ティターンズとは、機動戦士Zガンダムに登場する軍閥組織である。主人公陣営のエゥーゴと敵対する。
機動戦士Zガンダムにおける敵組織。地球連邦軍を母体としており、前作では味方サイドだった軍が敵に回るという衝撃的な展開となっている。元々はジオン残党狩りの組織であったが、着実に戦果を挙げていたのとジャミトフの手腕によって肥大化。いつしか立場が逆転し、連邦軍をアゴで使うようになった。主力モビルスーツにザクⅡそっくりのハイザックを使用しているが、これはジオン残党に対する威圧や侮辱を目的としている。ガンダム開発計画の抹消や後継機開発の失敗で資金難になり、ザク系のMSを流用したとも。
アースノイド至上主義で、構成員の殆どが地球市民である。母体の連邦軍からスカウトされてティターンズ入りした連邦兵も数多くいる。有名なのはブラン・ブルタークや不死身の第四小隊辺りだろうか。ジオンの残党狩りで戦果を挙げたからか、ティターンズ兵の間ではエリート意識が蔓延。連邦兵と比べて、ティターンズ兵は一階級上の扱いを受けるという謎ルールがある。ノーマルスーツはダークブルーを基調とした黒に近い色をしている。
使用する兵器は母体の連邦軍と似通っている。サラミス級やマゼラン級はそのまま使用しているが、独自にドゴス・ギア級を開発したり、強化人間を実戦に投入するなど戦力の拡充にも力を入れている。ジオン残党狩りの組織でありながら、ジオン系の技術を取り入れてモビルスーツを造るといった柔軟さも見せる。
主力モビルスーツは旧公国軍の技術を取り入れたハイザック、ジムの強化型のジムⅡ、アナハイムから獲得したマラサイ等がある。
宇宙世紀0083年、ジオン残党のデラーズフリートが起こした未曾有のテロ行為により危機感を抱いたジャミトフ・ハイマンは、同年12月4日にティターンズを結成。地球連邦軍内部にジオン残党狩りの組織を発足させた。名前の由来はギリシャ神話のティーターン神族(大地の子ら、という意味)か巨人のティターニアからか。
創設者のジャミトフはデラーズフリートを例に挙げて、第二のジオン公国を生むスペースノイドの脅威を説いた。この事で連邦軍は恐怖感を覚え、ティターンズの必要性を認めて予算を与えた。正規軍から独立した柔軟な動きを以って、各地で破壊活動を行うジオン軍残党の鎮圧に奔走。着実に戦果を挙げ、連邦軍内でのティターンズの地位は徐々に強固なものへとなっていく。その後もティターンズはジャミトフの手によって肥大化し続け、ついに連邦軍を掌握するレベルにまで達していった。ティターンズに優秀な人材を引き抜かれた連邦軍は弱体化し、よりティターンズ優位となる。
一方、コロニーでは反政府運動が活発化し始めており、次第にティターンズはスペースノイドに弾圧の矛先を向ける。0085年7月31日、サイド1の30バンチに毒ガスを注入し、住民1500万人を虐殺する非人道的な「30バンチ事件」を引き起こした。これによりスペースノイドは反連邦政府・反ティターンズに傾き、エゥーゴが結成される事になる。しかし30バンチ事件はバスク・オムの独断であり、事後報告を受けたジャミトフは不快感を露わにした。
宇宙世紀0087年3月2日、グリーンノアにて開発が進められていたティターンズのガンダムMk-2をエゥーゴが強奪した事からグリプス戦役が勃発。最初は小競り合い程度であったが、やがて戦闘は大規模なものになっていく。エゥーゴは連邦軍内の反乱分子という立ち位置だったが、連邦軍内には新スペースノイド派や反ティターンズ派の将兵もそれなりにおり、そもそも戦力面で既にティターンズが上回っていたこともあり、対エゥーゴ戦はティターンズが対応する事になった。一応、連邦軍もティターンズの要請に応じて部隊や人員を派遣しているが、実質的にはエゥーゴ対ティターンズの内乱状態である。
また5月初旬には、木星圏から帰還した木星往還船「ジュピトリス」の指揮官パプテマス・シロッコがティターンズへの協力を表明し、ジュピトリスとその艦載機ごと戦列に加わっている。
5月11日、エゥーゴは連邦軍本部ジャブローを宇宙から強襲するため、衛星軌道上に戦力を集結。すかさずティターンズの部隊やシロッコが妨害に入ったが、ガンダムMk-Ⅱを含む多数の機体を逃してしまう。またこの戦闘でカクリコン・カクーラーが戦死している。ジャブローでは連邦軍とエゥーゴが交戦。しかしエゥーゴの殲滅を優先したティターンズは、味方の兵が残っているにも関わらずジャブローを核爆弾で爆破。逃げ遅れた兵が犠牲となった。その後、ガルダ級輸送機アウドムラを強奪したエゥーゴを追ってブラン・ブルタークやロザミア・バダムが派遣される。6月29日にはアウドムラを狙ってサイコガンダムを投入し、ホンコンシティごと襲撃している。
ティターンズの猛攻は続き、フォン・ブラウン市襲撃、エゥーゴの指導者ブレックス・フォーラ准将暗殺、エゥーゴ本拠地グラナダへのコロニー落とし(失敗)、サイド2の25バンチへの毒ガス攻撃(失敗)と苛烈かつ過激な攻撃を繰り返した。エゥーゴの戦力を削り取っていったが、ティターンズの戦力も低下の一途を辿った。
10月12日、第三勢力のアクシズが地球圏に帰還。戦力が疲弊していた両陣営は味方につけようと動き出し、結果ティターンズとの同盟が成立する。ジオン残党狩りの組織が、ジオン残党と手を組むというよく分からない状況である。11月2日、エゥーゴとカラバの部隊が連邦軍キリマンジャロ基地を襲撃。連邦及びティターンズ側は迎撃部隊を配置し、サイコガンダムも投入された。この戦闘で双方ともに甚大な被害を出し、キリマンジャロ基地は陥落。寝返りそうになったサイコガンダムはジェリド駆るバイアランによって撃破された。
過激な軍事作戦からくる不満が噴出しないよう巧みに情報操作を行っていたが、11月6日にティターンズの運命を決める重要な事件が発生する。エゥーゴは武力によってダカールの議場を占拠し、クワトロ・バジーナによる演説でティターンズの非人道的行為が全世界に暴露されてしまう。この時、ジェリドのバイアランが放ったビームが議場付近に着弾し、より説得力を持たせてしまった。この影響で世論は一気にエゥーゴへと傾き、ティターンズは連邦軍内部での求心力を喪失。母体の連邦軍から疎まれるようにさえなってしまった。地上の戦況もエゥーゴ・カラバ有利となり、ついに地球での戦局は挽回不能にまで追い詰められてしまった。
一方、宇宙での決着はまだ付いておらず、互いを倒すだけの力に欠く状況が続いた。勢いに乗るエゥーゴは11月30日、ティターンズの拠点であるゼダンの門を偵察する。ここは宇宙最後の拠点であり、ティターンズは是が非でも守られなければならなかった。そして12月7日、最終兵器コロニーレーザーを持ち出してサイド2・18バンチを破壊。14日には21バンチに毒ガス攻撃を行い、住民全員を殺害する暴挙に出る。
ところがアクシズは裏でエゥーゴと交渉を再開しており、サイド3の割譲を条件としてティターンズを裏切る。宇宙世紀0088年1月18日に小惑星アクシズがゼダンの門にぶつけられる。ゼダンの門は機能を喪失し、撤退中の艦隊は残骸や破片によって次々に沈められた(この時、どさくさに紛れてエゥーゴが補給艦を拿捕して回っている)。1月25日、シロッコの裏切りによりジャミトフ暗殺。以降、シロッコに全権が掌握される。
2月20日、エゥーゴ・ティターンズ・アクシズによる三つ巴の艦隊決戦が生起。最終兵器コロニーレーザーはエゥーゴに奪取され、ティターンズ艦隊に照射された事でほぼ全ての戦力を喪失。シロッコも戦死し、ティターンズは瓦解・滅亡していった。だがエゥーゴも無傷では済まず、ラーディッシュのヘンケン艦長、エマ中尉など名だたる勇士が次々に死亡。のちの第一次ネオ・ジオン抗争では殆ど何も出来ないくらいに戦力を減らした。
戦後、元ティターンズ兵は疎まれた。素直に連邦正規軍に復帰すれば不公平な軍事裁判にかけられ、良くて僻地送りや閑職への左遷、悪くて実刑(最悪死刑)という理不尽な目に合わされた。このため元ティターンズ兵は姿を隠し、中にはあろうことか、後にアクシズやジオン残党に合流した者もいる。
上記の通り、Zガンダム劇中及び宇宙世紀において嫌われ者・連邦から見放された敗軍という負のイメージが大きかったティターンズだが、近年は連邦の官僚体制と強硬すぎるトップ(主にバスク・オム)や一部の傲慢な士官に翻弄されながらも連邦軍人としての矜持を貫いた『ADVANCE OF Ζ~ティターンズの旗のもとに~』や後発のゲーム・宇宙世紀作品でもティターンズ軍人の苦悩やアニメ本編で語られなかった「プロジェクトX」的ストーリーも展開されており、ジオン公国サイドと比較すると控えめではあるが、再評価されている。
ティターンズのMSも後年の「機動戦士ガンダムUC」で後継機や改修機といえる機体が各種登場したり、ティターンズ製MSが現在のガンプラのフォーマットであるHGUCシリーズで多数リリースされており放送当時と比較すると隔世の感がある。
ギレンの野望にも選択可能な勢力として登場。何故かティターンズ、連邦軍、デラーズフリートの三つ巴戦争になっており、ティターンズとデラーズフリートが一緒の時代に存在する謎の光景が見られる。またティターンズの専用曲は、実に悪役っぽいテイスト。
またアクシズとティターンズの登場時期が反対になっており、未だに修正されていない。先にアクシズが出現、アクシズ滅亡後にティターンズが出現するため、強い敵の後に弱い敵が出現するという歪な難易度となってしまっている。
ティターンズ編ではプレイヤーがジャミトフになるため、作中とは正反対のきれいなティターンズになる事も可能。独断専行でティターンズの評価を地に墜としたバスクの処刑も可能。ウレシイ…ウレシイ…。
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