トミカとは、タカラトミーから発売されているミニカー。同社の看板商品で、ミニカー商品の代名詞でもある。
概要
1970年、当時のトミーが「日本の子供たちに国産車のミニカーを届けたい」という思いの元、1970年8月18日に6車種で発売。
当時はホットウィールをはじめとする外国製のミニカーやダイヤペットなどに代表される標準スケール(=1/43)モデルなどが主流のため、値段も高く大きいサイズの商品が大半を占めた時代だった。
現在も続く番号による入れ替え制や、統一されたスケールではなく箱のサイズに合わせた縮尺、ドア開閉やボンネット開閉、サスペンションと言ったギミックなどは、小スケールミニカーの第一人者であった英国レズニー社のミニカー「マッチボックス」を参考としている。
手のひらサイズで子供でも動かしやすく、ダイキャスト素材に焼き付け塗装という完成度の高さ。そして何より家族連れのユーザーにも手に入りやすい手頃な価格で、トミカは瞬く間に国産ミニカーのシェアの大部分を担う存在となる。1984年に現在の赤帯パッケージに変更され、どこのホビーショップでも見つけやすい親切設計となった。
1976年に100車種を突破して以来、外国車や流行車など種類も増加。2024年現在は1-120番までの通常ラインナップと121-150番までのロングタイプを軸に、常に150車種ものラインナップを揃えている。
累計売上台数は発売から40周年を迎えた2010年に5億3800万台、2021年12月には累計7億台を超えた。
東京・大阪・東京ソラマチ[1]で展開されているトミカショップや、全国各地で定期的に開催されるトミカ博はいずれも低年齢層(と大きなお友達)で賑わっている。
正規以外のシリーズあれこれ
正規シリーズ以外のラインナップも豊富で、現在も様々な商品が発売されている。
- トミカワールド・トミカタウン
トミカの情景部品として展開されているシリーズ。人気の高い警察署、消防署、建設現場に加え、定番の駐車場などの他、トミカタウンとして、ENEOSのようなガソリンスタンドやセブンイレブンなどのコンビニ、各種カーディーラーなどが展開されている。 - トミカギフトセット
1975年から販売がスタート。トミカが複数台セットで売られている商品で2024年現在では3~4台が基本。
いずれも通常品のカラバリだが、ギフトセット限定の車種や仕様が含まれている事もある。また、標識や動物などの情景部品が含まれることも。
それぞれのギフトセットにはテーマ性が持たせられており、定番の緊急車両や工事車両のセットから、ミニバンやオートキャンプなど、その時々のブームに乗じたセットもある。 - ドリームトミカ
他商品とのコラボ車などがこれにあたる。人気ゲームやアニメ、食品、ゆるキャラとのタイアップなど多種多様。 - トミカプレミアム
正規シリーズから派生した、ハイディテールコレクションモデル。より品質や細部の再現度にこだわっており、値は張るものの完成度は折り紙付き。
通常ラインナップでは現行車が中心となるが、こちらは購買層をトミカを買い与える親世代にまで広げており、旧車も多い。
昨今では「RS」なる1/43スケールモデルや「3 MODELS COLLECTION」として3台セットが展開されている他、「tomicaトランスポーター」として積載車とセットになった派生シリーズも登場している。 - トミカプレミアムアンリミテッド
派生シリーズであるトミカプレミアムの派生シリーズ。
ドリームトミカのトミカプレミアム版といったアイテムで、アニメからドラマ・映画まで、多種多様な劇中車が忠実なディティールで再現されている。
昨今では同業他社とも言うべき、バンダイやタミヤともコラボ商品を展開している。 - トーマストミカ/ディズニートミカ/カーズトミカ
タカラトミーとは縁の深い、きかんしゃトーマスやディズニー、カーズを題材にしたシリーズ。トーマスとディズニー作品はプラレールでもお馴染みの組み合わせであり、原作を忠実に再現した作り込みが光る。 - トミカくじ
2000年から登場。完全ブラインドパッケージの商品で「くじ」形式で発売される。おおよそ、12-20種類がランダムで詰め合わされている。
ギフトセット同様にある程度のテーマ性が与えられており、東京オートサロンの展示車両を再現したくじもある。
2018年を最後にトミカくじの名称を冠した商品は発売されて居ないが、毎年12月頃にブラインドパッケージの商品が発売されている。ただし、こちらは6車種程度と少なめ。
2023年12月には「tomicaくじ」と称して一番くじ形式でセブンイレブン一部店舗限定でトミカプレミアムをメインに据えたくじ商品が登場したが、従来のトミカくじとは異なり、キーホルダーやコースターなどのトミカ以外のアイテムも含まれている。 - トミカヒーローズ・ジョブレイバー
2022年より展開されているトミカヒーローシリーズ。自動車からロボットへ変形するギミックが搭載されている他、ヤマト運輸やセブンイレブンと言った実在企業ともコラボしている。 - はじめてトミカ/ゴー!ゴー!びーくるずー
通常のトミカは対象年齢を3歳以上としているが、1歳半からの小さい子供でも遊べるように開発された商品。 - トミカjr./ポケットトミカ
カプセルトイとしてタカラトミーアーツ(旧ユージン)から展開されている商品。通常トミカの1/2サイズで作られている。トミカjr.は標準トミカ同様、ダイキャストボディなのが特徴。
ポケットトミカは当初、タイトーのアミューズメント景品として「アミューズメントトミカ」として展開された後、「ミニトミカ」と改称され、すばる堂(現タカラトミーアーツ)から「Cミニトミカ」として食玩としても売られていた時期がある。2009年頃にカプセルトイとしても登場した際に名称が「ポケットトミカ」に改称された。 - トミカ標識セット
2019年よりタカラトミーアーツから発売されている食玩商品。通常トミカのカラバリ1台と標識1つがセットとなっている。年2~3回リリース。
過去に展開されていたシリーズ
50年の歴史の中で展開された過去の派生シリーズ。短期間に終わったものから長期にわたって展開されたものまで数多い。一部掲載。
- トミカリミテッド
2001年から2013年まで展開されたシリーズで、通常トミカにより細かい彩色、ゴムタイヤ等でリアルに仕上げたもの。ディスプレイモデルとして想定されており、対象年齢は14歳以上。
毎月第4土曜日に発売されていた。初期モデルは通常ラインナップからはカタログ落ちした旧金型アイテムを用いていたが、次第に現行ラインナップも加わるようになった。
また、リミテッド専用金型として興されたモデルも存在し、後に通常ラインナップ入りを果たしたものも存在する。
現在は一時休止とは名ばかりの実質シリーズ終了となっているが、このシリーズから派生した「トミカリミテッドヴィンテージ」及び「トミカリミテッドヴィンテージneo」は現在もトミーテックから継続して販売されている。 - トミカシステム
タカラトミーもう一つの代名詞であるプラレールのように、自分だけの道路をパーツを用いて製作する。立体道路も種類が豊富で、場所さえあれば大規模なものも製作可能。 - トミカハイパーシリーズ
ロボットアニメに登場するような、サイバー色の濃いデザインが特徴。中には可変、合体機能がある機種も。他メディアと関わる機会も多く、特撮作品「トミカヒーロー レスキューフォース」「トミカヒーロー レスキューファイアー」の2作品、発売47年目にして初のアニメ化となる「トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド 機動救急警察」を輩出した。
おおよそ、2005年から2020年頃までシリーズ展開された。 - トミカ絆合体・アースグランナー
トミカ50周年記念事業の一つとして展開されたシリーズ。 - マグナムレスキュー
2002年から2005年まで展開されたトミカ緊急ヒーローシリーズでハイパーシリーズの先代にあたる。
フラグシップ商品である「緊急発進マグナムパトレーラー」で遊んでいた子供が指を切断してしまう事故が発生し、自主回収となり、シリーズ終了を余儀なくされた。 - トミカ未来緊急隊アースコマンダー
1990年から1994年まで展開されていた。マグナムレスキューシリーズ、ひいてはハイパーレスキューシリーズの源流ともなったシリーズ。「コマンドビークルダブルアーマーシリーズ」としてトミカにオリジナルのアーマーカウルを装着させて戦闘車両に変身させることが出来た。
このコマンドビークルダブルアーマーシリーズのうち、1992年発売分には「トミカ」を名乗りながら、マッチボックスがベースに用いられたものが多数存在しており、現状、トミカブランドからトミカではない他ブランドのミニカーがトミカとして売られた唯一の例である。 - B/Oトミカ、モータートミカ、プラロード
自走可能なトミカシリーズ。主に単5電池を用いて専用の道路を走行可能。B/OはBattery Operatedの略称。1997年にモータートミカと改称された。一度廃盤になった後、2004年にプラロードとして同系統の商品が登場。ただし、モータートミカと異なり実車ではなく架空車両である他、トミカブランドではなくプラレールブランドとして扱われており、加えてボディもダイキャストからプラスチックに変更されているなど、トミカブランドと定義するには曖昧な部分がある。
ただし、プラロード用の道路はモータートミカと同じ規格であり、互換性を持っている。 - テコロジートミカ
2010年にトミカ40周年を記念して発売された商品。2010年の発売に先駆けて、「東京おもちゃショー2009」にて、限定モデルが先行販売がなされた。
「手ころがし」+「エコロジー」の造語でボディ内側に小型の発電ユニットが内蔵されており、車両を手で走らせるとライトが点灯する仕組み。その特性上、緊急車両がメインだったが、その他にもアドトラックやシンプルな黒色のリーフなども存在した。2021年頃までトミカの公式ホームページ上では商品扱いがあるかのように紹介されて居たが、トミカ・プラレールカタログ上では2016年移行のものには記載が無い為、生産終了はおおよそ2015年辺りと思われる。 - トミカ4D/光るよ!鳴るよ! ライト&サウンドトミカ
4Dは2018年に、ライト&サウンドトミカは2020年に発売された。今までにも音が出るトミカは何度か発売されていたが、こちらは音に加えて車両が振動するギミックも兼ね備えている。
この手のシリーズでは緊急車両や働く車がメインだったが、乗用車も販売されており、実車の走行音・アイドリングが再現されている。
ライト&サウンドトミカでは車両が振動するギミックがオミットされた代わりにライトが点灯するギミックが追加された。
なお、いずれも発売からおおよそ半年程度で生産終了している。 - スーパースピードトミカ
2021年に発売されたシリーズ。同時発売の「トミカスピードウェイ 実況サウンド!デジタルアクセルサーキット」を走らせる為の専用モデルでシャシーやガイドローラーが装着されている他、それぞれに固有のNFCチップが埋め込まれており、デジタルアクセルサーキットに認証させる事で専用サウンドや演出が楽しめる仕掛けだった。
また、専用のスマートフォンアプリで登録した車両の戦歴やラップ記録管理が可能だった。
2024年2月29日をもって、アプリの配信及びサービスが終了した。
蛇足だが、米国マテル社のミニカー「ホットウィール」からもトミカに先駆け、2019年頃から「ホットウィールid」としてNFCチップを埋め込んだモデルが登場していた。しかし、こちらも2022年にリリース終了している。
関連動画
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関連項目
脚注
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