ドッグファイト単語

ドッグファイト

ドッグファイトとは、戦闘機による格闘戦をさす言葉である。

概要

搭載又は誘導ミサイルによる射撃を効果的に行う為に、会敵した双方が近距離で相手の後ろへ回り込もうとする機動を伴った戦い方を言う。

ケンカする際に互いに相手のしっぽを追いかける様子に似ている事からドッグファイトと呼ばれるようになった。(日本ではを連想させる事から戦とも呼ばれる)

歴史

第一次世界大戦[1]

ライト兄弟世界初の動飛行を成し遂げてから10年後に第一次世界大戦が始まると、航空機はすぐに観測や偵察に使われるようになった。しかし両軍が観測機を使用するようになると、双方の観測機が中で対峙する事態が発生するようになった。

最初は拳銃ライフルで撃ち合う程度だったが、フランスローラン・ギャロスが操縦席のの前に機関銃を取り付け、プロペラに鋼製の防弾を取り付けてプロペラが弾で破損するのを防ぐ方式を考案し、1915年4月より使用し始めた(初期の航空機は機体後方にプロペラがあるプッシャー式だったが、性向上が見込める、機体前方にプロペラを付ける牽引式に切り替わっていた。)。ある時ギャロスの機体は攻撃を受けてドイツ陣内に不時着し押収されてしまう。ドイツ軍航空機メーカーのフォッカー社のアントニー・フォッカーに模倣を命じたが、調べたところ、羽根に当たった弾丸の一部が後方に跳ね返って危険であることがわかり、フォッカーチームと共に弾丸がプロペラに当たらないように機関銃の発射のタイミングを調整する機構を開発、ドイツは何ヶにもわたり中戦で優位に立った。イギリスもすぐに対抗できる戦闘機の開発を急ぎ、ここに「ドッグファイト」の時代の幕が開けた。

1917年には両軍は編隊を組むようになった。イギリス軍は戦闘に入ると二機ずつのペアに別れ攻撃と援護を分担する手法をとった。太陽を背にして上から敵に向かい敵のをくらませたり、攻撃後にに入って隠れるといった戦術も生み出された。

第二次世界大戦

続く第二次世界大戦では航空機の高性化、搭載火器の強化が進み、戦場戦闘機同士のドッグファイトが展開された。

大陸で腕を磨いた日本海軍ゼロ戦搭乗員はこの戦い方を多用したが、未熟な搭乗員がベテランとドッグファイトしても勝ちがないと判断した米軍は戦術を転換し、機体の防御及び速度を向上させ、経験の浅い搭乗員でも一定以上の戦果を望める一撃離脱戦法へ切り替え対応、日本機を押し返すようになった。急降下が苦手なゼロ戦にとって一撃離脱は敵といえたが、末期にもポートダーウィン関東ゼロ戦とドッグファイトをした連合軍が大きな被害を出している。

欧州でも編隊による一撃離脱の有用性が広く認められていたが、もちろんドッグファイトも有用であり、ドイツ軍は機動性で勝るイギリス機相手に、Bf-109で開戦間もない時期から楽ではない戦いを強いられる。 戦争末期になるとドイツ軍は世界初のジェット戦闘機Me-262を投入したものの、これは旋回性ではプロペラ機に劣っており、ドッグファイトになると不利になることから、ドイツ軍は一撃離脱にするように示しドッグファイトを禁止した。

第二次世界大戦後

第二次世界大戦後は朝鮮戦争などでドッグファイトが行われたものの、やがて航空電子機器や誘導弾の発達により、航空機と共に不要論が台頭してくる。

1950年代~60年代になるとミサイル論の台頭により高い運動性と航空機そしてドッグファイトは不要と考えられるようになった。その結果米国F-4の初期ソ連Mig-21PFでは固定武装としての機止された。しかしベトナム戦争で機を装備しない新鋭のF-4が機を装備した旧式のMig-17に苦戦。さらに印パ戦争中東戦争フォークランド紛争で機による撃墜が発生し機やドッグファイトは決して過去のものではない事が明された。その結果Mig-25Mig-31といった例外を除き現在でも多くの戦闘機がドッグファイトを遂行するを有している。

エチオピアエリトリア紛争では双方が中古Su-27又はMiG-29を実戦に投入したが、中距離誘導弾で敵機を撃墜できなかった場合において、ドッグファイトと見られる戦闘が行われた。この戦いではロシア人の航空傭兵アフリカパイロットが、R-73距離誘導弾または機関を用い、ドッグファイトと思われる戦いで戦果を揚げた。

また領侵犯機に対するスクランブルでは、侵犯機に接近し警告する必要がありドッグファイト戦技は必然的に重要なものとなる。 

機関砲[2]

現代のジェット戦闘機においては、敵の機関に狙われた場合は4に1回90度旋回をしろと教えられる。

戦闘機機関照準では、ジャイロが安定するのを待って機体のGを計算し、レーダーで測距をして見越しを計算してからHUDレティクルが表示される。つまりレティクルが安定するまでは2~3かかり、そこからパイロットが照準するのに4はかかる。その間に動いてしまえばコンピュータの計算はやり直しになるので、レティクルは永遠に安定しない。

もっとも、「当たらない」というだけであり、いずれは燃料がなくなって墜落するので、後ろにつかれた時点でおしまいではある。

日本におけるドッグファイトへの評価

航空自衛隊では今でもドッグファイトを重視し、戦技会が行われている。航空自衛隊要な任務に防任務があり、日常的に領侵犯措置が実施されているからだ。論、F-15近代アップデートなど視界外戦闘の向上も行われている。

一般レベルでは「今の時代はボタン押してミサイルでボーンだから、ドッグファイトは必要ない、昔の技術」又は「ドッグファイトカッケー!」の両極端なもので、時代の変化と戦術の変化を踏まえた正当な論評は、一部の軍事専門軍事マニアを除いては少ないかもしれない。 

関連動画

関連コミュニティ

関連項目

脚注

  1. *戦争物理学」バリー・パーカー 藤原多伽夫訳 揚社 2016 pp.251-255
  2. *零戦神話の虚像と真実清水 渡邉吉之 宝島社 2015 pp.102-103

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ドッグファイト

36 ななしのよっしん
2015/11/30(月) 13:54:00 ID: 4t26vgtgWc
>>27
遅レスすまん
あなたが思ってるのとはちょっと違うかもしれんが、『フライボーイズ』という映画は割と迫あったと思う。生々しいというか。
第一次大戦頃だったかな、うろ覚えだが。まぁ、観て損はしないと思う。
37 ななしのよっしん
2016/05/13(金) 21:41:55 ID: bktmPp2d54
ミサイルを撃たれれば回避するし、敵に当たりやすいよう接近もする。互いに相手を捕らえるために接近と回避を繰り返す機動戦は、レシプロ時代より距離は開いたけど、格闘戦と言っても問題なかろうと思う。

むしろレーダーの発達で一撃離脱がほとんど成立しなくなった現代は、以前よりずっと格闘戦が発生しやすいんじゃなかろうか。
38 ななしのよっしん
2016/05/13(金) 21:53:02 ID: mywrvcIAWM
そのレーダーの発達でHUDと組み合わせて敵機の方向に向けると
横からでもロックオンできるようになってるし
格闘戦が発生しても後ろをとる戦いとは別になっていく
39 ななしのよっしん
2016/07/05(火) 12:28:44 ID: bktmPp2d54
>>38
敵のミサイルが最も飛んでこない場所って言ったら後方だろう。現代戦でも最も安全なのが敵の背後ってのは変わらない。
40 ななしのよっしん
2016/07/07(木) 16:42:19 ID: SHWi6h8asW
「ドックファイト」の方が発音し易いせいかこっちでググっても41,000件引っ掛かるんだよな。
41 ななしのよっしん
2016/08/28(日) 07:04:58 ID: 1pj8i+rhWB
>>29
なおDASがなくてもF-35運動F-16間維持共に駕してるもよう
42 ななしのよっしん
2017/08/15(火) 23:55:13 ID: gxSsVehdNp
相手がミサイルロックオンできない位置から、一方的ロックオンしてミサイル撃ちたい
ってゆー欲求がなくならない限り、位置取りの重要性はなくならないんだろうな
どれだけミサイルの射程が伸びても
43 ななしのよっしん
2019/02/17(日) 04:05:13 ID: 6Kut61FxRP
まぁ、現代ではミサイル撃ち尽くした場合における保険的な意味でしか戦闘機によるの格闘戦は想定されてないらしい。

特に3DASシステムの登場でそれが強く出て、例え敵機の後方に付こうが安全圏ではくなったしね。
後ろに居ようが下に居ようが360度どこでもロックオンできて撃てる時点で航空機によるドッグファイト保険でしかなくなった訳だ。
44 ななしのよっしん
2019/02/24(日) 06:26:20 ID: CtPNYUSO82
戦闘機の機種更新パンはどんどん長くなってるのに対してアビオニクスと
空対空ミサイルの性日進
ミサイル論敗れたり!の時代と同じ戦い方をしてるはずがないわな
>>sm1180655exit_nicovideo
45 ななしのよっしん
2019/02/24(日) 06:34:10 ID: D2LGgGIiRn
ほとんどの空対空ミサイル50G旋回を可としているので、9Gが限度の戦闘機では限度がね

侵犯機を迎撃する時は籍標章が見える距離まで近付くので、そういった場合には役立つかもしれない

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