曖昧さ回避
- innocence - innocent(英語)の名詞形。無実、潔白、無邪気、無害などの意味を持つ。innocence(曖昧さ回避)の項も併せてご参照下さい。
- イノセンス(Dグレ) - 漫画「D.Gray-man」に登場する物質。
- テイルズオブイノセンス - バンダイナムコゲームスより発売されたニンテンドーDS用ゲームソフト。
- イノセンス(映画) - 本項にて扱う。
- Innocence(BEMANI) - pop'n music ラピストリアの楽曲。
この項目は、ネタバレ成分を含んでいる可能性があります。 それを留意した上で突き進んでください |
イノセンスとは、2004年3月6日に全国東宝洋画系劇場で公開された押井守監督作品の長編アニメ映画である。
概要
内容的には「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL」(1995)の続編に当たるが、公式のアナウンスとしては別の映画である。これは前作が興行的に振るわなかったことと関係している。(海外版は“GHOST IN THE SHELL2”と正式にクレジットされている)
タイトルを「イノセンス」にしたのは宣伝プロデューサーである鈴木敏夫の意向で、制作現場では普通に「攻殻2」と呼んでいた。[1]
2004年に第25回日本SF大賞を受賞、また第57回カンヌ映画祭にも出展された。
あらすじ
時は2032年、ロクス・ソルス社製の少女型愛玩ガイノイド「Type2052 "ハダリ"」が原因不明の暴走を起こし、所有者を惨殺、その後自壊するという事件が起きた。
被害者の遺族とロクス・ソルス社の間には不自然なほど迅速に示談が成立。しかし被害者の中には政治関係者や元公安関係者が居たため、テロの可能性があるとして、公安9課が担当すべきかどうかの判断を含んだ調査が開始された。
公安9課のバトーは新しいパートナーのトグサと共に事件の捜査へと向かう。
破壊されたハダリの検査に当たった検死官ハラウェイは、ハダリが性的機能を備えた「セクサロイド」であった事、辛うじて残されたメモリから「助けて」という音声データが見つかった事を知らせる。先の示談はスキャンダル封じという見解を持つバトー。そこへロクス・ソルス社の出荷検査部長が惨殺される事件が発生。指定暴力団「紅塵会」組長がハダリに惨殺された件を受け、落とし前としてロクス・ソルス社から紅塵会に売られた事が調査から判明する。
しかしその調査からの帰路、バトーは何者かにゴーストハックされて乱射事件を起こしてしまう。公安9課を陥れようとする意図を察し、バトーとトグサはロクス・ソルス本社がある択捉経済特区へと向かうのだった。
原作コミック「攻殻機動隊」6話「ROBOT RONDO」が骨子となっている。その他のエピソードおよび1.5からも小ネタが加えられている。
補遺
択捉経済特区での場面は圧巻の一言に尽きる。
全体的に背景は3DCGで構成されている。当初は3DCGでモデリングされた「ロケ地」に「カメラ」を持ち込み、その映像を切り出して作品にすると言う、限りなく実写映画の撮影に近い手法で制作するつもりだったが、テストで作られたコンビニエンスストアの映像データの膨大さにその目論見は脆くも崩れ去ってしまった。実際に撮影された時には分割してレンダリングした映像を合成すると言う方法を使い、上記方法に限りなく近い物を作り上げた。ちなみにキャラクターはセル画の為、多少違和感を覚えたと言う人も少なくは無かった、らしい[要出典]
この映画のもうひとつの見所はセリフで使われる言い回し、および引用の多さである。これは誰もが外部記憶装置を持つが故の高速思考、および検索機能による言語表現であり、その元ネタを調べるのもこの一連の作品の楽しみ方のひとつと言える。
劇中、キムの屋敷で流れるオルゴールの曲はあらかじめ巨大オルゴールで演奏・録音したものを、大谷石採石場跡の地下空間で再生・再録音している。不安を煽るメロディが徐々に狂い出すと共に、現実が歪曲してループするさまは圧巻。
今回の話の中心となるガイノイド「ハダリ」の意味はベルシア語で「理想」と言う意味である。
ヴィリエ・ド・リラダンの小説「未来のイヴ」に登場する人造人間の名前で、究極の女性となるべく創造された存在である。
巨大企業「ロクス・ソルス社」の元ネタは、レーモン・ルーセルの小説「ロクス・ソルス」。
ラテン語で「人里離れた場所」を意味し、パリ郊外の大邸宅「ロクス・ソルス荘」にて、マッドサイエンティストが奇怪な発明品を紹介していくという奇書である。
関連動画・生放送
MAD / AMV
関連商品
関連項目
脚注
- 7
- 0pt