バルカンとは、TRPG『ソード・ワールド2.0』に登場する架空種族である。
概要
ソード・ワールド2.0の舞台であるラクシアに、イグニスブレイズにおいて追加のPC用蛮族として登場した、神々ではなく解放の剣イグニスに忠誠を誓う太古の種族である。
雄牛のような角と竜のような翼、赤黒い皮膚を持つそのシルエットは魔神に酷似しており、バルカンを知らない人々にはしばしば魔神と間違えられる。
ただし、PCが使うバルカンには翼がなく、飛行できない。それは、彼らが「咎者」だからである。
バルカンは生まれた瞬間から「イグニスの戦士」となることを宿命づけられ、幼少期からあらゆる鍛錬を受けて育つ。
こうした過酷な鍛錬に耐えられず逃げ出す者は、「イグニスの戦士」に成り得ない者として、容赦なく切り捨てられる。
そうして一流の戦士となったバルカンは「成人」として認めてもらえるのである。どんな軍隊だ
さて、「咎者」についてだが、「咎者」とは一族の裏切り者を抹殺するために選ばれた戦士だが、バルカンには「同族同士で戦ってはならない」という掟があるため、追ってたる「咎者」もまた、掟を破る罪人として一族を追放されてしまい、その印として翼を切り落とされるのだ。すごく理不尽な気がする
また、少数ではあるが翼を生まれつき持たないバルカンもいて、PC用ドレイクやウィークリングと同じく蛮族社会では生きていけないため、人族社会に逃げ出してくることがあるようだ。
なおどうでもいいが、イラストでは男女でかなり性差が明確に描かれている蛮族でもある。男性のバルカンは魔神と見まがうほどの巨体と人間離れした容姿であるが、女性のバルカンは妖艶な美女として描かれている。
(PCとしての)種族の特性
器用度 | 敏捷度 | 筋力 | 生命力 | 知力 | 精神力 |
B+ | B- | Aー | A+ | B+ | B- |
(全「生まれ」の平均+ダイスの期待値が基準。生まれによって±1ランク程度の誤差が発生)
初期の穢れが4点、見た目をごまかせない、初期習得言語に交易共通語がないなど、ダークトロールと似ている要素がかなりあるが、能力の傾向も非常によく似ている。
全体的にダークトロールと比較すると、体の値は劣るが心の値に勝る、といったところ。
それから、知力と精神のダイス個数がダークトロールとは逆でそれぞれ2d、1dとなっている。
能力を見るとずば抜けて高い生命力、高水準の筋力や知力を持ち、非常に強力な種族にみえる。
が、上述したようにダークトロールと同じく、プレイアビリティが著しく低い種族であるので、特殊卓でなければPCとしては選択しにくい種族である。
蛮族が固有に持つ弱点は、水・氷属性ダメージ+3である。
抜かれてもあまり痛くない弱点なので、知力がいらないビルドなら知力の成長は無視しても構わないだろう。
種族特徴は[暗視][炎無効]に[バルカンの宝石]。
[炎無効]は、ドワーフの[剣の加護/炎身]やドラゴンの[○炎無効]と同じ、炎属性のダメージを受けないというもの。
[バルカンの宝石]とは、生まれつき手の甲に「火」と「土」の<妖精使いの宝石>として使える宝石が2個埋まっている、というもので、宝石の「ランク」は「冒険者レベル」と同じになる。
ちなみにこの宝石、どちらがどちらの甲に埋まっているかは任意に選べる。
種族特徴の強化では、これまたダークトロールと同じく新たな種族特徴を得る。
それは[強制召喚]という能力で、一日に一回、HPとMPを10点消費し、主動作で「火」と「土」に対応する属性の「分類:妖精」の魔物を1体召喚し、使役するというもの。妖精は自らの手番の直後に行動する。
召喚する妖精は自らの冒険者レベル以下のものでなくてはならず、召喚するラウンドの移動は制限移動に限られる。
この召喚は、妖精魔法【サモンフェアリー】なども含めて合計で1体しか扱うことは出来ない。
呼び出した妖精は3ラウンドで消滅する。また、それまでにも補助動作で任意に消滅させることが出来る。
冒険者レベル11では、[強制召喚]で消費するHPとMPを20点にすることで、1ラウンドで消えるものの、「冒険者レベル+2」レベルまでの妖精を召喚できるようになる。
長所
長所はなんといってもずば抜けて高いHP、高い水準の器用・筋力・知力だろう。
筋力、HPが高いので《かばう》を取得して盾戦士になることは容易である。
他の種族を凌駕する能力があるため、ここでは同様な能力をもつダークトロールとの差異を記す。
・種族特徴により、ダークトロールより防護点が1点劣るが、こちらは炎無効なので味方のファイアボールやグレネードに巻き込まれない。
・日光によるペナルティがないため、日中でも問題なく活動できる
・ダークトロールには追加種族特徴[限定再生]があり、こちらはプリースト技能が取得不可であるので、自己回復力に劣る。
さまざまな能力が高いため、魔法戦士としての適性も高い。
とくにフェアリーテイマーは、[バルカンの宝石]を有効活用でき、また消費MPが少ないため、あまりMPが多いとは言えないバルカンにはうってつけである。別に契約属性は火と土でなくても良いが、手の甲は寂しそうである。
その場合、戦士系技能はシューター以外何を選んでも良いだろう。
戦闘特技については、《魔力撃》でも《マルチアクション》でも活躍が見込めるため、ご自由に。
マギシューについては、筋力、HPの高さから防護点とHPを用意することが出来るため、二挺拳銃スタイルで乱戦に参加してもよいだろう。初めから《精密射撃》を取らない選択も可能であるほど。その場合は《魔法制御》を目指そう。
それから、魔神みたいな容姿を持つためフレーバーとしてもはまり役な、デーモンルーラーも良い。
何度も言うが防御力が高いので乱戦に参加しやすく、【デモンズクロウ】等で《魔力撃》による高打点のダメージディーラーを担えるだろう。
また、[強制召喚]によりフェアリーテイマーがなくても妖精を使役できるため、コンジャラーでゴーレム、デーモンルーラーで魔神などを召喚し、たくさんの魔物を使役することも可能([強制召喚]の制限は妖精のみ多数不可なので)。
その場合は新戦闘特技《マリオネット》の習得が意味を持つ。
[強制召喚]で召喚した妖精は通常3R分しか戦えないが、 《マリオネット》を使えば実質4R分戦わせることが出来る。
(召喚の効果時間が切れるのは「自分の手番開始時」のため。)
まあ他に効果時間がある召喚は深智魔法の【インスタント・ゴーレム】だけなので、別に無理して《マリオネット》を習得する必要はない。
短所
上述した通りの耐久の高さから、基本的にどんな技能でも活躍できる。
ただしプリースト技能が取れないことにだけは注意。
最大の問題は戦闘以外の要素、ダークトロールでもさんざん言われてきた「穢れ4点」「体格」「見た目」に加え、同族からも罪人扱いと、問題が多々ある。
特に「穢れ4点」が厳しく、一度死ぬと蘇生不可、守りの剣の範囲では10秒に1mしか動けないほどの痛みに襲われるなど、プレイアビリティを著しく損なう原因となっている。
街中に入れない為、スカウト技能の出番が多少減る。
「イグニスブレイズ」にて同時に追加された新アイテム「イグニスの楔」により、穢れを持っていても守りの剣の範囲に痛みを伴わず進入できるようになったが、このアイテムは3時間で消耗するうえ、1個につき30名誉点を必要とする。
「地位」の獲得に名誉点をかなり消費するので、消耗品にあまり名誉点はかけていられないが、どうしても街に入りたい場合には複数買っておくのを忘れずに。
これらの問題点への対処法は、後述する。
バルカン考察
- 住む場所を間違えない事
間違ってもダグニア地方のセフィリア神聖王国の近く(またはそれに近い蛮族や穢れへの拒絶感が極端に強い場所)は選ばない事。 - 人族と会話可能な言語を習得する事
セージを習得して交易共通語や地方語を覚えるのが基本だが、会話だけでも構わないのでバードでも解決できる。また、他の技能で魔動機文明語や魔法文明語などを自動習得しても構わない。会話(または筆談)が可能である事、PT仲間とコミュニケーションを取れる事が最優先である。 - 街の近くで、かつ、人のあまり入ってこない居住スペースを確保する
レンジャー技能をとって、居住スペースを隠蔽したり狩りをしてある程度の自給自足を確保できるとベター。 - 他の蛮族PC以上に地位の獲得を優先する
「仲間」ではほとんどどうにもならないので、「例外的存在」&「名誉人族」の獲得を最優先とする。これが獲得できたならば、そのコミュニティに対し裏切り行為を働かない限り『住む』事だけなら可能になる。 - 相手を警戒させないように、出来る限り顔を隠す
(身長約3mの時点で無駄な努力かもしれないが)一目で蛮族とわかる顔でおびえさせる事は控えよう。「着ぐるみリルドラケン」を身につけたり、フロウライトのように仮面を被ることである程度は初対面の印象を緩和する事ができるかもしれない。……と思ったが、ダークトロールとは違い角がどうやっても隠せない。ドレイクとは比べ物にならないほど立派な角を持つため、これは「ラミアの首飾り」ぐらいでしかどうにかしようがないだろう。一応女性のバルカンなら男性ほど人族離れはしていないため、かなりマシかもしれない。最も角と翼を隠すのはどっちみち難しいので気休め程度だが…… - PTの仲間に認めてもらうための誠実さが最も大切
PC用バルカンは「咎人」であるので、バルカン族でも優秀な戦士である。
なので、誇り高き戦士ロールなどをすれば良いのではなかろうか。
勿論、例によって変態or変人ロールもアリだが......
これだけやれば、ダートロと違い日中でも活動に制限を受けないこともあり、かなりプレイアビリティの劣悪さは改善されるだろう。
元から腰が曲がったような姿なので、おそらく洞窟などで腰を曲げながら進む必要はないと思われる。
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