OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)とは、
スクウェア・エニックスが2018年7月13日にNintendo Switch向けに発売したRPGである。
概要
OCTOPATH TRAVELER | |
基本情報 | |
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ジャンル | ロールプレイング |
対応機種 | Nintendo Switch PC(STEAM) |
開発元 | アクワイア |
発売元 | スクウェア・エニックス |
発売日 | 2018年7月13日 (SWITCH) 2019年6月8日 (STEAM) |
価格 | 6,800(税抜) |
対応年齢 | CERO:C |
プレイ人数 | 1人 |
ゲームソフトテンプレート |
2017/1/13に行われたNintendo Switchの仕様発表のプレゼンテーション内にて発表された完全新規RPG。
ブレイブリーデフォルトなどスクウェアのRPGのリバイバルでお馴染みのチームが開発を担当しており、SFC時代のスクウェアのRPGの要素や、同開発チームの過去作品からの要素を数多く汲んでいる。
開発チームがHD-2Dと呼ぶスーパーファミコン時代のドット絵をドット絵のまま3DCGにしたような独特のグラフィックで構成されている。
主人公は出身も目的も異なる8人から選び、どこで何をするかはプレイヤーに委ねられている。
8人の主人公にはそれぞれ異なる目的がありその実現のために互いに協力することになるが、目的同士の相互関係はあまり強くなく誰の物語を先に進めるかは自由となっている。
2019年3月8日:公式Twitterで「OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者」がスマートフォン向けにリリースされる事が発表され、1stPVが公開された。詳しくは当該記事へ。
2022年9月14日、本作の世界累計出荷・DL販売本数が300万本を突破していたことが公式より明らかとなった。
サブシナリオと世界
各キャラクターのメインとなるシナリオの他にも、各キャラの持つフィールドコマンドを利用したサブシナリオが多数存在し、中には複数の解決策があり結末が変わるものもある。
それ以外でも、「しらべる」「聞き出す」で得られる意外な話、「盗む」「買い取る」で見られる持ち物、「導く」「誘惑」で同行させた際の強さなど、一人のNPCがたくさんの情報を持っている。
それらの情報には、各町に存在する町人たちの意外なつながりや生き様が垣間見れるもの、現代社会なら身近にあるようなものを発明する話といった、世界観を強く感じられるものが多い。
HD-2D
本作の独特なビジュアルを構成する表現技法
HDといっても解像度の高いドット絵というわけではなく、キャラ、建造物、地形などのオブジェクトはSFC時代のようなドット感剥き出しなドット絵で表現し、そこに炎、水、光などをUE4の描写エフェクトで表現して組み合わせた画面のことである。
ドットということで、同じ人間なのに2.5頭身の味方と高等身の巨大な敵が同じ画面で対峙する懐かしい演出の戦闘画面や、3Dでリアルにやると規制対象になりかねない描写など、記号的表現が活かされている。その一方で光や水の質感や空気感は最新鋭のものであり、視覚効果を入れたミニチュアやジオラマ、あるいは子供の頃に目に映っていたゲーム画面の再現とも言える、古くて新しい技法である。
戦闘システム
戦闘システムの基本はオーソドックスなターン戦バトルが採用されているが、同開発チームの作品では恒例となる「行動力を貯蓄するシステム」が進化した形で搭載されており(後述)、戦略的な戦い方が要求される。
BP(ブーストポイント)
ここぞという時に本気を出せる、今作における行動力蓄積システム
戦闘開始後、自動で1ターンに1づつ最大5まで溜まっていく(所謂MPに当たるSPとは別物)
これを消費することで通常攻撃やアビリティを「ブースト」することができ、連続攻撃化、ダメージ増加、成功率向上など通常よりもはるかに大きな効果を発揮することができる(最大3まで)。
また、ブーストしてもSPの消費は変化しないので、単純にSPの節約にもなる。
ただし、ブーストを使用した次のターンはBPが貰えないので、まとめて使用したほうが効率的。
次に記すシールドとブレイクの関係上、戦闘中には割とどうでもいい時とここぞという時が生じるため、ここぞという時のためにBPをうまくやりくりして戦わなければならない。
シールドとブレイク
全ての敵には弱点とシールドポイントが設定、明示されている。
弱点は初めは個数しか表示されていないが、攻撃で弱点を突けば開示される。
弱点となる武器や属性で1回攻撃する毎にシールドポイントが1づつ減少し、0になると敵がブレイク状態となり、防御力が大幅な低下と、そのターンと次のターンに予定されていた行動のキャンセルが発生する。
次のターンの終了後、敵のシールドが初期値まで回復してまたブレイクできるようになる。
通常攻撃でシールドを地道に削ってブレイクした敵にSPとBPをつぎ込んだ攻撃をお見舞いしたり、猛攻撃を予告してきた敵を未来視ブレイクして猛攻撃を中止させるなど、あえてシールドを割らずにいつでも割れる状態をキープしておくなる戦闘に緩急が生じる。
また、弱点さえつけばどれだけ貧弱な攻撃でもシールドを1削れるため、杖打撃、物理職の魔法、攻撃アイテムなど、これまで死に技になりがちだったものにも使い道が生まれている。
ジョブシステム
初めのうちは主人公たちの本職である「ベースジョブ」だけで戦うことになるが、他の主人公のジョブやまだ見ぬ謎のジョブを入手し「バトルジョブ」として追加で1つセットできる
各ジョブは「アビリティ」と「サポートアビリティ」を持っており、このうち主に戦闘で使用する「アビリティ」は戦闘で入手できるJpを消費することで好きな順番で覚えることができる(最後の一つを除く)が、後半ほど必要なJpが増加していく
「サポートアビリティ」はそのジョブでアビリティを覚えた数に応じで固定順に入手でき、一度入手してしまえばどのジョブでも一定の個数セットすることができる。
主人公
8人の主人公それぞれが異なる出自と相互に関係の薄い全く異なる目的を持っているが、サガシリーズよろしく成り行きで仲間になり互いに目的を果たすために協力していくことになる。
ゲーム開始時に8人から一人を選ぶことになるが、最初に選んだ主人公だけではなく他の主人公のストーリーも最初から最後まで見届けることができる。
8人にはそれぞれ固有の「フィールドコマンド」があり、NPCに色々なことをすることができる。
また、それとは別にキャラクターに固有の能力を一つづつ持っている。
剣士 オルベリク
名を隠して用心棒として山村に身を寄せている剣士。かつては剛剣の騎士と称えられる騎士であったが戦乱で敬愛する王と国を失ってしまっている。
NPCと「試合」で戦闘を行うことができ、また、戦闘時は「防御」コマンドもブーストできる。
剣士
剣と槍を使いこなす戦士
オルべリクの設定で判る通り、FFで言う所のナイトに近い性質も持っている。
剣は全体攻撃の「横一文字斬り」、単体攻撃の「十文字斬り」と解りやすい性能
槍は次のターン速く動ける「一番槍」、連続攻撃の「千本槍」、どちらもシールド削りに有効
防御用に「鉄壁」や「挑発」を用いて敵の攻撃を引き付けることもできる。
奥義「雷剣将ブランドの剛撃」は敵単体に剣の極大ダメージを与えることができる。
サポートは「かばう」など、「ダメージ限界突破」を持つのもこの職。
踊子 プリムロゼ
砂漠が広がるサンランド地方の歓楽街で暮らす踊子。本来は有力貴族の令嬢であったが、父を殺したカラスの入れ墨の男たちを探して踊子をしながら手がかりを求めている。
NPCを「誘惑」して連れまわし、他のNPCに突き出すことができる。
戦闘時は「加勢」させて戦力としても利用可能。
踊子
闇に舞う解語の花、武器は短剣
様々な舞によって味方単体の能力を向上させる能力を持つ
「月夜の詩」「闇夜の詩」によって闇属性の魔法攻撃も可能、さらに所謂パルプンテである「摩訶不思議の舞」も保持している。
奥義「舞踏姫シルティージの囁き」は3ターンの間『単体を選択して対象にする技』を全体化するというもので、自身の各種バフだけでなく、他職の反射技を猛烈に重ねがけすることも可能。
「反撃」や「SP自動回復」など、他のクラスでほしいサポートアビリティが充実している
商人 トレサ
海望むコーストランド地方の港町で両親の営むよろず屋で働く商人。自分のしたい事、本当に欲しいものは何かを考えながらいつも海を眺めている。
NPCの持ち物を「買い取る」ことができる。
また、敵が出現する地域を歩くと危険度や距離に応じてお金を入手することができる。
また、ベースジョブが商人であるという性質上、一部のアビリティや武器が強力な効果を発揮する。
商人
HPSP状態異常を回復する「一休み」、1回だけ物理攻撃を避ける「緊急回避」など自身の身の安全を確保する手段に長けている。自身にやることが無いなら余剰BPを「BPパサー」で人にくれてやろう。
「風呼び」「大風呼び」による風属性攻撃も可能。
奥義「紳商伯ビフェルガンの心眼」は敵単体に無属性攻撃しダメージと同額のお金を入手する。
単体無属性だが威力自体は他の奥義と遜色なくボス戦でも火力が出せる。
HP1で耐える「ふんばる」や「消費SP減少」など、サポートアビリティも強力。
何ができる、というわけではないが痒い所に手が届く性能をしている。
薬師 アーフェン
小川せせらぐリバーランド地方の小さな村の薬師。幼い頃に代金なしで薬を置いて行った旅の薬師のように大陸中の人を救いたいと思っている。
NPCの持つ情報を「聞き出す」ことができる。
戦闘時は様々な効果の薬を「調合」することができる。回復薬は全体異常回復や全体BP回復はアイテムでは代用できない、攻撃薬は全属性で一応攻撃できることになるのでシールド削りに有効。
薬師
一般的な薬師と異なり半分は物理職と言える配分のステータスを持ち、HPが非常に高い。
「応急手当」「復活手当」などの技は神官と比較すると単体なのが難点だが効果は高い
ST異常を治療しつつ数ターン無効化できる「健全化」は状態異常を振りまく敵に対する生命線になる
薬師とはいうものの「大切断」「死中活撃斬」等の斧技も強力。
奥義「霊薬公ドーターの恩恵」は味方単体にアイテムの効力を全体化する効果を3ターン付与するもの。
狩人 ハンイット
深き森続くウッドランド地方の村一番の狩人。ある魔物を狩るために一年前に旅に出て未だに戻らない師匠を待ち続けている。
NPCに魔物を「けしかける」ことができる。
戦闘時も魔物を「捕獲」しておき、「けしかける」ことができる。
狩人
自然と共に生きるハンター、武器は弓だが一応斧も使用できる
「さみだれ矢」や「どしゃぶり矢」など多段攻撃に長けており、弓弱点の敵であればシールドをガリガリと削っていくことができる。多段故の低命中率は「ターゲット」で補える。
また、敵の行動をターンの最後にする「ねんちゃく糸」は安定して敵をブレイクできれば敵の行動回数そのものを大幅に減らすことができる。
奥義「狩王女ドレファンドの猛追」は敵全体に弓の極大ダメージを与えるもの。雑魚敵を一掃するのに便利。
盗賊 テリオン
断崖が連なるクリフランド地方に流れ着いた盗賊。過去について知る者はいないが神出鬼没の噂は貴族や富豪たちを震え上がらせている。
NPCの持ち物を「盗む」ことができる。
フィールドでは紫の宝箱を開けることができる。
盗賊
盗みの技で孤高を生きるサバイバー、武器は短剣と一応剣も使える
「コウモリ」「フクロウ」によって敵の物攻や物防を下げることができ、味方にバフをかけるより遥かに手っ取り早い。短剣技の「ライフスティールダガー」や「マジックスティールダガー」は敵を攻撃し、HPやSPを大量に吸収して回復し、さらにシールドを2削れるという多機能な技。
あまりのSP回復効率の良さから後半はSPがほぼ使い放題となる、「SPパサー」で味方に分け与えることも可能。
奥義「盗公子エベルの鉤爪」は敵全体に自身の行動速度に応じた短剣のダメージを与えるという効果。
初めは火力不足を感じることもあるだろうが、使いどころが解ってくると強力なジョブである。
学者 サイラス
豊かな平原広がるフラットランド地方の学者。整った容姿から、王立学院の生徒たちから熱い視線が注がれるが、その目に入るのは本や謎のことばかり。
NPCの情報を勝手に「探る」ことができる。
戦闘時は「予習」によって開始時に敵の弱点を一つ発見できる。
学者
「火炎魔法」「氷結魔法」「雷鳴魔法」というあまりにもそのまんま過ぎるネーミングの魔法で敵全体を攻撃する。上位版の「大〇〇魔法」は2回攻撃なのでシールドを2削ることができる。
敵の数が多い時に敵全体を強烈な威力で攻撃し、さらにシールドを削れるというのはかなり大きい。
敵の弱点を突くことが重要な今作では「しらべる」の需要も高い。
奥義「碩学王アレファンの知識」は、味方単体に魔法が単体化し、威力が上がる効果を3ターン付与するというもの。
サポートアビリティの「エンカウント半減」「先制攻撃回避」は安全のためにぜひ欲しい。
神官 オフィーリア
雪降り積もるフロストランド地方の神官。聖火教会に仕え、20年に一度行われる“式年奉火の儀式”のため各地を巡る旅に出る。
NPCを「導く」ことで同行させ、他のNPCに引き合わせることができる。
戦闘時も「加勢」してもらうことが可能。
神官
「回復魔法」「大回復魔法」「復活魔法」はどれも味方全体に効果があり、素の状態でも効果は高い。
さらに「聖なる光」「光明魔法」による光属性攻撃も悪くない威力が出る。
魔法を1回跳ね返す「反射のヴェール」は敵しか反射しないうえ重ねがけできるので、BPを調達できれば魔法を完封できる可能性がある。
奥義「聖火神エルフリックの導き」は味方単体に奥義を除く技2連続発動するようにする効果を3ターン付与するというもので、ほとんどのジョブで有効に機能する。
サポートアビリティ「逃げる成功率上昇」は無理に遠出したいプレイヤーは是非。また「回復限界突破」は強力な生存手段になる。
上級ジョブ
各キャラがついているジョブのほかにも、強力なジョブが4つ隠されている。
祠に行けば入手できたバトルジョブと異なり、入手するためには試練として強力なボスを倒す必要があり簡単には入手できない。
確かに超強力なアビリティが目白押しである一方、特化しすぎていて戦略を取れる範囲が狭かったり、運用に一工夫が求められたりと使うほうも上級者である必要がある。
ルーンマスター
ウェポンにエレメントをエンチャントするマジックナイト。武器は剣と斧。
所謂魔法剣士に該当するジョブで、全能力ともに高め。全6属性の「(属性)のルーン」というアビリティを覚え、これを使用すると自身が武器による攻撃を行った敵にルーンの属性による追撃が発生するようになる。追撃は攻撃使用者の属性攻撃力に依存し、物理特化状態でもそこそこ、属性攻撃力をちょっとでも意識すれば恐るべき威力を発揮する。
また、使用者本人のみを対象とする特技を味方全体に広げる「拡散のルーン」で味方にもルーンを渡すことができる、やや手間はかかるがこれで全員の攻撃力とシールド削り速度を大幅に加速できる。
尚、トレサとオルべリクは自分のジョブの技も全体化して味方に渡すという悪用が可能。
奥義「魔剣士バロガーの覇気」は、敵単体に6属性で6連撃のダメージを与える技。
星詠人
敵全体を風光闇で3回攻撃する「流星」、BP回復力が増加する「BPブーストのめぐり」、物理攻撃を反射する「お返しの巡り」などなど、補助寄りではあるが覚える技に他の上級職のような統一性が無く、言うなれば他のジョブで出来ないことややりにくいことをかき集めたようなアビリティを持っており、意外な部分が役立つこともしばしば。
奥義「占星師ステオーラの予言」は、敵全体に無属性のダメージを与えるものだが、味方のBPが多いほど威力が上がるというトリッキーな効果を持っている。
「獲得JPアップ」を始めとしてサポートアビリティがどれも強力。
魔術師
全6属性の「特大〇〇魔法」を持ち、敵全体に3回攻撃が可能。敵に大ダメージを与えつつシールドを3削ることが可能であり、凄まじい殲滅力を発揮する。あと一つの技は敵の属性防御を下げる杖技「属性防御破壊打ち」。それしかできないと言えばその通りだが、BP消費なしで敵全体のシールドをガリガリ削りそのまま火力として叩き込める自己完結性は魅力。
奥義「魔大公ドライサングの秘術」は、味方単体に属性クリティカルの効果を3ターン付与するというもの。
サポートは「特攻強化」「属性熟練化」など主に属性を強化するものが並んでいる。
武芸家
「(武器名)の武芸:〇〇」という形式の技を武器ごとに一つづつ持ち、剣は連続攻撃、斧短剣杖は全体攻撃、槍と弓は単体攻撃と、下級ジョブと被らないような範囲に設定されておりいずれも強力。あとの一つは、装備していない手持ちの武器を選択しそれを失うのと引き換えに超強力な攻撃をする、「破壊の武芸:獏」。
奥義「豪武将ウィンヒルドの咆哮」は敵全体を6種の武器で6連続攻撃する。
強力だが物理攻撃以外の役割が持ちにくいという点がやや問題か。
サポートは「火事場の馬鹿力」「永続フィジカルアップ」など物理性能を強化するものが多い。
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外部リンク
関連項目
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