"The largest horse racing festival in the United States"
Breeders' Cup
World Championships
ブリーダーズカップ(Breeders' Cup)とは、アメリカ合衆国で毎年10月末~11月初旬に行われている競馬の一大イベントである。賞金総額500万ドルの「ブリーダーズカップ・クラシック」を始めとしたG1競走が、2日間の開催で14競走も行われる、アメリカ競馬全体の大一番である。主に「BC」の2文字で表されることが多い。
また、ダービースタリオンシリーズのプレイヤー生産馬同士の対戦もブリーダーズカップの名称を用いている(後述)。
1984年にアメリカの大手競馬生産者・ゲインズウェイファームの提唱により始まったシリーズで、生産界主導の祭典である。アメリカ国内の種牡馬所有者に、各種牡馬の種付け料1回分を納付させ、それを賞金の資金源としている。この種付け料納付を行った種牡馬の産駒はブリーダーズカップ登録が優遇される(追加登録料がかからない)ので、種付けをする際および幼駒を売りに出す際のPRにもなる。
注目すべきは、その1開催におけるG1競走の数である。最初の1984年当時で「クラシック」「ターフ」「ディスタフ(後にレディーズクラシック)」「マイル」「スプリント」「ジュヴェナイル」「ジュヴェナイルフィリーズ」の7つものG1競走がたった1日の中にあるという豪華さは全米の、ひいては全世界の競馬界の度肝を抜いた。現在ではさらに追加されて14競走となり、格付けもすべてG1。日程も2日間に分割されるまでになった。
施行 | 競走名 | 格 | 出走条件 | 施行コース | 総賞金額 |
---|---|---|---|---|---|
6R | ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフスプリント | G1 | 2歳 | 芝5.5f(約1,106m) | 100万$ |
7R | ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズターフ | G1 | 2歳牝馬 | 芝8f(約1,609m) | 100万$ |
8R | ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ | G1 | 2歳牝馬 | ダート8.5f(約1,710m) | 200万$ |
9R | ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフ | G1 | 2歳牡セン | 芝8f(約1,609m) | 100万$ |
10R | ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル![]() |
G1 | 2歳牡セン | ダート8.5f(約1,710m) | 200万$ |
以前は1日目は牝馬が中心に構成されていたが、2018年以降は2歳限定の競走を集めたフューチャーズスターズフライデーとして開催されている。
施行 | 競走名 | 格 | 出走条件 | 施行コース | 総賞金額 |
---|---|---|---|---|---|
4R | ブリーダーズカップ・フィリー&メアスプリント | G1 | 3歳以上牝 | ダート7f(約1,408m) | 100万$ |
5R | ブリーダーズカップ・ターフスプリント | G1 | 3歳以上 | 芝6.5f(約1,308m) | 100万$ |
6R | ブリーダーズカップ・ダートマイル | G1 | 3歳以上 | ダート8f(約1,609m) | 100万$ |
7R | ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ![]() |
G1 | 3歳以上牝 | 芝10f(約2,012m) | 200万$ |
8R | ブリーダーズカップ・スプリント | G1 | 3歳以上 | ダート6f(約1,207m) | 200万$ |
9R | ブリーダーズカップ・マイル![]() |
G1 | 3歳以上 | 芝8f(約1,609m) | 200万$ |
10R | ブリーダーズカップ・ディスタフ![]() |
G1 | 3歳以上牝 | ダート9f(約1,811m) | 200万$ |
11R | ブリーダーズカップ・ターフ![]() |
G1 | 3歳以上 | 芝12f(約2,414m) | 400万$ |
12R | ブリーダーズカップ・クラシック![]() |
G1 | 3歳以上 | ダート10f(約2,012m) | 600万$ |
2日目は、いろいろな距離に富んだ構成になっていて、「ターフ」「クラシック」などの注目レースも。
2018年以降は3歳以上の競走で構成され、チャンピオンシップサタデーと呼ばれている。
「ディスタフ」は一時期、「レディスクラシック」に名称が変更されていたが、2013年より再び「ディスタフ」になった。
もうひとつの大きなシステムが、この競走がアメリカ全土での持ち回り制であることである。つまり開催する年ごとに開催する競馬場が変わるのである。全米を飛び越え、1996年にはカナダの競馬場でも開催している。当然ながら開催地によってコースの形状やレースの距離なども微妙に変化するが、近年はそれ以上に馬場がダートかオールウェザーかの違いも注目される。
そしてこの競走はアメリカ国外からの挑戦者も多く出走する。特に芝コースで行われるBCターフはヨーロッパからの猛者が詰めかける競走として名高い。一方でダートコースの競走には海外組は比較的少なく、多くの場合でアメリカ国内競馬の頂上対決になる。
日本からは1996年のタイキブリザードのBCクラシック挑戦を皮切りに何頭もの馬が挑んだがいずれも着外に終わっていた。しかし、2021年のBCフィリー&メアターフにおいて、ラヴズオンリーユー(騎手・川田将雅)が初のBC制覇を果たした。また、直後にマルシュロレーヌ(騎手・オイシン・マーフィー)もBCディスタフを制し、初の日本勢による海外ダートG1制覇を果たしている。2023年にはウシュバテソーロ、デルマソトガケの2頭がBCクラシック挑戦を計画しており、順調に行けばエスポワールシチー以来13年ぶりの日本馬出走が実現する模様。
従来の秋季遠征と言えば凱旋門賞と香港国際競走の二択が大半だったが、春季遠征の定番であるドバイワールドカップと同じダートを用いている事や、パリロンシャン競馬場の馬場に合わない馬の新たな選択肢として再び注目されている。
アメリカ競馬の沽券をかけた一大イベントだが、あまり機能しにくくなっている部分も多く見られる。特に持ち回り制に関しては、アメリカ競馬界全体が不況にあえぐ昨今では開催すらできない競馬場が多く、しょっちゅうチャーチルダウンズやサンタアニタパークといった大手の競馬場ばかりが開催している(これはブリーダーズカップを真似た日本のJBCが大井競馬場ばかりで開催されているのと似たような状況ではある)。
そして開催する競馬場が変わると馬場も変化し、ダート馬場にオールウェザー素材を採用している競馬場も使われることになる。このオールウェザー馬場は今なお是非が問われる代物で、ダートで強い馬があっさり負けるなどから適性が違うとして、これを理由に出走を嫌がる馬主陣営も少なくない。サンタアニタでは一度採用したものの、水はけの悪さから再度ダートに戻しているなど、まだまだ問題は根深い。
そして種牡馬に資金を負担させてBC登録に優遇措置を取らせた結果、それに登録のない有力馬(特に外国産馬、またはアメリカ国外所属馬)が追加登録料のために出走をためらいやすくなり、面子が集まりにくくなる弊害もあった。この対策のため、アメリカ国内外の競走に「ブリーダーズカップチャレンジ」というカテゴリを設け、それらの競走の勝者にブリーダーズカップへの優先出走権を与えるようにした。一応、日本の宝塚記念もそのひとつだが、そこからそれを利用して出走した馬がいないのと同様、他の競走もいまいち機能していないのが現状である。
2012年宝塚記念優勝のオルフェーヴルも権利はあった。しかし、凱旋門賞へ。当たり前のような感じだが引退後の産駒がダート中心に活躍している分、こちらに出ても勝算はあったのかもしれない。特に2020年代になってからは秋季遠征も多様化し、西海岸でのブリーダーズカップ開催時は交通の便の良さから日本馬の遠征が増えている。
ブリーダーズカップの動画はニコニコ動画上にもかなり多く存在するので、その一部を紹介。
掲示板
53 ななしのよっしん
2023/09/03(日) 18:07:47 ID: siscQeJhdO
今年はBC遠征盛り上がりそうね、サンタアニタはマンダリンヒーローの快挙があったから尚更
54 ななしのよっしん
2023/10/01(日) 09:20:30 ID: JwUO3eIpqU
西海岸開催なのと馬場が合ってるから露骨に欧州遠征萎え萎えでアメリカ遠征に偏り始めたよな。
しかしダートが活気付くのは良い事だ。
55 ななしのよっしん
2023/10/01(日) 09:27:36 ID: 25eXgcHHHs
別に2軍戦が活気づいてもなあって感じ
まあ悪いことではないだろうけど
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最終更新:2023/10/03(火) 10:00
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