『ザ・カゲスター』とは、1976年4月5日から11月29日にかけてNET(現:テレビ朝日)系列にて全34話が放映された東映制作の特撮テレビドラマである。同年7月22日には東映まんがまつりの一編として劇場版が公開された。
概要
影から生まれたヒーローを主役とした特撮ヒーロー作品。アメコミを意識した作りで、序盤は毎回異なる素顔を晒した悪人と戦っていたが、後に着ぐるみの怪人を繰り出す悪の組織「サタン帝国」との戦いに路線変更した。
ちなみに原作者が八手三郎名義の最初の東映特撮作品である。また、後に数々の東映特撮を演出する長石多可男の監督デビュー作で、OP・EDの演出も長石監督が担当している。
サブタイトルは最終回を除いて「○○【犯人・怪人名】(の)●●作戦!」で統一されている。
2013年2月25日から6月23日にかけてYouTubeの東映特撮YouTubeOfficialで無料配信された。
あらすじ
白蝋魔人は身代金目的に風村コンツェルンの令嬢・鈴子と、同行していた部下・姿影夫を誘拐した。二人は隙を見てアジトから脱出するも、逃走中に高圧電線へ落下してしまう。だが、落下した二人を見る白蝋燭魔人一味の前に二つの影が・・・
影夫と鈴子の影から生まれた二人の魔人は、見事に白蝋燭魔人を打ち倒した。
かくして、影夫と鈴子、そしてカゲスターとベルスターの戦いが始まったのであった。
登場人物
風村コンツェルン
- 姿影夫 (演:立花直樹)
- 風村コンツェルンの秘書課に勤務するサラリーマン。正義感の強い勇敢な若者で、カゲスターという分身を得てからは共に悪と戦う。普段は上司(鈴子含む)に頭が上がらず、また犬を苦手としている。その程度は悪人を追っているカゲスターを呼び戻すほど。
- 風村鈴子 (演:早川絵美)
- 風村コンツェルンの社長令嬢で、影夫と同じく秘書課に勤務している。13話からは社長である父親から風村フィッシングショップの経営を影夫と共に任された。鈴が付いたブレスレットをしており、危険を察知すると彼女にしか聞こえない声で情報を知らせる。
- 風村社長 (演:天草四郎)
- 風村コンツェルンの社長。部下に厳しいが、娘の鈴子には非常に甘い。妻の名は牧子(演:浜田ゆう子)。
- 神成部長 (演:小松政夫)
- 風村コンツェルンの総務部長。社長や鈴子には媚びているが、姿にはことある毎に雷を落としている。
警察
- 屯田警部 (演:小林昭二)
- 警視庁の自称「名警部」だが、意気込みとは裏腹にあまり頼りにならない。美人にキスすると勘が最高に冴えるという妙な体質。
- 業平刑事 (演:星純夫)
- 屯田警部の部下。上司と揃って役に立たない。
その他
- 屯田タケシ (演:佐野伸寿)
- 屯田警部の息子。(カゲスターたちに打ちのめされて抵抗できない)悪人共を逮捕する父を日本一の警部であると信じている。
- 千秋 (演:渡井直美)
- 風村フィッシングショップで働くアルバイト。鈴子と影夫がしょっちゅう店を抜けるため、実際には彼女が一人で切り盛りしている。
サタン帝国
影の魔人
カゲスター
影夫の影から現れる分身。影夫の「影よ、ゆけ!」の掛け声で影の目と心臓が輝き、カゲスターとして分離する。独立した自我を持っており、カゲ車輪やカゲハンマーなどの技で悪人や怪人達と戦う。カゲスターが行動している最中は、影夫は虚脱状態に陥って満足に動けなくなってしまう。なおこの設定に関しては中盤以降立ち消えていき、影夫たちが直接変身するような描写になっていった。
誕生理由については影夫が「高圧線に触れたときに細胞が分裂作用を起こした」と推測しているが、結局よくわかっていない。
頭部の白地に青の渦巻き模様、ギョロッとした目、星模様のマント…と、東映が世に送り出したヒーローの中でも特に奇抜なデザインをしている。劇中でもその印象は変わらないらしく、1話から敵に「化け物」呼ばわりされている。
- カゲロベェ (声:沢りつお)
- 自我を持ったカゲスターの影。影が伸びる形で自由に動き回れる上に実体化も可能で、そのサイズは自由自在。カゲスターのことは「親分」と呼ぶ。実写にシルエットを合成したり、アクターが黒い装束を着たりすることで描写された。声を演じる沢りつおはナレーターも兼任している。
- フラッシャー
- カゲスターの専用銃で、実際には光を発するもの。壁などに照射した光の中に浮かんだシルエットからマシンが実体化する。
- カゲローカー
- 専用銃・フラッシャーが放った光に浮かぶシルエットから実体化する専用バイク。
- カゲボーシ
- カゲスターとベルスターの飛行母艦。機首は顔のようになっており、口のハッチからカゲローカーとベルカーを収納する。機体下部のハッチから降ろされるコンテナを使い、地上から直接乗り込むことも可能。本編での発音は「カゲボーシ」だが、EDの歌詞や玩具では「カゲボーシー」と表記されている。
ベルスター
鈴子の影から現れる分身で、出現方法などはカゲスターと同じ。白を貴重としたデザインで、頭部の渦巻き模様は白地に赤。カゲスターと相違ない能力を持ち、独立した自我や、行動中に鈴子が虚脱状態になる(及びその設定が立ち消えてしまう)点も同じである。カゲスターと違い人間のような姿で、口元や両手両脚の一部が露出している(『仮面ライダーストロンガー』のタックルに近い)。
- カゲロベェ (声:沢りつお)
- カゲスターのものと同じく、自我を持ったベルスターの影。彼女のことは「姐御」と呼ぶ。
- フラッシャー
- ベルスターの専用銃。機能はカゲスターのものと同様。
- ベルカー
- ベルスターの専用バイク。フラッシャーの光に浮かんだシルエットから実体化する。
主題歌
オープニングテーマ「輝く太陽!カゲスター!」
作詞:八手三郎/作曲:渡辺岳夫/編曲:松山裕士/歌:水木一郎
エンディングテーマ「スター!スター!カゲスター!」
作詞:八手三郎/作曲:渡辺岳夫/編曲:松山裕士/歌:水木一郎、コロムビアゆりかご会
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関連項目
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