NEXCO東日本(ネクスコひがしにほん)は東京都千代田区に本社を置く高速道路会社。日本道路公団の分割・民営化によって発足した企業である。正式名称は「東日本高速道路株式会社」。国土交通省の所管する特殊法人である。
概要
旧・日本道路公団が管轄していた高速道路(高速自動車国道及び自動車専用道路)の分割継承により発足した。
管轄エリアは北海道・東北・新潟および長野県北部とほとんどの関東地方である。本社は東京都千代田区霞が関(旧・日本道路公団本部庁舎)にある。ただし本社のある東京23区内の高速道路は殆どがNEXCO管轄外の都市高速の首都高速道路である。
ブランドカラーは「ネクスコ・グリーン」と呼ばれる緑色。グラデーションで描かれているものの、見た目は高速道路に並行するJR東日本・JR北海道の色と類似している。コーポレートスローガンは「あなたに、ベスト・ウェイ」。これは民営化当初から全く変わっておらず、ハイウェイラジオのジングルにも採用されている。
ちなみに道路以外では東京都千代田区にある日比谷自動車駐車場も日本道路公団から継承し管轄している。
関東周辺では交通量が多く、東京都から神奈川県を結ぶ第三京浜道路や、神奈川県内の横浜横須賀道路、千葉県内の館山自動車道、開通当初は日本一とされた関越トンネルのある関越自動車道などは全てNEXCO東日本によって管理されている。開通当初は無駄な公共事業の一例とされながらも、ETC割引の強化で川崎⇔木更津を短時間かつ低コストで移動できるようになった東京湾アクアライン(事実上の観光地)もNEXCO東日本の担当である。
一方その関東地方の中心で、本社所在地でもある東京23区内の高速道路は首都高速道路株式会社(旧・首都高公団)の管轄である首都高速が大部分を占めている。加えて、名古屋方面に向かう東名高速道路や中央自動車道などの各路線は、JRの新幹線の分割継承に類して名古屋市本社のオレンジの会社のNEXCO中日本による管轄となっていることから、NEXCO東日本が管理する東京23区内の高速道路は少ない。
都市内交通ではなく都市間交通を主とする為、都市内交通で非常に巨額な収益を都内で得ているJR東日本の在来線とは大きく事情が異なり、どちらかといえばJR東日本の新幹線のような状態である。
先述の首都高速道路やNEXCO社間の分割継承の事情により、域内の都市高速も小さいNEXCO中日本と比べると若干陰に隠れ気味で、名神高速や山陽道を管理するNEXCO西日本と比較しても収益状況はあまりよろしくないのが現状であると言える。
関東周辺以外の地域(仙台都市圏・新潟都市圏・札幌周辺を除く)では交通量が大変まちまちである。特に東北地方や北海道地方では、中部以西と比べると大都市が少ないため、。秋田自動車道や道東自動車道など、主要都市圏以外の過疎地域では交通量が低迷している路線も少なからずあるのは否めない。
日本一長い高速道路で知られる「東北自動車道」はNEXCO東日本が全域を担当しており、同社の目玉路線とも言えるだろう。
2011年に東日本大震災が発生したとき、木っ端微塵に破壊されてしまった常磐自動車道を、僅か6日程度で仮復旧させた。同社の非常に素早い対応は国民に大きな衝撃を与え、高く評価された。
管理路線
高速自動車国道
- 道央自動車道(※)
- 札樽自動車道
- 後志自動車道
- 道東自動車道(※)
- 東北自動車道
- 八戸自動車道
- 青森自動車道
- 釜石自動車道(※)
- 秋田自動車道(※)
- 山形自動車道
- 磐越自動車道
- 日本海東北自動車道(※)
- 東北中央自動車道(※)
- 北陸自動車道(朝日IC~新潟中央JCT)
- 東京外環自動車道(東名JCT~中央JCT以外、※前記2つは仮称)
- 関越自動車道
- 上信越自動車道
- 長野自動車道(豊科IC~更埴JCT)
- 中部横断自動車道(※)
- 常磐自動車道
- 館山自動車道
- 東関東自動車道
- 新空港自動車道
- 北関東自動車道
※がついた路線は一部区間で「新直轄方式」が採用されている。
自動車専用道路
- 深川留萌自動車道(一部)
- 日高自動車道(一部)
- 百石道路
- 秋田外環状道路(秋田道の一部)
- 琴丘能代道路(秋田道の一部)
- 湯沢横手道路(東北中央道の一部)
- 三陸自動車道(一部)
- 仙台北部道路
- 仙台東部道路
- 米沢南陽道路(東北中央道の一部)
- 東水戸道路(北関東道の一部)
- 首都圏中央連絡自動車道(藤沢IC~あきる野IC以外)
- 横浜湘南道路
- 横浜環状南線
- 京葉道路
- 富津館山道路(館山道の一部)
- 第三京浜道路
- 横浜横須賀道路
- 千葉東金道路
- 東京湾アクアライン
その他の道路
その他自動車交通関連施設
サービスエリア・パーキングエリア
SAPA運営は子会社の「ネクセリア東日本」が営業している(一部例外あり)。由来は高速道路会社(Nippon EXpressway)とサービスエリア・パーキングエリアを示す「AREA」からとったとされる。
東日本管内の高速道路地図は、「NEXCO東日本」というブランドが正式施行された2006年4月より、角川書店グループが販売している「ウォーカー」シリーズの亜種として「HIGHWAY WALKER(ハイウェイウォーカー)」という冊子の形態に変更され、有人のSAPAで無料配布されている。冊子の中に高速道路地図(かつては独自、現在は旧財団法人時代の地図を流用)が収録され、約20ページほどに渡って簡単なSAPAの情報とお土産・おすすめグルメの情報がまとめられている。また、自動車評論家の三本和彦氏による自動車レビューのコーナーがあったり、観光情報が豊富に載せられていたりと、パッと見た限りでは「ウォーカー」シリーズの雰囲気と似ている。他に、僅か1~2ページ程度ではあるものの、NEXCO東日本からのお知らせもある。
この冊子は初期の頃は「関東上信越版」「東北版」「北海道版」と3パターンに分かれて配布されていた(旧財団法人時代が配布していた高速道路地図のエリア分けと同じ)が、後に関東上信越・東北が合併して「東日本版」と改められている。
ハイウェイスタンプに関しては旧財団法人時代のスタンプを流用しているものの、真下に「NEXCO東日本」という刻印が追加されている。また、NEXCO中日本と同様に人がいるパーキングエリア(第3セクター運営を除く)にもスタンプが置かれるようになった。
中日本ほどではないものの、NEXCO東日本には「Pasar」(パサール)と言う大型商業施設として改装された休憩所が数箇所ある。また、寄居PA上り線では「星の王子さま」とのコラボにより、大きくリニューアルされている。
メガソーラー
バイオマス発電
除草作業などで発生する草木を使って発電し那須高原SAへの送電している。乾燥機に投入した後に外熱式のロータリーキルンで蒸し焼きを実施、熱分解で発生したガスを使用している。発電機の出力は100kWでSAの年間電力量の3割をまかなえる。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- NEXCO
- NEXCO中日本
- NEXCO西日本
- 日本道路公団(前身となった特殊法人)
- 日本高速道路保有・債務返済機構
- 高速道路
- 上下分離方式
- 日本国:高速道路一覧
- 道路関連項目一覧
- 国土交通省
- インターネット
外部リンク
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