ハイランドリールとは (ハイランドリールとは) [単語記事]

ハイランドリール(Highland Reel)は、2012年生まれのアイルランドの競走馬・種牡馬である。

概要

父ガリレオ、母父*デインヒルは当該記事を参照。父ガリレオ・母父*デインヒルの組み合わせはフランケルを筆頭に数々の活躍馬が出るニックスとして知られている。
母ヴェガーは重賞未勝利馬であるが、2005年のオーストララシアンオークスで3着に入っているGI入着経験馬であり、その母サークルズオブゴールドはAJC オークス(豪 GI)を勝利している。ヴェガーの全兄には豪州 GI4勝およびドバイデューティーフリー勝利の実績があるエルヴシュトローム、半弟には豪州 GI2勝およびクイーンアンS勝利の実績を残しているハラダサンがいる。

2歳時は6月のデビュー戦で2着の後、2戦目を12馬身差で圧勝して勝ち上がった。その18日後のヴィンテージS(GII)でも2馬身1/4差で勝利し、休養に入った。

3歳時はフランスに遠征してのプール・デッセ・デ・プーラン(GI・1600m)から始動し、1番人気に推されるもここで6着に敗戦する。10番人気にまで落ちたジョッケクルブ賞では2着に入るが、愛ダービーでは英ダービー2着のジャックホブスに軽くひねられ11馬身半差の5着に終わった。

夏に入ってゴードンS(GIII)を勝つと、アメリカに遠征してセクレタリアトS(GI・10ハロン)に出走した。レースは大雨の中で行われたが、スタートから先手を取ると直線でも他馬を振り切り、5馬身1/4差を付けて楽勝した。その後、自国へ戻っての愛チャンピオンS(GI・10ハロン)5着を挟んでオーストラリアに遠征し、コックスプレートでウィンクスの3着となった。年末の香港ヴァーズでは逃げから道中マクリを受けて一旦先頭を譲ったが、最後はキッチリ抜け出すとフリントシャーを下して勝利を収めた。

秋に入り、インターナショナルS(GI・10f56y≒2063m)では再びポストポンドに敗れ2着となった。次走の愛チャンピオンSでアルマンゾールの7着と敗れたことで続く凱旋門賞では9番人気に評価を落としたが、好位追走から同厩のファウンドに続く2着に入った。

アメリカに遠征してのブリーダーズカップ・ターフ(GI・12ハロン)ではこの年4戦3勝のフリントシャーと凱旋門賞で先着されたファウンドに次ぐ3番人気に支持された。レースではスタートから軽快に飛ばし、直線で追ってきたフリントシャーやファウンド以下を退けて勝利した。余勢を駆って香港ヴァーズ連覇を目指し、今度もスタートから軽快に逃げて直線で他馬を突き放したが、ただ1頭追い込んできたサトノクラウンに半馬身差で交わされ2着に敗れた。

以降はキングジョージVI世&クイーンエリザベスSでエネイブルの4着、英チャンピオンS(GI・9f212y)ではクラックスマンの3着、ブリーダーズカップ・ターフでも連覇ならず*タリスマニックの3着と勝ちきれない競馬が続いたが、引退レースとなった年末の香港ヴァーズでは本馬の後ろから先にスパートをかけて先頭に出た*タリスマニックを直線で交わしてこれに1馬身3/4差をつけ勝利し、GI7勝目を挙げて有終の美を飾った。通算27戦10勝。

引退後はアイルランドのクールモアスタッドで種牡馬入りすることとなった。初年度の種付け料は17500ユーロとなり、シャトル種牡馬としてオーストラリアでも種付けを行った。

産駒は2021年からデビューしたが、2022年までに2世代で重賞馬2頭と物足りない成績。12Fを主戦場にした自身同様、産駒の距離適性もやや重めに出たようで、マイル以下のレースが多い2歳戦は勝ち上がり率も伸び悩んでいるようである。

そういった事情もあってか、2023年からはなんと日本に輸入。北海道・日高のエスティファームで供用されることになった。エスティファームは「トーセン」冠名の島川隆哉オーナーが所有する生産牧場で、トーセンジョーダン、トーセンレーヴ、トーセンホマレボシ、ヴァンキッシュランなどがプライベート種牡馬として繋養されているが、ハイランドリールは種付け料200万円(受胎条件。出生条件250万円)で募集するとのこと。日本で巻き返しなるか。