[青信号] 居住地近くでの放射線測定値が、普通の人で10マイクロシーベルト/時(μSv/h)、妊娠初期の人で3マイクロシーベルト/時(μSv/h)なら脱出行動に移る緊急性はない。
この基準では室内退避で十分であり無理に居住地から脱出する必要はない。
出典:スウェーデン国立スペース物理研究所(IRF) 山内正敏作成 放射能漏れに対する個人対策(改版)
[2011-3-27]
避難が必要な場合は、政府・地方自治体から避難指示が近隣住民に出される。退避指示に従おう。避難地域は国際原子力事象評価尺度(INES:International Nuclear Event Scale)レベル5のスリーマイル島原発事故の放射性物質の拡散が16km位以内に収まった事から、半径20kmの円内が目安になる場合が多い。INESレベル7のチェルノブイリ原発事故の場合は半径30km圏内が避難区域に設定され、住民避難が行われた。
2011年のINESレベル7の福島原発事故では福島第一原発より半径20km未満の圏内の住人は退避。同原発半径20km以上30km以内の住民は屋内退避。福島第二原発より半径10km以内の圏内住人は退避となった。[1]
配給がある避難所以外の長期に渡る自宅屋内退避生活では、近隣小売店の営業が停止状態で生活物資が入手困難になり、屋内退避生活の継続が困難となり、その地域からの退去が相次ぎゴーストタウン化が進行している。[2]
福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールに亀裂が生じ、冷却水が水漏れでなくなっている可能性があるとして、アメリカの原子力規制委員会(NRC)は福島第一原発半径50マイル(80km)圏以内に在住のアメリカ人に避難勧告を出した。被災地救援活動をしている米軍は現地の将兵・軍属及び関係者家族に原子力規制委員会(NRC)勧告と同じ福島第一原発半径50マイル(80km)圏内からの避難を終了させた。[3]
なお、アメリカの原子力規制安全委員会の80km圏内のアメリカ人退避勧告には「外国での災害」において外国人が早めに避難するのは通常の配慮であり、日本語が理解出来ない外国人が病院に行ったり、正確な情報を得たり、避難所に行くのは困難故との指摘もある。[4]
以下の放射線測定関連外部リンクを参照すると各地の放射線測定値が分かる。茨城県つくば市のKEK(高エネルギー加速器研究機構)の測定値は放射性物質の特定を含む高精度・詳細な測定データを公開している。
放射性物質付着による被曝・内部被曝防護、外出時に、皮膚・目の露出を極力避け、マスク、花粉防護ゴーグル、長袖の上着、スラックス(長ズボン)、靴下、手袋、降雨に対しては百円ショップに売っている様な廉価なポンチョタイプのレインコートを使い捨てにしての放射性物質からの防護が望ましい。
シャワー・手洗い・洗顔・入浴等で体に付いた放射性物質を洗い落とす水洗いは有効である。
地震・津波等の災害被災地の場合水の入手が困難であり、水洗いで放射性物質を洗い落とせない。ウェットティッシュや濡れタオル等で体を拭こう。
花粉症対策と変わらない微粒子付着対処法だが、放射性物質の付着防止及び洗浄除去は軍事・災害救助の専門組織でも規模や装備等のレベルが違うものの当然行う基本中の基本の対策法である。






原発災害・原子炉災害の代表的な漏洩有害放射性物質は放射性同位体ヨウ素131(131I)とセシウム134(134Sc)・セシウム137(137Sc)とストロンチウム90(90Sr)である。
年摂取限度量は吸入:0.0065μg(マイクログラム)、経口:0.0070μg(マイクログラム)である。
ストロンチウム90(Sr90)は半減期が28.78年のストロンチウム(Sr)の放射性同位体である。カルシウムと似た化学結合をするのでカルシウムの代わりに生物の骨に蓄積されて健康被害を及ぼす。
年摂取限度量は吸入:0.047μg(マイクログラム)、経口:0.024μg(マイクログラム)である。
セシウム134(134Sc)の半減期は2.065年、セシウム137(137Sc)の半減期は30.1年である。カリウムと似た化学結合をするのでカリウムの代わりに生物の筋肉に蓄積されて健康被害を及ぼす。
国連の専門機関世界保険期間(WHO)の外部組織、国際がん研究機関 (IARC)の発がん性の確実さを表す指標、発がん性リスク分類の「ヒトに対して発癌性ある」グループ1(Group1)に分類される物質である。
ヨウ素131(131I)は半減期8.03日のヨウ素(I)の放射性同位体である。ヨウ素131は甲状腺内に蓄積されて甲状腺癌を発病させる。乳幼児・胎児・若年者にとって特に危険・有害である。
安定ヨウ素剤(ヨウ化カリウム・ヨウ素丸)を服用する事で甲状腺内へのヨウ素131蓄積予防が可能である。日本人の多くはヨウ素を日常的に大量に摂取する食生活をするが、原子力安全委員会はその条件を勘案した上での安定ヨウ素剤服用の結論を出している。
仮に内部被曝で甲状腺癌に罹患しても外科手術で治療可能である。
半減期8.03日なので、原発事故の放射性物質漏洩停止後約8日で分量が半分に減り、約16日後には元の量の1/4に、約24日後には元の量1/8の量に減る。
ヨウ素131(131I)に汚染された食品・飲料は、缶詰・レトルト食品・乾燥食品・漬物・発酵食品・冷凍食品等保存食品に加工して保存すれば時間経過と共に放射線を減らせる。スリーマイル島・福島原発事故で汚染された食品、牛乳を例に取れば、バター・チーズ・高温殺菌ロングライフ牛乳として保存すれば含有されるヨウ素131(131I)を時間と共に減らせる。バター・チーズの場合は水溶性塩化物として存在をするヨウ素131(131I)とセシウム137(137Sc)、セシウム134(134Sc)塩基化合物は乳清部分に残り、乳脂肪で作られるバター・チーズには殆ど残らないのでより効果的である。[5]
水道水が汚染された場合は、衛生的な密閉容器に入れて保存をすれば時間と共にヨウ素131(131I)は減り、更に汚染をされていないボトルドウォーターで水道水を希釈すればヨウ素131(131I)被爆量を減らせる。ペットボトル飲料の使用済み空き容器を再利用しての貯蔵はペットボトル容器が再利用を前提とした形状・素材ではないので、熱湯消毒等に不向き故、耐熱性のある飲料水保存用容器を熱湯等で消毒して衛生的に飲料水を保存するべきである。
但し上記手法は半減期が8.03日のヨウ素131のみ有効であり、半減期より長い他の放射性物質の汚染には通用しない。
ヨウ素は常温で昇華する性質がある。しかし原子炉事故での放射性ヨウ素は酸化物となって拡散した後、陰イオン化合物の形で水に溶けこんでおり、その陰イオン化合物の多くは水の沸点100℃より高い為、煮沸する事で飲用水中のヨウ素131を気化せて除去するのは不可能である。煮沸でヨウ素131濃度が高くなる、煮詰まってしまうので厳禁である。[6]
ヨウ素とセシウムの塩化物は水溶性である事から、野菜などの食品は茹でてアク抜きをする事で、野菜の中に存在するそれらの水溶性塩化物の50%から80%程度の除去が可能との実験結果がある。[7]
高性能浄水機とも言える上水道の活性炭に有機物を吸着させる浄化装置でさえ放射性物質が検出された事から、純水を作る特殊な浄水器でない限り家庭用浄水器では除去効果を期待出来ない。[8]
2011年3月22日厚労省は福島県内5市町の水道で乳幼児飲用規制値を超えるキログラム当たり100ベクレル(Bq/Kg)を超える放射性ヨウ素が検出された事を発表した。[9]
『イソジン』の商標・商品名で知られる濃赤色の液体であるポビドンヨード含有うがい薬・消毒液を飲んでもヨウ素の放射性同位体である放射性物質ヨウ素131からの内部被曝を防ぐ役に立たない。飲用は体に有害である。消毒液・うがい薬を決して飲んではいけない。消毒液は消毒に、うがい薬はうがいと取扱説明書・注意書きに書いてある通りの本来の用途で使おう。[10]
日本政府のヨード剤服用勧告規制量は100ミリシーベルト(mSv/h)以上の被曝が予想される環境である。フランス政府の服用勧告規制量50mSv/hとの違いがある。日本の基準はフランスの一般的食生活環境とは異なる「十分過剰飽和の成人量30mgヨウ素」を想定したものである。[11]
安定ヨウ素剤は薬局等で購入せずとも必要な時は自治体から住人への配布がある。薬効は24時間なので、被曝を想定して予防的に飲んでも効能は無い。薬効よりも副作用の方が健康被害を与える。
放射性物質ヨウ素131の甲状腺内内部被曝防止の薬剤、ヨウ化カリウムは服用前に医師の診断を受けての処方箋が必要な薬剤であり服用には医師との相談・指導が欠かせない。ヨウ素131に有効でも他のセシウム137等の放射性物質を防ぐ効能はない。40歳以上では効能が認められず、長期服用及び新生児・乳幼児・妊婦等にはリスクもある。
被曝12時間前服用:90%、被曝直前服用:97%、被曝1時間後服用:85%、被曝3時間後服用:50%の効能がある[12]
日本はヨード産出量世界第二位、埋蔵量は世界一の「ヨウ素大国」であり、安定ヨウ素剤製薬メーカーを擁する。海外の様な安定ヨウ素剤の品薄・品切れの心配は無い。[13]
2011年3月18日福島県いわき市は市長独自判断で対象の15万人の市民に安定ヨウ素剤を配布した。[14]





国連の専門機関世界保険期間(WHO)の外部組織、国際がん研究機関 (IARC)の発がん性の確実さを表す指標、発がん性リスク分類の「ヒトに対して発癌性ある」グループ1(Group1)に分類される放射性物質である。
年摂取限度量は吸入:0.052μg(マイクログラム)、経口:48μg(マイクログラム)である。
プルトニウム(Pu)を含むプルサーマル発電用MOX燃料 (Mixed plutonium-uranium OXide fuel)は通常の低濃度ウラニウム燃料より放射線強度が強い。故により厳重に扱われる。
二酸化プルトニウム(PuO2)の密度は11.5 g/cm3であり、金(Au)19.30 g/cm3より軽く、鉛(Pb)11.34g/cm3と同程度である。二酸化ウランの密度は(UO2)は、10.97g/cm3である。
呼吸で肺に蓄積したプルトニウムの一部はリンパ節・骨・肝臓に蓄積して健康被害を与える。
プルトニウム239(239Pu)が中性子を二つ捕獲(中性子捕獲)をするとアメリシウム241(241Am)が生成する。生物の体内では肝臓・骨に蓄積される。
2010年10月22日より福島第一原発3号機ではウラン235(235U)とプルトニウム239(239Pu)を含むMOX燃料 (Mixed plutonium-uranium OXide fuel)を使ったプルサーマル運転を開始していた。2011年の事故によりMOX燃料に含まれるプルトニウム漏洩の可能性が生じた。[15]
2011年3月27日の時点での福島第一原発より約165kmに位置する茨城県つくば市にある高エネルギー加速器研究機構(KEK)の放射性物質及び濃度測定ではプルトニウム(Pu)の大量広域飛散を示唆するデータはない。[16]























掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/18(木) 02:00
最終更新:2025/12/18(木) 01:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。