アウォーディーとは、2010年生まれの日本の競走馬。牡・鹿毛。
芝での長い条件馬時代から、ダートに転向すると一気に才能を開花させた、遅咲きのダート王。
名前は英語で「賞を受ける人」を意味する。
主な勝ち鞍
2015年:シリウスステークス(GIII)
2016年:JBCクラシック(JpnI)、日本テレビ盃(JpnII)、アンタレスステークス(GIII)、名古屋大賞典(JpnIII)
父Jungle Pocket、母Heavenly Romance、母父Sunday Silenceという血統。
...うん、ジャンポケとヘヴンリーロマンスとサンデーです。なんで英字表記にしたかと言えば、実は本馬は外国産馬である。ジャングルポケットの仔を受胎中のヘヴンリーロマンスがアメリカへ渡航し、そこで産まれたのでアウォーディーはアメリカ産馬なのである。
個別記事がそれぞれできているので簡潔に説明すると、父は2001年のダービーとジャパンカップを制した屈指の東京巧者でトニービンの代表産駒。母は2005年に天皇賞(秋)を制した名牝。父は種牡馬として一風変わった産駒が多いが活躍馬を多数送り出している優秀な種牡馬であり、国内で得られる母父サンデーサイレンス馬の中でも最高ランクの良血と言って良い。海外産? 種は日本産。
血統を一目見た人に聞きます。ダート走ると思う?
少なくとも2010年当時の自分が見たら無理だろうと思う。一応アウォーディーには父キンカメの兄が2頭、父フレンチデピュティの兄が1頭いるが、皆ダートで勝ち星を挙げている。でも父親ジャンポケだしダート走るとはあまり思わない。
今でこそUAEダービーを勝ったラニ(父タピット)とか、種牡馬を問わずダートで走る馬を送り出す母のヘヴンリーロマンスの異才が知られているが、本馬が産まれた当時はダートで走る事を考える人はそういなかっただろう。
日本にやって来てヘヴンリーロマンスの所有者である前田幸治を馬主として走る事となった。前田幸治は武豊で凱旋門賞勝ちたいクラブ会員番号1番ノースヒルズのオーナーで、ビリーヴなど所有する牝馬を積極的に海外へ送っている。
話をアウォーディーに戻すと、騎手時代に母の手綱を握った松永幹夫調教師の管理を受け、阪神カップ同日の新馬戦でデビューし4着。以後掲示板が続き勝ち上がったのは中京での6戦目である。ここからダービー路線に乗るため大寒桜賞に挑むが2着、最終切符の青葉賞は5着に敗れダービーを諦めた。
以後非常に長ーーーーーーーーーーーーーーい条件馬時代が続く。箇条書きにすると
と、ここまで26戦5勝2着4回3着6回。主な勝ち鞍4歳上1000万下。一回もオープンに昇級したことが無く、自己条件で堅実に走る良い馬ではあった。
夏休みを経て9月のオークランドRCT(1600万下)に挑む。ダート千八。5歳9月になりダートへ転向する事となった。転向の詳しい経緯を知る人は加筆して貰いたいが、同時期に父スマートストライクの妹、アムールブリエがエンプレス杯とブリーダーズGCを連勝しダート路線で活躍していたのが大きいか。
このダート転向は9.9倍の7番人気とよく分からん評価。鞍上は4ヶ月ぶりだった武豊。レースでは道中中団を追走する形から、外目から押し上げると伸び続け、2着に4分の3馬身つけて勝利。あっという間にオープン馬になっちゃった。
次にシリウスSに挑んだところ、トップハンデでは無かったとはいえ中団追走からダノンリバティを余力を持って交わし3馬身差で快勝。翌年は名古屋大賞典とアンタレスSとダート重賞を瞬く間に連勝して一気にダート王へと君臨する...と思いきや寝違えて予定していた平安Sと帝王賞を回避。調教助手はtwitterで曰く、いままで5回ほど寝違えたとかそれ厩舎側がなんとかしなきゃいけない奴じゃないの
9月に日本テレビ盃に復帰し、同年のフェブラリーS優勝馬モーニンをアタマ差交わして重賞4勝目。自身初のGIの大舞台、JBCクラシックを迎える。相手はコパノリッキーやホッコータルマエ、サウンドトゥルーなど結構な面子。川崎で行われた本番では道中中団から3コーナーで先団に取り付き、抜群の手応えで粘るホッコータルマエを4分の3馬身交わして、転向から6連勝し堂々とGI初制覇を飾る。ソラを使う癖があった為そんなに着差が無いが、相手は最強格のダート馬であるし、着差以上に強い勝ち方であった。
続くチャンピオンズCではサウンドトゥルーに、東京大賞典ではアポロケンタッキーに敗れるも2着を確保しており、間違いなくダート路線の新星となったアウォーディー。しかし...
2017年を迎えたアウォーディーはドバイワールドカップへと遠征。弟のラニら4頭が日本から遠征し、本馬はアロゲートに10馬身近く離されたが日本馬最先着である5着に入り込む。帰国後の帝王賞も3着に入り健在をアピールした。
しかし、秋のJBCクラシックでは同い年のサウンドトゥルーに再び敗れ4着、チャンピオンズCではドバイで最下位に敗れたゴールドドリームが復調し春秋ダートを制覇するのを見る5着に敗れる。先団を見ながら追走するスタイルをとるも、勝負所の手応えが今一つで伸びに欠いた。
翌2018年もドバイを目指し、初戦の川崎記念では3着に好走するが、続くフェブラリーSでは先行馬総崩れの中中段待機からうんともすんとも言わず9着。予定通りにドバイワールドカップに挑むが、直線入口から先頭集団に離され日本馬定位置の6着。
帰国後は帝王賞に出走するが全く良いとこ無く8着。彼ももう年なのか...レース後は放牧に出された。
8月。夏競馬が行われ有力馬が放牧などで休養、または秋に向けて帰厩する中、それは突然訪れた。
8月6日、アウォーディー、放牧先の大山ヒルズで右飛節骨折、予後不良
通算成績42戦10勝、獲得賞金約4億3500万円。
追走から抜群の手応えで抜け出す勝ち方は、実に堂々で着差以上の強さを感じるものであった。
僅かGI級競走1つだと種牡馬入りは難しかったかも知れない。でもジャングルポケットの後継として子供は見てみたかったし、もう1年早くダートに転向していれば長きにわたりダートの王者に君臨し得たかも知れない。現役競走馬の死亡はさほど珍しいことでは無い。だが、その死に際して彼ほど「IF」が唱えられた馬は、そうはいまい。
間違いなく彼はダート王だった。過去形を使わなければいけないのが実に残念だが。
ジャングルポケット 1998 鹿毛 |
*トニービン 1983 鹿毛 |
*カンパラ | Kalamoun |
State Pension | |||
Severn Bridge | Hornbeam | ||
Priddy Fair | |||
*ダンスチャーマー 1990 黒鹿毛 |
Nureyev | Northern Dancer | |
Special | |||
Skillful Joy | Nodouble | ||
Skillful Miss | |||
ヘヴンリーロマンス 2000 鹿毛 FNo.13-c |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
*ファーストアクト 1986 鹿毛 |
Sadler's Wells | Northern Dancer | |
Fairy Bridge | |||
Arkadina | Ribot | ||
Natashka | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Northern Dancer 4×4(12.50%)、Special 5×5(6.25%)
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/05/24(金) 00:00
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