コロッケとは、ジャガイモを使用した揚げ物料理の一種。日本の食文化に深く浸透している食べ物である。
曖昧さ回避
概要
茹でた潰したジャガイモや刻んだ各種野菜、ひき肉やクリームソースなどを「具」として俵型や小判型に丸め、小麦粉、卵、パン粉を衣としてつけ、食用油で揚げたもの。
なお、ひき肉を具にするとメンチカツになり、ボロニア風の厚く切ったソーセージを具にするとハムカツになるが、製法的にはカツというよりもコロッケの方が近い。
日本では、安値で流通していることもあって極めて庶民的なおかずである。種類としては、ポテトコロッケ、ミートコロッケ、野菜コロッケ、カボチャコロッケ、カレーコロッケ、カニクリームコロッケなどがある。現在、調理器具の発達により、電子レンジだけでもおいしいコロッケを調理することができるが、やはり自分で揚げたほうがおいしい。
その歴史はかなり浅く、文献での初出は明治時代である。その後に訪れた洋食ブームに乗って、また材料が安価に流通してきたため、代表的な洋風料理として浸透した。大正時代には「コロッケの唄」という曲が流行した。
コロッケはフランスのクロケット(croquette)という料理が日本に入ってきて誕生したと言われる。croquetteの流暢な発音を日本人が聞くと「コロッケ」に近く聞こえる。
またクロケット(crockett)はオランダではkroketと表記され、こちらも「コロッケ」っぽく聞こえるのでオランダ経由で日本に入ってきたのかもしれない。その辺のはっきりしたことは分かってないようだ。
しかし、日本のコロッケは海外のクロケットとは独自に進化しておりもはや別料理になっている。(カレーコロッケ、野菜コロッケなど。味も形も違う。)
バリエーション
クリームコロッケ
牛乳から作ったベシャメルソースに蟹の身や海老などを入れたものを中身にしたコロッケ。
揚げた時に割れてしまわないようにベシャメルソースを固めに作るのがポイント。
カレーコロッケ
じゃがいもにカレー粉で味付けしたものや、固めに作ったルーを具にしたコロッケ。
ライスコロッケ
チキンライスやバターライスを丸めてパン粉を付けて揚げたコロッケ。
中心にチーズを入れるとよりこってりした味わいになる。
肉じゃがコロッケ
文字通り肉じゃが風味のコロッケで、和風の味わいが白米に良く合う。
大量に作りすぎて余ってしまった肉じゃがを再利用しても美味しくできる。
オランダコロッケ
群馬県高崎市の名物でじゃがいもにベーコン・玉葱・パセリ・チーズなどを混ぜ込んだコロッケ。
しっかりと味が付いているためソース無しでも美味。
コロッケ丼
コロッケを使ったアレンジ料理。そのスタイルは様々であり、レシピサイトなどではカツ丼のカツをコロッケに置き換えて作るものがよく紹介される。
飲食店ではロコモコのハンバーグをコロッケに置き換えたものなどがコロッケ丼として提供されている。
独り暮らしの男性などは、丼ぶり飯にコロッケを乗せてソースを掛けただけの節約飯をそう呼ぶ事もある。
ソース
コロッケといえばソース。ここでは調味料としてのソースを仮置きする。
なお、日本のソース、つまり「野菜や果実の絞り汁や肉汁(ブイヨン)に糖類・食塩・香辛料・カラメル等を加え煮詰めて調味した、塩辛さの中に野菜・果実の複雑な味が含まれる液体」はほぼ日本独特のものである。
- ウスターソース
- 原初にして最初に日本に伝わったソース。薄いからウスターソース…ではなく、イギリス・ウースター州の主婦が考案したためにこの名がある。水のような展性があり、揚げ物にかけると薄く均一に広がり、即座に染み込む。
また甘味を抑えたソースも多く、どちらかといえばこちらが海外で言う「sauce」に近い。
そのまま使うより、カレーライスや皿うどんなどの調味として使用したり、カツをこれで煮る料理もある。 - とんかつソース
- ウスターソースの次に現れ、こちらは「つける」タイプのソースを目指して作られた(現在でも、専門のとんかつ屋ではとんかつソースはソース用の小皿に取り分けられたり、ソースをつけるための小皿がついてくることが多い)。そのため濃厚で甘く、そのままかけて食するとクドい味付けのせいでソースあたりを起こすかもしれない。
先述のようにとんかつなどの比較的具がしっかりした揚げ物を「つけて」使用する。 - 中濃ソース
- ウスターの味ととんかつのとろみをうまく調和させたソース。関東以北で定着したソースであり、中京以南はウスターソースが好まれる。揚げ物のような表面積の大きい揚げ物によく絡み、かつ浸透速度は遅いため、ソースの味が強めに出る傾向がある。このためあまり多用しないほうが良い。
そのままかけて食べる他、焼きそばなどで味が足りないときに少々加える。 - お好みソース
- どろみをつけたウスターソースに鰹節ダシなどを加えて作った独特のソース。名前どおりお好み焼やたこ焼きなどの粉物の調味に向く。
- デミグラスソース
- フレンチの基本的なソースの一つで、ブラウンソースを煮詰めて風味を付けて作ったソース。濃厚でリッチな味わいがあり、洋食としてのコロッケに用いられる。
他にも地域によって「こいくちソース」「どろソース」等様々なソースがある。また、発売当初のウスターソースは「新式醤油」「洋風醤油」と称されて販売されたことから、醤油を作っている会社がソースも売り出していることがある。
また、こだわりを持つ店や企業はソースを自作して提供することがある。家庭でも自作できなくはないが、複雑な味を演出するために多量の香辛料と野菜を3時間以上煮る根気と、それを消費し尽くすための計画性が必要。詳しくは「ソース 作り方」でググってみよう。
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関連項目
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