VOX(バーチャロン)とは (ボックスとは) [単語記事]

VOX(バーチャロン)とは、電脳戦機バーチャロンフォース、及び電脳戦機バーチャロンマーズに登場する機動兵器。
第三世代型バーチャロイドに分類される。

主導権を求めて火星へ・・

オラトリオ・タングラム戦役でグリス・ボック、シュタイン・ボックのセールスで大いに潤っていた第三プラントムーニー・バレー（MV-03）は、VC.a6年にアダックスと改名。
散々嫌がらせをしてきた第八プラント、フレッシュ・リフォー（FR-08）を嫌って地球圏のバーチャロイド市場を離れ、新たなフロンティアとして火星に目をつけた。よって、アダックスが火星に乗り込んだ初の旧DN 傘下企業ということになる。
（例外としてアイザーマン博士はそれ以前に個人的な交流があったものの、企業としてはこれが初）

だが、火星は既存のVコンバーターでは出力低下するノイズが発生しており、第二世代型バーチャロイドでは不十分な活動しかできなかったのである。
そこで、ノイズを除去するフィルターをVコンバーターに施した機体が「VOX」と呼ばれるシリーズである。

基本設計はグリス・ボックと同じく一回り小さい小型のバーチャロイド「VOX リー」の両脇と背中に武装ユニットを搭載するというユニットスケルトンシステムを継承。脚部の設計がVOK系より重量級に最適化されている。
VOK系はこの脚部にMBV受注時のフレーム設計を流用した。だが胴体部分は後回しにされていて設計も
脚部程進んでなかったので最も「仕様変更」の影響（とばっちり）を受けたのである。
量産効果や整備性の良さから火星でのベストセラー機となった。
それゆえ、派生機も多く、様々なバリエーションが存在する。元々ドルカスを生んだプラントだからこそであるが、ドルドレイ型機体もこちらに吸収された。
（これが出来たのはTV-02の経営幹部がMV-03に「とある理由で亡命」してきた時の『手土産』として
ドルドレイのデータを持ってきたから）

とはいえ、新天地ということから国際戦争公司（いわいる審判役）の目が不完全なのをいいことにかなりの数が現地の闇市場に出回っているらしく、ある意味で火星を混乱の坩堝に叩き込んだ遠因。
私設の保安官的な組織、MARZが結成されるにあたって機体供給を渋ったことからも推察される。

機体バリエーション・性能

フォースのゲームスピードの低下、攻撃バリエーションの縮小により、OMGのベルグドルやドルカスに先祖返りしたような性能となっている。
バリエーションにもよるが、ライデンほど武装の役割分担は明確ではなく、エネルギーゲージのやりくりによって形成される弾幕で追い込んでゆくスタイルを基本とする。

また、共通してしゃがみターボRWorLWでコアユニット部の機銃を連射する「ミーロフ・ガンシステム」で迎撃することができる。
普段は使わないだろうが、緩慢になりがちなVOXの中で貴重な早打ちができる技。

VOX Lee　リー

マーズにのみに登場する。
武装パックを装備していないVOX。軽量・小型であることを利点に、非戦闘任務に活用されることもある。

……のだが、抜き打ち査察に現れたMARZにボコボコにされてしまう運命にあった。
武装がCWのライフルのみ、ダッシュ近接以外の近接攻撃不能というハンデ機体である。

VOX Loo　ルー

マーズにのみに登場する。
背中にミサイルコンテナとそのFCSユニットを搭載しただけの簡易武装型。

リーと同じく武装がCWのミサイルのみ、ダッシュ近接以外の近接攻撃不能というハンデ機体である。
ミサイルの性能が悪いフォース、マーズにおいてはリー以上に厳しい機体であるという評価もされるほど。

VOX Dan　ダン

フォースではVOXの初期機体。マーズにおいても最も早く支給される。
グリス・ボックの後継としてミサイルランチャーを満載し、LWのナパームによる自衛を行う火力支援機体。

……のだが、ミサイルの弾速・誘導がゆっくりすぎてなかなか当たらない。それ以上に各種硬直キャンセルが失われたことから高速な重火力という先代の利点がなくなっている。
漕ぎもないため下手するとベルグドル以上に退化してしまっていると称されるが、コアなファンも存在している。→Danの人

VOX Danny　ダニー

フォースのみ登場のレア機体。　Danからさらに脚部にミサイルランチャーを増設したモデル。

TCWやしゃがみCWの１射目が脚部からの射出になっているため、障害物を越え難いが、その分、誘導性の高い攻撃が可能。
……なのだが、やはり障害物越しの攻防が重要な重量級でそれの削除というのは運用と噛み合ってなく、Danよりも使い勝手が悪いという評価がなされている。

VOX Age　エイジ

フォースのみ登場。　VOX版のMBVという機体であり、装甲・機動力は中量級のスペックとなっている。
Danとの組み合わせに適した機体特性と高い整備性から火星での人気は高い。

RWは実弾ライフル、LWは電磁警棒と電磁ボム、CWはカッターランチャー。
テムジンとドルドレイを足して割ったような機体特性であるが、装甲が甘く、障害物を越えたり近接が強いわけではないため今ひとつ器用貧乏感はあるものの、射撃の火力アベレージは高い。

VOX Joe　ジョー

ファイヤーボール、ハンマー、ファランクスを揃えたドルカスのリメイク。
かまくら状の頭頂部はコンパクトなドルカスをイメージすると賛否が分かれるところか。

手数こそ落ちたものの優秀なRWに加え、決め手に使えるLW、そして障害物からあぶり出すCWを備える。
地形を利用することが重要な2on2ルールにおいてCWの強さはかなりのもの。TCWの長射程もあいまって重量級としての存在感は高い。
……なのだが、後述のJaneの方が優秀な点を備えるため、どうしても比較で使用率が下がっている。

特殊攻撃はメガスピンハンマーではなく、突進技のダイビングヘッドバットとなっている。

VOX Jane　ジェーン

Joeと異なりRWとLWが入れ替わり、ハンマーがチェーンソーに換装された機体。

ハンマーの重量が浮いた分、ジョーよりも機動力に優れるほか、RWのチェーンソーはダウンを奪わないモードもあることからコンボが可能で火力期待値がJoeよりも高い。
もちろん自分から膠着を打破できるCWや、牽制によし前ダッシュで使ってよしのLWはJoeから譲り受けており、撃って避けて耐えるということからゲーム内では重量級の中でもトップの強機体と言われている。

VOX Bob　ボブ

VOX系列における近接型。ドリル・カッターランチャーなど、ドルドレイのコンセプトを継承した機体。

支給機体の中で最高の装甲値を持ち、主戦バーチャロイド的な正面戦闘を得意としている。
……のだが、オラタンのRTRWのバーナーが削除、特攻である「ドリルスラム」の突進中の旋回入力が鈍くなるなど、オラタンで恐れられた各種切り札が削除され、どうにもる大打撃に恵まれない機体となってしまった。
また、援護に向いた装備に恵まれないことも2on2の環境で逆風といえる。

マーズのみ、「2号」という装甲強化モデルが登場する。

VOX U-ta　ユータ

フォースのみ登場のレア機体。　VOXにおけるステルス機体。
RWリングレーザーやLWのソードユニットなど、ボブに近い装備をしているが、装甲は軽量級に近い。

一定時間動かずにいると姿が消える機能を持つが、結局敵の攻撃が誘導するので実質的な効果は薄い。
だが、相殺性能に優れたRWやCW、そこそこ威力のあるLWなど、火力面は見るものがある。
……のだが、やはり機動力はさほど恵まれているとは言えないほか、援護向きの武器も少ないので評価は低い。

VOX Mariko　マリコ

フォースのみ登場のレア機体。　脚部をホバークラフトに換装した軽量モデル。

その実かなりの玄人向け。CWのミサイル、LWのナパームからDanに近い印象を受けるが、RWが完全無誘導のガトリング砲となっている。
機動力は高いが中量級並みの装甲と大きな当たり判定から避けもそれなり、援護武装としてCWがあるが、カウンターに向いた攻撃が乏しいことから火力面は貧相な印象を抱かれがち。
ただ、RWを置きで使用できるようになると単位時間火力がめざましく向上する意味でも玄人向けだろう。

VOX Tetsuo　テツオ

フォースのみ登場のレア機体。
反動の強い大型砲を搭載する野心的コンセプトが裏目に出て、こんな脚部にせざるを得なかったいわくつき。
その機体特性は別ゲーだが、使いこなせれば大物食いが可能。

どんな機体かというとガチタン。アクションゲームなんて投げ捨てたシューティングゲームとなる。
目標に自動で上半身の砲塔部分がオートで動く（誘導はちゃんとロックオンする必要が有る）。これにより隙の狙い撃ちや、砲塔の旋回度合いで置き射撃ができる。
前進と後退は中量級並みの速度が出る代わりに左右へは歩くのと等速なので旋回して移動方向を制御しながら回避してゆくこととなる。ジャンプキャンセルでの旋回も可能だが、空中機動性は絶望的。
火力はガチタンさながらに暴力的。通常で２割、ターボで３割持って行く火砲を連射できる。しかもそれがRW、LW、CWと３箇所も。

カッターやボムといった相殺に向いた装備がないため、自衛は機動力しかないという最大の欠点を解決できるほど極めたテツオはその機動力と火力を兼ねたまさに主力戦車と化す。

小ネタであるが、グリス・ボックが搭載していた最終審判弾頭はこの機体にのみ継承されている。

VOX(バーチャロン) 単語

主導権を求めて火星へ・・