福島県道391号広野小高線

福島県道391号広野小高線とは、福島県の東辺に存在する巨大な迷路のことである。たまに何かの間違いで県道と表記されることもあるが、その実はやっぱり等身大な迷路なので注意が必要である。

概要

福島県道391号広野小高線は、常に難攻不落をもってする不朽の迷路である…と言い切って構わないほど、非常に変なルートをツギハギしつつ走る道である。
そこには多種多様な「　罠　」や「　伝説　」が待ちうけており、ドライブ趣味を持つものが

「どーれ、一回ぐらい通ってみっぺ♪」

などと、生半可な覚悟で挑んでみようが決して完走する事なぞ出来はしない！と言えるだろう。時には、この迷路に挑んで数回となるはずの猛者たちでさえ、その目が欺かれてしまうほどこの道は手強い。

もしあなたが完走を望むのであれば、どんな些細なミスも許されない！

たとえどれほど方向感覚に自信の有る人物でも、素で超方向感覚の持ち主…例えば三浦あ●さとかアルラ・ナ●ナ・Ｌとか響●牙とか鳳●はやとかベーコン●暮閣下とか黒●ななことか更●剣八とかヨハン・アンデ●センとか音●兵吾とか佐●木由香とかランジエ・●ーゼンクランツとか鷺ノ宮●澄とかR・田●一郎とか水野●芽とか毛●蘭とか李絳●とか早川●おいとか宮田●んとかロ●ノア・ゾロ状態にさせられてしまう可能性が常に有るのだ！……って、いま何の話してたんだっけ？

…ともかく、ここがそう言う場所であるとだけは、走行中、常に憶えておく必要はあるだろう。

主なスペック

・起点／福島県双葉郡広野町折木、国道6号交点
・終点／福島県南相馬市小高区塚原、福島県道260号北泉小高線交点
・総延長／約55.1km
・ダート／1…2ヶ所？　・未成区間／たぶん1ヶ所 

確認された罠、伝説

• 出オチ
  • 起点では片側一車線の立派な幹線道路。しかし、たった10mぐらいで普通の町道クラスに。
  • ちなみに終点側も同じ。
• 影武者
  • 交差点で分岐する道が全部同じぐらいの大きさなので、どれが続きか見分けが付かない。
• 回避
  • 目的地にまっすぐ向かう…と見せかけて常に迂回。
  • 「山いが」によると、終点までの道程は国道6号経由の方が約12km程も近いらしい…。
• 灯台下暗し
  • 小さな峠越えなどもしたあげく、起点で別れた国道6号のすぐ傍を通る。
• 不審道
  • 用も無いのにわざわざ公園に入り込み、たむろする。
• タイムトリップ
  • 貧弱な裏道だと思わせておいて、実は江戸時代以前からの由緒あるルート。
• 雲隠れ
  • 県道のルート確認に必要な青看板（いわゆる"ヘキサ"など）が長区間に渡って存在しない事も。
• 変身
  • 区間ごとに道路規格が全く違い過ぎ、よく戸惑わされる。
• 身代わり
  • 他の幹線道路と重複する事がやたら多く、そちらの道筋に誘導されてしまいやすい。
• 大事な道なので2回走りました
  • 起点で別れたはずの国道6号に合流。約1km重複の後に再分離。
  • 福島県道255号幾世橋小高線と2回の重複。
• 情報撹乱
  • 現地の看板、カーナビ、市販の地図に描かれたルートが全部違うことも稀によくある。
• 竈の跡
  • 幾度かルート変更がされたらしく、かつての痕跡がトリッキーな形で残っている場合も。
• ダート
  • 険しい山なども走らないのに、何故かダート区間が存在。
  • しかし原発のすぐ傍を走ってる幹線道路がすれ違い不能のジャリ道って…。
• 無限ループ
  • やや紛らわしい形で支線が存在しているため、よく確認しないと来た方向に戻ってしまうことも。
• 土遁
  • 重複する他の道路の影に完全に隠れてしまい、数ｋmののち唐突に存在を誇示。
• 不意打ち
  • 分岐や右左折をする際にも、普通に案内標識が無いことが多い。
  • 有ってもうっかり見逃してしまうほど小さかったりする。
• 遊撃
  • 基本的に狭い道なので、通行中のおばちゃんや道に止めてある車にガードされることも。
• 邯鄲の夢
  • 特に目立つ施設の設置されていない場所が終点。
• 漢のロマン
  • 現在、未成区間となっている渡川部分には、そのうちムダに立派な橋がかけられる予定。
• ブラフ
  • 日帰り温泉、ジェラート屋、廃線トンネルなど、周辺にはついでに寄りたくなる施設が地味に充実。
• そして伝説へ…
  • 実はこの道、未だ正確な道筋の解き明かされていない区間が存在している。そのため「説」のレベルでしか分っていない区間については、自分の信じる道をもって正解とするほかは無い。
  • 例えスタートからゴールへと無事に行き着いたとしても、果たしてそれが「真の全線走破だったのか？」については、天の神様と福島県土木部関係者以外の誰も知る者はいないとされている。
  • 結局、「真の完走者」となることを目指すならば、ぁゃιぃものも含めて全ての道筋を辿るほかはない。完走した瞬間から、新しいチャレンジが始まる。ここはそう言う道でもある。

果たしてあなたは、これだけのトラップをかいくぐり、全線走破を果たせるだろうか？　自信はどうあれ、この走行費無料の巨大迷路は、いつでも君の挑戦を待っていることだろう。Good Luck！ 

2011年3月11日以後の状況

2011年3月11日、突然発生した「東日本大震災」により、この道筋のある地域は非常に大きな被害を受けた。大きな揺れと、次いで巨大津波に襲われたその後の様子は、「Googlｅマップ」において「　福島県南相馬市小高区村上　」「　福島県双葉郡浪江町請戸　」などを検索すればだれでも確認する事ができる。

また地震、津波に加えて、この地域は1500年に及ぶ日本の歴史上で最大の単独事故となった「東京電力福島第一原子力発電所事故」によっても致命的な被害を受けた。その結果「3重被災」と言う、単なるいち地方都市が担うには信じがたいほど苛烈な重荷を負わされた地域となった。

そのため震災や原子炉建屋の爆発から既に1年半が過ぎた時点においてさえ、復興への道筋を見出す事がほとんど不可能な状態に置かれ、数多くの人が避難を余儀なくされて苦しんでいる。その苦しみがいったいいつ終わるのか、当分、誰にも予測が付かないものとされている。

このような事情のため、この福島県道391号広野小高線は、今後も
「かなりの長期間にわたって走行不可」
な状態に置かれるものと思われる。次に一般人が、窓を全開にして海風を、土地のにおいを楽しみながらドライブできるのは5年先か、はたまた10年先なのか、現時点では全く分っていない。

かつてこの道を一度でも走ったことのある者であれば、この地域のもつのどかな雰囲気の再び戻る事の一日でも早いよう、どうしても祈らざるを得ないだろう。あまり遠くない将来、この地域が再び気持ちの良いドライブをし、アイスを食べ、楽しい一日を過ごせる場所として復活されることを願うばかりである。

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2012年4月16日。この日、原発事故に伴う警戒範囲が再編され、約13ヶ月ぶりに南相馬市南部への立ち入り禁止措置が解除された。そのため現在は、南相馬市小高区の範囲内に限れば当県道も通行する事が可能となっている。

しかし現地は、東日本大震災の後、東京電力の事故のため約1年間に渡って放置せざるを得ない状態に置かれ続けた地域である。現在も見るにつけ心痛まざるをえない光景が広がっているだけではなく、道路に向かって傾いた電柱から電線が垂れ、路肩が大きく抉られるなど、危険が随所に存在している。

当県道も、動画「その1」の時点で既に走行不可能となるほどの路面荒れ、脚だけが残り桁は流出してしまった橋、海水が残されて出来た池に道が没すなど、大きく被害を受けた場所が続出。また住民や警察は懸命に努力をしているものの、一部では治安の悪化も伝えられるなどしている。

そのため正式に開放された部分に関しても、その「走行は非推奨」である。

また原発事故から1年半が過ぎた2012年11月末時点でもなお、浪江町部分など一部区間は立ち入りが厳重に禁止されているが、この区間についても半年前に開放された部分と同様、未だあの「3.11」の時に受けた震災の修復もままならない、悲惨な状態のまま余儀なく放置されているものと思われる^[1]。

まるで自然災害によって過去が奪われ、原発事故によって未来が奪われたかのような状況の中に有って、この道の全面的な復旧の成される日は、なおも不明なままとなっている。

この道の復興と共に、この地域に生まれ、育った多くの人が、愛する故郷を広く誇れる日の再びやって来る事を願って止まない。

関連動画

動画その1

スタート： 南相馬市小高区塚原（終点） 注意： BGM、音声解説がありません。 周辺施設 2:57 - 左/ 村上海岸海水浴場 4:33 - 前方/ 国道6号を走る車が見える。 5:18 - 左/ 蛯沢郵便局、右/福浦小 7:19 - 左/ 支線の分岐 7:25 - 境/ 南相馬市→浪江町 ゴール： 双葉郡浪江町請戸

動画その2

スタート： 双葉郡浪江町請戸 注意： この回から音声解説が入ります。 周辺施設 1:33 - 境/ 浪江町→双葉町 （橋の上） 3:09～4:00 - 左/ 東京電力福島第一原子力発電所 （敷地のみ） 3:57 - 境/ 双葉町→大熊町 （パトカーとすれ違い直後） 4:02～4:25 - ダート1 5:01 - 左折した先/ 東京電力福島第一原子力発電所の正門 右折した先/ 大熊町中心部 この周辺は、原発事故の後、原発の敷地外で特に高い放射線量が観測された一角であるとされています。（現在の線量） 6:05～6:15 - ダート2 7:30 - 左/ 熊川海水浴場 8:25 - 境/ 大熊町→富岡町 ゴール： 双葉郡富岡町深谷

動画その3

スタート： 双葉郡富岡町深谷 注意： この回からBGMが入ります。 周辺施設 1:30 - 右/ 子安観音 1:58 - 右/ JR富岡駅 2:37 - 左/ ホテル海遊館 このホテルの屋上から撮られた津波写真がネット上で時おり引用されています。 3:42 - 境/ 富岡町→楢葉町 （左折の直前） 3:58 - 前方/ 東京電力福島第二原子力発電所の正門 6:15 - 右折した先/ JR竜田駅 6:21 - 県道一番の急坂 ゴール： 双葉郡楢葉町北田上ノ原

動画その4

スタート： 双葉郡楢葉町北田上ノ原 周辺施設 0:40 - 左折した先/ 天神岬スポーツ公園 3:37 - 右折した先/ J-VILLAGE 3:40 - 境/ 楢葉町→広野町 （橋の上） 3:45 - 左折した先/ 東京電力広野火力発電所 4:14 - 左/ 広野海浜公園 （見晴台と有料の釣り場） 5:12 - 右折した先/ JR広野駅 5:40 - 最後の峠 6:31 - 右/ 常磐線旧線の廃トンネル 6:51 - 起点 ゴール： 双葉郡広野町折木（起点）

関連コミュニティ

関連項目

• 酷道
• 国道6号　/　常磐線
• 車載動画　/　東北ローディング
• 迷路　/　プロの迷子　/　汽車ポッポ
• 双葉郡　/　相双
• 広野町　/　楢葉町　/　富岡町　/　大熊町　/　双葉町　/　浪江町　/　南相馬市
• 福島県　/　東北人ホイホイ

関連リンク

• Googleマップ

脚注

1. *「3.11」のまま：一度受ければ、地域の息の根を止めるに近い巨大ダメージを執拗に与え続ける原発事故。それを受けた地域の周辺地方紙などでは、3年が過ぎても未だ地震の修理なども一切許されず、あの日のままいつまでも放置され続けている荒れた街の現実が時おり報告されている。