―サア、我ガ、名ヲ、呼べ!!
災禍の鎧―クロム・ディザスターとは、川原礫作のライトノベル「アクセル・ワールド」に登場する強化外装、
そしてそれを着装したデュエルアバターの通称である。
災禍の鎧―クロム・ディザスター(システム上の正式名称は≪THE DISASTER≫)は西洋騎士を思わせる鎧と剣の二つで構成される強化外装である。
≪災害≫の名にふさわしい強力な装備ではあるが、この強化外装の恐るべき点はそれだけに留まらない。
BrainBurst2039がリリースされてほぼ一年が経とうというある日、クロム・ファルコンというアバターが初めてこの強化外装を使用し、その日の内に30人ものデュエルアバターを加速世界から消すという未曾有の事件が発生した。
以後も≪THE DISASTER≫を着装し、数多のプレイヤーを屠り続けるクロム・ファルコンとこの強化外装の荒ぶる力を目にしたバーストリンカーたちは、クロム・ファルコンを災禍の鎧―≪クロム・ディザスター≫と呼び、恐れた。
しかし当時最強のバーストリンカーたちの懸命な連続討伐により、ようやくクロム・ファルコンを加速世界から追放し、
≪災禍≫は収まったかに見えたが……
≪THE DISASTER≫は消滅せず討伐メンバーの一人の手に渡り、興味本位で使用したそのプレイヤーの
精神を汚染し、≪初代≫と変わらぬ殺戮者―≪クロム・ディザスター≫へと変貌させた。
そのアバターも討伐されたが、更に第三、第四の≪クロム・ディザスター≫が現れ、その度に破壊と殺戮をもたらした。
その破壊は、加速世界の終焉まで続くという。
≪THE DISASTER≫には単なる鎧と剣にはあり得ない数多くの能力が備わっている。
≪飛行≫と見まがうほどの高速ジャンプを行える。素の移動力も劇的に増加。
相当の大振りか心意技でもないと、傷一つつかない強固な装甲を持つ。負の心意が十分に高まっていれば、スカーレット・レインの主砲すら跳ね返しかねない。さらに「初代」のメタルカラー特性「クロム」を取り込んでおり、金属装甲の弱点であるはずの腐食・酸化が一切無効。
剣を一振りするだけでアバターを一撃死させるほどの凶悪な攻撃力をもつ。
その破壊力を最大限に発揮すれば超高層ビルも簡単に粉々になってしまう。
相手を≪捕食≫することで相手のHPを我がモノとする能力。やられる方は超痛い。
膨大な戦闘経験を元にして、あらゆる攻撃の効果、威力、果ては攻撃の軌道や危険度までを計測、視界上のレイヤーにそれを記述する能力。(初見の攻撃にも対応可能)
強化外装は所有アバターが全損した場合、消滅することがほとんどで、勝者に渡ることはごく稀であるが、
≪災禍の鎧≫は過去4回勝者の手に渡っている。
使用者のアバターに寄生し、融合する能力で、解除することは不可能に近い。
また消滅耐性が通用せず、上記のように勝者の手に渡らなかった場合も、他のアバターについた一部の組織がそのアバターに寄生、成長し、再び≪災禍の鎧≫として復活するという例もある。
初めて≪クロム・ディザスター≫が現れたその日に全損したアバターの一人が寄生属性持ちの黄色系のアバターだったというが関連は不明。
上の寄生属性によって≪災禍の鎧≫と融合したアバターは凶暴な殺戮マシーンとして破壊を振りまく。
それは初代の、そして歴代の≪クロム・ディザスター≫の怒りや憎しみの負の心意から生まれた疑似人格に支配されてしまうため。
その影響はゲームだけにとどまらず、現実世界のプレイヤーにまで及ぶこともあるようだ。
唯一現実世界の描写がある≪クロム・ディザスター≫となった少年は、聴覚はおろか視覚、痛覚まで刺激されることもあった。
≪災禍の鎧≫の中で記憶された使用者達のアビリティ、必殺技を現在の使用者が使用できるようになる。
ただし、この能力を使用できたのは≪災禍の鎧≫と≪初代≫並に適合した六代目のみである。
クロム・ファルコン
≪THE DISASTER≫の創造主ともいうべきアバター。シルバー・クロウに似た見た目。
≪クロム・ディザスター≫に受け継がれたのは、自身のアバターカラーと必殺技≪フラッシュ・ブリンク≫
ファルコン(falcon)は鷹を表す単語であるが、名前が判明している≪クロム・ディザスター≫は全員「鳥類」の名前を持つという不思議な共通項がある。
≪フラッシュ・ブリンク≫
アバターを極微細な粒子へと変え、直線的に超高速移動をする疑似テレポート技。
完全に閉ざされた空間から脱出できなかったり、視認できない所へいけなかったりと制限は多いものの、
直線短距離移動としては究極の速度を持つ上、使用中はいかなる攻撃も無効化するオマケつき。
初代≪クロム・ディザスター≫は無声でこの技を使用した。
マグネシウム・ドレイク
初代≪クロム・ディザスター≫を討伐した当時最強のプレイヤーの一人。
メタルカラーゆえの高い防御力と、強力な火炎攻撃を併せ持つ竜頭のアバター。
『心傷殻理論』を用いた≪人工メタルカラー≫ではないかと噂されていた。
知らないこととはいえ、≪災禍の鎧≫を使用し、残虐な殺戮者へと変貌した。
以前は高潔なリーダーだったということからも≪災禍の鎧≫の負の心意の深さが伺える。
≪クロム・ディザスター≫に受け継がれたのは、アビリティ≪フレイム・ブリーズ≫
ドレイク(Drake)はオスのアヒル・カモを表す言葉であるが、同時にドラゴンの別称でもある。
≪フレイム・ブリーズ≫
口から広範囲に広がる火炎をはき出すアビリティ〈必殺技との表記も)。
延焼した場合、鎮火、もしくは焼き尽くすまで継続してダメージを与え続けるという特性を持つ。
Unknown
長い髪が特徴の青系の両手剣使い。足までとどくほど長い銀髪が特徴。
≪神獣殺し≫≪剣聖≫等数多くの二つ名を持つ≪青の王≫にも比肩すると言わしめるほどの圧倒的な剣技を誇って
いたが、≪災禍の鎧≫に汚染され、≪青の王≫の手により引導を渡された。
≪クロム・ディザスター≫に受け継がれたのは、その圧倒的な剣の技そのもの。
Unknown
ミミズのような頭部と細長い手足が特徴の化け物じみたアバター。何故か剣ではなく大斧を武器としている。
「紅の暴風娘」から二年と半年ほど前に≪純色の七王≫総出で何とか倒せたものの、そのあまりの荒ぶる力に黒雪姫
も恐怖に震えたという。グロいにもほどがある見た目のせいもあるかもしれない。
この時全員で≪災禍の鎧≫が消滅したことを確認したが……
≪クロム・ディザスター≫に受け継がれたアビリティは使用されなかったため不明。
チェリー・ルーク
ミヤマガラス(rook)の名を持つピンク色の騎士型アバター(クロム・ディザスター時にはその色は確認できない)
六代レギオンの一つ≪プロミネンス≫に所属するレベル6(劇中でレベル7に)の中堅メンバー。
そして≪プロミネンス≫の首領、二代目≪赤の王≫スカーレット・レインの≪親≫でもある。
四代目の討伐には参加していないものの、何故か≪災禍の鎧≫を手に入れ使用してしまう。
(五代目討伐時に≪黄の王≫率いる≪クリプト・コズミック・サーカス≫メンバー達に妨害されたことから黒雪姫と
上月由仁子らは≪黄の王≫イエロー・レディオが隠匿していたと確信しているものの詳細は不明)
ワイヤーを使用して離れた相手を引きずりこんだり、長距離ジャンプ中に進路を変更して疑似飛行を行ったりと、
もともとの戦闘能力と相まってかなり凶悪な性能を誇る。特に機動力は≪赤の王≫の攻撃を完封するほど。
荒ぶる力は過去の≪ディザスター≫にも引けをとらず、過去の討伐にも参加した≪黄の王≫が恐怖で一時的に行動
不能になってしまうほどで、ハルユキも逃げだしたくても身体が動かなかったという。
最終的にハルユキのガッツある行動により行動不能となった五代目は、≪子≫であるスカーレット・レインの≪断罪の
一撃≫によって加速世界から退場した。
≪クロム・ディザスター≫に受け継がれたのは、両手の巻き取り式の鉤付の鋼線を操る≪ワイヤー・フック≫。
シルバー・クロウ(有田春雪)
カラス(crow)の名をもつ加速世界唯一の完全飛行型アバター。
チェリー・ルークのワイヤーが刺さった背中に残った≪災禍の鎧≫の残滓が、能美征二、ブラック・バイスとの戦闘を
経て、≪ヘルメス・コード縦走レース≫でのラスト・ジグソーとの戦いで復活した。
ライム・ベルの≪シトロン・コール≫で一度≪種子状態≫まで還元されたが、その後も≪災禍の鎧≫の誕生にまつわ
る夢を見たり、≪逆流現象≫に苛まれたりと、現実世界のハルユキにも異変を生じさせた。
そんな中、ハルユキの友を想う気持ちが≪災禍の鎧の本来の姿≫を片鱗とは言え出現させたりと、その強烈な負の
心意すら克服し、正の心意の次の段階すら会得したうえに、≪災禍の鎧≫を浄化できるアーダー・メイデンを救出して
遂に≪災禍≫のサイクルを断ち切れると思った矢先に、永遠のライバル、アッシュ・ローラーがいたぶられている姿を
見て激怒した彼は≪災禍の鎧≫と完全に融合してしまう。
≪災禍の鎧≫との相性は歴代の≪クロム・ディザスター≫を遙かに超えるもので、歴代ディザスターのアビリティを完
全に再現し、また自身の≪飛行アビリティ≫、最速の心意≪光線剣≫、長距離心意≪光線槍≫も自在に操る、
≪史上最強のクロム・ディザスター≫として登場した。第2期ネガビュメンバーの奮闘によって程なく解呪・浄化されたが、もしそのまま戦いを重ねて熟練したらどれほどの怪物になっていたか分からない。
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最終更新:2024/04/23(火) 17:00
最終更新:2024/04/23(火) 17:00
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