娘々(にゃんにゃん、魔神娘々)とは、『新約とある魔術の禁書目録』に登場するぱんつはいてない仙人様である。
魔神「娘々」
娘々(にゃんにゃん)とは中国・道教における女神の呼び名。
彼女は蓬莱神仙思想を体現した者の内、不老不死の仙人「尸解仙(しかいせん)」に分類される。
また彼女自身、4000年もの長き歴史の中で「風化した神格」でもある。
青白い肌に丈の短い白いチャイナドレスと満州民族の帽子を着用。額には符が貼られ、万人が万人思い浮かべる仙女からは外れた、どちらかと言えば「僵尸(キョンシー)」を連想させるデザイン。
実際、仙人なのだがキョンシーのように恐れられた事があるらしい。
俗世の垢を脱ぎ去るため、敢えて自ら命を絶つ事で仙人となった誰か。
れっきとした仙人でありながら、時に血を吸う鬼のように恐れられた存在。
あるいはその肢体から香る美の源とは、敢えて人肉の味を追求・再現した料理や生き血を画材に描かれた幽霊画などと同じく、見てはいけない、やってはならない、そんなねじくれた好奇心を刺激して土俵の際のような一線に自ら足を掛ける事を求める、禁忌の妖しさなのかもしれない。新約とある魔術の禁書目録 17巻235-236頁より
デザインを担当した灰村キヨタカは『ヴァンパイア』のキョンシー「レイレイ」を想起したらしい事を、自身が運営する公式サイトで語っている(世代的に灰村はこれにあたるらしい)。
だが見た所レイレイとは違って無い。絶壁まではいかずともどこぞの電撃ビリビリ娘と同レベルか。
体躯は「ネフテュス」と並べると小柄。
声は幼く口調も軽快である事から大人びて妖艶な「ネフテュス」とは違い、外見相応の少女に映る。
例(台詞):
「その分、好き勝手やった「オティヌス」には腹が立ってる訳よあたしィ☆」
「ジジイ、男の泥棒猫とか最悪過ぎね? そりゃ木乃伊になるまで自己を貫いたのに誰からも信仰を得られない訳だわ」
「だいじょーうぶ☆ この神様におまかせあれー」
よく他人をちゃん付けで呼ぶ(ゾンビちゃん、上条ちゃん等)。
ただし誰でもちゃん付けというわけではないらしく、僧正をジジイ、上里を人間と呼んでいる。
宝貝(パオペイ)
彼女は全能である魔神の力とは別に、尸解仙の持つ莫大な力を純粋に保ち、ジャンルを小分けして管理している。これらは規模は違えど、神話と神話を切り分けて管理する「位相」と変わらない。
小分けした幾つもの武具が、世界に重なる「位相」同士の軋轢で起こる「魔術の火花」を再現する。この火花は目に見えて分かる武具の脅威とは別に、様々な角度から敵を襲う。
武具としてはそれぞれが「奇跡」の集合体。
根本的には「天体の大宇宙と人体の小宇宙の照応」(マクロコスモスとミクロコスモス)と同じ理論である。
新約22巻では剣、槍、斧、杖、弩、圈、棍、網、鎖、銃、菱、鞭、環、爪、鎚、矢、杭、盤、鍵、鎌、鉾、鋏、戟、錘、拐、棘、叉、尺、縄、筒、袋、板、鋸を扱っている。
元ネタはそのまま「宝貝」(パオペイ)。作者不詳の小説「封神演義」の仙人の道具。
尸解仙
上士舉形昇虚、謂之天仙。中士游於名山、謂之地仙。下士先死後蛻、謂之屍解仙。
訳)上士は形を挙げて虚に昇る、之を天仙と謂う。中士は名山に遊ぶ、之を地仙と謂う。下士は先づ死して後に蛻す、之を尸解仙と謂う。
抱朴子 内篇「論仙」より
根源は道教の中心的概念であり、不滅の真理「道(タオ)」。
最上位の人間は天仙として肉体のまま天に登る。中位は天に昇らず遊行し、地仙となる。下位に位置する者は一度尸体になり、蝉化・尸解し尸解仙となる。
尸体と書いたが実際には「疑死」に過ぎず厳密には「仮死状態」になっている。
尸解は「物品に肉体を託す」手法を用いる。『雲笈七籤』によると尸解仙にも位があり、尸解仙になる際に上士は真人の宝剣を用い、下士は竹や木で済ませるとの事。
物品を抱き棺に伏し、然るべき手順を踏んで呪文を唱えて尸解は完成、物品は自らの姿になる。
然る後、魂は肉体から解き放たれて仙人に転じ、肉体を託した物品は元の姿に戻る。
闇咲逢魔が狙った原典である葛洪の著『抱朴子』に記されている。
また、娘々が新約13巻で「地仙の連中」と言っているが、禁書世界で存在するかどうかは不明。
雑多
隠世に住んでいた理由
魔神は無限という等価で表現されるべき存在なのだが、あまりにも容量がでかすぎて神域から出ようとしても世界の方が彼女達に耐えられずに崩壊してしまう。
フルスペックの彼女達と敵対する以前に、そもそも「世界のキャパシティ・強度」が魔神を受け入れるには余りにも不足していて、一歩踏み出した途端に世界がぶっ壊れてしまうのだとか。
魔術師や能力者達を引っさげても、現世に囚われている限りは恐らく素の魔神の敵ではない。そもそも会えないのだから下手をすれば敵という認識を持つ事すらないだろう。
ぱんつはいてない
ぱんつはいてないらしい
鏡合わせの分割
容量がでかすぎる魔神神たちが現世に出現するために、世界が魔神を受け入れる必要がある。
ゾンビ少女が提唱した、無限の存在(魔神)を無限に分割し、「世界」のキャパシティ限界まで魔神の容量を下げた上で、自己と重ね合わせて「世界」を騙す、という理論が魔神の間で重宝されている。
無限と呼べるわたし達の力を無限に等分する事で、この世界で許容可能なギリギリのレベルに自己を留める。 ……でもこれ、見方によっては最悪の変容じゃないかなあ? 何しろこれ、殺しても殺してもキリがない。 マトリョーシカやタマネギみたいに、わたし達を完全に殺すには永遠に等しい戦闘を繰り返さなくちゃならなくなったんだから
新約とある魔術の禁書目録12巻 魔神娘々の発言を抜粋
一柱殺すのも無理ゲーなのに、一兆回だろうが一京回だろうが殺しきらないと駄目らしい。
娘々の言う通りレベルを下げたと思ったら、何故か余計に絶望感に苛まれる存在になっている。
術式を適用して現世に入ったのだが、実はその術式は新約10巻における戦闘で魔神のパラメーターを習得したアレイスター=クロウリーによって魔神を弱体化するように改竄された偽物だった。何らかの改変術式を撃ち込まれて可殺状態となり、位相を操る力も使えなくなった様子。
彼女自身の活躍
新約13巻
その後、ネフテュスと共に僧正に追われる上条達と接触。
その際、美琴をまるで存在しないかのようにガン無視して上条で遊んだ。
僧正がゴールデンレトリバーに殺された後に学園都市を潰そうとしたが、『理想送り』を宿す少年「上里翔流」によって新天地へと追放された。
「ふ、ふふ。やっと終われる、これで解放される……。わたし、わたしい!!ネフテュス、すごいよこれえ!わたし、ああ、わたしは、このすんごい安心を待っていたあ!!あはははは!!」
上里の理想送りによって『新天地』へ飛ばされたのは、学園都市吹き飛ばす宣言をしてから僅か4ページ後の出来事であった。即堕ち2コマシリーズとか言うな。
新約17巻
新約17巻で本人が再登場。
前巻で「願望の重複」が生じ『新天地』へと飛ばされた上里翔流をまず登場早々にボコった。
その後、上里が他の魔神にボコられそうになった際に彼女とネフテュスは上里側についている。
ネフ・娘々「「やっぱりか弱い人間の命運を握らされると張り切っちゃうのよね、神様って☆」」
最強の上里勢力(臨時)の誕生である。
上里の代わりに他の魔神と戦う、ミサカ総体と上条の時みたいに苦悩を抱える上里に助言し愚痴を聞くなど、新約13巻が嘘に思えるくらい活躍している。娘々ちゃんマジ女神。
ちなみに、彼女に限らず魔神は自由に存在できる理想郷を望んでいたので、上里個人を嫌ってはいても、新天地に送ってくれた事自体にはむしろ感謝しているくらいである。
しかし彼女とネフテュスに限れば、上里と接する内に気に入ったのか割と好意的な発言も残している。恐るべきは神様にまで効果を発揮した上里のハーレム構成力といったところだろう。
上条たちの活躍で上里が現世に帰れるようになった際にはネフテュスと共に見送った。
新約19巻~
新天地に迷い込んだ大悪魔コロンゾンで と遊んでいたが、コロンゾンが力技で現世に脱出した時にネフテュスと一緒にうっかり現世に出てきてしまった。
新約20巻ではアレイスター=クロウリーと主人公3人+αがイギリスに突入した後、「他と比べると面白そう」という理由で(ネフテュスと)浜面仕上サイドに合流。浜面達を内側から観察していた。新約22巻でアレイスターやコロンゾンと対決するなど戦闘狂の性質を発揮。
関連動画
関連静画
関連項目
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