徳川慶喜とは、1998年に放送された第37作目の大河ドラマである。
江戸幕府を終わらせた最後の将軍・徳川慶喜の半生を描く(慶喜は大正時代まで生きたが、ドラマは江戸城明け渡し後、水戸で隠棲するところで終わる)。主演は本木雅弘。脚本は「武田信玄」「信長 KING OF ZIPANGU」の田向正健が手がけており、大河ドラマの脚本は三作目にして最後の作品となった。
司馬遼太郎の小説「最後の将軍」を原作としているが、原作そのものが比較的短い中編小説(単行本一冊程度の長さ)なので、本編は脚本のオリジナル色が強い。これは、司馬遼太郎原作の大河は、多くの原作小説を取り入れた大河作品が多い中では、かなり珍しいケースである。また、渋沢栄一が著した「徳川慶喜公伝」もシナリオのベースにしているが、肝心の渋沢は本作には登場しない。ちなみに、大政奉還における重要人物で、司馬遼太郎が原作の作品でありながら、坂本龍馬も未登場どころか一切言及されない。
本作の特徴としては、下記の登場人物を見るとおり、非常にオリジナルキャラクターが多いことである。主人公の慶喜があまり表だって動けない立場にある人物のため、多くのオリジナルキャラクターが慶喜の代わりに、幕末の混乱の中を生きていく姿が描かれてた。
が、このオリキャラが必要以上に多すぎる上に、中には誰得な存在意義に疑問がある人物も少なくなかった。さらに、物語の本筋から逸れる展開が非常に多かったこともあって視聴者がついて行けず、視聴率は伸び悩んだ。近年の大河では「麒麟がくる」がコロナ禍の影響もあって、オリキャラに出番が偏らざるを得なくなったことが問題となったが、本作のオリキャラ無双はこの比ではない。
しかし苦悩を内に秘めながらもポーカーフェイスで底深い演技を見せた本木雅弘の好演が高く評価され、俳優・本木雅弘の地位を確立した作品とも言える。また、ブレイク前の藤木直人が慶喜の側近で様々な幕末の事件に遭遇するドラマのオリジナルキャラクター・村田新三郎役で準主役級の活躍を見せた。但し、当時は知名度の低さからOPクレジットでは常に二人並び以上の連名表記で、一度もピン表示にならなかった。これは新三郎の妻と恋人をそれぞれ演じる、当時既に人気の高かった水野真紀と一色紗英が常にピン表記だったのと対照的である(皮肉にも、水野と一色が現在芸能活動を殆ど行っていないため、現在では知名度が藤木と逆転している)。
なお、現在こそ幕末を題材にした大河ドラマの割合は多いが、80~90年代は視聴率が取れないことが敬遠されて幕末大河の数は非常に少なく、本作の前は「翔ぶが如く」が(8年前の1990年放送)、後は「新選組!」(6年後の2004年放送)まで存在せず、身近な時期に放送された作品が無いことが、本作の評価をさらに難しいものとしている。
※は本作のオリジナルキャラクター
掲示板
1 ななしのよっしん
2021/10/11(月) 04:21:57 ID: zrJi99v35P
こっちには渋沢栄一出ないんだな
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最終更新:2024/04/19(金) 09:00
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