『真・女神転生 デビルチルドレン』とは、アトラスが販売するゲームシリーズである。略称はデビルチルドレン、デビチル、Dチル。
概要
子供を主な対象とした女神転生シリーズであり、他シリーズと比べデビルとの交渉は分かりやすく簡略化され、デビルのデザインも、女の子も親しみやすいよう可愛らしいものにアレンジされている。
子供向けとは言ってもそこは女神転生。やはりダークな部分も併せ持ち、良くある勧善懲悪的なものではない。
2000年11月17日にゲームボーイカラー対応ソフトとして「黒の書」「赤の書」が発売された。一見すると当時流行ったポストポケモンの一つのように見えるが、悪魔合体等のシステムは従来のメガテンを踏襲したもので、バージョンによって合体方法やストーリー自体が全く異なる為事実上の別作品であるなど、かなり意欲的な内容になっていた。また会話シーンがテキストボックスだけになりがちなこの手のゲームボーイ用RPGにしては珍しく、主要キャラはおろかデビルも含めたバストアップのキャラ絵が多数用意されており、会話パートにアニメ的な演出を盛り込んでいるなど、斬新で飽きさせない要素も盛り込まれている。
「黒の書」「赤の書」はリメイク版としてPS版が発売された他、GB版は後に3DS用バーチャルコンソールとしても配信された。
「黒の書」「赤の書」以降は続編としてゲームボーイカラー専用ソフト「白の書」が発売された後、表記を改めたGBA専用ソフト「Dチル」シリーズは後にも派生作品も含め数作が発売された。
「光の書」「闇の書」「炎の書」「氷の書」は、一部デビルのデザイン変更や、前作までの主人公や主要人物がほとんど出てこない為か、初代信者からは別物と認識される事もある様子。いくらラグナロクを起動したと言ってもあの変わり様は一体……
なお、「黒の書」「赤の書」には、当時ファミ通で連載していた柴田亜美の業界巻き込み系マンガ「ドキばく!」とのコラボで、作中の柴田亜美・チップス小澤のキャラがそっくりそのままデビルとして登場する(名前は「タヌキ(ネコ)のナマモノ」)。
トレーディングカードゲーム版も存在し、メディアファクトリーから全5弾が発売。
また2011年7月からGREEで、11月からモバゲーでソーシャルゲームが配信されている。
作品一覧
ゲーム
- 真・女神転生 デビルチルドレン 黒の書 / 赤の書(GB)
- 真・女神転生 デビルチルドレン 白の書(GBC)
- 真・女神転生 デビルチルドレン 光の書 / 闇の書(GBA)
- 真・女神転生 デビルチルドレン パズルdeコール!(GBA)
- 真・女神転生 デビルチルドレン 炎の書 / 氷の書(GBA)
- 真・女神転生 デビルチルドレン メシアライザー(GBA)
アニメ
アニメ版ではダークな部分を排除し「子供向け」である事を前面に押し出した作品となっている。ストーリーはアニオリ展開が強い。アニメのDVD化は一度は決定しアトラスのHPにも載ったが、いつの間にか削除されたりと紆余曲折の後、2008年1月25日にようやく叶った。2019年にはBlu-rayBOXが発売。
続編ライト&ダークはVHS以降のソフト化はされていない。
漫画
コミックボンボンで連載された 問題作 漫画版。作者は藤異秀明。
黒の書・赤の書とは相違点が多いとは言え、基本的にはオリジナル展開に逸れる事無く終盤までゲーム版「黒の書」準拠のストーリーを展開してはいる(メイン主人公は刹那)ものの、比較的王道な少年漫画だったのは序盤のみで、中盤から急激に、児童誌向けとは思えない程の暴力漫画と化す。
…とはいうものの、実は1話で刹那の左胸に石柱が貫通したり、2話でベールが南斗水鳥拳はばたきで倒した敵が血の雨になって降ってくるなど、初期から暴力的な描写自体は存在している。また序盤のアイスランド編の段階から仲魔になったデビルは次々に命を落としていき、生き返る事も一切なかった。キゼツ?ちがえしのたま?何それ?
更に連載開始から半年ほど経過した6話(マーブルランド編)以降になると、未来と生き別れた反動で情を捨て去った刹那がデビルを直接ぶちのめす描写が描かれる様になり(当然ゲームにはそんな描写は無い)、デフォルメ的なキャラの描かれ方もなくなっていき、遂には腕を落とされた刹那が凄まじい形相でなおも敵に挑みかかる(単行本第3巻の表紙のインパクトはよく語り草になる)など、とてもボンボンの購読層に見せてはいけない様な凄まじい描写が頻発するようになる。ついた渾名は「児童誌のベルセルク」。
この為ダークな作風でありつつも子供向けに開発されたゲーム版のファンだけでなく、従来のメガテンファンからの評価も高い作品である。
あと、某漫画っぽい「世界一ィィィィ!!!」とか「USYAAAAAーーッ!!」とかいった台詞があったり、某漫画の「オレはおこったぞーー!!!フ〇ーザーーッ!!!」のコマをまんまエレジーがパクっているシーンがあるなどそこはかとなくジャンプ臭がするのも特徴。
原作ゲームのキャラを忠実に描写したものもあるが、一部キャラクターには大幅なアレンジが加えられており、中でもナハトコボルトなど原型を留めていないキャラもいる。アスモデウスの素顔やショートカットにヘアスタイルを変えたエレジーなど、一部の主要キャラは魅力が掘り下げられており評価が高い。
なお藤異氏はデビチルのトレーディングカードのイラストも一部担当しているが、その中には漫画で未登場だった高城君の正体である深淵魔王ゼブル等、藤異氏のタッチでリメイクされたキャラも何体か見ることができる。
余談だが、同時期のサイボーグクロちゃんもハードな描写が増えていった。というかこの頃のボンボンの人気漫画大体こんな感じだった気もする
一方で単行本巻末の読者Q&Aではどれみオタであることを作者がカミングアウトするなど、別な意味でぶっ飛んでいた所も見逃せない。未来からどことなく妹尾あいこっぽさが出てるのはそのせいである。
続編であるライト&ダークも連載されるが、前作より明るい展開だが最終的に打ち切りになっている。
なお、漫画版に関しても現在復刻版が発売されており、電子書籍でも販売されている(但し当時の原稿が紛失した一部の扉絵は描き下ろし版に差し替えられ、当時の後書き漫画等が未掲載)。新装版3巻には描き下ろし漫画も収録されている。
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関連項目
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