フクム(Hukum)とは、2017年生まれのイギリスの競走馬である。鹿毛の牡馬。
17戦11勝[11-1-2-3]
2020年:ジェフリーフリアステークス(G3)
2021年:シルバーカップ(G3)、ジェフリーフリアステークス(G3)、カンバーランドロッジステークス(G3)
2022年:コロネーションカップ(G1)、ドバイシティーオブゴールド(G2)
2023年:キングジョージVI世&クイーンエリザベスステークス(G1)、ブリガディアジェラードステークス(G3)
概要
父Sea The Stars、母Aghareed、母父Kingmamboという血統。父は2009年の欧州競馬を圧倒的なパフォーマンスで席捲した年度代表馬。欧州の血統地図を塗り替えた大種牡馬Galileoの半弟の立場に恥じず、種牡馬としてもほぼ毎年GⅠ馬を輩出しているが、本馬が登場するまで活躍馬の多くは中長距離路線に集まっていた。母Aghareedは5戦2勝。5代母まで遡ると名牝Highclereが出てくる。
2017年4月2日誕生。生産及び馬主はシェイク・ハムダン殿下が率いていたシャドウェルエステート。厩舎はオーウェン・バローズ調教師に預けられた。
2歳(2019年)
9月中旬ニューベリー競馬場の条件戦にてジム・クローリーを鞍上に迎えてデビューして3着。その後は11月のケンプトン競馬場にて初勝利を挙げた。
3歳(2020年)
始動戦はロイヤルアスコット開催のキングジョージ5世ステークスより始動して勝利。8月のジェフリーフリアステークス(G3)では中団の埒沿いから進出すると逃げ馬を捕らえて2馬身半差で勝利して、3連勝でグループ競走初制覇となった。
その後はイギリスクラシック最終戦であるセントレジャーステークス(G1)に出走するも5着に敗れた。
4歳(2021年)
4月下旬のゴードンリチャーズステークスから始動して4着。続く5月のタップスターステークス(L)で古馬初勝利を挙げた。その後はロイヤルアスコット開催のハードウィックステークス(G2)に出走するもWonderful Tonightの3着に敗れた。
7月のシルバーカップ(G3)を勝利。続くジェフリーフリアステークス(G3)では2番手から楽な手応えで先頭に立ち2着に3馬身1/4差を付けて、グループ競走連勝で連覇を達成した。
その後は9月のセプテンバーステークス(G3)を2着と敗れてしまうも、10月のカンバーランドロッジステークス(G3)では6馬身半差の圧勝でグループ競走4勝目を飾った。
陣営はこの勢いのまま国外遠征を検討。12月にある香港国際競走の香港ヴァーズへ参戦する案が出たものの、4月から10月まで使い込んでいたことから休養を与えるために取り止めることとなった。
5歳(2022年)
ドバイワールドカップミーティングの前哨戦であるスーパーサタデーのドバイシティーオブゴールド(G2)から始動。中団外の7番手で追走し、直線では叩き合ってアタマで捩じ伏せて優勝。これでG2初制覇、グループ競走5勝目を挙げた。
その後はドバイワールドカップミーティングのドバイシーマクラシック(G1)に出走するもシャフリヤールの7着に敗れた。
6月初めのコロネーションカップ(G1)に出走。前年の覇者Pyledriverが1番人気となり、フクムは3番人気に支持された。レースはPyledriverがハナを奪いフクムは斜め後ろの2番手を追走。そのままの隊列で迎えた直線では先に動いたPyledriverから仕掛けを遅らせてから、動き始めると一気にPyledriverとの差を広げて4馬身1/4差で圧勝。待望のG1初制覇を果たした。
陣営にとってもこの勝ち方は予想外のものだったそうで、すぐさま今後のローテを変更。キングジョージVI世&クイーンエリザベスステークスや凱旋門賞なども視野に入れることとなった。
しかしながらコロネーションカップの後に後肢の骨折が判明。残りシーズンを棒に振ることとなった。
6歳(2023年)
復帰戦となったのか5月下旬のブリガディアジェラードステークス(G3)で約1年ぶりのレースとなった。先行競馬で進めていたものの前が壁となって道を探すのに手間取っている間に、同じく約1年ぶりの実戦となった昨年の英ダービー馬Desert Crownが直線で最後方から先頭に立って追い抜かれてしまう。万事休すかと思われたが、そのに持ち出されると一気に追い上げてゴール前でDesert Crownを半馬身差で差し返して優勝。1年近くの休養も全く問題とせず、素晴らしい末脚を発揮して復活の狼煙を上げた。
その後はロイヤルアスコットのハードウィックステークスへの出走を検討するも堅い馬場を懸念して回避した。
そして欧州競馬上半期最強馬決定戦であるキングジョージVI世&クイーンエリザベスステークスに出走。ここには英愛ダービーを制してG1・3連勝を狙うAuguste Rodin、コロネーションカップで牡馬を蹴散らして昨年の屈辱を晴らさんとするEmily Upjohn、前年の覇者であるPyledriverなど総勢11頭内7頭がG1馬という豪華な面子が揃った。
レースは馬群の中団外目で追走。手応えが悪くなって下がっていったAuguste Rodinを尻目に外に元出して直線入口へと向かった。直線では外に振り出して追い出しを開始し、先に抜け出した昨年の愛ダービー馬Westoverへ並び掛けると叩き合いとなるもWestoverも負けじと伸びてなかなか抜かせない。しかしフクムももう一伸びを見せてWestoverよりも僅かに前に出てそのまま馬体を合わせてゴール版を通過。アタマ差で競り勝って壮絶な一騎打ちを制した。
この勝利で2度目のG1制覇。であるBaaeedの活躍の陰に隠れがちだったが、この大舞台で自身の実力を全ホースマンたちに証明することができた。
この勝利でブックメーカーの凱旋門賞オッズでは2番人気まで急上昇した。
その後は前哨戦を使わずに凱旋門賞(G1)に直行。先行して果敢に粘り込みを図るもAce Impactなど後続馬に交わされて9着に敗れた。
凱旋門賞の後はチャンピオンステークスに出走する話もあったが回避。その後、引退が発表され、日本のダーレー・ジャパンで種牡馬入りすることになった。
血統表
Sea The Stars 2006 鹿毛 |
Cape Cross 1994 黒鹿毛 |
Green Desert | Danzig |
Foreign Courier | |||
Park Appeal | Ahonoora | ||
Balidaress | |||
Urban Sea 1989 栗毛 |
Miswaki | Mr. Prospector | |
Hopespringseternal | |||
Allegretta | Lombard | ||
Anatevka | |||
Aghareed 2009 鹿毛 FNo.2-f |
Kingmambo 1990 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Miesque | Nureyev | ||
Pasadoble | |||
Lahudood 2003 鹿毛 |
Singspiel | In the Wings | |
Glorious Song | |||
Rahayeb | *アラジ | ||
Bashayer |
クロス:Mr. Prospector 4x3x5(21.88%)、Northern Dancer 5x5(6.25%)
- 全弟にインターナショナルステークスなどG1・6勝を挙げたBaaeedがいる。
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