SDガンダム外伝2 円卓の騎士とは、1992年12月18日に発売したスーパーファミコン用ソフトである。
販売元はユタカ、開発元は前作『SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語 大いなる遺産』を手がけたトーセ。
概要
SDガンダム外伝の続編、ジークジオン編の次作品、円卓の騎士編のカードダスストーリーを元にしたゲーム。
販売元こそ変わったものの、開発は大いなる遺産と同じくトーセのため、システムメッセージや装備品などに前作の面影を見る部分は多い。SFC黎明期だった前作と比べ製作ノウハウが貯まってきたのか、前作の反省点が活かされている点もある。特にBGMは目覚ましい進化を遂げており、プロローグやタイトル画面で流れるBGMの優雅さに手が止まってしまった人もいるのではないだろうか。
本作でスーパーファミコン版の騎士ガンダムシリーズは終了。結果をみれば、シリーズは二作品しか発売されなかったことになる。
本ゲームは、前作だけでなく、RPGというジャンルから見ても独自のシステムが多く、円卓の騎士という群像的な作品を表現するためにあれこれと苦労を重ねた作品となっている。
しかし、そのシステムは必ずしも多くが良い方向に働いているとは言い切れず、 ゲームバランスの崩壊を招いていたり、当時から現在において確立されているRPGの醍醐味をあえて全否定するなど、賛否両論の部分もある。
章は前作と同じ四章構成だが主人公の変更などはない。章の名前も春夏秋冬と季節が変わるだけだが、それに合わせてその章でメインとなるマップの季節も移り変わる。
本ゲームの特徴
13人で襲い掛かれ!破格のPT人数
円卓の騎士を題材にしているためRPGでも稀に見る、13人パーティー制という、子供にとっては夢のような自由度をもったパーティー編成ができる。円卓の騎士が全員揃うまでは円卓の騎士に選ばれない普通の仲間達も多数加入する。
ただし前作と同様にパーティーメンバーは最終的には全員新たな円卓の騎士達に固定にしなくてはならないので、それ以外のキャラは最終メンバーにはできない。(しかし、この手の「最終メンバーは固定」というゲームにありがちな、最終的に使用しないキャラに経験値を与えるのはもったいないという問題は発生しない。理由は後述)
このシステムのため、13人全員の行動を手動で設定しなくてはならず、大変面倒くさい。しかしこの時代には珍しく大変優秀なAIが実装されており、個々のキャラに手動・自動を設定できるうえ、設定で命令指定をすればオート設定でもある程度こちらの意に沿った方針で行動してくれる。
しかもプレイヤーと違ってアドリブがきくので、ターンの最中に死んだ味方が出た後でも、オートを設定したキャラクターの順番が回ってくるとすぐに蘇生行動を行ってくれる。
仲間の数だけ強くなる!PT共有レベル制度
そして、本ゲーム最大の特徴は、その独特なレベルアップ方法である。なんとこのゲーム、経験値という概念は存在せず、仲間を新しく加入させることでレベルがあがるのである。
これは、13人もパーティーのメンバーがいるため、「経験値など分配していられるか!」というわけで搭載された苦肉の策であるといえよう。
ただし、経験値がないということは、レベル上げの醍醐味は一切ないということでもある。 フィールドやダンジョンでの雑魚敵戦は、クリアだけを冷徹に考えるのであれば、90%時間の無駄である。
残りはアイテム収集・金銭収集のためになるが、アイテムは必ず出るわけではないのでそれほど旨味はないし、オーダーシステムを使うなら1Gでも最強武器が作れるので実質お金はほぼ必要なし。
カードダスを全種集めたいという人にとって、雑魚戦は大変重要である。前作と違いカードダス排出機がなく、戦闘の報酬にカードダスが含まれている。つまり敵を倒した報酬として運良くカードダスを出すしかないのである。レベルが上がらないゆえに、人によってはこれは苦業である。逆に言えばドMな人にはオススメである。
また、本ゲームはBボタンを押すことで勧誘イベントを起こすことができる。武器屋さんや子供にまで勧誘することは出来るが、いろんな理由で断られる。
とりあえず人に会ったらBボタンを押して勧誘するのは、このゲームのプレイヤーにとっては攻略的な意味でも余興としても常識中の常識である。普通に話しかけると戦闘になってしまう敵軍側のキャラがこちらに寝返ってくれることもある。
自分だけの武器を作れ!武器オーダーシステム
武器屋にいき、金銭を支払ってポイントを購入し、それを武器のステータスに振り分け、自分だけの武器を作ることができる、というシステム。また、名前も自由に設定することが可能。
自分だけのオリジナルの武器を作れる、そんな子供心にどストライクなシステムだが、実はこれ、一定の単語を組み合わせると1Gでも最強の武器が作れる。
つまりこれを使えば一気にヌルゲー化してしまう。かなりのバランスブレイカーシステムである。最強武器にまつわる単語を排除し、純粋に武器オーダーを楽しむのであればまだアリなシステムではあるのだが……。
戦場で棒立ちなどしているからこうなるんだ!時間制エンカウント
このゲームのエンカウントは、歩行ではなく、時間である。
ちょっとトイレに………お菓子をとりに………と、フィールドやダンジョンでキャラを放置していると、帰ってくる頃には敵がズラリ、なんてこともしばしば。
そのためこのゲームにはRPGなのにポーズが標準装備されている。
エンカウント頻度は持ち物の総重量が重いほど高くなってしまうので、不要な持ち物は早めに処分することをお勧めする。特にはにわイベントで手に入る金のはにわはとても重いためエンカウント地獄に陥ることになる。預かり所送りにするか換金してしまおう。
ちなみに戦闘中には特に入力の時間制限はない。まあ安心してトイレにいこう。
身を削って魔法を放て!MP廃止!
このゲームでは、魔法・特殊能力は自分のHPを削って放たれる。全体回復となるヒールは使用者だけが回復しない。
ただしこのゲームは武器を使用することで魔法を発動するアイテムが多く、ヒールの力を持つ杖を使えば常時HP満タンで魔法が撃てることになる。
実質これもゲームバランスを崩している要因の一つである。
総合的な話
当時のRPGとしては意欲的なシステムは盛り込んでいるものの、それらはゲーマーにとって裏目に出るものが多く、この点は結果としてゲームとしての純粋な完成度を見る場合、クソゲー悪しき点と捉えられがちである。
それでもこのゲームが人気がある理由は、前作以上にシナリオ面に力を入れた点、売るほどいるキャラクターに合わせ、ドラマティックなイベントがかなり増え、いろいろ淡白だった前作に比べ演出強化されているなどの点からだろう。
その他操作性の改善などしっかり進歩点は見られる。
あと少し、新要素をゲームとして堅実に生かしていくための思考が足りなかった惜しいゲームであるが、そのストーリーや構成の完成度は高く、大いなる遺産に負けず劣らずの人気を誇っている。
プレイヤーキャラ
円卓の騎士
最終的にラスボスに挑むことになるメンバー。流石に13人もいるので使えるキャラとそうでもないキャラの差が激しい。仲間にするとレベルが5あがる(F90三兄弟だけは別)。
- 皇騎士ガンダム→キングガンダムⅡ世
主人公。騎士ガンダムと同じく3回パワーアップする(ジーアーマー、フルアーマー、キングⅡ世)。前作の騎士ガンダムと同じく強く、特にジーアーマー装備以降に使える特殊コマンドの「ドラゴン」(初期は「かばう」)は全体攻撃で便利。また、専用装備キングキャリバーはHP吸収効果を持ち、チートオーダー装備に比類する便利武器。RPGの主人公のご多分にもれず、基本的に喋ることはない。 - 勇剣士プラス→勇騎士プラス
円卓の騎士としては始めて仲間になる人。皇騎士に喧嘩を吹っかけてくるものの、負けて仲間になるという性格が短気なキャラ。特殊は相手を凍結させる「フリーズ」。素早さは高いが火力と耐久に問題があり、最初のうちに仲間になるキャラのせいか後半はやや頼りなくなり、攻撃的な性格でありながら衛生兵になりがち。 - 鎧騎士ガンダムF90→重甲騎士ガンダムF90
オックスの塔で捕まっている哀れな騎士。戦士っぽい名前だがその他の能力もそこそこ安定しており、後半でかなり頼りになる人。しかし序盤は火力不足に悩まされるうえ、総じて出番がイマイチ少なく、せっかく子供達が出てきてもドラマに少ししか絡めない不遇の人。特殊は自分以外を回復させる「ヒール」だが、回復量が少なくメリットに薄い死に技。 - 白金卿
魔剣ザクロード戦で突然現れて仲間になるキャラ。ガンダムではないが頭部はどことなくガンダムっぽい。名前は「プラチナロード」と読む。特殊は全体攻撃の「ライトニング」。騎士としては安定な性能を誇るためそこそこ安心感があり、前円卓の騎士でもあることから、わりとストーリーではちょいちょい絡み、皇騎士の副官・参謀的ポジションに収まることも多い。 - 風騎士ガンダムマークⅡ→嵐騎士ガンダムマークⅡ
前円卓の騎士・ガンマガンダムの息子。家族の仇であるグレートデキンを憎み、御前試合の前に無謀にもデキンに襲いかかって幽閉される。それだけ聞くと脳筋キャラに見えるが、性格は見た目通り穏やか。戦闘ではその素早さに加え、特殊で使える全体攻撃の「ストーム」が強力。キーパーソンだが、父や兄に比べるとインパクトのあるイベントは少ない。 - 麗騎士レッドウォーリア→麗紅騎士レッドウォーリア
御前試合の最後の相手。キザでナルシストだがストーリー上ではその賢さから頼りになる味方。戦闘では特殊で使える「ブロッサム」により、敵全体にダメージを与えつつ相手を混乱させるなどトリッキー。一見強力に見えるが火力も防御も中途半端で、何をさせるにも今一歩期待に及ばないキャラ。ストーリー的には御前試合以外はさほど目立たない。 - 重戦士ヘビィガンダム→剛騎士ヘビィガンダム
橋の上で道行く猛者に一騎打ちを挑み、自らを鍛えていた戦士。脳筋で、自分をバカ呼ばわりするレッドウォーリアとは犬猿の仲。序盤はその高い攻撃力に助けられるが、後半になるにつれ鈍足と装備の薄さによる火力不足に悩まされる。特殊の「アース」は全体攻撃だが、正直リターンは今ひとつ。ただそのHPの高さ故にみんなのトラウマであるギガブラストを凌ぐことができる数少ない存在。出世こそするが姿が変わらない可哀想なキャラ。 - 灼騎士ガンダムF91→灼熱騎士ガンダムF91
後半の初めに仲間になる騎士。合言葉がおもしろい。初期装備にして専用武器のバーニングソードが強力で、新しく武器を揃える必要がない。しかも後半の仲間なので能力値も総合的に高い。特殊の「ヘルファイヤー」は高火力だが、積極的に使えるほどのものではない。後半加入なのに原作通り出世するうえちゃんと姿も変わる。ヘビィェ……。 - 僧正ガンタンクR
前円卓の騎士の一人。唯一明確にガンダムと呼べないメンバー。前作・大いなる遺産の僧侶ガンタンクを彷彿とさせるが、それとは偉い違いの万能魔導師。攻撃・補助となんでもござれと言わんばかりに魔法が使え、前作の法術士ニューと僧侶ガンタンクを組み合わせたような感じ。ただし防御面はやっぱり頼りない。 - 剣士F90Jr.→騎士F90Jr.、
漫画版の影響で「アンポンタン」と呼ばれることもあるF90の三兄弟息子の1人。兄弟共々反乱軍に入れてもらおうとするが、まだ幼いとしてF91に拒まれる。その後無実の罪で投獄され皇騎士を助けた功が認められ仲間になる。低消費で放てる特殊「三人攻撃」が強力で、その火力は円卓の騎士内でも1、2を争う。単体で見ると貧弱な防御とパッとしない攻撃力に悩まされる。一応素早さは高い。 - 闘士F90Jr.→重戦士F90Jr.
三兄弟の脳筋枠。皇騎士救出時に牢屋をぶち破ろうと鉄格子を殴って手を痛めたり、脱獄計画について聞かれ、隠すつもりが計画を洗いざらい口にしてしまったりと、冴えない。そのせいか兄弟から殴られる可哀想な子。単体では後半加入のわりに性能はサッパリ。戦士にありがちな高HPに反した紙装甲、伸び悩む火力など単体で頑張るメリットはない。 - 僧侶F90Jr.→法術士F90Jr.
三兄弟の中では一番穏やか。悪く言えば空気な子。F91に仲間に加入するのを断られた時、思わず「バカヤロー!」と悪態をついたり、穏やかとは言ってもガキっぽさは否めない。単体では僧正ガンタンクRらと同じ強力な魔法使いであり、特殊の「三人攻撃」をしない時には、兄弟の中で一番やることがハッキリするキャラ。 - 闇騎士ガンダムマークII
ザビロニア帝国の騎士。実はガンマガンダムの息子で、嵐騎士の兄。父を殺したのはキングガンダムだと教えられてブリティス王国を憎み、グレートデキンに忠誠を誓う。なんでそんなわかりやすい嘘を信じたのかは定かではない。ほとんど敵として登場し、ラスト二戦でしか使用することが出来ないので、彼を連れて旅をすることは不可能。しかしその分能力値はキングガンダムと比肩するかそれ以上で、特殊の「ブラックホール」も凶悪な火力である。
仲間キャラクター
仲間にはなるが、最後のダンジョンには連れていけないキャラクター。バグ技やチートを使うことで一応ラスボスに挑ませることは可能だが、正規の方法ではない。円卓の騎士メンバーよりも明らかに強い奴もいる。Lvの上昇はマチマチ。
- 兵士ジムライト
皇騎士が暮らしていた村の門番。「Bボタンを使うと特定の人を仲間に出来る」ということを示すためだけの存在で、仲間にしないと村から出られない。低火力、紙装甲、鈍足、そして特殊は自身に単体攻撃が及ばないようにする「死んだふり」など、良いところがあまりない。最初の仲間であることから愛着自体はそこそこには湧く。 - 戦士リックディアス
皇騎士ガンダムの存在を知り、合流するためやってきた戦士。戦士として素直な性能で、紙装甲だが高火力。特殊の「気合の一撃」も強く、序盤には頼りになる人。仲間にするにはヴァトラスの剣を入手後、リック・ディアスが出現する村で夜を待って、出現したところで勧誘しないといけないため、見逃されることもしばしば。 - 道士ジムトレーナー
ヴァトラスの剣を盗賊カイから取り返し、捕縛してくれる出来る道士。カイを庇う皇騎士の懐の深さに感動して加入してくれる。しかし仲間にするにはヴァトラスの剣事件後、夜にジムトレーナーの元へ向かわないといけないなどやや面倒で、見逃しやすい。戦闘では典型的な補助キャラで、回復や補助には役立つが防御が低すぎて命が安い。 - 盗賊カイ
皇騎士が住んでいた村に巣食う盗賊。ヴァトラスの剣を盗んで売りかけた不逞の輩。皇騎士が慈悲を見せると以降はデレる。戦闘では素早さが高い以外役立たず。だが、1体の敵から何回でもアイテムを盗めるという特徴を利用して、特殊の「盗む」によるレア武器回収役として重宝される。ただ、そのためには彼の加入を後半まで見送る必要がある。
よく話題にされる点
- 選択肢が「うん」「やだ」。
- 薬草を使った時の音がなんだかおならみたい…。
- ヴァトラスの剣を授けよう…… → 「わーいやったー」 → 墓を調べ忘れて山を降りたことに気づき愕然。話終わったときにそのままくれよ。
- みんなのドラウマその1・ザクトパス戦、武器オーダーで最強武器を揃えても難しいという難所。水中なので時間ごとにどんどんHPを削られていき、持久戦になればなるほど苦しくなる。ザクトパスの前の形態であるザクロードはびっくりするほど弱いので余計にギャップがある。
- 「合言葉は?」「ふかやのねぎ!」「よし、入れ」
- 「合言葉は?仕事でも?」「したくねえよな」「よし、入れ」
- 呪術師フォウをつかまえたよ!どうする?「仲間に」「切る」。切るを選ぶと本当に斬り殺してしまう。
- みんなのトラウマその2・ラスボスであるギガサラマンダーが使う最強魔法「ギガブラスト!」。これはチャージこそ長いが、放たれるとHP900以下のキャラを全員死滅させる最強魔法。一応使えば全員に蘇生効果を与える聖杯というアイテムが直前で手に入るのだが、蘇生してもHP1で復活するため苦しく、さらに生き残るであろうHP900位のタフなキャラは、概ね戦士なので順番が回ってくるのが遅い。その時、全体攻撃魔法ライトニングで全員死んでゲームオーバーに、という鬼畜コンボである。そうならないためにも、プレイヤーはチャージ中に全力でギガサラマンダーを攻撃し、ギガブラストがくる、となったら防御して身構えないといけない。
- 最強キャラバーサル騎士鈴木。ただしLv99になるには彼の参入を諦めないといけない。彼の特殊技気合の一撃はかなりのダメージを叩きだす。
- 最強キャラその2、というか真の最強キャラ・ビギナ・ギナ。ラスボス手前で仲間に入るので実質使用する機会はない。レベルアップ調整のためだけのキャラ。しかし彼女の特殊能力は必殺の一撃はこのゲーム最強の技であり、1ターンのチャージ後、ビギナ・ギナが死亡しなければラスボスすら一撃で沈める。
- チートでメンバーフルの状態でラスボス戦に挑むと闇騎士が「メンバーがいっぱいのようですね」といって帰ってしまう。今の威勢はどこへいったのか。
- イベントで特定キャラが立っていた場所をイベント後に調べると関係者のカードダスが落ちていることが多い、中には「こんなもんわかるか!」という場所にアイテムが落ちていることもあるので、少しでも怪しいと思う場所があれば積極的に調べよう。
- タイトル画面で2Pのスタートボタンを押すと、本編中のミニゲームであるバトルルーレットを単発で遊ぶことができる。2人対戦も可能。
関連動画
関連商品
関連項目
- 1
- 0pt