mimic(ミミック)とは、
- 「模倣する」「真似る」「擬態する」「類似した特徴を呈する」などの意味を持つ英語の動詞、および「模倣者」「物まね師」「擬態者」などの意味を持つ英語の名詞。ラテン語「mimicus」に由来する。
- ファンタジー世界を舞台にしたロールプレイングゲーム(RPG)などに登場する、擬態することを特徴とするモンスター。テーブルトークRPG『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ』の、1977年に発売されたサプリメント書籍が初出であるとされる。詳細は「ミミック」の記事を参照。
- Mimic - 1997年のアメリカ合衆国のホラーSF映画。詳細は「ミミック(映画)」の記事を参照。
- 株式会社ラディウス・ファイブが提供するAIイラストメーカー作成ウェブサービス。
である。
概要
株式会社ラディウス・ファイブ(RADIUS5 Inc.)が提供する、「描き手の個性を反映させたイラストメーカー」を自動で作成してくれるウェブサービスである。2022年8月29日にベータ版がリリースされた。
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https://twitter.com/illustmimic/status/1564081818441109505
AI技術を利用しており、一定枚数以上のイラストを用意してアップロードするとそのイラストの特徴を学習して「類似の画風のイラストを自動生成してくれるイラストメーカー」を作成してくれる。
登録できるイラストは「自分で描いたイラスト」(あるいは「自分が権利を保持しているイラスト」)に限定されている。つまり、このmimicは「憧れのあのイラストレーターの絵柄を真似た画像を作成したい!」という欲求に応えるものではない。
mimicの説明ページによれば、「イラストレーターが自分の画風に沿ったイラストを自動生成することにより、実制作の参考資料とするなどして活動の助けにする」ことや、「SNSのアイコンとしてプレゼントする等の、コミュニケーション用の簡易イラストを作成する」ことなどを主目的としているという。要するにこのサービス「mimic」の利用者として想定されているのはイラストレーターである。
ビジネスモデル
無料の「フリープラン」と「有料プラン」を用意し、フリープランを使ってみて有用であると判断したら有料プランに移行してもらう、というビジネスモデルであるようだ。ただしベータ版期間中はフリープランしか存在していない。
フリープランではイラストメーカーは1回まで(ベータ版期間中は2回まで)しか作成することができないし作成したイラストメーカーを削除したとしても新たなものは作成できない。一方、有料プランではイラストメーカーを5つまで作成・保持できる予定であるという。
また、フリープランでは作成されたイラストは30枚までしか閲覧・ダウンロードすることができないが、有料プランでは100枚まで閲覧・ダウンロードでき、また上限に達しても追加料金を払うことでさらに閲覧・ダウンロード数を追加できる。なお、自分以外のユーザーのイラストメーカーが作成したイラストは、フリープラン・有料プラン問わず無制限に閲覧できるとのこと。
ベータ版に対する反響
- 「イラストレーター本人以外が勝手に既存の公開イラストを用いてなりすまし不正利用したらどうするのか。不正利用を防ぐ仕組みが不十分であるように思える」
- 「利用規約内に、AI出力物について、mimic運営企業等に対して、一定の条件下で『無償で自由に利用する権利を付与するとともに、著作者人格権を行使しないものとします。』といった一文があるが、これは生成されたイラストの著作権などをmimic運営企業に奪われるという意味ではないのか」
といった危惧する意見や、それに対する
- 「『不正利用されると危険な技術』を敵視して却下するだけでは世界的な技術革新の波に乗り遅れる。不正利用を防ぐ工夫を講じればこのサービスの本質自体は問題がない」
- 「この利用規約は普通に読めばそういう意味じゃないのでは」
といった反論などもTwitterで渦巻き、多大な反響が生じた。
これに対してmimicの公式Twitterは早くも翌日の8月30日に「多数のご意見を頂戴いたしました。」と、文書の画像を伴う回答ツイートを投稿。
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https://twitter.com/illustmimic/status/1564558522766860288
不正行為については、利用規約やガイドラインで明確に禁じており、悪質なものはアカウント停止や法的措置・捜査機関への情報提供も行うとした上で、現状の「mimicベータ版では不正利用を防ぐ仕組みが不十分である」と認め、正式サービスリリースに向けて不正対策を改善すると表明した。
また、一部で危惧する声が上がった権利に関する規約については
「イラストメーカーが生成したイラスト(AI出力物)の知的財産権は、アップロードしたイラストを書いたクリエイターもしくはイラストの権利者に帰属しています(利用規約・第12条2項)。」
「また、公開設定されているイラスト(AI出力物)に関しては、弊社のSNSでのシェアやメディアでの掲載を想定し、マーケティングで利用できる旨を定めさせていただいております(利用規約・第12条3項)。」
「公開することで作成したイラスト(AI出力物)の知的財産権が弊社に移転するものではございません。」
と、規約の解釈について改めて説明した(太字強調:引用者)。
さらに2022年9月14日には、2022年10月中に不正対策を強化した「ベータ版 2.0」をリリース予定であることをツイートにて発表。
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https://twitter.com/illustmimic/status/1569986787547975682
- 利用希望者に対してはTwitterアカウントの事前審査を行い、「自分でイラストを描いている」と判断されたアカウントのみでイラストメーカー作成機能の利用が可能となる
- 透明性確保のため、学習に利用したイラストおよびmimicが作成したイラストは公開必須とし、非公開への変更はできず、作成完了後48時間は削除することもできないという制限を付ける
- イラスト公開ページにはTwitterカウントへのリンクが設置される
- 作成されたイラストには必ず「透かし」が入り、これを除去することはできない。また、イラストには追跡するための情報も付加される(悪用防止のため詳細は非公開)
などの強化内容も合わせて公開された。
Q&A
二次創作イラストを生成・公開してよいのか
公式サイトの「ガイドライン」ページの「禁止事項」の節に「また権利者に許可された場合を除き、二次創作物の発表の場として利用しないでください。」とあり、基本的にはダメ。ただ、逆に言えば「権利者の許可があれば可」とも読み取れる。
エロいイラストを生成・公開してよいのか
公式サイトの「ガイドライン」にはエロとかアダルトとかポルノがダメとは一言も書いていない(2022年8月30日現在時点)。
関連リンク
関連項目
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