「軍神ちゃんとよばないで」とは、柳原満月作の4コマ漫画である。
概要
稀代の軍神と呼ばれた上杉謙信は実はぐうたらなニート姫だった!?
越後を治めた戦国大名の上杉謙信が女性だったというIFストーリーをもとに、様々な勘違いやすれ違いによって可愛いお姫様の虎千代が戦国の世を駆けていくコメディ漫画である。
最初から虎千代が上杉謙信を名乗っていたり、女性だったり、登場人物が奇天烈な曲者ぞろいだったりするがおおむね史実通りに展開する。綾さんがそう言うなら間違いない。
笑いあり、涙あり、時にはほろ苦い恋愛ありとその痛快な物語に読者は引き込まれていくだろう。
掲載は2014年から「まんがタイムファミリー」にて連載開始。その後同誌の休刊に伴い「まんがタイム」に移籍し2018年5月号から2022年3月号まで連載された。「ニコニコ静画」でも連載している。
単行本も芳文社から出版している。全9巻。
スピンオフ作として武田信玄の若き日を描いた「ここから風林火山」という作品もある。全2巻。
登場人物
上杉家(越後勢)
- 虎千代(上杉謙信)
- 本作の主人公。親しい人は「虎」と呼ぶ。
働きたくない、嫁ぎたくない、日がな一日芋食って過ごしたいウザカワニート姫。
そのあまりの穀潰しぶりにブチ切れた兄の晴景によって寺に出家させられるも送り返され、戦場に送りだしたら大勝して武功を挙げる等、偶然と勘違いが重なって奇跡的に活躍する。
その後配下から軍神として祭り上げられ越後の国主として担ぎ出される。
あまりに実体とはかけ離れた自分の持ち上げっぷりにドン引きしながらも、周囲に流されるまま武田との戦にかりだされる。
虎千代が軍神としてよりお姫様として扱ってほしいと思っていることに人々はまだ気づいていない。
人々からはなぜか男と誤解されるが、本人的には女であることは隠していない。
源氏物語と酒と城でゴロゴロするのが大好き。和歌が得意。刀剣と戦にはあまり興味がない。
- 晴景
- 虎千代の兄で越後の前国主。
真面目で良識的な為政者ではあったが、病弱であるため人々から侮られがち。
虎千代の穀潰しぶりには頭を悩ませてはいたものの、兄妹仲は良く虎千代からは兄として慕われていた。
一時は武田家の山本勘助の策にはまり虎千代の謀反を疑うも、居城の春日山城に集った虎千代の軍勢を見て越後を任せられると確信し家督を虎千代に譲る。たぶん虎千代への嫌がらせではない…はず。
晩年は虎千代の兄らしく働かずに飯を食う隠居生活を満喫しながら虎千代に後を託しこの世を去る。
- 小島弥太郎
- 虎千代の信者。ツノの生えた鉢金を身につけ、でかいこん棒を背負う青年。
戦場で大将首を討ち取り敵を50人斬りした人間ターミネーター。その功績が認められ以後虎千代の側仕えとなる。
虎千代のあらぬ噂が流れるのは大体こいつのせい。当初は虎千代を男と誤解していた。
腕っぷしは強いがそれ以外はポンコツ。
- 宇佐美定満
- 琵琶島城の城主。通称ウサミン。当初は中立の立場を属し晴景に逆らい続けてきたが、茶会で毒殺を恐れず豪胆に茶を飲む虎千代に将としての器を感じ忠誠を誓う(実際は何も考えず喉が渇いていたからお茶を飲んでいた)。以後上杉家の頭脳担当の一人として活躍する。
虎千代の妄言何気ない一言から最適解を導き出すことから読者から「高性能な節穴」と呼ばれている。
- 黒田秀忠
- 越後国の黒滝城城主。典型的な子悪党顔のおっさんで性格も汚い。
越後国の覇権を狙って上杉家と戦うも甥である柿崎に裏切られ敗北。
一度は虎千代に許されるものの武田家の山本勘助に利用されて反乱の首謀者にされ処刑される。
- 綾
- 虎千代の姉で晴景の妹。通称綾ちゃん。気が強いドSな女の子。そして胸も大きい。
自分達を差し置いて越後の国主となった虎千代に反発し、夫の長尾政景をそそのかして謀反を起こす。
その後戦に敗れて降伏するも反抗的な態度を崩さない綾に対して虎千代が国主の地位を譲ると言って自分達の面目を立てようとしたため、和解に応じた(実際は虎千代がこれを機に綾たちに国主の地位を押し付けようと企んでいた)。
以後は姉として夫の長尾政景と共に虎千代をサポート?する。
- 長尾政景
- 綾の夫。坂戸城の城主だが存在感が薄く、嫁の綾に尻を引かれているドMな坊ちゃん。
お見合いの際にお風呂で綾の裸を覗いて尻をぶたれたことから運命を感じ綾と結婚をする。
普段は「綾さんがそう言うなら」が口癖のイエスマンだが、和議の際に虎千代に反抗的だった綾を優しく諭して男を見せた。
- 北条高広
- 上杉家の特攻隊長。北条城城主。皆から「たかひろ」と呼ばれている。リーゼントの髪型をした古典的なヤンキー。
北条(きたじょう)姓と名乗っているが、関東の北条(ほうじょう)家とは何の関係ない。
武田にビビッて上杉から寝返ったものの居城にきた上杉家の大軍に恐れをなして戦わずに降伏。以後上杉家に臣従する。一体何がしたかったのか…
どうしようもないヘタレであるが憎めない性格をしており、なぜか部下からの人望は厚い。
武田家
- 武田信玄(晴信)
- 甲斐国を支配する武田家の当主。信濃の覇権をめぐって虎千代たち上杉家と川中島で何度も戦う。
川中島の戦いでさぼって戦場から抜け出したところに兄の晴景を失って傷心中だった虎千代と出会う。
互いに素性に気付かないまま2人は惹かれ合っていくのだが…
女遊びが大好きなチャラい袈裟姿のお兄さんだが、和歌は下手くそ。
- 山本勘助
- 武田家の軍師。外見はショタのおっさんである。
カッコつけたがりで結構えげつない謀略を仕掛けてくるも、一癖も二癖もある敵味方に囲まれて振り回される苦労人。
武田家の前は今川家の忍者として今川義元にゴマをすっていたらしい。
- 真田幸隆
- 武田家の妄想謀将。プロデューサー兼ベース担当。高坂昌信をアイドルに祭り上げ、川中島でライブを開いて武田の軍勢を操るという奇想天外な策を提案する。
勘助曰く「天才に勝てるのはバカしかいない」との評。
- 高坂昌信
- 武田家のアイドル。ボーカルを担当。皆から「お嬢」と呼ばれるけど男デース!
川中島の戦いで勘助の指示に従って謙信を深追いせずに撤退したら勘助から「逃げ弾正」と呼ばれてしまいました。なぜデース!
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関連リンク
関連項目
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