キュアオアシスとは、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』の登場人物である。CV:中原麻衣
この項目は、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』のネタバレ成分を多く含んでいます。 ここから先は自己責任で突っ走ってください。 |
概要
-乾いた心に!キュアオアシス!-
『トロピカル〜ジュ!プリキュア』でのプリキュアの設定は、海の国グランオーシャンに語り継がれる伝説の戦士。つまりまなつやローラたちが活躍するよりも以前にプリキュアが存在したという事になる。そしてそれこそ、ここで記すキュアオアシスである。物語上では第29話から登場するが、この名前が明らかになるのは最終盤の第44話。第43話まではエンドクレジット上では「伝説のプリキュア」となっていた。
ライムグリーンを基調色にし、ノースリーブとバルーンスカートのワンピース姿で背中にはマントを着用。アームカバーを身に着け、ニーハイロングブーツを履いている。そして髪型が特徴的で、ヤシの木がモチーフというトロピカった感じになっている。
ある日のこと。まなつはある夢を見る。ローラの手鏡が落ちており、それを拾うと見知らぬ少女と出会う。夢の中のローラが言うには「伝説のプリキュア」なのだという。
明くる日学校へ向かう最中、街のそこかしこにヤラネーダが大量発生。次から次へと出てきて苦戦する中、手分けしてヤラネーダを倒し学校を救うため、そして置き去りにしていたくるるんと文化祭で使った手作りのドレッサーを回収すべくサマーが向かったのだが、そこでやる気パワーを奪われてしまう。
だが、プリキュアの負けない心に呼応するように手鏡が光り、ドレッサーの鏡を通じてまなつにやる気を与え復活することになる。その後合流したプリキュア達の前には超ゼッタイヤラネーダが出現。圧倒的な力に押される中、ドレッサーが光り輝くとともに、件のプリキュアが姿を見せる。そして彼女は「あとまわしの魔女になってしまった魔女を救ってほしい」と告げ、ランドハートクルリングを授けたのだった。
以降もまなつの夢に現れては、廃墟と化した街において、あとまわしの魔女らしき者と戦う伝説のプリキュアの姿を見せるとともに、まなつと言葉を交わしている。また、まなつたちがグランオーシャンに向かった際にもマリンハートクルリングを与えるなどサポートする様子も見られた。また女王メルジーヌとも鏡に映った姿で対話する場面も見受けられる。
色々と不思議な要素がある伝説のプリキュア。そんな彼女の秘密が明らかになるのは最終決戦になったときである。
その過去、そして結末
またも街中のやる気パワーが奪われ、まなつがシロナガスクジラ型の巨大超ゼッタイヤラネーダに飲み込まれ、マーメイドアクアポットも攻撃を食らって故障。色々と危機的状況に陥る中、ラメールはグランオーシャンへ向かいアクアポットの修理を女王に頼むとともに、伝説のプリキュアについて尋ねる。
一方のまなつは夢の中で伝説のプリキュアと会うとともに、彼女から不思議な光景を見せられる。それは洞窟の中で傷ついた何者かを手当てする少女の姿だった。そしてこの光景が何か、合流したローラによって語られた。
何百年も前の話。破壊の魔女と呼ばれる存在がいた。魔女は世界を破壊し我が物にしようとしていた。しかし人間の抗戦にあったため、傷つきいつしか何処かの洞窟へと身を潜める。そんな洞窟に一人の人間の少女が現れる。
アウネーテというその少女は傷つく魔女の姿を見て、魔女が何者か知らないまま、外見に関係なく自分の信念に基づいて、魔女を手当てし食事を与え面倒を見た。アウネーテは魔女と心を交わし、友情の証として赤いアネモネの花で作った指輪を与え、「明日また会おうね」と告げた。しかし魔女はその日の夜に洞窟を去ってしまう。
魔女はその後再び地上への侵攻を開始。危機を感じた当時のグランオーシャンの女王は一人の人魚にトロピカルパクトを託して遣わし、それを得た人間の少女がプリキュアとして戦うこととなった。
しかし運命とは奇妙なもの。プリキュアの存在を知り自ら地上に向かった魔女は、そこでかつて自分を助けた少女、アウネーテと再会する。そして互いに何者であるか、アウネーテは助けたのが破壊の魔女だったこと、魔女は助けてくれたのが後にプリキュアになっていたことを知ることになる。アウネーテは変身し、キュアオアシスとして魔女と戦うことになる、それも涙を流しながら。
ちなみにこの時戦う姿を見せているが、ハートルージュロッド片手に単身圧倒的な力を見せ、しかも単独でランドビートダイナミックもマリンビートダイナミックも繰り出すという凄さである。
オアシスと魔女の戦いは熾烈を極めなかなか決着がつかない中、魔女は突如「決着は明日にしよう」と去ってしまう。そして魔女はオアシスとの決着を明日、また明日と先送りにし、それが何百年も積み重なって魔女はいつしか自分の目的、「何を後回しにしていたのか」を忘れ、「あとまわしの魔女」と呼ばれるようになっていった。
年月がこれだけ経ったという事は、プリキュアとは言え元は人間であるアウネーテも寿命が尽きるのは当たり前。肉体が滅んだ現在は思念のみがこの世に残っていたのである。
魔女が記憶を取り戻し、世界の破壊を行おうと暴れる中、この事実を知ったサマーは魔女を説得する。そして「あなたは戦うことを望んでいない!あなたの一番大事なことは破壊じゃなくて人間の女の子と仲良しになること!それがあなたがずっとあとまわしにしてきた、勇気が無くてできなかったこと!」と伝える。
その強い想いに呼応するようにサマーの身体が光り輝くとともに、彼女の身体を借りる形でオアシスが姿を見せ、魔女との再会を果たす。互いに涙を流しながら再会を喜び合った二人。ようやくオアシスと友達になれた魔女は笑顔を見せながら泡となって消えていき、オアシスはサマーからの問いかけに応じる形で自らの名前を告げて光とともに消えていった。
……これで済んだと思ったでしょ?ところがどっこい。
召喚!トロピカルパラダイス
魔女の消滅を受けて遂に限界極まったバトラー。破壊の魔女の当時から付き従っていた以上その気持ちは分からなくも無い。ついには自らヤラネーダとして魔女の意志を次がんと破壊に走り、プリキュアたちを圧倒するのだが、「今一番大事なこと」を大切にするプリキュアたちのやる気が満ちている。そして大地と海、2つのリングが光り輝くとそこはあまりにもトロピカった空間と化した。
ランドビートダイナミックのピンクの象とマリンビートダイナミックのジンベイザメが大量増殖するとともにバトラーを取り囲み、「5つの力、世界にドカンとトロピカれ!」の声で現れたのは、なんとサンバの衣装に身を包んだ巨大なキュアオアシスっぽい御仁。
先週までのシリアスな展開とは打って変わって、「うぅーーーー、フィーバーーーーー!」と思い切りはっちゃけたオアシスもといトロピカルパラダイス(エンドクレジットもこうなってるから仕方ない。声は中原麻衣のままだけど。ちなみにオアシスとは似て非なる存在だそうです)は、はじける笑みでサンバを踊り、象とジンベイザメの大群はバトラーめがけてビンタのごとく体当たりを乱打。あげくトロピカルパラダイスの体当たりで吹っ飛ばされたバトラーは彼女に蚊を潰すように両掌で叩き挟まれ、「プリキュア・スーパートロピカルパラダイス」でそのまま浄化されていったのだった。
……トロピカる全開な最終決戦らしからぬ攻撃に、もちろん視聴者が抱腹絶倒かつツッコミを多いに浴びせたことは言うまでも無い。いやまあ、ハトプリ先輩とのコラボとなった映画『雪のプリンセスと奇跡の指輪!』では、力を貸してもらった関係で「プリキュア・ハートシャイニングオーケストラ」を発動させた際「プリキュア・ハートキャッチ・オーケストラ」の巨大女神(通称オーケストラさん)を出現させたけどさあ。あと無限シルエットや巨大化はーちゃんでもここまでやってねーぞ。まあ、これをやったのはこの回演出の土田豊シリーズディレクターの仕業なんですけどね(当初は象とサメの合体技だけだったのが、コンテが上がってみたらこんなはっちゃけた内容になっていたそうな)。
余談
- 演じる中原麻衣はプリキュアシリーズのテレビ本編は初出演。実は『Go!プリンセスプリキュア』のミュージカルショーでは白雪姫役で出演していたりする。そして3年後、『わんだふるぷりきゅあ!』の敵幹部・ザクロ役で再び出演することになった。
- で、中原と聞いて大きいお友達が連想しがちなのがほぼ同時期に『業』『卒』が放送されていた『ひぐらしのなく頃に』の竜宮レナ。案の定その辺のネタを思いついた人多数。ついでに言うと中原の出演により『ひぐらし』の主要女子キャラ全員が、形態はどうあれ全員プリキュア役となった(魅音・詩音:先代キュアマーメイド、沙都子:キュアペコリン、梨花:キュアアムール、羽入:キュアマジカル。圭一くんは……残念、バテテモーダだった)。
- 短編10本立てのカオスな特別編となった第33話では、伝説のプリキュアを起点としたハトプリコラボの話もあったのだが、つぼみから「トロピカルな感じのプリキュアの夢を見た」と話を聞いたえりかが想像したのが「キュアハイビスカス(ハイビスカスの花を着ぐるんだブロッサム)」「キュアヤシの木(同じくヤシの木着ぐるみ状態のサンシャイン)」「キュアリンボーダンス(リンボーダンスするマリン)」であった。まあヤシの木はオアシスのモチーフになっているので当たらずとも遠からず、か。
- オアシスの本名アウネーテの名前は、土田がイメージした彼女の住んでいたであろう中世ヨーロッパ風の海辺の街から、シリーズ構成の横谷昌宏がそういった地域にありそうな名前を付け、服装も北欧の民族衣装が元となった。
- で、名前に関しては推測可能な元ネタがある。それは1300年頃にできたとされるデンマークの昔話『アウネーテと人魚』。人間の少女アウネーテが男性の人魚に恋をしたことから始まる悲恋譚として伝わっており、これを元にアンデルセンが1834年に戯曲として発表。このままでは受けが悪かったので大幅に再構成かつ改変し作り上げ1837年に発表したのが、世界中に知られる童話『人魚姫』である。
- アウネーテが魔女にあげた花の指輪。アネモネの花で作られているのだが、「はかない恋(夢)」「恋の苦しみ」「見放された」「見捨てられた」という花言葉もある。だが、これが赤いアネモネだと別の意味も加わる。それは「君を愛す」。つぼみさんあたりがいろいろと考えそうな感じではある。
関連静画
関連項目
- プリキュアの一覧
- トロピカル〜ジュ!プリキュア
- 夏海まなつ / キュアサマー
- 涼村さんご / キュアコーラル
- 一之瀬みのり / キュアパパイア
- 滝沢あすか / キュアフラミンゴ
- ローラ / キュアラメール
- あとまわしの魔女
- キュアフラワー / キュアアンジェ / キュアエンプレス / キュアミラージュ(記事がある過去のプリキュア)
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- トロピカル〜ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!
- 夏海まなつ
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- ローラ(プリキュア)
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