ヒュッケバイン問題とは、『スーパーロボット大戦』シリーズに登場する機体、「ヒュッケバイン」にまつわる各種の問題、具体的には2006年以降、各種メディアからヒュッケバインの姿が消えたことをいう。
概要
ヒュッケバインの初出は、『第4次スーパーロボット大戦』である。リアル系主人公パイロットの乗るオリジナル機体として、カトキハジメによりデザインされた。その後も『αシリーズ』や『OGシリーズ』においてバンプレストオリジナルの機体として登場し、後継機なども設定されていた。
初めてこの問題が表沙汰になったのは2006年末である。当時放映中であった『スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ』にヒュッケバインシリーズの姿が一切登場しなかったことから、様々な憶測を呼んだ。当時『OG』のリメイクとして開発されていた『スーパーロボット大戦OGS』が「諸般の事情」により発売延期になったことも、憶測に拍車を掛けている。また、それと前後してそれまで発売されていたヒュッケバインシリーズの模型が全て絶版になる、という事態も起こっている。
なお、『OGS』は2007年6月に無事発売され、ヒュッケバインもリメイク前のOGと変わらない役どころで登場している。発売直前にスパログで謎の縦読みによりヒュッケバインの登場が示唆されている。以下は該当する記事からの引用。
ひゃ~、気が付けばまた月日は流れ、
ゆだんすると書き込みも滞っていけませんね・・・。
つい先日、新CM(その1)『武神装攻篇』が公開になりました!
けっこう味のあるCMに仕上がっているかと思いますが、いかがでしょうか?
ハデな戦闘シーンに熱く渋い声!出来あがりを見たら、思わずニヤっとしてしまいました。
まずはTVに加え、PMCの方でも公開しましたので、
すでにご覧になって頂いた方も多いかと思います。
(※太字は本記事作成者による強調 原文は強調なし)
本家ゲームの方にヒュッケバインが登場したことで、この問題は解決した、と思われていたが、事態はまだ終わっていなかった。設定資料集などの紙媒体には相変わらずヒュッケバインの名前と姿は登場せず、形式番号だけの表示に留められている。攻略本での画像も、他のキャラクターが手書きの絵を使っているのにもかかわらず、ヒュッケバインだけゲーム中のドット絵の画像を使っているなどしている。
この問題は2010年代を通じて燻っており、放映中のアニメ『ジ・インスペクター』では、ブリットの乗っている機体がゲーム中のヒュッケバインmkⅡから量産型ビルトシュバインに差し替えられたり、ヒュッケバインmkⅢの開発が中止になり、ヒュッケバインEX=エクスバインという別の機体が開発されている、という設定(後述)が加えられたりなどしている。
バンプレスト側からの公式発表が無いままゲームブランドの消滅により、原因についてはファンによる様々な説が唱えられている。『ガンダムシリーズとあまりにデザインが似ているため、ガンダムの権利者から差し止めが入った』という説が多くの人に推測されているが、当然ながらこれが本当の理由かどうかは不明。現実でのヒュッケバインのことを、ゲーム中の設定である「起動試験で消滅し、抹消された機体」になぞらえ、「リアルバニシング・トルーパー」という人もいる。
その他の問題
ヒュッケバイン問題によって、派生的にその他のスパロボOGの設定・内容にも問題が発生している。
- 代替機の問題
ゲーム版でヒュッケバインmkⅡのパイロットとして扱われていたブルックリン・ラックフィールドは、『ディバイン・ウォーズ』では代替機として量産型ゲシュペンストmkⅡに搭乗していた。『ジ・インスペクター』では新たにデザインされた「量産型ビルトシュバイン」という機体が与えられている。量産型ビルトシュバインのカラーリング・デザインなどは、ゲーム版の量産型ヒュッケバインに近く、チャクラム・シューターも搭載されている。
また、ヒュッケバインmkⅢL、及びAMガンナーのパイロットとして扱われているリョウト・ヒカワとリオ・メイロン、ヒュッケバイン(初代)のパイロットであるリン・マオに代替機が与えられておらず、ゲーム・アニメ共に今後のストーリー上の活躍が危ぶまれていたが、『ジ・インスペクター』では「それまでのヒュッケバインと顔を変えた」ヒュッケバインEX(→エクスバイン)が開発されているとされ、第8話の戦闘において登場した。
エクスバインはカトキハジメにより新たにデザインされ、ツインアイの上からバイザーを掛けたようなメインカメラと、V字アンテナの無い頭部形状、が特徴。機体細部のデザインもヒュッケバインとは異なっている。エクスバインの登場の仕方・位置づけはゲーム版におけるヒュッケバインmkⅢとほぼ同じで、同時にボクサーパーツを接続した「エクスバインボクサー」の形態も披露された。また、ボクサー状態でAMガンナーを接続しそのままフルインパクトキャノンを撃つという新たな戦い方も見せた。
なお、『ジ・インスペクター』ではリン・マオがパイロットとなる描写はなかったため問題にはならなかったが、今後のゲームにおいて彼女に代替機が用意されるかどうかは不明。
同様に、OG2での初期機体がヒュッケバインMkⅢTであるレーツェル・ファインシュメッカーにもアニメ版では代替機が必要とされ、用意された機体は「ガーバインmkⅢトロンベ」であった。これはその名の通り、ガーリオンのパーツを装備したヒュッケバインmkⅢである。ソニック・ブレイカーの代わりに、ヒュッケバインシリーズ特有の重力操作であるGテリトリーを利用した体当たりを使うことが出来る。 なお、レーツェルは後にアウセンザイターに乗り換えている為、今後発売されるゲームの続編やアニメなどでこの件が問題となることはないと思われる。 創○ヴィガジ「ガーバインだと・・・!?偽装したところで俺の目は誤魔化せんぞ!」 - 類似した問題(デュラクシール)
『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神』において、デュラクシールのデザインが顔面を中心に変更されている。初登場の『スーパーロボット大戦EX』においてデュラクシールはガンダムを参考に作られたという設定があり、ヒュッケバイン問題との類似性・関連を伺わせているが、そもそもOGシリーズにガンダムはいないというのも大きく影響していると思われる。そのためOGシリーズにおけるデュラクシールはヒュッケバインのデータを参考に開発したという設定に変更されている。設定上ならOG世界のマサキもガンダムと共演した事があるが、それは大人の事情で内緒の話である。
そして・・・第2次OGでは・・・(ネタバレ注意)
謎のロボット・『コード”エビル”』によりMk-I、Mk-II、Mk-III全てが破壊されてしまう。
全てが破壊されてしまう。
そう、全てである。
復活イベントも何も無し。第2次OGで遂にヒュッケバインたちは全てバニシングしてしまうのである。
この惨状に多くのヒュッケバインファンは阿鼻叫喚し血涙を流した。
また、没データでは各種ヒュッケバインの戦闘アニメが用意されていることが明らかとなっており、
この問題の影響が濃厚だと言わざるを得ない状況となっている。
加えて、時を同じくしてコトブキヤで展開していたヒュッケバインのプラキットシリーズが生産休止(後述のバンダイ版のリリースからして、実質的な廃止?)現在はこれらは中古市場でプレミア価格が付いている。
が、前情報のとおりヒュッケバインの系列機であるエクスバインことアッシュはちゃんと登場し、
さらに後半ではトロニウムエンジンとブラックホールエンジンを組み合わせるという、ヒュッケバインの力を受け継いだ後継機・エグゼクスバイン(おそらくNGとされたであろうツインアイは、SRXのようにバンプレストのロゴになっている)が登場する他(後年プラキット化)、会話にてちらりとMk-II試作3号機の存在が触れられている。
ちなみに執行者である『コード“エビル”』ことガリルナガンも明らかにヒュッケバインをベースに作成されているのは何の因果であろうか。
しかし、一時は無かったこと扱い的な抹消すら囁かれていたヒュッケバインシリーズはイベント込みで後継機と共にバニシングとは真逆の「あったこと」としてその存在を確かな物とし、量産型ヒュッケバインMk-IIもまた主力機として多数登場し続けているなど、長らく止まっていた系譜が再び進み始めることになったのは幸いな結果であったと言えよう。
え、リョウトとリオの機体?AMガンナーの扱い?それは・・・まぁ・・・次に期待で。
余ったグルンガスト参式に乗せてみるという手もあるし。
そして2016年6月発売のムーンデュエラーズ(OGMD)では新たに2機のエクスバインが登場し、Rにリョウト、Lにリオがパイロットとして搭乗している。また、魔装機神F後の時間軸ということでガリルナガンも味方機として登場している。これはこの問題について何か明るい方向の進展があったのだろうか?
ところが
その後、「ヒュッケバイン」としての再登場を絶望していたファンもいた中、事態は誰も想像しえない方向に展開する。
2017年2月23日発売が告知された「スーパーロボット大戦V」。
そのPV1にて、25周年を記念し特別に、スパロボオリジナルの代表格となる「グルンガスト」と「ヒュッケバイン」が参戦することが明かされた。
そう。
「ヒュッケバイン」が参戦する。
まさかの版権スパロボシリーズ再出演に歓喜したファンも多い。
Vでは旧作をリスペクトしながら一新した設定となり、パイロットも新たに設定されている。
なお、初回特典を購入すると「ヒュッケバイン」は「グルンガスト」と共に本来より早いタイミングでの加入が可能となる。ぜひヒュッケバインファンは初回特典を購入し、存分に活躍させてあげよう。
また、この参戦に合わせ、ソーシャルゲーム「スーパーロボット大戦X-Ω」にもヒュッケバインが登場。こちらはV版と設定がつながっており、用意されているユニットシナリオもVの前日談である。
そして、2021年10月スパロボ30周年記念作品である「スーパーロボット大戦30」において最新の設定で「ヒュッケバイン30」が登場。初期の30は仮面を被っているが後継機である30thはOG版カラーを纏ったRTX-008そのままの姿と設定でのヒュッケバインである。立体物としても同作品の限定同梱版として「メタルロボット魂」にて登場している。
2023年3月にはバンダイスピリッツから1/144HGOG「ヒュッケバインMk-Ⅱ」がリリース。既に複数バリエーションの企画もあり、21世紀初頭からすれば、隔世の感がある。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 第4次スーパーロボット大戦
- スーパーロボット大戦α
- スーパーロボット大戦OG
- スーパーロボット大戦V / スーパーロボット大戦X-Ω
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- ヒュッケバイン
- 凶鳥は三度死ぬ
- LOST CHILDREN
- 黒歴史
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