南海電気鉄道[なんかいでんきてつどう]とは、大阪・ミナミのターミナル・難波から和歌山・高野山・関西空港などを結ぶ路線を保有する鉄道会社である。通称「南海」「南海電鉄」。
概要
大阪市内の難波駅(以下、対外表記の「なんば」駅)をターミナルとし、和歌山県北部、関西国際空港、高野山、泉北高速鉄道経由で泉北ニュータウン、南海フェリーに連絡して徳島を結んでいる。主に競合路線であるJR阪和線のダイヤ異常時の振り替え輸送を担っている。
大手私鉄16社の1つであり、日本最古の純民間資本私鉄でもある。
路線図に記された駅ナンバリングの符号は、当社線各駅が NK 、乗り入れ先の泉北高速線は SB 。
スルッとKANSAI・全国山岳鉄道‰会加盟社。
営業路線
南海電鉄では、1990年代頃から「支線」と呼ばれる路線が無くなっている。
- 南海本線(南海線)
- 空港線(泉佐野駅 - りんくうタウン駅 - 関西空港駅)
- 高野線
なお、高野線は途中の中百舌鳥駅以北、なんば駅まで「泉北高速鉄道」の車両が乗り入れる。
なんば駅~橋本駅には「りんかんサンライン」という愛称があったような気がするが(゚ε゚)キニシナイ!!
優等列車
- ラピート(南海本線・空港線:なんば~関西空港)
- 「鉄人28号」こと、なんばと関空を結ぶ特急列車で、名実共に「南海の顔」である。
空港輸送という点ではJRの「はるか」に比べて圧倒的に不利な状況であり、一時は乗車率が可哀想な事になっていたが、近年では関空会社がLCCの受け入れに積極的なため、前の座席をグルっと回して4人席の1名占領なんてもうできないくらい乗客が復調傾向にある。どちらかというと難波~泉佐野以北でのビジネス特急に徹してる感が否めない。 一部座席のモケットはヒョウ柄である。 - サザン(南海本線:なんば~和歌山市・和歌山港)
- なんば~和歌山を結ぶビジネス特急。
車両は10000系(先代の特急「四国号」に使われた1000系の機器を一部流用)と12000系(2011年デビュー)が使用されているが、いずれも特急車両の座席指定車と普通車両(10000系の相方には塩害魔王7000&7100系、12000系の相方には8000系)の自由席車を併結させて走る珍しい特急(他社で同様の運転形態を取る例に、名鉄特急がある)であり、快適性、込み具合共に、自由席車との格差が非常に激しい。
珍しく喫煙車両も存在し、特にラッシュ時の車内では煙が充満する。また禁煙車からトイレに行くときはこの喫煙車両を通り抜けなければならないためアンチ煙草派の人にとっては苦痛である。 2011年9月の12000系(サザンプレミアム)導入より、晴れて全車禁煙となりました! - こうや・りんかん(高野線:なんば~極楽橋、りんかんはなんば~橋本)
- なんばと高野山を結ぶ観光特急で、ラピート登場前の南海の顔。別名「南海の女王」とも。通常は4両運転が基本。後述のりんかんと併結して8両で走る(橋本で分割併合を行う)便もあったが、2015年12月の「泉北ライナー」運転開始と同時になくなった。 なお、冬季の閑散期には車両点検(定期検査)の都合により、運休となる列車がある。
「りんかん」は冬期運休対策と、橋本以北高野線のビジネス特急系統として1992年にデビューした。それ以前も1985年から同様の形態での運行がされていた特急があり、通称「H特急」と言われていた。
以前は高野線特急車では唯一の20m級車両である「11000系」をメインに使用し、平日ラッシュ時の列車は8両運転が基本であったが、2015年12月から11000系が「泉北ライナー」専用編成となってからは「りんかん」も30000・31000系での運転が基本となり、11000系は冬季(概ね1月上旬から2月末頃の間)の検査時にしか「りんかん」運用に入らなくなった(この時期に限り「泉北ライナー」はサザンプレミアム用の12000系が運用に入る)。朝上り1本のみ8両運転、他は4両で運転される。知名度的には私鉄特急の中でもトップクラスの地味さではないだろうか。
また、高野線の特急車両には1本も予備がないため、定期検査のたびに運休が発生する。突発的な車両故障などが発生した際には即、運休につながる。その場合、一般車両による全車自由席の特急が走ることもある。
観光列車
- 天空(高野線:橋本~極楽橋)
- 南海2208系(展望車・指定席)2両と南海2300系または南海2000系(自由席)2両を併結して運行している。
2208系の車両検査時には、残念ながら運休となる。指定席券は事前の電話予約のみ。その他の予約方法は2013年末現在設定がない。乗車当日に受け取りとなる。
沿線風景
大阪ミナミの繁華街、堂々とそびえるなんば駅から出た電車は、通天閣やスーパー玉出を望み、ドヤ街の真横や直上、下町、商店街、路地裏、山の手、フツーの住宅街、ドブ川、絵に描いたようなニュータウン、海を渡って空港の中、海岸沿い、峠をトンネルでパス、潮の香りがする港、巨大古墳のすぐ横、急曲線と急勾配を軋ませながらいくつものトンネルをくぐり、清流をまたいで山奥を目指し、いよいよ地形的に行き止まりとなった場所でケーブルカーに乗り継いで行った先は、世界遺産の山上宗教都市…と、まぁ何でもござれなフリーダムであり、沿線風景はヒジョーに多様である。ついでに高野山駅前からは、一般車通行禁止のバス専用道(南海りんかんバスの私道)があるオマケつき。もういいよお腹いっぱいだよ!私鉄1社の車窓風景としては満漢全席級コース。
大手私鉄では珍しく、地下駅施設が全く無い(南海線・高野線ともにトンネル区間はある)。これは大手でも南海と、西日本鉄道(地下駅もトンネルもない)だけである。なお、南海の名誉のために申し述べておくが、東武鉄道の押上駅(地下)は、東京メトロ半蔵門線との相互乗り入れによって生じた「副産物」的な駅および区間であり、駅の管理者は東京メトロである。
運賃
関西大手私鉄他社と異なり、近鉄と同じく田舎…以上の急傾斜山間部も走るため近郊型の運賃設定となっており、やや高めの設定。
中百舌鳥駅を挟んで高野線 - 泉北高速鉄道を乗り通す場合は、初乗り運賃が2社分徴収されるが、乗継割引は100円であるため、運賃設定は南海電鉄のみを乗車した場合と大差ない。
かつては初乗り運賃も2社分徴収され乗継割引も20円と少ないため、中百舌鳥駅を挟んだ近距離運賃はかなり高いものとなってしまっていた(ただし、泉北高速線は駅間距離が長い【中百舌鳥ー深井間は3.7kmある】ので、他社局と比較してもとりわけ高額な設定というわけではない)。そのため、泉北線内から新今宮駅(≒地下鉄動物園前駅)・なんば両駅以北の大阪市営地下鉄各駅が最寄りの場所へ向かう場合は、経由地・時間や運行回数が若干不利ながらも、中百舌鳥駅→なかもず駅へのパターン化された逸走も見られた。というか、大阪市営地下鉄は初乗りが割高である反面、遠距離になればなるほど低廉となる地下鉄形運賃体系を取っていることにもよる。それを居住時に刷り込まれる。覚えてしまう。逆もまた然り。
阪急・阪神・京阪、それから北大阪急行などに慣れてしまった人は、駅の運賃表を見上げて唖然とする…かもしれない。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 泉北高速鉄道
- 南海フェリー (同社100%出資の子会社。)
- 南海バスグループ (同社100%出資の子会社。)
- 和歌山バスグループ (同社傘下の子会社。立場的には南海バスグループの片割れのようなもの。
南海電鉄が経営していた路面電車の「和歌山軌道線」の廃止代替バスとしての側面も持つ。) - 関西空港交通 (同社と航空会社3社が共同出資して誕生した高速バス会社。関空と関西の主要都市を結ぶ。)
- 阪和線
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- 駅名一覧
- 南海ホークス
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