宝島とは、
- ロバート・ルイス・スチーブンソン著の子供向け海洋冒険小説の邦題。
- 上記を原作にした、日本テレビ系列で1978年に放映されたアニメ、及びその主題歌。
- THE SQUARE(現T-SQUARE)の手による楽曲。
- 鹿児島県・トカラ列島最南の有人島。
- 第160回直木賞を受賞した真藤順丈の小説。
- 関東地方で出店している焼肉チェーン店。→焼肉宝島
である。
1. 宝島(Treasure Island 海洋冒険小説) の概要
1881年~82年にかけて子供向け雑誌『Young Folks』誌上にて連載されていた作品で、83年に一冊の本にまとめられて出版された。原題は“The Sea Cook, or Treasure Island”。
ベンボー亭の宿泊客ビリー・ボーンズの遺品の中に、宿屋の一人息子であるジム・ホーキンスは古ぼけた一枚の地図をみつける。それは大海賊フリントがその生涯において集めた宝の隠し場所を示したものであった。
ジムは知り合いの医者のリブシー先生と有力者のトレローニの力を借り、遠眼鏡屋の主人であるジョン・シルバーの手配により船をしたて、宝探しの旅に出る。
だがシルバーはフリントの宝を狙う海賊の首領で、彼が選んだ船の乗組員には部下である海賊たちが多数まぎれていたのであった。
2. 宝島(TVアニメ) の概要
スチーブンスの古典を大胆にアレンジした、演出(監督):出崎統、作画:杉野昭夫の黄金コンビの手によるアニメ。児童向け作品の範疇にとどまらず、重厚な大人のドラマを展開しているのが特徴。
とくにジョン・シルバーは、コミカルな味を持つ原作のキャラクターを大きく飛び越え、主人公のジムをはじめ劇中の男たちが憧れその背中を追っていく「男の中の男」として描かれ、声を演じた若山弦蔵の魅力も相まって、今なお多数のファンが存在する。
町田義人が高らかに歌い上げる主題歌である「宝島」は、アニメージュが主宰した第一回アニメグランプリ・アニメソング部門の5位に入賞した名曲で、小学生向けの音楽教科書に掲載されていたこともある。
3. 宝島(曲:TAKARAJIMA, Takarajimaとも) の概要
1986年にリリースされたTHE SQUAREのアルバム、S・P・O・R・T・Sに収録されている曲であり、和泉宏隆(key:当時)によって作曲された。
リリコン(厳密にはTakecon-1。現在ではEWIが使われることが多い。)によるメロディと、テクニカルなピアノソロが印象的な優しいナンバーである。
その後、真島俊夫の手によって吹奏楽アレンジがなされ1987年版のニュー・サウンズ・イン・ブラスに収録され、楽譜が発売された事により吹奏楽ファンの間で定番曲になる。
吹奏楽版ではサンバを思わせるような賑やかなアレンジとなっており、同じく真島によって吹奏楽にアレンジされたOMENS OF LOVEと同様に原曲のリリースから20年以上経ってなお、日本各地の演奏会で演奏され続けるロングヒット曲となった。
現在でもT-SQUAREの演奏会でも度々演奏されており、作曲者である和泉自身もT-SQUARE脱退後のソロライブなどで披露することが多い。
なお、ニコニコ動画上では原曲ファンと吹奏楽版ファンが対立するケースがしばしばあるが、作曲者の和泉自身は、ブログやCDのライナーノートを見る限りでは、真島による吹奏楽アレンジを「素晴らしい編曲」と好意的に評価している。
4. トカラの宝島 の概要
鹿児島県鹿児島郡十島村に属する。空港はなく鹿児島・奄美大島間でトカラ各島を結ぶ「フェリーとしま」が島外との主な交通手段。
温泉がある。トカラハブという毒蛇が生息しており、毒性はハブより弱いがそのため血清が開発されていない。
慶長14年(1609年)の薩摩の琉球侵攻までは日本最南の有人島だった。文政7年(1824年)にイギリス人が牛の強奪を試みたため争いとなり藩の役人がイギリス人一人を射殺する事件が起こり、異国船打払令のきっかけとなった。
5. 宝島(HERO's ISLAND 真藤順丈の小説)の概要
第160回直木賞及び第9回山田風太郎賞を受賞した真藤順丈の小説。1952年から1972年までの沖縄、つまり米軍統治下から日本返還後までを描いている。
「戦果アギヤー」という、米軍基地から物品を盗み出す活動をしていたグスクとレイ、そしてヤマコの3人を中心に描いた群像劇。レイの兄でヤマコの恋人のオンちゃんは、戦果アギヤーの功績から島の英雄とされていたが、とある事件により行方不明となってしまう。その真相を追うというのが大きなストーリーである。同時に米軍統治下における沖縄の動乱の様子が描かれており、又吉世喜や屋良朝苗、瀬長亀次郎といった実在の人物たちと主人公たちが関わる場面もある。
また本作の特徴として、小説中に琉球語のルビが振られている箇所が頻繁登場するということがある。例えば、小説の一番初めのページで「さとうきび」と書かれている部分に「ウージ」というルビが振られている。これ以降も同じようなルビが続き、小説を読んでいるだけで、自然と沖縄の息遣いに親しみを持てるようになっている。
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