さあ舞うがいい
右、左、少し下がって前へ
なんと軽快なステップだろう
見たかあの優雅なターンを
さすがは頂点を極めた乙女だ
ダンスパートナーとは、1992年産の日本の元競走馬、繁殖牝馬である。
*サンデーサイレンス産駒初のGI牝馬。現役時代は武豊、四位洋文、河内洋など主戦が何度か交代した。
主な勝ち鞍
1995年:優駿牝馬(GI)
1996年:エリザベス女王杯(GI)、京阪杯(GIII)
基本的に旧年齢(数え年)で表記する。
父は後に日本に伝説を残す大種牡馬*サンデーサイレンス、母は未出走のまま日本に来たダンシングキイ、母父はイギリス三冠馬のNijinsky。兄弟には菊花賞馬ダンスインザダーク、桜花賞馬ダンスインザムード、重賞3勝のナリタブライアンのカモエアダブリンなどがいる一流血統。ダンスパートナーは*サンデーサイレンスの初年次産駒である。
兄エアダブリンの活躍もあり注目されていたのだが、白井最強寿昭調教師の元に入厩したのは3歳の暮れ。この馬、体のあちこちが悪く牧場での調教が思うように進まなかったうえに、非常に気が悪くゲートに大きな弱点を抱えていたのである。デビューは4歳1月末。クラシック戦線に間に合うには取りこぼしは許されないぎりぎりのデビューだったが、6馬身以上の大きな出遅れから末脚一気にぶち抜き2馬身あまりの差をつけて勝つというえげつないパフォーマンスで新馬勝ち。しかも小倉の芝1200mである。デビュー戦から大器の片鱗は見せていたのである。
しかし出遅れ癖は治らず、続くエルフィンステークスは2着。チューリップ賞も2着。本番の桜花賞もやっぱり出遅れ、ワンダーパヒュームにクビ差届かず2着。クラシック戦線には乗ったが、出遅れ癖のせいで勝ちに届かない。それでも2着に突っ込む実力はあっただけに何とも歯がゆいものがあった。
ここまでクラシック戦線に乗るためにほぼ休まず使われていたが、優先出走権を得たオークスまでは約1ヶ月半と初めて間隔が開く。ここで白井調教師はダンスパートナーを30分近くゲート内に縛り付ける、鬣を引っ張ってでも押し込むなどの厳しいゲート練習を課すという荒療治に出る。その効果か、しばらく後には「90%解消した」というほどゲート難は完治したのである。やっぱり白井最強。
そして本番のオークス。ダンスパートナーは五分にゲートを出ると、直線ではこれまで通りの強烈な末脚が炸裂。沈んでいくライデンリーダーを尻目に栄光のゴールを駆け抜けた。1勝馬によるオークス制覇は56年ぶり。サンデーサイレンス産駒初の牝馬GI制覇であった。ちなみにこの春、牡馬クラシックは2つともSS産駒の手に落ち、あわや初年度産駒が春クラシック独占となるところだった。そう思うと桜花賞は惜しい敗戦だったかもしれない。
GIの称号を手にしたダンス陣営はなんとフランス遠征を敢行。2戦して勝利は挙げられなかったがGIIIノネット賞では当年の仏1000ギニー馬のハナ差2着と好走する。帰国後はエリザベス女王杯には向かわず、なんと菊花賞で牡馬に挑戦。ダービー馬タヤスツヨシを差し置いて1番人気となるが、マヤノトップガン相手に勝負するも敵わず5着。しかし海外帰りで、後のGI4勝馬相手にコンマ6秒差なら善戦と言ってよかろう。タヤスツヨシには勝ったし。
この後阪神牝馬特別に出走するが2着。結局勝ちは新馬とオークスだけだったが、最優秀4歳牝馬を受賞する。
明けて5歳、AJCC、京都記念と連続2着し牡馬相手にも遜色ないところを見せる。大阪杯は4着だったが、四位洋文を据えて臨んだGIII京阪杯で久々の勝利。安田記念は7着、宝塚記念はいいところを見せるが3着。ここでデビュー以来初めての長期休暇をもらう。1年半使い詰めて壊さなかったのも白井最強と言えば最強かもしれない。
休み明けの京都大賞典は57㎏を背負いながら僅差4着。次走はこの年から古馬に開放され統一女王決定戦となったエリザベス女王杯。女傑ヒシアマゾンを徹底マークすると、直線で最内を抜け出す。最後はフェアダンス以下との接戦を制し優勝。GI2勝目を挙げる。ちなみにこの前の週に弟ダンスインザダークが姉の勝てなかった菊花賞を制しており、2週連続の姉弟GI制覇となった。
この後はジャパンカップ、有馬記念に出走するが惨敗。この年も最優秀5歳上牝馬を獲得する。
翌年は香港・クイーンエリザベスII世杯に挑戦するも惨敗。しかし河内洋に乗り替わった帰国後の鳴尾記念、宝塚記念で連続3着とまたも好走を見せる。秋は京都大賞典でシルクジャスティスの2着、エリザベス女王杯ではエリモシックに寸前でかわされ2着と僅差で連敗。有馬記念を大敗したのを最後に引退した。結局ラストイヤーは勝てなかったが、牡馬相手にも接戦を演じており決して衰えていたわけではない。
通算25戦4勝。2着9回。何気にシルコレっぽい成績だが、出遅れやら展開やらで敗れたレースも多かったのでポテンシャル自体はこの程度ではなかったのかもしれない。オークス時には420㎏しかなかったような小柄な馬体で牡馬相手に互角にやり合ったのだから大したものである。
繁殖牝馬としては母ほどは活躍できていないが、中山金杯(GIII)、中山記念(GII)を勝ったフェデラリストを産むなど決して失敗ではない。22歳を迎えた2014年は14歳も年下の*ワークフォースとの間に牡馬を産んだ。
2016年10月14日に蹄葉炎のため死亡した。満24歳だった。
*サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo 1969 黒鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Wishing Well 1975 鹿毛 |
Understanding | Promised Land | |
Pretty Ways | |||
Mountain Flower | Montparnasse | ||
Edelweiss | |||
*ダンシングキイ 1983 鹿毛 FNo.7 |
Nijinsky II 1967 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Flaming Page | Bull Page | ||
Flaring Top | |||
Key Partner 1976 黒鹿毛 |
Key to the Mint | Graustark | |
Key Bridge | |||
Native Partner | Raise a Native | ||
Dinner Partner | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Almahmoud 4×5(9.38%)、Blue Swords=Bluehaze 5×5(6.25%)、Native Dancer 5×5(6.25%)、
掲示板
1 ななしのよっしん
2020/02/15(土) 18:50:32 ID: xf12GEU08e
メロディーレーンの菊花賞5着で「ダンスパートナーと同じ着順」と言われて局地的にだが話題になった。
ただダンスパートナーはフランス遠征からほぼ休む間もなくの参戦で明らかに万全ではなかった。万全ならトップガンには勝てなくてもホッカイルソーには先着できたと思う。
もちろんメロディーレーンの5着も立派過ぎるくらいだけど。
2 ななしのよっしん
2020/11/18(水) 11:11:13 ID: QfPv9q15gj
現3歳牝馬にノネット賞→ヴェルメイユ賞→菊花賞と25年前にガチウイポローテ組む白井最強
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最終更新:2024/05/27(月) 13:00
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