瀬名秀明

瀬名秀明（せな ひであき）とは、日本のSF作家。第16代日本SF作家クラブ会長（現在は退会）。

概要

1968年静岡県生まれ。1995年、東北大学薬学部の大学院在学中に『パラサイト・イヴ』で第2回日本ホラー小説大賞を受賞し、デビュー。現役学生の書いた理系SFホラーとして、映画化・スクウェアでゲーム化されるなどベストセラーになり、鈴木光司『リング』とともに日本にホラー小説ブームを生み出した。

しかし続いて1997年に出た第2作『BRAIN VALLEY』は、脳科学を中心に専門用語が乱れ飛ぶ内容の難解さで多くの読者を撃沈させる（後に解説本も出た）。この作品で第19回日本SF大賞を受賞し、日本SF作家クラブに入会。

その後は扱うテーマが生化学分野からロボット工学へ移行。主に心や知性の在処を題材にしたSF小説と、ロボット工学に関するノンフィクションを中心に執筆している。2011年には史上初のドラえもんのノベライズとして『のび太と鉄人兵団』の小説版を執筆した。

作品は基本的に難解で、様々な分野の専門知識ががんがん投入されるため、何も知らずに気軽に手を出すと脳内にハテナマークが乱れ飛び撃沈させられることになる。『パラサイト・イヴ』や中編の『虹の天象儀』あたりは初心者でも読みやすいので、そこから入るのをオススメしたい。

2011年、日本SF作家クラブ会長に就任。SF界を盛り上げるべく様々な企画を立てるなど積極的な活動をしていたが、主に大森望の入会などを巡ってクラブ内で色々あったらしく、2013年2月をもって会長を辞し、クラブも退会した。色々とトラウマになったのか、その後のエッセイなどではそれに絡んだ自虐めいた愚痴が多い。

作品リスト（小説のみ）

1. パラサイト・イヴ （1995年、角川書店→1996年、角川ホラー文庫→2007年、新潮文庫）
2. BRAIN VALLEY （1997年、角川書店[上下巻]→2000年、角川文庫[上下巻]→2005年、新潮文庫[上下巻]）
3. 八月の博物館 （2000年、角川書店→2003年、角川文庫→2006年、新潮文庫）
4. 虹の天象儀 （2001年、祥伝社文庫）
5. あしたのロボット （2002年、文藝春秋）
   →　ハル （2005年、文春文庫、改題）
6. デカルトの密室 （2005年、新潮社→2008年、新潮文庫）
7. 第九の日 （2006年、光文社→2008年、光文社文庫）
8. Every Breath （2008年、TOKYO FM出版）
   →　エヴリブレス （2012年、徳間文庫）
9. 小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団 （2011年、小学館→2022年、小学館文庫）
10. 希望 （2011年、ハヤカワ文庫JA）
11. 大空のドロテ （2012年、双葉社[全3巻]→2015年、双葉文庫[上下巻]）
12. 月と太陽 （2013年、講談社→2015年、講談社文庫）
13. 夜の虹彩 （2014年、出版芸術社）
14. 新生 （2014年、河出書房新社）
15. この青い空で君をつつもう （2016年、双葉社→2020年、双葉文庫）
16. 魔法を召し上がれ （2019年、講談社）
17. 小説 ブラック・ジャック （2019年、誠文堂新光社）
18. ポロック生命体 （2020年、新潮社→2022年、新潮文庫）

関連動画

▲このアニメの原案を担当している。

関連項目

• 小説家の一覧
• パラサイト・イヴ
• SF
• 日本SF大賞
• ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜