2016年4月、「株式会社アリア・エンターテインメント」の執行役員となり、新事業部「クロスメディア部」のチーフプロデューサーに就任したことが発表された。
同年夏頃、「ちょっと大きめの病気」を患い手術・入院を余儀なくされる。復帰には年末頃までかかった模様。
いずれも「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズの劇中歌。名義は「かねこあきふみ」である。
掲示板
199 ななしのよっしん
2022/10/02(日) 01:06:46 ID: VX4j1TTs+M
アームドファンタジアのキックスターター大成功で数年後が楽しみだ
会社としての枷も無い事だしワイルドアームズの精神的続編として以上にこれまでの制作人生の集大成的なモノを期待している
年齢的にもそろそろ作品に全力投球できるのは数が限られそうだし
200 ななしのよっしん
2022/11/11(金) 22:13:09 ID: 3c/1RtBP6J
4亀のインタビューが相変わらずの切れ味で安心した
https://
201 ななしのよっしん
2024/01/07(日) 18:03:38 ID: LsgvuNygyU
まあワイルドアームズの方は終わってしまったけど、彼にとってはシンフォギアの元ネタみたいなものだから、ゲームの方はあまり力を入れなくなったとはいえ、無意味なキャリアでは無かったんだろうなと思う
今はシンフォギアの方がメインになっているし、ワイルドアームズもちょっとネタというかシナリオセンスが既に古いのもあって、復活は難しそうだけど、何かしらゲーム作ってくれると良いんだけどな(アームドファンタジアを作っているらしいけど完成するのかな・・・)
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/04(水) 02:00
最終更新:2024/12/04(水) 01:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。