「真・女神転生シリーズ」とは、アトラスから発売されたゲームシリーズである。
概要
女神転生の外伝シリーズであり、現在はアトラスにとっての代表シリーズとなっている。
女神転生から引き継いだ要素は多いものの、女神転生から脱却した要素も多い。ナンバリング作のほかに、いくつかの外伝がさらに広がっている。
すべてジャンルはRPGであるが、作品ごとにシステムの違いなどがある。
シリーズではあるものの、作品ごとの繋がりがないものが多いため、どこから遊んでも基本は問題ない。
概ね作品間で共通するのは、『悪魔の出現』『人類の危機』、そして『東京』。
特に『東京』はナンバリングタイトルであるかどうかを左右する要素らしく、SJが高い完成度でありながらナンバリングでなかったのは舞台が東京ではなく南極だったから、というスタッフ発言がある。
作品一覧
- 真・女神転生 (SFC/PS/PCE/MD/GBA/Win/iOS/ゲームアーカイブス/VC/Nintendo Switch)
- 物語は199X年の東京・吉祥寺から始まる。奇妙な夢から覚めると、井の頭公園で殺人事件が起きていた…
尚、ここで起こるゴトウのクーデターが成功した歴史が真I、NINE、IMAGINE、偽典、20XX、真IIに当たり、 - 失敗したのがデビルサマナー、ペルソナシリーズ、となっている。
- 真・女神転生II (SFC/PS/GBA/ゲームアーカイブス/VC/Nintendo Switch)
- 記憶をなくした主人公は貧乏ジムの岡本に拾われ、コロシアムの戦士として日々を過ごしていたが…
前作のIから数十年後が舞台。世界背景はLAWの勢力が強くなっている。
ビジュアル・システム共に前作より改良が施され、世界観も前作以上にサイバーパンク色が濃くなっている。
初期出荷版はバグが多かったが、プレイステーションでリメイクされた時にも初期出荷版はバグが多いという見事な転生をした。(ドミ版) - 真・女神転生III-NOCTURNE (PS2、Nintendo Switch、PS4、Windows(Steam))
- 高校に通う主人公は、担任の教師を見舞う為に病院を訪れる。しかしそこは異様な静寂が横たわっていた。
ナンバリングタイトルでありながら戦闘システム・成長要素などに大幅な変更が加えられた意欲作。
通常版とマニアクス版がある。マニアクス版は完成度が高く、また「デビルメイクライ」シリーズのダンテが登場する。
ただし肖像権の問題から再販が出来ない為、非常に高額(中古ですら二万円)であったが、
「葛葉ライドウVSアバドン王」の限定版にダンテをライドウに差し替えたバージョン「マニアクス クロニクル・エディション」が付属するため一時期に比べ値は落ち着いた。しかしダンテ版は相変わらず高止まりしている。 - リマスター版である「真・女神転生III NOCTURNE HD REMASTER」がNintendo SwitchとPS4で発売。さらにSteam版が配信。内容は葛葉ライドウが登場する「マニアクス クロニクル・エディション」に準じるが、DLC「マニアクスパック」を購入すればライドウの代わりにダンテが登場する“マニアクス版”としてプレイすることもできる。
- 真・女神転生IV (3DS)
- 2013年5月23日発売。真・女神転生本編としては真III以来10年ぶりの作品。
ファン待望のナンバリング4作目であり、本流シリーズでは初めて携帯ゲーム機向けに開発され、良くも悪くも大きな反響を呼んだ。
フルボイス化や初の携帯機など初心者にも入れるよう配慮した意欲的な作品ではあるが、ストーリーが難解。携帯機でありながら細かく再現された東京やBGMなどの評価は高い。 - 真・女神転生IV FINAL (3DS)
- 2016年2月10日発売。真IVの世界観を踏襲した完全新作。真IVのあるルートから分岐した世界で新主人公による物語が展開。システム面とストーリー面から真IVの不満点を解消しており、真IVの完結編と言える内容。
基本ロウとカオス、そしてニュートラルという3基軸だった女神転生において、一神教と多神教という新たな対立構造を描いた。 - また真IVをプレイしていない人向けの解説も多いためここからプレイしても楽しめなくはない。(もっとも、やはり物語の神髄を味わうのなら真IVプレイ必須というプレイヤーが多い)
- 真・女神転生Ⅴ (Nintendo Switch)
- 2021年11月11日発売。ニンテンドースイッチプレゼンテーションで発表されていたシリーズ最新作。初報ではナンバリングかどうかは伏せられていたが、2017年10月にナンバリングタイトルであると発表された。
また、発売日までの間、今作に登場する悪魔を1体ずつ紹介する『日めくり悪魔』動画をYouTubeで毎日公開しており、ファンの期待値を煽っていた。『日めくり悪魔』のナレーションは今作の登場キャラクター『八雲ショウヘイ』を担当している杉田智和氏。 - 最新機種のマシンパワーを活かした美麗なグラフィックと、より洗練されたゲームシステム、『ベテル』や『ナホビノ』といった新たな神話のあり方を描いた世界観などで高評価を得て、全世界累計売上100万本を突破した。
しかし、登場悪魔の少なさや、マップやフィールド移動の不便さ、バトルでのレベル依存過ぎる雑な調整などの不満点も多くあがっていた。
特に、終盤のストーリーの薄さや登場キャラクターの深掘りの無さが大きな批判点となり、賛否両論の評価になってしまった。明らかに、終盤のイベントやフィールドを作る時間が無かったんだろうなと察せられる出来である為か、一部のユーザーからは『不完全版』と揶揄される事もある。 - 真・女神転生Ⅴ Vengence(Nintendo Switch/PS4/PS5/STEAM/XBOX)
- 2024年6月14日発売。当初は6月21日発売と発表されていたが前倒しになった。略称は『真VV』。
真Ⅴの従来のストーリーを『創世の女神編』とし、新たに『復讐の女神編』が追加され、ゲーム開始直後から選択肢でルート分岐し全く異なるストーリー展開を楽しめるようになった。
新たな悪魔の大量追加に加え、仲魔専用スキルやユニークスキル、ナビ悪魔の大量追加、仲魔と交流できる『悪魔の裏庭』など、真・女神転生シリーズの真の主役たる『悪魔』に関する改良が大量に施され、システム面やストーリー面の様々な不満点の解消も随所で行われており、正に真Ⅴの『完全版』というべき内容に仕上がっている。最初からそれくらいやってくれという意見もあるが。
今回も『日めくり悪魔』動画が発売日の間まで毎日投稿されていた。真VVで追加された悪魔が中心(忘れられる凶鳥グルルさん…)。ナレーションは大天使マンセマット役の高木渉氏。 - 真・女神転生if... (SFC/PS/win/ゲームアーカイブス/VC)
- 軽子坂高校を舞台にした物語。
ハザマという生徒が魔界への門を開き、自らを魔神皇と名乗って学校を異界へ引きずりこんだ。
システム面では前作に当たる真・女神転生IIを流用している為に引き継いでいる部分が多いが、『ゲームオーバーが無い』という珍しい作品になっている。
加えて前作までは様々な過程を経て変化・決定したエンディングが、開始時に選ぶパートナーによって決定される。
また、一度クリアするか直前まで進めると隠しキャラクターをパートナーに選べる。
時系列としては真・女神転生Ⅰで起きた東京大破壊前辺りとされる。
(女主人公はペルソナシリーズにも登場したが、厳密にはパラレルワールドなので同一人物ではない)
漫画版真・女神転生if...では真・女神転生カーンへ続く。
カーンの内容は途中からオリジナルの展開に変わるが、序盤は真・女神転生をベースにしたものであった。
- 真・女神転生デビルサマナー (SS/PSP)
- 一般市民の主人公は、彼女の要望で予約が取れたコンサートのチケットを受け取りに行くが…。
if...の流れを受けて真・女神転生のような重厚長大でマクロな世界ではなく、一つの町で起こるミクロな世界で探偵物をベースに人間ドラマに挑戦した作品。
前作までは東京を舞台にしていたが、こちらは横浜をモデルにした街になっている。
表示色数の増加やポリゴンの使用、CGムービー演出によりビジュアル面が強化された。
「悪魔全書」というデータベースソフトも発売された。PSP移植版には悪魔全書の内容も含まれている。
ソウルハッカーズや葛葉ライドウという派生シリーズがあるが、それらは真・女神転生シリーズに含まれない。 - 真・女神転生NINE (XBOX)
- 大破壊によって壊滅した世界ではなく、ネットワーク上が舞台となっている。
システムがちょっと変わっている。当初オンライン版も予定されていたが、スタンドアロン版のみが発売された。
ネタバレになるので多くは記さないが、あるナンバリングタイトルと密接な関係にあるストーリー。 - 真・女神転生20XX (携帯電話専用)
- 真Iの大破壊後(真IIの数十年前)ということになっている。
マルチエンディングで、ヒロインの属性によって変化する。 - 偽典・女神転生 (PC/Win)
- 真Iと真IIの間の時間が舞台。ショッキングなシーンやエロティックな表現がある為、18禁。
- 真・女神転生 STRANGE JOURNEY (DS)
- 南極に突如現れた、あらゆる物を破壊しながら巨大化する亜空間「シュバルツバース」が舞台。
主人公は調査隊の一員となり、人類を脅かすシュバルツバースの調査へと赴く。
タイトルは真・女神転生となっているが、音楽やシステムの雰囲気は源流のウィザードリィや同社のBUSINに近い部分もある。
またハード特性を活かし下画面に3DダンジョンではMAPを表示、戦闘中にはアナライズデータ等を表示できるのも特徴的。 - 幻影異聞録♯FE (WiiU、Nintendo Switch)
- 2013年1月23日のNintendo Directで「ファイアーエムブレム×真・女神転生」として発表された。Nintendo Switchで追加要素ありの「幻影異聞録♯FE Encore」も発売されている。風タクリメイクやゼノブレイドクロスが正統派サプライズとするなら、これは例えるなら合体事故、あるいはしっこくハウス的なサプライズ。
異世界の存在(「FE暗黒竜」「FE覚醒」のキャラ)を「ミラージュ」として宿し、敵ミラージュと戦う。どちらかと言えばペルソナシリーズに近い趣。 - 真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY (3DS)
- SJの移植作。グラフィックの向上や新キャラクター追加、フルボイス化などを加えて不満点は解消しつつ、SJらしさはそのままにしたバージョンアップ版。
LAW(ロウ)とCHAOS(カオス)の概念
真・女神転生Ⅰにおいて、社会秩序が崩壊した世界でこの二つの思想が対立する様子が描かれた。
これらの概念は後のシリーズでも活かされており、シリーズを語る上で欠かすことは出来ない。
- LAW
- 絶対的な力を持つ神などの支配者が定めた法(LAW)に従って生きることをよしとする思想。
公平・平等ではあるが、時に選民的な意識を生み、従わない者を排除しようとする。
他の神を認めない一神教の神や天使、また支配することを好む悪魔がこの属性を有する。 - CHAOS
- 支配を嫌い、混沌(CHAOS)は混沌のままに弱肉強食の世界で生きようとする思想。
自由ではあるが暴力的で他者への配慮に欠ける。
多くの悪魔、そして他の神を否定しない多神教の神がこの属性を有する。
尚、このどちらにも属さない中庸的な属性はNEUTRALと呼ばれる。
関連動画
関連チャンネル
関連項目
- アトラス (ゲーム会社)
- 関連人物
- 関連シリーズ・作品
外部リンク
- アトラス公式サイト
- YouTube - atlustube
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