KAITO(カイト)とは、クリプトン・フューチャー・メディアのバーチャルシンガー、音声合成ソフトウェアである。
※生主についてはkaito(生放送主)、絵師についてはKaito(BEMANIの絵師)を参照。
概要
クリプトン社のバーチャルシンガー。ピアプロキャラクターズに分類される。
初音ミクや鏡音リン・レンの先輩分・兄貴的存在になぞらえてファンから「兄さん」と呼ばれる。年齢設定はないが、MEIKOや巡音ルカと共に大人組・年長組として扱われることが多い。
オリジナルボイスは歌手である風雅なおと氏。声質は伸びやかで清涼感が有り、歌謡曲全般、童謡等を得意とするとされている(クリプトン社のKAITO製品詳細ページより)。
バーチャルシンガーソフトウェア
- KAITO(V1)
- 初代VOCALOIDエンジンに対応したソフトで、MEIKOの次の日本語シンガーとして2006年2月17日に発売。名前は一般公募で決定され、shu-tPが名付け親になった。松武秀樹の「あの素晴らしい愛をもう一度」にて、まだ発売される以前のものがMEIKOと共に使用されていたことが確認されている(エンジンはVer1.0かプロトタイプ)。
- KAITO V3
- VOCALOID3エンジンに対応したソフトで、2013年2月15日に発売。
クリプトン社のソフト一つを購入するだけで音楽制作が可能となる「総合パッケージ化」構想を実現した製品であり、クリプトン社の独自ボーカルエディタ「piapro Studio」やPreSouns社のDAW・PreSonus Studio Oneが付属する。 - ピアプロキャラクターズ・スーパーパック (KAITO SP)
- 初音ミク、鏡音リン・レン、巡音ルカ、MEIKO、KAITOの6名合同ソフト。V3・V4のOriginal相当の音源をチューンナップしたもの。「SP」とも略される。
2024年8月1日に「初音ミク NT Ver.2」「初音ミク V6 AI」と同時発表され、同年8月30日に発売。佐々木渉(wat)いわく、某ゲーム(プロセカと思われる)などで6名で歌う機会が増えていることもあって思い至ったという。過去作とのクロスシンセシスも想定されている。
クリプトン社の今後の展開として、初音ミクで先に行ったことを“横”に広げていくという。NT Ver.2とV6でAIを採用しており、「AIによる自然な調声の利便性」「音質の向上」「キャラクターの“らしさ”は守りたい」といった課題を挙げている。
ニコニコ動画におけるKAITO
ニコニコ動画でVOCALOIDの動画が上がってきた当初は、初音ミクが出た直後とあって、初音ミクは言わずもがな、MEIKOよりも動画数は少なかった。しかし、鏡音リン・レンが出た直後から様々な投稿者による多彩なアプローチによってKAITOが再評価され、飛躍的に動画数が増えた。
バカイト、卑怯、女声化(KaiKo)等、曲やマスターによって様々な顔を持ち、特にネタ曲が多く見られるそのさまは、「KAITO」「芸の幅に定評のあるKAITO」といったタグからも窺える。
一方でガチ曲も多く見られ、ガチ・ネタともに可能性を広げている。
また、ラジオネタではVOCALOID中で最も起用されており、声音を変えただけでもそれなりに喋りが聞き分けられる為、一作品に複数のKAITOが登場する事も少なくない。
前述のようにマスターによって声音の調整は様々で、音ネタとしては高音から低音まで幅広く調節された音声が利用されている。中には声としてではなく、完全に楽器として使用されている場合もある。
また、高音の女声として調整されたKAITO動画に対してはKaiKoタグが付き、亜種的な扱いを受ける場合もある。
なお、ネタ曲には前述のタグの他、「KAITO迷曲リンク」「バカイト」「アイスべきバカイト」等のタグが、ガチ曲には「KAITO名曲リンク」「KAITOの本気」等のタグがつけられることが多い。
他のピアプロキャラクターズとのカップリング設定がされた動画(一般にデュエット曲で音源として2種使用しているのみのものは含まない)もあり、初音ミクとのカップリングではカイミク、MEIKOとのカップリングではカイメイ、年長組等のタグが付けられる場合が多い。 ただし、年長組タグはカップリング設定ではなく、デュエットの場合にも付けられている。
KAITOが何らかの形で使われた動画は曲よりもキャラクターを重視した、いわゆる追っかけのようなコメントが大きくなりがちで、良くも悪くもコメントがライブのお祭り騒ぎのようになりがちである。その様は壮観で一見の価値ありだが、それらのコメントは場所をわきまえ作者や曲や動画の雰囲気を尊重して、悪ふざけと萌えの許される同じくキャラクターを重視したネタ動画でのみ盛り上がるのが正しい姿勢であるとも言える。
アイス
KAITOの二次設定の中で、もっともメジャーなものが「アイス好き」である。ハーゲンダッツがお気に入りの場合が多い。
KAITO=アイスは初音ミク=ネギと同様、商品展開でも取り入れられることが多い。
動画「初音ミクのお願い。」への回答として投下された動画「初音ミクへの回答」内で、KAITOが童謡「アイスクリームの歌」を歌ったことが発端であり、KAITO再評価のきっかけともなった。
売上
KAITOは初音ミク以後・以前で最も扱いが変わったキャラである。
当初のKAITOの発売本数は総計500本。クリプトンからも「失敗」とみなされる日陰の存在であった。しかし、初音ミクブームに伴っての知名度の向上および上記のような使われ方から人気が高まり、ニコニコ市場を通して購入者が増え始めた。
参考までにニコニコ市場での売り上げ推移を辿っていく。
2007年の鼻毛カッターとの激しい売り上げ争いから頭一つ抜け出し、2008年に入ってからは一月当たり100本を超えるペースで売れ続け、2008年6月18日にはニコニコ市場のみでの売り上げが、当初の総売り上げ数の2倍の1,000本を超えた。
また、2008年1月以降のクリプトン社発売製品内における月間トップセラーランキングにおいて、ベスト3圏内を維持している(直近発表の2008年9月では3位)。なお、売り上げの大部分はニコニコ市場からの購入者であるとクリプトン社から発表されたことがある。
こうした売り上げと人気の急上昇を自虐的にネタにした「何で 伸びた ぼくの 売り上げ」も人気楽曲である。
2008年ニコニコ市場年間売上ランキングにおいて堂々の2位を獲得(現在公式のランキング動画は非表示になっている。詳しくはこちら等を参照)。
様々な経緯を経て、一定層の固定客を掴み、ねんどろいどに於いては卑怯なほどニコヤカな笑顔を振りまき、男キャラの分際で再販という異例を獲得した上に、瞬時に完売してしまった。
デザイン・容姿
顔
元のイメージ絵は爽やかなお兄さんといった感じであるが、イメージ絵に合うようなシリアスなものからネタ感たっぷりなコミカル・パロディタッチなものまで、多種多様なKAITOがサムネを彩っている。「初音ミク-Project Diva-」に登場することになったが、公表された3Dモデル(モジュール)はパッケージイラストに準じてツリ目となっている。
靴
KAITOの靴はパッケージイラストではロゴで隠れている為確認することができない。
しかし、目立たないがクリプトン・フューチャー・メディア株式会社公式サイトのKAITO製品詳細ページ内、関連情報のVOCALOID PDFカタログにて確認することができる。
スカーフとマフラー
KAITOの首に巻いているものは、パッケージイラストをよく見るとマフラー(防寒用の襟巻き)よりもスカーフ(首に巻いたりする薄い方形の布)に近いものである事が分かるが、「KAITOは青いマフラーを巻いている」という概念が浸透しているようである。
ストールではないかとも言われており、この辺りは公式設定ではなく、見る者の判断に委ねられている。
現在は描く者により、青い色彩の様々な材質、長さのものを纏っている絵を見ることができる。
なお、パッケージイラストの大きな画像は、靴の項にあるVOCALOID PDFカタログにて確認することができる。
誕生日
通常、ピアプロキャラクターズの誕生日(周年記念日)は第一弾の製品の発売日である。
しかしKAITOは「KAITOの権利元であるクリプトン社側のブログ」と「第1弾製品のエンジンの権利元であるヤマハ側のボカロ公式サイト」で発売日が異なる。
ニコニコ上では、クリプトンの発売日2月17日をクリプトン暦、ヤマハの発売日2月14日をヤマハ暦として両日祝っていた。
KAITOというIP自体はクリプトン社のものであるため、当然ながらクリプトン社の公式企画、および初音ミク関連で縁が深い企業などはクリプトン暦を基準として展開する。
なお、2013年2月15日にV3版が発売された事から2月15日を誕生日として祝うケースも有る(空いた16日も「なんでもない日」と呼ばれて無理やり祝われる)。2月14日~17日は青廃にとってのお祭り期間とも言えるかもしれない。
KAITOの誕生日を意識してうpされた動画は「KAITOお誕生会2009」や「KAITOお誕生会2010」等のタグがつけられる。このタグはKAITOの誕生日を意識された動画であれば、「歌ってみた」や「演奏してみた」等KAITOを使用しない動画にもつけられる。
お絵カキコ
ニコニコ大百科で描かれたKAITOのお絵カキコについてはこちらを参照。 →VOCALOIDとその関連キャラクターのお絵カキコ#KAITO
主なタグ
「VOCALOID関連のタグ一覧」の記事も参照。
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関連リンク
関連項目
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