双眼鏡とは、遠方の景色を拡大して表示させる望遠鏡の一種である。
概要
「ものを大きく見えるようにする」という意味では天体望遠鏡や顕微鏡と似ているが、大きく違うのは両目に1つずつレンズがあり、かつ見たままの像を拡大したように見え、なおかつ両目で遠くの景色を眺めることができる。
大きさはさまざまで、ポケットにも入るような小さなのものがあれば観光地に多く見られる固定式のものまで存在する。が、双眼鏡はお手軽さも重視されていることから基本的にポケットに入らずともストラップで首などにぶら下げるなどして携帯して使用するものが大半である。携帯性を特に重視した「単眼鏡」も販売されている。
主な用途としてコンサート鑑賞やスポーツ観戦などのイベントや、航海やバードウォッチング、天体観測、軍事用途の監視・捜索・着弾観測などがあるが、「とりあえず思いついたときにパッと取り出して見ることができる」という強みがあるため、用途は広い。
付加機能として防水、防錆、耐衝撃、防振装置、方位磁針、測距用の目盛り(ミルスケール)が入っているものや、長時間の観測を目的として三脚を取り付ける穴がついているものもある。
操作は簡単なものが多いが、双眼鏡には両目の視力差による違和感(視差)を無くすためどちらかの接眼レンズには視度調整機構がついている。購入後・旅の出発前には必ず調整しておきたい。
ホームセンターで売られているほか、カメラ屋さん、写真店、家電量販店でも扱う店もある。
倍率
やたらと高倍率をアピールしている商品があるが、倍率が高い=高性能・高品質ではない。
100倍ズーム!の横に6倍、8倍の双眼鏡が並んでいるとショボく感じるかもしれないが
小口径のレンズでは高倍率ほど真昼間の野外でも像が暗くなり(曇天や夕方といった薄暮時はほとんど役に立たない)、手振れまで倍増されてしまうため実用性では10倍が限度。最近はホームセンターなどで多くの種類が手に取れるため、試してみると分かりやすい。
野鳥やスポーツなど動きのある対象物、広範囲の監視や捜索を目的とした場合は高倍率よりも広い視野が好まれるし、限られた予算で明るく高画質・解像度を求めるならレンズ口径を重視したほうが良い。最後は個人の好みや予算で選べば良いが、高い倍率の表記だけに踊らされる事がないようにしたい。
一応、実用性のある手振れ補正装置のついた高倍率双眼鏡(防振双眼鏡)も存在するが、バッテリーが必要で5~10万円以上と非常に高価なため、個人が趣味で購入するには手が出しにくい価格帯である。
ちなみに観光地に据え付けてある大型の双眼鏡は20倍以上と高倍率だが、レンズ径が桁違いな上にガッチリした土台に支えられているため、ひどい手振れや像が暗くなるといったデメリットは問題ではなくなる。
…それでも携帯可能で高倍率を重視したい場合はフィールドスコープ(スポッティングスコープ)というものがあり、小型の三脚が必要で単眼式、重量やサイズ、価格的に双眼鏡に劣るが、大口径のレンズと高い倍率を兼ね備えている。価格やサイズ的に小さい店にはあまり置いていないが。
創作における双眼鏡
よく、アニメや漫画でキャラが双眼鏡を覗いているとき、そのキャラの視界は∞の形に描かれるが・・・
実は正しい状態で見ると視界は○になる。
∞の状態は接眼レンズが目の幅に合っていない状態なので、○になるように調整する必要がある。
ただし、表現手法という見方をすると「そのキャラが双眼鏡で覗いている」ということが読者や視聴者わかりやすいのも確かではあるので、作者をプギャーするのではなく漫画的表現のひとつと割り切るのがよいのかもしれない。
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関連項目
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