ラスベガス銃乱射事件 単語

8件

ラスベガスジュウランシャジケン

4.4千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

ラスベガス銃乱射事件とは

2017年10月1日アメリカ合衆国ネバダ州にあるカジノで有名な都市ラスベガス」で起きた大量殺人事件である。

ラスベガス・ストリップ銃乱射事件ともよばれる。[1]

概要

大まかな内容として

会場周辺

事件発生

この日のラスベガスにある野外コンサート会場にてカントリーミュージックイベントが行われており多くの観客が集まっていた。しかしそのイベントの最中に、観客らに向かってどこか遠方から射撃される弾が多数飛来した。当初は状況がよくわかっていなかったようだが、徐々に「何者かによって会場に向かってが乱射されている」ことが判明するとイベントの出演者・運営スタッフ・観客はパニックとなった。撃は長い間続き、の持ち替えなどのためか時折途切れるものの、約10分間にわたって非常に大量の弾が浴びせられ、非常に多数の死傷者が出続けた。

その後、付近にあり広場を見下ろす位置にあるカジノホテルマンダレイ・ベイ」の高層階にある客室から射撃されていることを察知できた警察が、ドアを爆破してその客室に突入した。しかし犯人スティーブン・パドック」を生きて逮捕することはできなかった。パドックは警官隊の突入よりも前に拳銃自殺していたためである。警官が発見したのは多数の武器弾薬と、パドック遺体であった。

さらにすっきりしないことに、パドックの明確な動機はその後の捜でも判明しなかった。テロ組織や過激派などとの関わりは浮上しなかった。投資の失敗で財産の一部を失ってはいたらしいが、生活が立ち行かなくなるほど困窮していたわけでもなかった。鬱病を発症していたという情報もあるものの、鬱病であることと乱射事件は直接結び付くわけでもない。「ジャーマンウイングス9525便墜落事故」のように、「自殺に多数の人を巻き込もうとした」タイプの事件だったのかもしれないが、それも想像に過ぎない。

被害

このに亡くなった犠牲者は(パドック自身を除いて)58名。また、この時に受けた傷がもとで数年後に死亡した人物が2名いるため、犠牲者は60名とされる。この犠牲者数は、乱射事件が多いアメリカ合衆国においても史上最多(2024年5月時点)のものであり、世界全体で見ても単独犯による乱射での犠牲者としては「ノルウェー連続テロ事件」の犠牲者のうちウトヤで射殺された67名に次いで2番に多いもの(同じく2024年5月時点)である。

さらに、死に至らずとも弾によって怪を負った人々が400名以上おり、いかに多くの弾が発射されたのかがわかる。避難時のパニックなどによって負傷した人も同じく400名以上いるという。

イベントの最中の事件であったため事件の発生前からカメラ動画していた人がおり、またパニックになった会場や周辺の通りを撮した写真動画も数多く開されている(本記事「関連動画」にもあるように、ニコニコ動画にも転載されている)。そういった動画には「タタタタタ」という連続したが明瞭に聴こえているものもあり、犯人フルオート射撃していたことがわかる。

バンプストック

民間人の所持が合法なアメリカ合衆国でもフルオートで撃てる規制されており、民間人が入手・所持することはできないはずであった。ではなぜ犯人フルオート乱射できたのかと言うと、「バンプストック」(または「バンプファイアストック」)などと呼ばれる後付けの特殊なストック(肩当て)を用いていたからであるとされる。

これは要するに「わざと少しだけ前後にぶれる様に加工してあるストック」であり、「引き金を引いて射撃すると反動身が少し後ろに後退する」ようになっている。つまり「身を前に押し出しながら引き金を引く」と、「反動身が下がるが前に押し出されてまた引き金に当たる」という事が時に繰り返されるため、実質的にはフルオート射撃ができるという仕組み。

この方法ではもちろん身がぶれるので精密射撃など望むべくもないが、本事件のように「密集した群衆に向けて差別に乱射する」的においては集弾率などは関係がかった。「1000発以上が発射されて、400名以上が撃で負傷し60名が亡くなった」という結果からすると、発射された弾のうち半数弱程度はかを死傷させたと推測できる(1発の弾が複数人を死傷させたケースを考えると、もう少し率は下がるかもしれない)。

かつては「内部にスプリングが仕込まれていて、身を前に押し出す必要すらない」タイプバンプストックも販売されていたが、これはさすがに「フルオート射撃できるようにするための改造パーツと変わらない」と見なされて既に規制されていた。しかし「内部にスプリングが仕込まれていない」タイプのもの、つまり「引き金を引く手とは逆の手で身を前に押し出しながら使う」タイプのものは当時は未だアメリカのほとんどの州で規制の対となっていなかったのである。

規制

この事件をきっかけとして、銃規制には反対の立場を取る人物・団体が少なくないアメリカでもさすがにバンプストック規制めるが挙がった。銃規制反対の団体として有名な全ライフル協会(NRA)ですらも規制の検討をめたほどである。これを受けて、一時的にバンプストックは品薄になったともいう。「規制されて買えなくなる」ことを危惧した消費者が駆け込みで購入したためだとみられる。

2019年3月26日規制が発効し、全バンプストックは違法となった。ただし、NRAよりも積極的な銃規制反対として知られる米国所有者協会(GOA)など様々な団体がこの規制に反対して差し止めをめる訴訟を起こしている。

陰謀論

アメリカにおいてこういった乱射事件が起きた後にはよく見られることだが、「この事件は銃規制を進めたい者たちによってでっちあげられたものだ」「記録映像に映っている人々はクライシス・アクター、つまりでっち上げのための役者だ」「パドック以外に真犯人たちが居る」といった様々な陰謀論ネットで流布された。

マイク・クロンク(Mike Cronk)氏は友人のロブとともにイベント会場に居合わせ、そしてロブが撃たれてしまった。また近くに居合わせた若者も撃たれており、介抱しようとしたがその若者が息を引き取ってしまうという体験もしていた。ロブを救急車に乗せてもらうことに成功した彼は端に座り込んで呆然としていたが、テレビ局ABC」のニュースクルーが彼を見つけ、彼にインタビューした。このインタビューで彼が泣いたり意気消沈していなかったことで、陰謀論者は彼について「こいつはクライシス・アクターだ」と決めつけた。YouTubeには彼をクライシス・アクターだと見なす動画投稿され、「いくらもらったんだ?」「デマに加担するのはどんな気分だ?」といったメッセージが彼のfacebookに寄せられたという。

コリ・ラングドンCori Langdon)氏はタクシー運転手で、射撃音が並みを動画に撮して開し、現場から避難するカップルタクシーに乗せもした人物である。だが彼女動画陰謀論者により「陰謀」を示す拠が残った動画だとして喧伝・利用され、彼女自身については「queen of cunts」「one of the dumbest fucking idiots」「braindead」「FAKE AS FUCK」「fucking stupid」など、口汚く中傷された。彼女動画削除すると「FBI彼女を黙らせて真実を隠蔽しようとしている」と言った陰謀論に変化し、彼女は「既に殺されている」ことになったという。

カナダから旅行に来ていてイベント会場に居合わせていたブレーデン・マテイカ(Braden Matejka)氏は頭部に撃を受けながらも幸い命に別状なく退院できた生存者だが、「頭を撃たれても命に別状がかった」ことが陰謀論者疑心を刺したらしく、やはり「こいつはクライシス・アクターで、本当は撃たれてなどおらず演技をしているのだ」として陰謀論者から糾弾された。彼のfacebookには「かが本当にお前を撃ってくれることを願っている」といったメッセージが届いたという。彼は耐えかねてfacebookInstagramアカウント削除したが、陰謀論者からはその削除自体も「この事件が政府によるでっちあげだという拠だ」と扱われたという。

類似した事件

関連動画

関連項目

脚注

  1. *ラスベガス・ストリップ」は同州大通りの約4.2マイル (6.8 km) にわたる部分をす名称である。
  2. *間に長距離から約100mの高さから14°の度で撃ち下ろす度となり、重力軽減、射撃現場からの把握・反撃が困難
この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
[単語]

提供: 樹葉 緑

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2024/06/05(水) 22:00

ほめられた記事

最終更新:2024/06/05(水) 22:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP