ロドリゴ・ゴエス(Rodrygo Silva de Goes, 2001年1月9日 - )とは、ブラジルのサッカー選手である。
スペイン・ラ・リーガのレアル・マドリード所属。サッカーブラジル代表。
ブラジル・サンパウロ州オザスコ出身。単に「ロドリゴ」という名で呼ばれることが多い。なお、母国語であるポルトガル語だと「ホドリゴ」という発音のほうが近い。
サントスFCで16歳の若さでプロデビューし、80試合に出場し17ゴールを挙げ、2019年に4500万ユーロでレアル・マドリードに移籍。2019年に若干18歳でブラジル代表にデビュー。1歳年上のヴィニシウス・ジュニオールと共にブラジルの神童として期待されている。
同じサントスの下部組織出身であるネイマールが自らの後継者として指名した選手としても知られている。メインポジションはウイングだが、左右どちらでも遜色なくこなすことができ、中央でもプレーすることができる万能型のアタッカーである。
2001年にサンパウロ州郊外のオザスコで誕生。彼が生まれたとき、両親はまだ17歳という若さだった。父親のエリッキはCAリネンセなどでプレーしていた元プロサッカー選手であり、幼い頃より父からサッカーの基本を教わっていた。そういった恵まれた環境でサッカーの技術を磨くことができた。幼少期は、父親もファンだったというロビーニョに憧れていた。
地元アマチュアクラブでのプレーを経て、8歳のときにサンパウロFCのフットサルチームに入団。彼の足元の技術の正確さは幼少の頃にフットサルで培ったものがルーツとなっている。フットサルチームでも年上の選手を相手に高いテクニックによるドリブルで抜き去るなど、すでに抜きんでた存在となっていた。
10歳となった2011年に憧れとなっていたネイマールが所属するサントスFCからのスカウトを受け、下部組織に入団。入団後は先輩であるネイマールのプレースタイルをお手本に徹底的に研究をし、そのうちに細かいボールタッチなどの足元の技術がネイマールそっくりだとチーム内外で評判となっていき、いつしかメディアから「Newネイマール」と紹介されるようになり、ブラジルの次世代のスター候補として期待を集める存在となっていた。
順調に成長を遂げていったロドリゴは、2017年のU-17サンパウロ選手権では22試合で24ゴールを挙げる大活躍を見せ、もはや同世代ではほとんど敵がいないような状態になっていた。
2017年7月21日、16歳にしてサントスFCのトップチームへの昇格が発表され、5年契約を結ぶ。すでに欧州のクラブも獲得に動いていた中、11月4日のアトレティコ・ミネイロ戦でついカンピオナート・ブラジレイロ・セリエAでのデビューを果たす。16歳6ヵ月でのトップチームデビューはネイマールよりも3ヵ月早いものだった。
2018年1月25日、カンピオナート・パウリスタのポンチ・プレッタ戦でトップチームでの初ゴールを決める。さらに、3月15日のコパ・リベルタドーレス グループステージのナシオナル戦においてブラジル人選手の同大会最年少ゴール記録となる17歳2か月6日での初ゴールを記録。2018年シーズンではすでにチームの主力としての地位を手にするようになり、本職のウイング以外にもトップ下やFWとしてもプレーしており、プレーの幅を広げていた。6月3日のセリエA第9節ビトーリア戦では、17歳にしてプロキャリア初のハットトリックを達成。7月からは背番号を9に変更し、シーズン通算8ゴール3アシストという記録を残す。
この頃にはスペインの2強であるレアル・マドリードとFCバルセロナが水面下で獲得争奪戦を繰り広げていたが、2018年6月15日、スペイン・ラ・リーガの名門レアル・マドリードに移籍することが発表される。契約期間は6年間で移籍金は4500万ユーロという大型契約となった。だが、ブラジルでは18歳となるまでは国外への移籍が認められておらず、2019年7月からの加入となった。
2019年シーズンからはかつてネイマールが付けていた背番号11を付けるようになる。しかし、11番をつけたロドリゴの姿を見ることができたのはわずか半年ほどとなった。
2019年6月18日、レアル・マドリードと正式な契約を結ぶ。選手登録はセカンドチームとなっていたが、トップチームに参加しており、9月26日のラ・リーガ第6節CAオサスナ戦の後半26分にヴィニシウス・ジュニオールとの交代で途中出場し新天地のデビューを飾ると、そのわずか1分後に移籍後初ゴールを決め、勝利に貢献。鮮烈な新天地でのデビューとなる。11月6日のUEFAチャンピオンズリーグ ガラタサライ戦ではマッチアップした長友佑都を翻弄し、3ゴール1アシストという大活躍を見せる。ちなみにこの試合のハットトリックはクラブのレジェンドであるラウール・ゴンザレスに次ぐ大会史上2番目の最年少記録となった。しかし、選手層の厚いマドリーのアタッカー陣においてなかなか出場機会に恵まれず、シーズン後半戦はベンチ入りすら難しくなり、Bチームでプレーするようになっていた。それでも公式戦26試合7得点3アシストと上々な移籍1年目となった。
2020-21シーズンも状況は変わらず、左ウイングにはヴィニシウス、エデン・アザール、右ウイングにはガレス・ベイルやマルコ・アセンシオ、ルーカス・バスケスといった強力なライバルが名を連ね、激しいポジション争いで苦戦を強いられていた。2020年12月23日のグラナダ戦では、前半に相手の危険なタックルによって重傷を負い、2か月の戦線離脱を強いられている。復帰後もライバルたちを上回るような結果を残すことはできず、公式戦33試合2ゴールと1年目を下回る結果となった。
2021-22シーズンからはカルロ・アンチェロッティが監督に就任し、右ウイングとして起用されることが増えるが、それでもカリム・ベンゼマやヴィニシウスと比べるとインパクトを残すことができず、完全にレギュラーを掴むまでには至っていなかった。それでもシーズン後半戦になって調子を上げ、2022年4月30日のラ・リーガ第34節RCDエスパニョール戦では2ゴールを決め、クラブの35回目のリーグ優勝に貢献。CL決勝ラウンドでも存在感を見せ、準々決勝2ndレグのチェルシーFC戦ではトータルスコアをイーブンにするゴールを決める。準決勝のマンチェスター・シティとの2ndレグでは敗色濃厚となった後半終了間際に立て続けの2ゴールを決め、奇跡の逆転勝利を演出。決勝のリヴァプールFC戦は試合終了間際のわずかな出場となったが、クラブの14回目のCL優勝の立役者となり、マドリティスタのカルト的なヒーローとなる。
2022-23シーズンはベンゼマが負傷のため不在が多かったこともあり、最前線で起用されることも多く、出場時間が増える。開幕から好調をキープし、ラ・リーガ開幕戦から5試合で2ゴール2アシストという暴れぶりを見せる。2022 FIFAワールドカップの影響で主力が軒並み調子を落とす中で、マルチにプレーできるロドリゴはアンチェロッティ監督をおおいに助け、3トップの全てのポジションで起用されていた。2023年4月18日のCL準々決勝チェルシー戦の2ndレグでは後半に2ゴールを決め、勝利に貢献。5月6日のコパ・デル・レイ決勝のオサスナ戦では2ゴールを決め、クラブの20回目の優勝に貢献。公式戦52試合に出場し19ゴールと数字のうえでも大きく飛躍を遂げた。
2023-24シーズンはアセンシオが退団したことで背番号11に変更。ベンゼマの退団で前線の層が薄くなったこともあり、ヴィニシウスとの2トップで出場することが多くなる。ラ・リーガ開幕戦のアスレティック・ビルバオ戦でゴールを決めたものの、以降は2か月近く公式戦ノーゴールが続いて批判を受ける。それでも、CLグループステージで3試合連続ゴールを決め、ラ・リーガでも11月11日のバレンシア戦で2ゴール2アシストと大活躍し、11月26日の第14節のカディス戦でも2ゴール1アシストを記録。11月の公式戦では5試合5ゴールと爆発している。2024年3月31日の第30節アスレティック・ビルバオ戦では2ゴールを決め、移籍5年目にして初めてリーグ戦二桁ゴールに到達。シーズン終盤はゴールから遠ざかったが、戦術上のキーマンとして重宝され、ラ・リーガ優勝とビッグイヤー獲得に貢献している。
2017年にU-17ブラジル代表に選出され、3月からのモンテギュー国際大会に出場。デンマーク戦、アメリカ戦、カメルーン戦でゴールを決め、4試合3得点という成績を残している。
2018年3月にはU-20ブラジル代表にも選出されるが、このときは所属するサントスの会長の要請によってチームを離れている。その後はU-20代表のエースとなり、2019年1月にチリで開催された2019 南米ユース選手権に出場し、グループリーグ第2戦のエクアドル戦で2ゴールをマーク。しかし、チームは決勝ラウンドで5位に終わり、FIFA U-20ワールドカップ出場権を逃す。
2019年11月6日にサウジアラビアでの開催となったアルゼンチンとのスーペル・クラシコに出場するブラジル代表メンバーに初めて選出され、後半26分から出場。19歳でフル代表デビューを飾る。2020年の新型コロナウィルス感染拡大の影響で代表の活動が停止したこともあって代表にすぐに定着できず、翌年に開催されたコパ・アメリカ2021のメンバーからは落選となった。2022年2月の2022 FIFAワールドカップ南米予選のメンバーとして2年ぶりに代表に選出されると、2月1日のパラグアイ戦で代表初ゴールを決める。
2022年11月にはカタールで開催された2022 FIFAワールドカップのメンバーに選出。初戦のセルビア戦に途中出場し、ワールドカップ初出場を果たす。第3戦のカメルーン戦でスタメンで起用されたが、何もできずに後半9分で交代となる。大会では全試合に出場したが、スタメンで起用されたのはカメルーン戦のみで大きなインパクトは残せず、準々決勝のクロアチア戦ではPK戦で1人目のキッカーを務めたがドミニク・リヴァコヴィッチにセーブされ失敗。チームも敗退となった。試合後、ピッチ上で涙を流し、憧れのネイマールと所属チームのチームメイトであるルカ・モドリッチから慰められていた。
2023年になって代表でも出場機会が増え、6月17日のギニアとの親善試合では2年ぶりとなる代表2得点目を決める。9月8日の2026 FIFAワールドカップ南米予選第1節のボリビア戦では代表では初の1試合2ゴールを決めている。
2024年6月のコパ・アメリカ2024では欠場となったネイマールに代わってセレソンの10番を背負うことに。ヴィニシウスと共に攻撃のキーマンとして期待がかかるが、大会4試合で0ゴール0アシストに終わり、その期待を裏切る形となり、チームはベスト8敗退となる。
シーズン | 国 | クラブ | リーグ | 試合 | 得点 |
---|---|---|---|---|---|
2017 | サントス | ブラジレイロ・セリエA | 2 | 0 | |
2018 | サントス | ブラジレイロ・セリエA | 35 | 8 | |
2019 | サントス | ブラジレイロ・セリエA | 20 | 5 | |
2019ー20 | レアル・マドリード・カスティージャ | セグンダB | 3 | 2 | |
レアル・マドリード | ラ・リーガ | 19 | 2 | ||
2020-21 | レアル・マドリード | ラ・リーガ | 22 | 1 | |
2021-22 | レアル・マドリード | ラ・リーガ | 33 | 4 | |
2022-23 | レアル・マドリード | ラ・リーガ | 34 | 9 | |
2023-24 | レアル・マドリード | ラ・リーガ | 34 | 10 | |
2024-25 | レアル・マドリード | ラ・リーガ |
もっとも得意としているポジションは左ウイングだが、右ウイングやセンターFW、トップ下でもプレーできるマルチプレイヤー。サントス時代に「小さなネイマール」「Newネイマール」と呼ばれたことから、最大の武器は高いテクニックと柔らかいボールタッチによるドリブル突破。
スピードと俊敏さも持ち合わせているが、レアル・マドリードで同僚のヴィニシウスと比べると、テクニックを重視している。相手の重心をずらす体の使い方、しなやかなボールタッチ、そして相手を置き去りする初速が魅力的。スペースがあれば、そのスペースへ大きめのタッチでスピードを生かして突破し相手を一気に置き去りにする。
また、ただドリブルをゴリ押しするのではなく、プレー選択の賢さも持ち合わせている。ブラジル人選手にありがちな必要以上にボールを持ちすぎることもなく、「ボールを離すタイミング」をしっかり理解している。周りを使ったプレーも選択肢の中に入っており、相手からするとドリブルだけを警戒するわけにもいかず、寄せきれなくなる。
近年はスペースを見つければそこへ入り込む意識も高くなり、使う側にも使われる側にもなれる選手となっている。相手の守備の隙を見つけるIQの高さもあり、最近ではドリブラーというよりも相手DFの死角から裏へ走り込むワイドストライカーの要素が強まっている。数字的にはまだ物足りなさはあるが、少ないチャンスをしっかりと決め切れるため、レアル・マドリードのチームスタイルにもマッチしている。
カルロ・アンチェロッティの指導を受けてからは守備の意識も高くなっており、ネイマールのようにサボることもない。プレーの質がまだ伴っておらず、試合によっては消えることが多いのは課題だが、ヴィニシウスと比べて派手さがないため過小評価されている部分もある。さらに体格に恵まれていないため、相手に寄せられたり、デュエルの局面を強いられると潰されてしまう。
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最終更新:2025/01/02(木) 22:00
最終更新:2025/01/02(木) 22:00
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