ノッティンガム・フォレスト(Nottingham Forest Football Club)とは、イングランド・プレミアリーグに所属するサッカークラブである。本拠地はノッティンガムでホームスタジアムはシティ・グラウンド。
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創設は1865年。現存するイングランドのプロクラブとしては、同じくノッティンガムを本拠地とするノッツ・カウンティFCに次いで二番目に古い歴史の長いクラブであり、クラブの名前を呼称を呼ぶときは地名であるノッティンガムではなく、フォレストと呼ばれる。これはノッツ・カウンティと区別し、尊重するための呼称だと言われている。その他にも「ザ・レッズ」や「ガリバルディス」とも呼ばれる。
1970年代後半から1980年代初頭にクラブは黄金期を迎えており、1978年にリーグ初優勝を果たすと、1979年と1980年には、UEFAチャンピオンズカップ(現UEFAチャンピオンズリーグ)を2連覇するという、偉業を成し遂げている。1988年と1989年にはリーグカップを連覇している。しかし、プレミアリーグが創設された1990年代に入って低迷期に入り、1999年に降格して以来23年間プレミアリーグに復帰することはなかった。それどころか2005年から2008年までは3部にまで転落している。そのため現在は古豪というイメージが付いている。
クラブ創設時にイタリアの「赤シャツ隊の指導者」にちなんで名付けられた「ガリバルディ・レッド」の帽子を購入したことから創設以来クラブカラーは赤で統一されている。クラブのエンブレムはノッティンガムの市の紋章をモチーフにしたデザインだったが、1974年以降はクラブ名「FOREST」を表す森と地元を流れる「トレント川」がモチーフとなっている。
歴史的に同じノッティンガムを本拠地とするノッツ・カウンティとライバル関係にあり、両クラブの戦いは「ノッティンガム・ダービー」と呼ばれている。両クラブのホームスタジアムはトレント川の対岸同士で200メートルしか離れていない。もっとも1992年を最後に両クラブがトップリーグに所属したことはなく、プレミアリーグでは両クラブの直接対決は実現していない。
伝統的に攻撃的で魅力的なサッカーを志向しており、クラブの哲学は、若手選手の育成と地域社会への貢献にも重点を置いている。
1865年、ノッティンガムのシェークスピア通りにあるクリントン・アームズで、シンティの選手たちが集まり、代わりにフットボールをするという提案が承認され、ノッティンガム・フォレストFCが創設。1866年3月22日にノッツ・カウンティと初となる公式戦をおこなっている。
1892年よりプレミアリーグの前身であるフットボールリーグに参加。1897-98シーズンにはFAカップ決勝でクリスタル・パレスFCを破り、クラブ初となるタイトルを獲得。しかし、20世紀に入ってからは成績が低迷するようになり、1906年に初めて2部に降格してからは1部と2部を行き来するエレベータークラブの時代が続く。やがてクラブは深刻な財政難に陥るようになり、第一次世界大戦の勃発と当時のリーグ委員会メンバーの善意によって辛うじて破産を免れていた。その後も低迷期は続き、1949年には初めて3部リーグにまで降格している。
1952-53シーズンに2部に復帰すると、2年後には2部リーグに優勝し1部へ復帰。昇格2年目となる1958-59シーズンにはFAカップ決勝まで進出すると、多くの選手が負傷を負ってピッチを後にする荒れた試合となったルートン・タウンとのファイナルを制し、61年ぶり2度目の優勝を飾る。1966-1967シーズンにはリーグのタイトル争いを演じる大躍進を遂げるが、あと一歩のところでボビー・チャールトン、ジョージ・ベスト、デニス・ローを擁するマンチェスター・ユナイテッドに競り負けている。この成功は長くは続かず、クラブの貧弱な運営、組織の腐敗、アマチュアリズムが色濃かったことから再び低迷するようになり、1972年に2部へ降格している。
1974-75シーズン途中にブライアン・クラフが監督に就任。長年クラフの右腕として付き従ってきたピーター・テイラーがアシスタントに就任した1975-76シーズンにはクラブを1部復帰へと導く。クラフとテイラーは二人三脚で選手たちの意識改革をおこない、特にジョン・ロバートソンはリーグを代表するストライカーへと成長する。結果、昇格1年目ながらもフォレストはリーグ3位という大躍進を遂げる。この大躍進こそがクラブの黄金期の幕開けとなった。
1977-78シーズンには伝説的なGKとなるピーター・シルトンが加入。クラフとテイラーが理想とするチーム作りはさらに進み、マーティン・オニール、ギャリー・バートルズ、トニー・ウッドコック、イアン・ボイヤー、ジョン・マクガーバンといった既存の選手たちが名選手へと成長。まずはEFLカップのタイトルを獲得すると、リーグ戦では2位のリヴァプールFCに大差をつけ、クラブ創設113年目にして初のリーグ優勝を戴冠。1978-79シーズンはシーズン途中にトレヴァー・フランシスを獲得。リーグのタイトルこそ惜しくもリヴァプールの復権を許したが、EFLカップでは連覇を達成。さらにUEFAチャンピオンズカップではフランシスの決勝ゴールによってマルメFFを破り、初の欧州王者となる。3年前までは2部に所属していたクラブがビッグイヤーを掲げる快挙を成し遂げたのだった。さらに1979-1980シーズンのチャンピオンズカップでも決勝まで進み、ハンブルガーSVとの決勝ではシルトンを中心とした強固な守備でロバートソンの決めたゴールを守り切り、チャンピオンズカップ連覇という偉業を達成。欧州を代表する強豪へと登り詰める。1981年2月には東京で開催された第1回のトヨタカップに出場するが、ナシオナル・モンテビデオに敗れ、クラブ世界一の座は逃している。
ちなみに、1977年12月26日から1978年12月9日にかけてのリーグ戦における42戦無敗記録を樹立しており、2004年にアーセナルに破られるまでイングランドにおける最長記録であった。
1980年代になると、財政的に厳しい状況にあったシルトンら主力選手の売却を余儀なくされ、クラブの方針に反発したテイラーコーチも退団。こうして解体されてしまったフォレストは以前のような力を失い、タイトル争いから遠ざかるようになる。1989年4月15日にはヒルズボロ・スタジアムで起きたヒルズボロの悲劇と呼ばれる事故により、リヴァプールとのFAカップ準決勝が中止になる事態となる。それでも、ロイ・キーンやスチュアート・ピアースといった新たなスター選手が台頭するようになり、1989年と1990年にはEFLカップを連覇。
1992-93シーズンには、新しく構成されたプレミアリーグ22チームの内の1チームに入るが、クラフ監督が重度のアルコール依存症に悩まされるようになり、さらにヒルズボロの悲劇の賠償金によるクラブの財政難も重なり、テディ・シェリンガムら中心選手の売却を余儀なくされていたことも重なり、最下位に低迷し1976年以来となる2部降格の憂き目に遭う。この結果、18年間監督を務め、数々の栄光をもたらしたクラフ監督は引退。その後、彼の偉業を称え、ファンの寄贈によってノッティンガムの街にクラフ監督の銅像が建てられる。
イングランド代表の主力ながらもクラブに忠誠を誓い、残留したピアースを中心にクラブは1年でのプレミアリーグ復帰に成功。昇格1年目の1994-95シーズンには3位と躍進。かつての黄金期の再来かと期待されたが、プレミアリーグとなり巨額の補強費を投入するようになった他のクラブに取り残されるようになり、1996-97シーズンに再び降格。またも1年でプレミアリーグに復帰したものの、今度はわずか1年で2部に降格。ここから長きに渡る低迷期が始まるのだった。
21世紀に入ってからのフォレストは巨額の負債によって選手の補強がままならず、さらにスポンサー企業が破綻するという追い打ちをかけられ、クラブの財政難はより深刻なものとなってしまう。もはやEFLチャンピオンシップ(2部)でも勝てなくなったチームは2004-05シーズンに23位と低迷し、54年ぶりにフットボールリーグ1(3部)に降格。落ちるところまで落ちてしまうのだった。
転がるように転落したフォレストは、2008-09シーズンにチャンピオンシップに復帰するが、チーム状態は一向に上向かず、プレミアリーグどころか辛うじて降格を免れるシーズンが多いような状態が10年近く続くようになる。2017年5月、ギリシャの実業家であるエヴァンゲロス・マリキナスがクラブを買収。オリンピアコスFCのオーナーでもあるマリキナスは老朽化したスタジアムとトレーニングセンターの再開発を手掛け、さらに移籍市場に積極的に大金を投じるようになる。そして、2021-22シーズン、EFLチャンピオンシップの昇格プレーオフ決勝でハダースフィールド・タウンFCに1–0で勝利。24年振りとなるプレミアリーグ昇格を決める。
プレミア復帰1年目の2022-23シーズンには実に移籍金110億円を投じる大盤振る舞いを見せ、30人もの選手を獲得する派手な補強策を見せるが、終盤で辛うじてプレミアリーグ残留を決めるのがやっとだった。2023年8月には幼い頃からのフォレストのファンである経営者のトム・カートレッジが会長に就任。2023-24シーズンは2020年から2023年の会計期間中にプレミアリーグが定める財務規定を違反していたとして勝ち点「4」が剥奪されるハンディを背負わされるが、最終節でプレミアリーグに残留している。
2024-25シーズンはヌーノ・エスピリト・サント監督の堅守速攻のスタイルが見事に嵌り、下馬評を覆す快進撃を見せる。前半戦でリヴァプールに土をつけた唯一のチームとなり、一時はリヴァプールとアーセナルの2強を追う存在となる。シーズンを通してCL出場圏の5位以内を捉えるも、終盤にかけ失速。勝ち点1差の5位チェルシーとの直接対決となった最終節で敗北し、7位で終了。それでもUEFAカンファレンスリーグ出場権を獲得し、古豪復活を印象付けたシーズンとなった。
| 背番号 | Pos. | 国籍 | 選手名 | 生年月日 | 加入年 | 前所属 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| - | 監督 | ショーン・ダイチ | 1971.6.21 | 2025 | エヴァートンFC 監督 | |
| 3 | DF | ネコ・ウィリアムズ | 2001.4.13 | 2022 | リヴァプールFC | |
| 4 | DF | モラト | 2001.6.30 | 2024 | ベンフィカ | |
| 5 | DF | ムリージョ | 2002.7.4 | 2023 | コリンチャンス | |
| 6 | MF | イブラヒム・サンガレ | 1997.10.2 | 2023 | PSVアイントホーフェン | |
| 7 | FW | カラム・ハドソン=オドイ | 2000.11.7 | 2023 | バイヤー・レヴァークーゼン | |
| 8 | MF | エリオット・アンダーソン | 2002.11.6 | 2024 | ニューカッスル・ユナイテッド | |
| 9 | FW | タイウォ・アウォニイ | 1997.8.12 | 2022 | ウニオン・ベルリン | |
| 10 | MF | モーガン・ギブス=ホワイト | 2000.1.7 | 2022 | シェフィールド・ユナイテッド | |
| 11 | FW | クリス・ウッド | 1991.12.7 | 2023 | ニューカッスル・ユナイテッド | |
| 12 | MF | ドウグラス・ルイス | 1998.5.9 | 2025 | ユヴェントス | |
| 13 | GK | ジョン・ヴィクター | 1996.2.13 | 2025 | ボタフォゴ | |
| 14 | FW | ダン・エンドイエ | 2000.10.25 | 2025 | ニューカッスル・ユナイテッド | |
| 15 | FW | アルノー・カリミュエンド | 2002.1.20 | 2025 | スタッド・レンヌ | |
| 16 | MF | ニコラス・ドミンゲス | 1998.6.28 | 2023 | ボローニャFC | |
| 18 | GK | アンガス・ガン | 1996.1.22 | 2025 | ノリッジ・シティ | |
| 19 | FW | イゴール・ジェズス | 2001.2.25 | 2025 | ボタフォゴ | |
| 20 | FW | ジョタ・シルバ | 1999.8.1 | 2024 | ギマランイス | |
| 21 | MF | オマリ・ハッチソン | 2003.10.29 | 2025 | イプスウィッチ・タウン | |
| 22 | MF | ライアン・イエーツ(C) | 1997.1.21 | 2022 | スカンソープ・ユナイテッド | |
| 23 | MF | ジャイール・クーニャ | 2005.3.7 | 2025 | ボタフォゴ | |
| 24 | MF | ジェームズ・マカティー | 2000.10.28 | 2025 | マンチェスター・シティ | |
| 26 | GK | マッツ・セルス | 1992.2.26 | 2024 | ストラスブール | |
| 27 | DF | オマール・リチャーズ | 1998.2.15 | 2022 | リオ・アヴェ | |
| 29 | FW | ディーン・バクワ | 2002.8.26 | 2025 | ストラスブール | |
| 30 | DF | ウィリー・ボリー | 1991.2.3 | 2022 | ウルヴァーハンプトン | |
| 31 | DF | ニコラ・ミレンコビッチ | 1997.10.12 | 2024 | フィオレンティーナ | |
| 33 | GK | カルロス・ミゲウ | 1998.10.9 | 2024 | コリンチャンス | |
| 34 | DF | オラ・アイナ | 1996.10.8 | 2023 | トリノFC | |
| 35 | DF | オレクサンドル・ジンチェンコ | 1996.12.15 | 2025 | アーセナル | |
| 37 | DF | ニコロ・サヴォーナ | 2003.3.19 | 2025 | ユヴェントス | |
| 44 | DF | ザック・アボット | 2006.5.13 | 2022 | ノッティンガム・フォレストU-21 | |
| 63 | GK | アーロン・ボット ※ | 2004.9.6 | 2025 | ノッティンガム・フォレストU-21 |
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最終更新:2025/12/13(土) 15:00
最終更新:2025/12/13(土) 15:00
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