ユミルとは、漫画『進撃の巨人』に登場する女性キャラクターである。CV:藤田咲。
概要
第104期訓練兵の1人で、エレン・イェーガーたちの同期。そばかすと鋭い目つきが特徴的な、黒髪で長身の少女。身長172cm 体重63kgと、女性としては大柄な部類に入る。出身は不明、訓練兵になった経緯も生い立ちも不明。壁内地域以外の言語にも通じる。
今作ではパッと見男か女かわからない顔立ちのキャラが数名いるが、彼女もその一人。 性格は打算的かつ狡猾で、言動も粗暴。他者を自分にとって利用価値があるかどうかで判断していると平然と言い放つような人物。また、他者の心の隙や暗部を鋭く嗅ぎつけ、そこに容赦なく付け入った挙句、傷口に塩を塗るような嘲り・罵倒を浴びせるため、お世辞にも友達や仲間が多いとはいえず、仲間思いなコニー・スプリンガーとは犬猿の仲であった。
一方で、我らが女神クリスタに対しては人が変わったように優しくなり、不自然なほど彼女の身の安全や安寧に執着する。笑顔で抱きついてからかい半分で求婚したり、ウトガルド城では巨人の危険から遠ざけようとして命を投げ打つなど、その溺愛っぷりは些か常軌を逸していた観さえある。それ故か、ライナーにも「男に興味があるようには見えない」と言われた。
また、物語冒頭で「馬鹿さ加減を利用する」と宣言したはずのサシャ・ブラウスとも実は親しくしており、お郷言葉を恥ずかしがって誰にでも敬語で話す彼女を「ウザい」「もっと素直になれ」と叱るなど、意外に友達思いの面も見せている。
……というよりも、注意深く観察すれば、彼女の罵倒やからかいの言葉は実はその大半が遠回しな叱責、叱咤の言葉であることがわかる。例を挙げるとすれば、エレンが巨人に捕食されて泣くしかないアルミンを「こんな劣等生と組まされたエレンが可哀想」と叱責したり、自分の家族の消息を気にしてくよくよするコニーを馬鹿笑いで奮い立たせるなど、実は人一倍他者を気遣って生きている彼女の心の苦労が偲ばれる。
尤も、友人であるクリスタや皆の兄貴分であるライナーはそんな屈折した彼女の優しさに気がついている。
ちなみに彼女、初期から登場しているキャラの一人であるにもかかわらず、本編ではしばらく名前は明かされず、原作の公式サイトや単行本9巻の登場人物紹介でも「名前不詳」と紹介されていた(というより名前自体がネタバレの可能性アリ)。そのため読者からは、名前が判明するまで「そばかす」と呼ばれていた。
なお、彼女に限ったことではないのだが、アニメ版では少々美人になっており、パッと見で女性とわかる。CVを担当した藤田咲のクールな演技やアニメ補正も相俟って、ミステリアスな超ナイスバディそばかす美女としてリデザインされている。
主な活躍 注:ネタバレ
トロスト区の戦いでは、仲間やエレンを失い絶望にくれていたアルミンをさらに罵倒し追い詰めた。アニメでは時期系列が整理されて登場シーンが前後したが、原作ではこれが初登場である。その後クリスタに笑顔で「結婚してくれ」と言い、その偏執的な百合っぷりを読者に見せつけた。
その後長らく出番がなく、再登場したのは調査兵団に入団する時。泣くクリスタに泣くくらいなら入るんじゃないと忠告した。 ちなみに、この時涙を流さず、自身も調査兵団に入ったことから、単に嫌な奴ではないかもしれない可能性が出てきた。 次に出てきたのが8巻のサシャの回想であり、サシャが無理に敬語を使っていたことを見抜き、自身の言葉で話すよう粗暴な言葉で促した。 上記の通り、9巻でようやく名前が判明。この時のクリスタとの会話で、彼女の実力が本来なら上位10名に入ることも判明する。しかしクリスタが内地勤務が可能な憲兵団になれるよう、裏で手を回していたらしい。
単行本10巻において、絶体絶命の窮地に陥った仲間たちの命を守るために突如巨人化して周囲を驚かせた。 突如巨人化した。 大事なことなので2ry
そう。彼女はエレンやアニと同じ巨人化できる人間だったのである。彼女の巨人体は5~6m級ほどで、振り乱した黒髪にノコギリ状の歯が並び、頭部が大きく体が小さいという、他の巨人化能力者のそれと比べると、かなり醜悪なデザインとなっている。
また、女性であるアニの巨人体が女型なのに対し、彼女の巨人体はどうみても男性である。 最初は身軽な身のこなしで廃城に取り付いた巨人たちを見る見る駆逐したが、多勢に無勢が仇となり、次第に押され始める。天命もはやこれまで、せめて命と引き換えにクリスタや仲間たちを……と己が命を諦めかけた彼女だったが、突如その可憐な外見からは想像もつかないような勢いでキレ出し、自分に対して猛然と罵声を浴びせるクリスタの姿に奮起。瀕死の重傷を負いながらも遂に仲間たちの命を守ることに成功した。
ちなみに、この時コニーは助けてくれたユミル巨人体にブスなどと暴言を。(実際他の巨人よりも醜悪な外見ではあるが・・・)
満身創痍のユミルにクリスタは近づき、約束であった本名を明かす。それを聞いたユミルは、柔らかな旭日の光の中で穏やかに微笑し、満足そうな表情を浮かべて目を閉じた。(死んでないよ)
一方、ユミル巨人体を見たベルトルトとライナーは、彼女が過去自分たちを襲撃した巨人であることを思い出し、「あの巨人は……あの時の……」と戦慄している。
本編外伝に登場した調査兵団員・イルゼが出会った巨人は、彼女の姿を一目見るなり「ユミルさま」「ユミルのたみ」などと発言し、地面にひれ伏して恭順の意を示した。やがてはその巨人に捕殺されたイルゼであったが、彼女が残した調査書の驚愕の内容はリヴァイやハンジの知るところとなっている。 上記を読んでもらえばわかると思うが、本作においても謎の多いキャラ。
始めはモブ程度だった彼女が、10巻で大暴れし存在自体がネタバレになる可能性のあるキャラとなっている。
ライナーの暴露以降
物語としても大きな転換点となったライナー・ブラウンの秘密の告白直後、エレンと共にライナーとベルトルトにさらわれてしまう。逃走の小休止の際にストレスで錯乱したライナーの言動に戸惑いつつ物語の重要な機密を発しそうになるも、ライナーたちに仲間になるよう脅迫され、やむなく同行する事になる。この際のやり取りではユミルが60年ほど彷徨っていたという内容も含まれており、新たな謎となっている。
ライナーたちが第104期生を含む調査兵団の追撃にさらされ窮地に陥るとクリスタも壁の外に連れ出すのと引き換えに積極的にライナーたちに協力する。巨人化してクリスタをさらうと鎧の巨人と化したライナーと合流し、壁外を目指す。
しかし、調査兵団の無数の巨人を誘導してライナーたちにぶつけるという決死の作戦により、最終的にエレンとクリスタは奪還されてしまう。なおもエレン奪取を目指そうとしたライナーたちに、ユミルは自らの身を差しだすことを条件に追撃をあきらめさせる。
その後、調査兵団とライナーたちとの決戦となるシガンシナ区決戦には登場しなかった。
ユミルの真実
世界の真実が明かされたのち、ヒストリア宛の手紙からユミルの背景がほぼ明らかになった。
もともとは壁外の孤児であり、巨人の始まりの女性「始祖ユミル」を崇める教団によってその生まれ変わりだと祭り上げられたのがそばかすのユミルであった。ユミルの名前もその際に与えられたものであり、彼女本人には始祖ユミルとは何の関係もない。
教団のシンボルとなったユミルは孤児の立場から脱したが、そのような危険思想を持つエルディア人をマーレが放っておくわけもなく、教団ごと逮捕されたユミルは教団幹部の裏切りに絶望しつつ無垢の巨人化による終身刑を受けパラディ島=『進撃の巨人』本編の舞台の島に放逐されてしまう。このときの幹部の裏切が彼女の壁内での言動に繋がっている。
無垢の巨人と化したユミルはいつまでも死ぬことなく壁外を彷徨い続けると思われたが、マーレの戦士団であるライナーたちが島への潜入任務を行った際にこれを襲撃。潜入部隊のリーダーだったマルセルを捕食して「顎の巨人」を継承して知性を取り戻し、人間の姿にも戻れるようになった。
ちなみに、漫画では巨人化能力を持っていたライナーたち4名をどうやって襲えたのか不明だったが、アニメでは巨人ユミルは長年の放浪の末に地中に埋まっており、その近くでライナーたちがそれに気づかずキャンプをしてしまったため、地中から突如現れたユミルに対応できなかったことになっている。
その後、ライナーたちがマルセルを失っても潜入任務を続行して壁を破壊し、壁内が大混乱に陥るのに乗じてユミルも壁内に入り込み、兵団にもぐりこんで、本編へとつながっていく。
ライナーを中心として描かれたマーレ編では新たな「顎の巨人」としてマルセルの弟ポルコ・ガリアードが登場しており、彼のセリフからユミルがすでにガリアードに食われて、死亡していることが判明している。
関連コミュニティ
関連項目
- 進撃の巨人
- クリスタ・レンズ(嫁)
- コニー・スプリンガー(仲悪い)
- サシャ・ブラウス(悪友)
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