塩害魔王[えんがいまおう]とは、基本的には南海電気鉄道7000系通勤形電車のことである。鉄道ファン、南海ファン(および南海関係者)からは単に「魔王」「魔王様」とも。
概要
海沿いを走る南海本線(以下「本線」と略す)ではあるが、1963年から普通鋼製である7000系が導入された。本系式の前年には高野線に、床下機器などの基本設計が同一であるオールステンレス車体の6000系電車(後述)が導入されていたが、なぜ普通鋼製で製造され、海風を浴びて走る区間もある本線に配属されたのかというと、当時の本線は高野線以上に踏切の数が多く、事故復旧時の修繕が楽になるように…と、鋼製で製造された。この結果がどうなったのか…
やっぱり塩害による錆(に起因する揉め事、不具合)が非常に多くなったのである。さらに、海の上を走る空港線が開通し、空港急行の運用にも容赦なく入れられたため、なおさらである。
更に、客用扉は片開きの1枚ドアである。これも同系列の陳腐さ加減を、なおのこと引き立たせる味わいとなっている(2010年代現在、地方私鉄の通勤電車にまで両開き2枚ドアの車両が幅を利かせつつある現在、大手私鉄の通勤用車両で後生大事に片開き扉の車両を、本線級線区のしかも第一線で使い続けているのは、同僚の6000系電車の他に、京急電鉄800形電車くらいしか見当たらない)。
このため、いつのころから口の利き方やキーボード遣いの悪い鉄道ファン・南海ファンから「塩害魔王」と、ある意味親しみを込めて呼ばれるようになった。
ちなみに、高野線を走る6000系電車もほぼ同一の車体形状(上述のとおり、外見上はステンレスかCI塗装かくらいしか違いが無く、更にオールステンレス構造、処分された7000系からまだまだ使える走り装置・ドア機器・保安装置などを奪取する、果ては派手な事故に遭遇していないなど、持ち前の悪運を限り無く発揮しているため、2015年現在、1両も退役車両が出ていない)をしているため「魔王モドキ」「ステンレス魔王」「魔王の兄」などと、やっぱり口の悪い鉄道ファンから言われたりしている。
余談であるが、本家「魔王」である当形式は、2007年度より少しずつではあるが廃車、処分が始められている。この部分の編集者は魔王様の「形見」である発声装置である警笛を某年の「南海電車まつり」で入手し、大切に保管しております。
2013年で登場から50周年を迎えたことを記念して南海電鉄オリジナルグッズとして登場時仕様ではあるが鉄道コレクションとしてめでたく模型化された。
しかし対応の動力がトミーテックオリジナルの東武6050系用だったため発売後すぐに再発注をかけている。
編成構成 ←なんば・加太 関西空港・多奈川・和歌山市・和歌山港→
4連 Mc(モハ7001奇数車) P2台(PT48)及び制御器装備+T(サハ7801奇数車)+T(サハ7801偶数車) CP(C-1000)装備+Mc(モハ7001偶数車) SIV及びCP(C-1000)装備
2連 Mc(7000奇数車) P1台(PT48)及び制御器、CP(C-1000)装備+Tc(クハ7901) MG装備
特急サザンの自由席車として運転される時は、4連の和歌山方に10000系が併結され、8両編成として運転される。
2015年、南海創業130周年企画の発表と同時にこの年の秋をもって新型車両8300系と入れ替わる形で7000系全編成の引退が発表された。
発表時に残っていた編成の中から4連口の7037Fが登場当時の緑色をまとい千代田工場を出場した。
登場当時の復刻塗装をまとった特急サザンの座席指定車に使用されている10000系の中から最も登場時に近い10004Fと手を携え最期の時へ走り続けている。
さらに創業130周年企画の一環で鉄道コレクションが再び発売されたが今回は冷房化改造後の緑塗装と現行南海色の2パターンが発売された。
関連動画
実際に起こした事故(?)
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 3
- 0pt