概要
FALLOUTシリーズとは、1997年にInterplay社から発売されたゲーム「FALLOUT」を初めとする、コンピュータRPGシリーズである。
舞台は一貫して核戦争後の廃墟と化したアメリカが舞台となっており、当時はハイファンタジーな世界を舞台とするRPGが多かったため、荒廃した世界を舞台としたこのゲームは、異質なRPGとしてコアなRPGファンに高く評価されていた。
しかしInterplayは、資金繰りが悪化していたため2004年に一時閉鎖となり、保有しているIP(知的財産)が他社へと売却された。その際に売却されたFalloutシリーズの権利をベセスダ・ソフトワークスが取得して2008年に「Fallout3」を発売、以降はベセスダの看板ゲームとして売られている。
なお、Falloutに関する一部の権利については、売却したInterplay側と取得したベセスダ側とのあいだで法廷闘争があったが、2012年に和解が成立し、Falloutシリーズの諸権利は全てゼニマックスおよび子会社のベセスダに帰属することが確認された。[1]
シリーズ一覧
※赤い●は、舞台となる地域の大まかな場所を示したものであり、正確な範囲を示したものではありません。
この項目ではこれまでのFALLOUTシリーズ作品を列挙してあります(出ていない作品も一部含まれています)。
一般的には、Fallout3以降のベセスダによるものが新シリーズ、それ以前のInterplayによるものが旧シリーズとして扱われています。
- 【Fallout / Fallout1】
- 記念すべき第1作目。当時はハイファンタジーな世界が舞台のRPGが多かったため、異質なRPGとしてコアなRPGファンが評価していた。カリフォルニア州の南部あたりを舞台としている。詳しくは該当記事を参照。
- 【Fallout2】
- 第2作目、前作のラストから80年後の世界が舞台。カリフォルニア州中部~オレゴン州あたりが舞台。
- 【Fallout Tactics: Brotherhood of Steel】
- FALLOUTシリーズのスピンアウト作品。この作品だけ半RTSとなっており、またFALLOUTシリーズ全体としては初となるマルチプレイモードが公式に搭載されている。中西部~テキサス州のあたりが舞台となっている。
- 【Fallout: Brotherhood of Steel】
- FALLOUTシリーズのスピンアウト作品。この作品はアクションRPGとなっており、Interplay時代では唯一となる家庭用ゲーム機のFALLOUTシリーズ。この作品がInterplay時代の最後のFALLOUTシリーズの作品となった。
- 【Fallout Online】
- 一度閉鎖したInterplayが復活して発表したオンラインゲーム。すでにFalloutブランドを取得していたベセスダ・ソフトワークスとの間で訴訟になったが、2012年にベセスダ・ソフトワークス側と和解、開発は中止となった。後にオンライン作品「Fallout76」が発売される事となる。
- 【Fallout3】
- InterPlayから版権を買い取ったBethesda Softworksが開発した作品。メジャーナンバーの作品としては約10年ぶりとなる。また、今作はシリーズ初となる東海岸で、首都ワシントンD.C.周辺が舞台になっている。詳しくは該当記事を参照。
- 【Fallout: New Vegas】
- 今作の開発は、Interplayの時代にFALLOUT、FALLOUT2などを開発したBlack Isle Studiosの元スタッフが多く在籍しているObsidian Entertainment。ネバダ州・ラスベガス周辺を舞台としている。詳しくは該当記事を参照。
- 【Fallout Shelter】
- Vaultの施設を建設し管理していくシミュレーションゲーム。キャラクターやオブジェクトが全てVault-Boy風にデフォルメされており、Vaultの場所は不明でVaultの番号も999まであるというタイプ。AndroidやiOSなどモバイルでのプレイを志向したゲームになっている(いちおうSteamやWindowsアプリとしてもプレイ可能)。
- 【Fallout4】
- New Vegasから数えて約5年ぶりとなる新作(ベセスダ開発の基準で数えると7年ぶり)。開発は再びBethesda Game Studiosに。マサチューセッツ州・ボストン周辺を舞台としている。詳しくは該当記事を参照。
- 【Fallout76】
- FALLOUT4の発売から約3年ぶりの新作となり、Falloutシリーズ初のオンライン要素を含んだMMORPG。FALLOUT3の舞台である首都ワシントンD.C.の隣に位置した、ウェストバージニア州・アパラチア山脈一帯を舞台としており、FALLOUT4のゲームエンジンをベースに開発された。該当記事を参照。
- 【Fallout(ドラマ版)】
- 2024年にAmazon Prime Videoにて配信された実写ドラマ。全8話。2296年のカリフォルニア近辺を舞台としている。
シーズン2の作成が決定されている。
世界観
Falloutシリーズの舞台はすべて核戦争後のアメリカ合衆国となっているが、作品ごとに舞台となる地域が異なり、核戦争の影響が濃い地域や影響が薄い地域など様々なロケーションが存在する。
また、ロボットや自動車の動力に核エンジンが普及していたり、パワードスーツ(パワーアーマー)や放射能を除去する個人用の薬が開発されたりと、テクノロジーや世界の行く先が我々がいる世界とは違う、いわゆるパラレルワールドの未来世界となっている。
大まかな世界観の参考については以下のあたりを参照。
- 「Fallout 4×MSSPで3時間生放送!@闘会議2016」 (09:45あたり ~)
- Access Accepted第478回:「Fallout 4」発売記念。Fallout版「世界の歴史」 (4Gamer.net 2015/11/09 12:00)
歴史
年号 | 事象 | 作品 |
---|---|---|
1945 | 第二次世界大戦が終了。 アメリカが中央政府と13の連邦から構成される合衆国になる。 |
|
2044 | ヌカ・コーラが発明される。 | |
2050 | 石油の枯渇でエネルギー危機に。 | |
2052 | 原油価格の高騰により欧州連邦と中東との間に資源戦争が勃発。 | |
2053 | 核によるテロ攻撃でイスラエル壊滅 | |
2054 | 核シェルター「Vault」が建設され始める。 | |
2060 | 欧州連邦と中東の資源戦争が終了。 | |
2066 | アラスカで油田見つかる。中国とアメリカで資源戦争が勃発。 | |
2069 | Vault76の建築が完了。 | |
2076 | アメリカがカナダを併合。 | |
2077 | ロジャー・マクソン率いる部隊が合衆国陸軍からの脱退を宣言。 「Brotherhood of Steel」が設立される。 |
|
10月23日、核戦争(Great War)が勃発。2時間ほどで世界の主要都市が壊滅。 地球の大部分が放射能汚染により不毛の地となる。 ボストンの夫婦がVault111に避難する。 |
Fallout4 | |
2102 | 再生の日。Vault-Tec当初の計画に則り、Vault76の扉を解放すると同時に封鎖。すべてのVault76住人がアメリカ再建を目的にアパラチアへ旅立つ。 | Fallout76 |
2161 | Vault13で故障した装置を直すために住人の一人がウェイストランドに出る。 | Fallout1 |
2186 | 新カリフォルニア共和国が建国される。 | |
2186 | 中西部B.O.S.がレイダーに支配されたバラモンウッドを開放するため、兵士を派遣。 | Fallout:Ta |
2208 | イニシエイトが所属するBoSが,テキサスへと遠征を開始して「カーボン」という街を発見。 | Fallout:BoS |
2220 | 軍事組織エンクレイヴがアメリカの実権を握る。 | |
2241 | 選ばれし者がG.E.C.K.を探す旅に出る。 | Fallout2 |
2258 | 浄化プロジェクトの研究員がVault101に入居。 | Fallout3 |
2274 | NCRが電力の供給源となるフーバー・ダムを占拠。 | |
2277 | 浄化プロジェクトの研究員がVault101から離脱。その子供も後を追って脱出。 | Fallout3 |
2281 | モハビ・ウェイストランドにて運び屋の一人が撃たれるが生還する。 | Fallout: NV |
フーバーダムを巡る戦いの後、NCR首都シェディ・サンズが核攻撃を受け壊滅。 | ドラマ版 | |
2287 | Vault111に避難していた夫婦の片方が長い眠りから目覚める。 | Fallout4 |
2296 | Vault33住民のルーシー、BOS兵のマキシマス、賞金稼ぎのクーパーの三人が出合い、低温核融合システムに関する戦いに巻き込まれる。 | ドラマ版 |
組織・勢力
- ■ヴォルトテック (Vault-Tec)
- 戦前、アメリカのあちこちに核戦争用の避難シェルター「Vault」を建設した企業。謎や秘密が多い。
- ■新カリフォルニア共和国 (New California Republic)
- アメリカ西部最大勢力の巨大な民主主義共和国家である。戦前の価値観を取り戻すのが目的。通称:NCR
- ■エンクレイヴ (Enclave)
- エンクレイヴは謎の多い軍事組織であり、戦前の合衆国政府と軍産複合体を直接の由来とする。荒廃した国家の支配を主張している。
- ■ブラザーフッド・オブ・スティール(Brotherhood of Steel)
- 2077年、核戦争の直前にロジャー・マクソンによって設立されたとされる軍事組織。
- 戦前の高度なテクノロジーを保管・研究するのが目的。
- ■レイダー(Raiders)
- 荒廃した世界で野盗と化した人間。いわゆるモヒカンならず者。こちらを参照。 → レイダー(Fallout)
- ■タロン社(Talon company)
- 3に登場する悪党傭兵集団。
生物・クリーチャー
- ■ラッドローチ(Rad Roach)
- 放射能によって変異した巨大ゴキブリ。名前のとおり、攻撃を受けると放射能(RAD)に汚染される。
- ■モールラット(Mole Rat)
- 放射能で変異した巨大ネズミ。シリーズ恒例の雑魚敵。
- ■バラモン(Brahmin)
- 放射能で変異したウシ。頭が二つある。とてもおとなしく、食料としても荷物運搬用としても有用なため、ウェイストランドの人間には重宝されている。
- ■デスクロー(DeathClaw)
- Falloutシリーズを代表する生物。二足歩行も可能な体に悪魔のような巻き角を持つ生物で、非常に高い生命力、攻撃力、防御力を誇る。プレイヤーからは恐怖の対象となっており、一部からは「様」「先生」「先輩」など尊称つきで呼ばれることもある。
- ■グール(Ghouls) / フェラルグール(Feral Ghouls)
- 放射能で変異し外見がゾンビのようになった人間。理性が存在しており意思疎通もできるが、人間たちからは化け物、クリーチャー扱いされ差別を受けている。
- 似たようなものとしてフェラルグール(Feral Ghouls)もいるが、こちらは理性がなく、群れを成して素早い動きで襲い掛かってくる。さらにはダメージを受けると同時に放射線(RAD)が溜まり、最大体力が一時的に減少してしまう。
- ■スーパーミュータント(Super Mutants)
- FEV(Forced Evolutionary Virus:強制進化ウィルス)で変異した人間。常人を遥かに上回る巨体と怪力を手に入れており、病や放射能に対しても強い免疫力を持つ。理論上は不老不死の生物だが、生殖機能は失われている。その身体能力を活かし、ハンマーやライフル、重火器などを軽々と扱う。
- ■スコーチ(Scorched)
- ある病により変異した人間だが、人間に対し敵対的な感情を持つ。外見はフェラルグールに似ているが、言葉を話したり武器を使用する知能が残っている。普段はマネキンのように硬直しており、人間が近付くと活動を始める個体も存在する。
- 物語が進むにつれ、前述のしぐさや変異の要因などが明らかになっていく。
関連動画
シリーズ動画
プレイ動画
関連項目
関連リンク
脚注
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