魔装機神はスーパーロボット大戦シリーズに登場する4体のオリジナルロボットである。
これらは架空のロボットアニメ『魔装機神サイバスター』から登場しているというコンセプトで参戦しており、
主人公マサキ・アンドーが搭乗するのが風の魔装機神サイバスターである。
第2次スーパーロボット大戦から初期シリーズで活躍。現在でもOGシリーズに参戦している。
初期のスーパーロボット大戦シリーズが『第4次スーパーロボット大戦』で一旦完結を迎えた後、
製作・販売されたゲームが『魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』である(主な略称はLOE、以下LOEと呼称する)。
「魔装機神」を冠する作品は複数あるが、単純に「魔装機神」や「魔装」と言う場合、
主に「LOE」を中心としたウインキーソフト制作の「スーパーロボット大戦」に登場するサイバスターとラ・ギアスの物語とその世界観のことを指す。
ラングラン王国の開発した16体のオリジナル魔装機(正魔装機)の内、特に高い力を持った4機のことを指す。
他の魔装機とは違って魔装機神は高位の精霊と契約を結んでおり、Aクラス魔装機ともいう。
魔装機神は自意識を持っており、「正しい心」を持った人間を自身の操者(パイロットのこと)を選ぶ。
4機ともファミリアを使った攻撃や、MAP兵器を所持しているのが特徴。
まだスーパーロボット大戦が今ほどのネームバリューを持つ前、第2次スーパーロボット大戦において、バンプレストオリジナルの架空アニメ枠として『魔装機神サイバスター』が参戦した。…とは言え、第2次ではその背景はほとんど語られずマサキがシュウを追っている、ぐらいの情報量であった。第3次にも引き続き参戦、展開するものの、「何故」シュウを追っているのかという点は漠然としたままであった(一応、シュウがラ・ギアスで極めて危険視されている存在ということまでは把握できる)。
この部分が初めて深く描かれたのが『スーパーロボット大戦EX』である。舞台はラ・ギアス。この作品ではラ・ギアスで起こっていた騒乱に地上人が巻き込まれる形で展開。マサキ視点・リューネ視点で戦乱の終息を目指し、第3次で散ったはずのシュウも蘇生し、独自の目的のために行動を起こす。魔装機神サイバスターという作品についての掘り下げが行われることになり、今まで明かされなかった細かい設定も公開された。
続く第4次ではどちらかといえばマサキよりもシュウにスポットが当たったストーリーになっている。
また、これと前後して同じバンプレストから発売された『ヒーロー戦記 プロジェクトオリュンポス』に、マサキとシュウの2人がゲスト出演している。シナリオ途中で一時的にパーティに加わるほか、ある手順を踏むと最終ダンジョンに隠しキャラとして登場することもある。
1996年発売。スーパーロボット大戦初のリアル等身のグラフィックとなっているのが特徴。システム面ではパイロット技能が本格的に戦闘に影響を与えるようになっている、武器を改造することでランクアップして新たな武装に変化するなどの後の作品にも継承される要素に加え、斜め見下ろし型で高低差が反映されるマップ、向きの概念、ZOC、「プラーナ」の存在など、この作品独自の要素も数多くある。舞台はEXと同じく地底世界ラ・ギアス。ストーリーは二部構成になっている。
第1章 地上から召還された少年マサキ・アンドーがサイバスターの操者に選ばれて成長し、仇敵シュウ・シラカワを追いかけて地上に舞い戻るまでを描く。『スーパーロボット大戦EX』では既にマサキと知り合っているキャラクターとの最初の出会いや、ラ・ギアス事件では姿を現さなかったキャラクター達も登場する。マサキが何故シュウを追っているのか、ザムジードの前任操者リカルドについて、プレシアと義兄妹になった流れなど断片的にしか情報がなかった部分もメインストーリーとして明確に描写されている。
第2章 地上での戦いを終えたマサキ達がラ・ギアスの動乱を収める戦いを描く。シナリオの分岐が多く、一部も含めたフラグ立てによってキャラクターの加入非加入や生死、ストーリー展開が大きく変化する。味方キャラクター達の殆どが必殺技を新たに編み出すが、分岐によってそれが変化したり修行する機会がなかったりする。
1999年の『スーパーロボット大戦 コンプリートボックス』を最後に、スーパーロボット大戦は一旦ウィンキーソフトの手を離れてバンプレスト主導で新展開をしていくこととなったが、その中で魔装機神は独自の展開を見せることになる。
2000年に新シリーズとして産声を上げた今作品にも「魔装機神」は参戦した。が、過去作品で完成している設定とは別の、いわゆる「α設定」での参戦だったために、SFC版のファンからは不満の声が上がることもあった。
……と、語られる際は設定上のアラを指摘されることが多いが、注視するとベースとなる旧第2次・第3次と比較した場合、実は魔装機神勢のポジションはほとんどズレていない。シュウが関係しているDCが今作では表面上味方勢力だという点が多大に影響しているのではないかと思われる。
その後の第2次α・第3次αには参戦していない。この件に関しては、α外伝の時点である程度のストーリーが消化できており、旧第4次におけるシュウの役回りもストーリー上不要だったためではないかと思われる。……とはいえ、流石に急な降板だったと言わざるを得ない。
通称アニバスター。テレビ東京系で1999年に放送されたロボットアニメ。
風の魔装機神サイバスターや異世界ラ・ギアスだけを受けついだ全くのオリジナルの世界観で描かれた作品である。原作からあまりに乖離した内容や、作画崩壊も著しかったこともあって既存のスーパーロボット大戦ファンにはあまり評判が良くない。
黒歴史扱いされることもある。
主題歌「戦士よ、起ち上がれ!」は名曲としてアニソンマニアに知られている他
エンディングテーマは矢井田瞳がSEE SEEという名義で歌っているなど音楽面では以外と話題がある。
やはり既存の世界観とはあまり関係のない作品。時代は21世紀より後で、世界は荒廃している。ニッポン放送のラジオ番組「アニガメパラダイス」内で流れており、CD化はされていない。まともな声優はナレーションの白石冬美だけで他の出演者は声優というよりはその卵達である。
低予算で作られていたと当時の番組スタッフのサイトで暴露されている。
1999年にプレイステーションで発売されたゲームソフト。世界観を一新しており、異世界ア・ゼルスを舞台としている。
菊池たけし作品。既存の魔装機神ともリンクした設定がある。詳細は真・魔装機神の項で。
スーパーロボット大戦Zにもカットインで少しだけ登場している。
こちらはウィンキーソフト開発のゲームソフト。2000年発売。元々はLOEの続編として企画されており、システムや世界観も似通っている。続編であるライブレード2がウィンキーのHPで告知されているが、未だに続報はない。
機体を受け継いだ『真・魔装機神』に世界観を受け継いだ『ライブレード』と、どちらも断片的に魔装機神をベースに持つ両者が近い時期に現れたことと、当時はバンプレストとウィンキーソフトの提携が解消されていたことなどから、版権の分裂状態にあるのではないかという憶測が生まれ、主流化していった。なお、この件に関して公式の見解としては寺田プロデューサーが「続編が出せないのは版権のせいじゃない」と、やや遠まわしに否定している。
GBA発、スーパーロボット大戦シリーズのオリジナルキャラクターのみで構成したシリーズ。OG1は2002年に発売された。その中にはもちろんサイバスターの姿もあった。旧シリーズの第2次・第3次部分に当たるストーリーが描かれたが、魔装機神に関連するストーリーはビアンとの決着、リューネとの出会い程度で本筋とは言い難かった。
そんな中、OG1・2はPS2に移植されることになる。その続編として2007年に発売されたOG外伝ではシュウの行動がクローズアップされるようになり、旧第3次の隠しステージの再現まで行われた。それ以前に、OG2シナリオの中でOG3以降での旧第4次の敵勢力の襲来が確定的になっており、シュウをわざわざ倒させるイベントを用意してきたのは魔装機神復活の前触れではないかという憶測も生まれた。
なお、それらしい伏線はそれ以前からあり、OG1に登場したトーマスというキャラクターはLOEにも登場していた(LOEで彼本人がDCに所属していたことを仄めかす発言をしており、それを知るファンへ向けてのサービスだと思われていた)
そして2010年。OGサーガ(外伝作品)として、原作者である阪田雅彦氏監修の元、LOEのリメイクが発表された。製作はウィンキーソフトである。
2010年5月27日、ニンテンドーDSソフトとして発売された。
基本的にはSFC版LOEのリメイクであるが、主な変更点として
などの違いがある。なお、旧EX・第4次に当たる部分が今後どう展開するのかは今のところ不明(何らかの形で補完するとのこと)。
リメイク版『魔装機神』においては、大小様々なシナリオの追加や変更部分があったのだが、その中に「メモリアル・デイ」のシナリオで、マサキの口から「(EX部分の開始の前に)寄り道をした」と語られる場面があった。
旧作の時系列に当てはめた場合、本来はインスペクター戦争の後はすぐにラ・ギアスでの戦いに移行する。そのため、この追加設定はサイバスターの他作品へのゲスト参戦の伏線ではないかと噂されていたのだが、2010年8月発売の『Another Century's Episode:R』に、プレイヤーキャラとして他のOG系のロボと共にサイバスターとマサキが登場した。
15年ぶりの新作、『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD』が発表された。機種はPSPで、2012年1月12日発売予定となっており、前作LOEと同様、制作はウインキーソフト、脚本は阪田雅彦が担当している。
なお、初回限定版として、リメイク版『LOE』が同梱された『魔装機神Ⅰ&Ⅱ』も発売される。こちらではDS版の『LOE』を元にグラフィックなどがブラッシュアップされ、また今まで声のついていなかった前作キャラにボイスを搭載したものとなる。そのほか、ダウンロード版も販売するがこちらには魔装機神Ⅰが付かないので注意。
魔装機神の時系列は大筋でスーパーロボット大戦シリーズとリンクしていた。旧シリーズ(第4次)から先、「魔装機神サイバスター」の参戦が限定的になっていた背景には、本家シリーズとの時系列リンクが問題になっていた、と寺田プロデューサーから語られている(版権問題が囁かれていたが、このあたりは本人こそ否定しているものの不明である)。
LOE第1章→第2次→第3次→EX→第4次/F→LOE第2章
(LOE第1章)→α(旧第2次・第3次相当*)→α外伝(旧第3次・EX相当*)→?(以降音沙汰なし)
*DC版αにおいて追加されたルートで旧第3次のある場面を再現したシナリオがある。
またα外伝においても旧EXでの内容を一部再現した物がある(ザムジードのパイロットなど)
新約LOE第1章→OGs(旧第2次・第3次相当)→OG外伝(第3次相当)→ACE:R(ゲスト参戦?)→?(以降未定)→新約LOE第2章→魔装機神Ⅱ
※SFCソフト「魔装機神LOE」は入手困難となっております。
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最終更新:2024/05/04(土) 20:00
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