東京自転車少女。とは (トウキョウジテンシャショウジョとは) [単語記事]

東京自転車少女。とは、わだぺん。による月刊コミックアース・スター連載されたストーリー漫画である。

概要

アニメーターの経験を持つわだぺん。による自転車漫画で、東京都練馬区にあるとされる架空の私立豊珠高校の自転車天使部の活動を描いた作品である。

月刊コミックアース・スターにて創刊号より連載されており、同誌の連載作品の中では最古参組である。コミックアース・スター付録、単行本初回限定盤付録としてオーディオドラマ化されており、同誌の代表作の一つであると言えよう。単行本は第11巻にて完結。

ロードバイクやクロスバイクといったスポーツバイクが登場する自転車漫画作品ではあるものの、スポーツ漫画としての要素は無く、練馬区をポタリング（自転車による散策）するといった日常系作品としての色が強い。単行本第１巻あとがきで作者も述べているように、本作での自転車は気軽に真似できるようなアイテムとして扱われている。

ストーリー

とある離島から練馬に転校してきた高校生の島野いるか。１５年間、島から出たことがなく、『東京』に強いあこがれを抱くいるかは、ひょんなことから『自転車で東京をめぐる』という部活に入る事に。
一癖も二癖もあるメンバーたちとともに、『見たことのない東京』探しがはじまる！

コミックアース・スター公式サイト内紹介ページより

作品の舞台となる私立豊珠高校は「一つのものをとことん極めよ」という趣旨の校訓のもと部活の設立に尋常でなく寛容な学校であり、全国津々浦々から個性豊かな生徒が集まってくる。作中では「レンタル彼女部」や「のら猫ストーキング部」、「森羅万象ペインティング部」など実に多種多様な部が存在している。

新入生で寮のルームメイト同士であるいるかと加藤さんは、"東京をポタリングするだけの、いるか曰く漫画みたいな都合いい部"である自転車天使部に所属する。主に練馬区内を中心に商店や建築物、公園、史跡等を自転車で巡る。

登場人物

練馬チャリーズエンジェルズ

島野いるか（しまの - ）　声：竹達彩奈

東京ガール（都会のオシャレな女の子）に憧れ、離島から練馬にある私立豊珠高校に進学した少女。
天真爛漫な性格で語尾に「~でしょ」が付き各話のタイトルも「○○でしょ☆」で統一されている。

練馬に到着した初日に加藤さんと彼女のロードバイクに出会い感銘を受ける。以降、愛車のママチャリである「ワカマツ号」にパーツ交換を重ねることで、オシャチャリ（オシャレな自転車）化を目指す。初めて購入したパーツはサドルで、購入時に自転車店で知り合った豊珠高校2年生の川越彩果の紹介で自転車天使部に入部する。
「加藤さんのいない部活なんてヒゲの無い関羽でしょ」と例えたり孔明が姜維に仕掛けた策を知っていたりと三国志好きな様子。

加藤さん（かとう - ）　声：寿美菜子

いるか、彩果、雪見の誘いにより半ば強引に自転車天使部に入部させられた豊珠高校１年生。寮ではいるかのルームメイトであり、また彼女の憧れの対象でもある。
いるかからは「おすましクールビューティーな憧れの東京ガール」と称されており、黒髪ロングのストレートヘアと耳あてが特徴的な美少女で彼女の美貌を見た練馬住民（特に老人）からは照姫の生まれ変わりと高い頻度で呼ばれる。

幼少の頃は感性豊かな子供であったがいつの頃からか東京嫌いなクールな性格になりいるかを除くクラスメイトからは声をかけ辛い存在であったが、いるかや痛チャリを通してクラスメイトと打ち解け始めてもいる。
授業中であろうと変装中であろうと外出時は絶対に耳あてを外そうとしない。性格の変化に関わると思われる伏線らしきシーンはあったのだが語られること無く終わってしまった。
ロードバイクを溺愛している。幼少の頃に見た黒く輝くディスクホイールのついたロードバイクの光景が目に焼き付いており、彼女がロードバイクに興味を持つようになったきっかけであると推測される。
なお、作中で本名は明らかになっておらず、登場人物紹介やあらすじ等でも"加藤さん"と記載されている。

川越彩果（かわごえさいか）　声：戸松遥

自転車天使部の２年生で江戸っ子気質な女子。
商店街には顔が利くのだが、いくつもの店にツケがあり、普段は後輩からもコケにされている。尤も、いるかからは東京ガール２号と称されるなど決して信頼されていないわけではない。
ママチャリをベースにした改造ミニベロを愛用。
ちょろい。

松竹梅雪見（しょうちくばいゆきみ）　声：能登麻美子

自転車天使部部長の３年生。江戸時代から続く和菓子屋の娘で取引先や常連客を情報網に持ち地域の知識には富んでいるが極度の方向音痴。おっとりした雰囲気であるが洞察力は鋭い。
人を惹きつけてやまないおっぱい母性が特徴的でいるかにはよく懐かれている。しかし、怒ると怖い性格で度が過ぎる行為には容赦ないお仕置きが待っている。
東京ガール３号。クロスオーバーバイクを愛用。

いるか達のクラスメイト

根暗

いるか、加藤さんのクラスメイトでレンタル彼女部に所属する一年生。カメラ撮影が得意。
きららの指示で加藤さんを孤立させるための罠を仕掛ける。

はるな

いるか達のクラスメイトでツインテール、あおなと一緒に行動することが多い。江古田駅周辺で照姫まつりの宣伝をしていた加藤さんに声をかけ、それ以降はクラスで昼食をともにするなど親しくなりつつある。

あおな

いるか達のクラスメイトで黒髪ショート。はるな同様に休日の江古田駅周辺で加藤さんに声をかけて以降、友人として親しくなりつつある。はるなとは特に仲が良いようで、休日は石神井公園を二人きりで散歩したりしている。

その他の登場人物

上様

自転車天使部に練馬の調査や活動を指令する謎の人物。本編中では自転車天使部の活動をコート姿で監視している描写があるが、顔は明らかになっていない。指令は動物に手紙を持たせたり矢文を射たり、路上に設置したりして、随時自転車天使部の目に届くようにしている。手裏剣を飛ばしたり、木の上から飛び降りたりしておりと高い身体能力を有している。
上記は記事作成時(6巻)時点での解説であるが実際には「奉行」と称する別人物が監視活動を行っている。
また、東京23区全てに自転車天使部が存在し、それぞれの区の自転車天使部に対して上様が存在する。
自転車天使部は上様からの指令を達成することで部活動費用を調達することができる。また、彩果が商店街に滞納しているツケの立替も行なっている。いわゆる部のスポンサーであり、そのため、指令には原則的に従わざるをえない。

雪月花きらら(せつげつか - )

豊珠高校の３年生でレンタル彼女部の部長。レンタル彼女部の成果は彼女によるものが大きくサキュバスの異名を持ち加藤さんが入学するまでは校内一の美女と評されていた。エロス漂う言動が多く老若男女を問わず手玉に取る性格。
加藤さんに何らかの興味を持ち自転車天使部のポタリングに同行する。
加藤さんを孤立させ次期レンタル彼女部長として引き抜くのが狙いだったが雪見に策を見破られ即での所でいるかに乱入されて断念　その後は自転車部と良好な関係を持つようになった。
照姫まつりのオーディションにエントリーした？ことも。

HIGE

第16話から第18話までで登場したゲストキャラクター。
ディスクホイールにエアブラシで萌絵を直描きするといった具合に自転車と萌えの両方に精通したガチな人物。情に弱い一面があり、彩果の泣き落としに心を打たれ自転車天使部に痛チャリづくりのアドバイスをする。
モデルは神奈川在住の痛チャリ乗りのhige-1st-sgtで、本人自身が実際に取材協力に応じた。