『キテレツ大百科』とは、藤子・F・不二雄の有名作品の一つナリ。
概要ナリ
主人公である発明好きの少年キテレツと、発明第一号であるワガハイコロ助の織りなすハートフルコメディナリ。
この作品を見るときは、青いタヌキ型ロボットの出てくる作品のことは忘れた方が幸せナリよ。
キテレツよりワガハイの方が、内容よりOPやEDの方が有名だったりと色々と困ったものナリよ…。
原作時代
1974年から1977年にかけて『こども家の光』(現在の『ちゃぐりん』)という雑誌で連載された作品である。この雑誌は農協から出版される雑誌の漫画であり、一般書店では買えない雑誌であったために知名度は小学館などで発表された作品に比べて低く、更にこの時期は色んな作品を描いていたこともあって、「藤子・F・不二雄(当時はまだコンビ解消していないので藤子不二雄)の作品の一つ」に過ぎず、連載終了後に小学館から発売されたものの他の作品に比べたらやはりマイナーな作品であった。
藤子・F・不二雄が愛した名作作品へ
原作はマイナー作品であったものの、この作品を一躍有名にするきっかけを与えたのがアニメ化である。1987年にフジテレビで単発で放映し、1988年にレギュラー放送の開始となる。
キテレツ大百科のアニメ版は藤子不二雄作品らしくない異端作品である。
まず、制作はスタジオぎゃろっぷであり、フジテレビが藤子不二雄作品を放映したのが1963年に『進めシスコン』以来という、非シンエイ制作であり、フジテレビにとっては二十数年振りに藤子不二雄作品を放送することになった。[1]
作風についても当初はドラえもんに似た(というよりは藤子・F・不二雄作品にありがちな)構図であったが、脚本を務めていた雪室俊一により、声優変更やスタッフ変更などを行い、結果として(良い意味で)藤子・F・不二雄らしくない作風を確立した。「いじめっ子」のブタゴリラが「トラブルメーカー」になったり、「腰巾着」のトンガリが「いじられキャラ」となり、同時期に放映していたドラえもんとは変わった作風となった。
また、90年代前半で日曜6時以降に放送していたアニメであるちびまる子ちゃん(90年~92年まで。92年~95年はツヨシしっかりしなさい)、サザエさん、キテレツ大百科は高視聴率を取っていた番組であった。
39.9% 90年10月28日(日) 18:00 フジ ちびまる子ちゃん(第一期)
36.4% 90年10月28日(日) 18:30 フジ サザエさん
28.2% 93年07月12日(月) 19:00 テレ朝 クレヨンしんちゃん
27.5% 94年02月23日(水) 19:00 フジ ドラゴンボールZ
26.4% 95年01月08日(日) 18:00 フジ ちびまる子ちゃん(第二期)
25.7% 94年01月16日(日) 19:00 フジ キテレツ大百科
24.9% 90年04月17日(火) 19:00 フジ サザエさん(火曜日)
24.7% 94年02月12日(土) 18:30 フジ 幽☆遊☆白書
24.3% 90年03月16日(金) 19:00 テレ朝 ドラえもん
23.7% 94年12月18日(日) 18:00 フジ ツヨシしっかりしなさい
アニメ放送の同時期である1988年には藤子・F・不二雄監修で弟子的存在である田中道明が小学館のコロコロコミックで『新キテレツ大百科』を執筆する。コロ助のコロッケ好きなどアニメ版の性格を反映しながら連載した。
1994年に放映終了を考えるも後継の番組が決まらないことから延期を決定する。そこから2年近くの延期で1996年の夏に放映の終了が決定。後番組はこれもまた長寿番組となる『こち亀』であった。1994年に放映予定だった最終回を1996年の6月に放映し、キテレツ大百科のアニメは終了した。
アニメ版のキテレツ大百科に対して要約であるが、藤子・F・不二雄はべた褒めであり、「藤子アニメの中ではキテレツが一番好き」と述べ、キテレツ大百科の脚本を務めた雪室俊一は「クレームや注文が一切なく、よく長く作ってくれたと(藤子・F・不二雄が)満足していた」と述べ、マイナー作品から(F先生作品らしくない)異端作品となり、最終的にはF先生の名作へと登りつめた作品であった。
藤子・F・不二雄の名作は各々によって変化するだろうが、ローソンで藤子・F・不二雄に関連したフェアを行った時にクリアファイル化したのが、小学館系で初連載した『ドラえもん』、『パーマン』、『エスパー魔美』、『21エモン』(なお全作品アニメ化経験あり)に並んで、初連載はマイナーであったキテレツ大百科がそれらの作品に並んでクリアファイル化となった。この他にF自身の筆でも、連載完結後に描かれたオールスターもののカラーイラストではキテレツやコロ助が登場していることが多くみられた。また、ニコニコ動画においても、不定期的にキテレツ大百科をネタにした動画がアップされていることや、近年になっても大百科記事が新規作成されている点も、広く国民的に知られていることの証明と言える。
静岡はキテレツの聖地ナリ?
静岡県内にあるテレビ局「テレビ静岡」では昔からキテレツを何度も再放送するおかげで静岡在住のアニメファンからはすっかりウザがられてしまってるナリ。
「キテレツが終わった!」→「またキテレツかよ!」のコラ画像やネタ絵も作られるわで『静岡=アニメはキテレツのみ』というトンデモなイメージまで一人歩きしてしまってるナリよ。
一応言っておくと、確かにキテレツは静岡でよく再放送されるナリがキテレツが終わったらまた再放送を繰り返す訳じゃないナリよ。
一定期間放送されたら別のアニメ(こち亀やハイジといったコレまた再放送される確率の高い作品ナリが)を再放送してまたキテレツになるというパターンナリ。
ついでにいうと、最近はキテレツの再放送はあまり、というか全くしなくなったナリ。
最近(2011~2015年)じゃONEPIECEに我輩のポジションをとられたナリ。
(※そして2015年から夕方枠のアニメ再放送はほとんどされていないナリ。詳しくは「またキテレツじゃねぇか!」の記事を見るナリ。)
それとキテレツの舞台は静岡じゃないという事は肝に銘じて欲しいナリよ・・・。
主な登場キャラクターナリ
- 木手英一(キテレツ)
- CV:藤田淑子
- 主人公の小学5年生の少年。あだ名はキテレツ。大の発明好きであり、あるとき父からご先祖・奇天烈斎が書き残した書物「奇天烈大百科」を貰い、神通鏡のレンズが大百科の秘密を見られることを発見、大百科を見て数多くの発明品を作った。ロボットのコロ助はキテレツが「奇天烈大百科」を見て作り上げた第1号の発明品である。藤子漫画の主人公としては珍しく、勉強ができて発明が得意な理系少年であるが、スポーツや恋愛は苦手。将来は日本のキッチンから包丁を無くす程の発明家になる。キテレツという渾名には誇りを持っており、原作最終回では灰になってしまった大百科のことはスッパリ諦め、大百科に頼らず自分自身の力で発明品を作っていく事を目指す所で終わっている。
- マンガ版とアニメ版では、サンバイザーなどのデザインが異なるが、藤子・F・不二雄が晩年に手掛けたイラストではアニメ版のKマークの入ったサンバイザーを付けた姿で描かれたものも多い。主人公らしく、主要メンバーの中では唯一キャスト交代が一度も無いまま最終回を迎えた。
- コロ助
- CV:小山茉美→杉山佳寿子→小山茉美(NHKドラマ版)→浅野まゆみ(CM)
- キテレツが作った最初の発明品。語尾に「ナリ」を付けて喋る。江戸時代に設計されたロボットでありながら、自分の意志で動き、笑い、泣き、ご飯も食べオナラもするという驚異の万能ロボットである。原作では斜視。アニメ版ではコロッケが大好物という設定になっている。ガキ大将のブタゴリラを苦手としているが、なんだかんだ言って仲は良い。
アニメ版では後期にはキテレツの作った弟分の豆コロ(CV:渡辺菜生子→山田恭子)や、ライバルの女の子型ロボット・おちゃっぴい(CV:冬馬由美)が登場した。ただし、両者とも数回程のみの登場である。小山の跡を継いだ杉山は、アニメ完結後に藤子・F・不二雄ミュージアムで公開された『ドラえもん&キテレツ大百科』という短編映画で再びコロ助を演じている。 - 野々花みよ子(みよちゃん)
- CV:山本百合子(特番)→荘真由美→本多知恵子
- キテレツたちのクラスメイトの女の子。あだ名はみよちゃん。気が強く目立ちたがり屋で活発的な少女であり、たびたびキテレツたちの旅や騒動に首を突っ込む。北海道で一人暮らしをしている、明彦(CV: 難波圭一→神谷浩史)という大学生の兄がいる。
- 女の子だがブタゴリラのことを「熊田くん」や「薫くん」ではなく、堂々と「ブタゴリラくん」と呼んでいる。
- 熊田薫(ブタゴリラ)
- CV:大竹宏→龍田直樹
- キテレツたちのクラスメイトのガキ大将。あだ名はブタゴリラ。こんなあだ名をつけて怒らないのかとよく言われるが、実はそもそも女っぽい名前で呼ばれるのが嫌で自分から呼ばせている。
- 原作やアニメ版初期では他の藤子マンガにも登場するような普通のガキ大将であり、度々コロ助やキテレツをいじめていたが、アニメ版では中期ごろから徐々にギャグキャラへと転向していく。配役変更後は特にほぼキテレツやコロ助という本来の主役を食う程の存在感で、藤子アニメでは珍しく主人公家系以外での家族設定がキチンとしていることもあって、ブタゴリラ関連のエピソードは多く作られている。本名はアニメ版のみでの設定。
八百屋「八百八」の跡継ぎ息子であり、同じ立場でも平気でサボるジャイアンとは異なり熱心に八百八の仕事をしている。物事を何かと野菜で例えたり(例:そんな曲がったキュウリみたいなことが許せるか!)、妙な言葉の勘違いをしたりとギャグメーカー的な存在であり、その度にキテレツやトンガリにツッコまれている。 - 桜井妙子(CV:瀬戸真由美→小山裕香→久川綾)というガールフレンドがいる。あだ名は妙ちゃん。元々はキテレツたちのクラスメイトだったが、新潟に引っ越してしまう。転校直前に夏休みにブタゴリラに告白し、遠距離恋愛を続けている。
- 尖浩二(トンガリ)
- CV:真夏竜吾(特番)→三ツ矢雄二
- キテレツたちのクラスメイト。あだ名はトンガリ。お金持ちのお坊ちゃんで、いわゆる「スネ夫タイプ」なキャラであるが、スネ夫ほど金持ち自慢はしない。
- 原作ではあまり出番がなく精々ブタゴリラの腰巾着止まりで、話によっては「コンチ」という別の名前になっていたりと扱いは散々であったが、アニメではお金持ちでマザコンな弱虫キャラとなっている。本名はアニメ版のみの設定。尖で「トンガリ」はきついだろ…
- 将来は漫画家志望であり、ブタゴリラをモデルに描いた漫画「怪人ドテカボチャン」はゲラゲラコミックに入選もした事がある。
- 花丸五月(CV:山崎和佳奈)というガールフレンドがいる。あだ名は五月ちゃん。彼女は旅の一座・花丸菊之丞一座の看板スターで、ケンカも強くスポーツ万能なボーイッシュな女の子。キテレツたちの通う表野小学校へは公演のため一か月だけ転校してきた。終盤でトンガリと仲良くなる。
- 苅野勉三(勉三さん)
- CV:肝付兼太
- キテレツの家の隣に住む浪人生。牛乳瓶の底のようなメガネに学ランという冴えない格好をしている。東北訛りで喋り、中期からは「~ッス」が口癖になる。長らく浪人生であったが、アニメ版では79回目でついに高尾大学に合格する。その後は大学生活を送りながらいろいろなバイトをして珍騒動に巻き込まれる。
- 上原友紀(原作では君子)(CV:吉田菜緒→遠藤みやこ)という彼女がいる。美人で性格も良く、さらにスチュワーデスとして働いているなど、正直勉三さんにはもったいないような綺麗な人である。
- コンチ
- CV:上村典子、佐藤智恵(代役)
- キテレツたちのクラスメイト。
- 原作やアニメ版初期の頃では、ブタゴリラやトンガリと共にコロ助をいじめる取り巻きとして登場したが、中期以降は数回しか登場していない。原作ではトンガリと名前が混ざっていたりしており、曖昧な設定であった。
- 奇天烈斎
- CV:肝付兼太(特番)→屋良有作
- キテレツのご先祖様。発明家であり、安政六年(1859年)にリリエンタールやライト兄弟よりも先に人力飛行機で空を飛んだ。しかし数多くの不思議な発明は当時の世間では理解されず、平安を乱すものとして捕えられ牢に入れられてしまう。その獄中で自らの発明品を書き記し遺したのが「奇天烈大百科」である。アニメ版では最終回でキテレツたちと出会い、コロ助は…
- 佐々木先生
- CV:佐藤正治(特番)→平野正人
- キテレツたちのクラスの5年1組の担任。やや中年太りで、眼鏡をかけた優しい先生。原作にも出演している。
- アニメでは若い奥さんと幼い息子がいる。
- ベン
- CV:大竹宏(初期)→不明
- どことなく『チンプイ』のワンダユウに似ている犬。かつては暴力をふるう飼い主に苛められており、野良犬になった後、勉三さんの家で飼われることになった。
- 子犬の頃、人気アイドル白樺エリナに「ドンキー」という名前で一日だけ飼われていたことがあり、無事再会を果たしたり、「名犬ベン」としてテレビで紹介されたりと、ただの野良犬の割には何かと出番が多い。
関連動画ナリ
関連項目ナリ
外部リンクナリ
脚注
- *藤子不二雄作品の制作は当初はスタジオ・ゼロ、東京ムービーで後にシンエイ動画が多かった。更に藤子不二雄作品の初放映のアニメは『進めシスコン』を放映したフジテレビだが、手痛い失敗もあってかTBS、日本テレビ、テレビ朝日が主流であった。ちなみにキテレツ以後はNHKやテレビ東京でも藤子不二雄作品を放映することになった。
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