科学神ラドゥエリエルとは (カガクシンラドゥエリエルとは) [単語記事]

科学神ラドゥエリエルとは、神奈子様に信仰を捧げる人(現:神奈子様の後ろ)氏が制作している東方手書き劇場動画の大神奈子シリーズ(第17、18、19、20話)に登場するオリジナルキャラクターである。通称、「科学神」。性別は女性。なお、神の身分を隠す時は「小夜嵐瑞雨(さよあらしずいう)」という別名を名乗る。

作中では

ラドゥエリエルは、中国から「科学」の単語が日本に入ってきた1800年代初頭に科学の神として誕生する。しかし、当時は全く信仰の対象にされず、力が絶無に等しかった。故に八百万の神々から執拗なイジメを受けた。それでも彼女は信仰の力を得ようと様々な努力を続けてきたが周りの神々は科学神の努力を一切認めず、暴言や暴力で80年もの間、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彼女を虐げてきた。やがて彼女は頭ごなしに自分を否定し、酷い仕打ちを与えてくる神々に憎しみを抱くようになる。

時は流れ、1900年代初頭。この頃になると日本の近代化が進み、ようやく科学も信仰の対象になり始める。これにより科学神は渇望していた力を手に入れ、今まで散々虐げてきた八百万の神々に復讐を果たすべく行動を起こした。　　　　全ての日本の神を隷属させ、二度と自分を虐げられないようにする。それが科学神の復讐であった。

そして、その第一歩として標的に選んだのが、幻想郷に引っ越して来る前の八坂神奈子だった。

最初に隷属するか否かの回答を神奈子に聞いたが、答えは否。そこで科学神は考えを改めるように言った後、二日後に再び回答を聞きに来る旨を伝えた。そして二日後、同じ質問を神奈子に問いかけるが結果は同じく否であった。　　　ならばと科学神は力ずくで従わせるべく神奈子に襲いかかった。

機敏に動いて御柱による攻撃を断念させたり、神奈子を挑発して出来た隙を確実に突いたり、一時は敗北寸前に追い込まれたものの力を解放し、再び優勢になるなど激しい攻勢を掛けたが神奈子の策略により力の源である羽衣を失い、形勢逆転。一方的に御柱攻撃を受け続け、あっという間に血みどろになる。もはや復讐も信仰心集めも出来ないと　　　悟った科学神は自らの命と引き換えに神奈子へ最悪の呪いを掛ける。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　最期は「もっと生きたかったなぁ…」と呟きながら呪殺され、彼女の復讐劇は志半ばで終わった。

科学神は、第二十一話から始まった大神奈子シリーズのおまけの方にも主役として登場している。が、おまけの内容が白蓮叩き一色だった事に対して不快感を示した視聴者がいたため作者が打ち切りを表明。同時に科学神の晴れ舞台も潰えてしまった。
ちなみに、大神奈子シリーズの次回作にあたる舞うは[F]、奏でるはプレイヤーズスコアの調べにもチョイ役としてゲスト出演をしている。「これを見れば必ず美味くなる漬け物の漬け方」という本の裏表紙を飾っている他、視聴者に時間の経過を伝えるボードを持ってたりする。かわいい。

設定

科学神には本編では殆ど反映されていない、数多くの隠れ設定が存在している。以下、箇条書き。

左利き。この設定は珍しく本編に反映されており、ビーム攻撃の時に使うのは大抵左手である。
科学の粋を集めて造られた物を見ると興奮する。ただし人間が造った物のみ。
キュウリの漬物とソーダが大好物。キュウリの浅漬けが入った袋をいつも持ち歩いているんだとか。
よく男と間違われる。頭にリボンを付けているのは誤解を避けるため。
酒が飲めない。数度、神酒が供物として捧げられた事があったが、申し訳ないと思いつつ全て処分している。
科学神が近くに居ると、パソコンがサクサク動いたり、プロバイダ無しでネットに繋がったりする。功徳らしい。
妖怪を嫌っている。理由は人々や自分を苦しめるから。日本から妖怪が駆逐されれば良いのにと考えている。
薄幸。ゆえに人間関係(？)や天佑に恵まれない。
神として気丈に振る舞っているが、実は寂しがり屋で泣き虫。ちなみに心を許した相手にはベッタリ甘える。
科学の神だけに、科学技術で作られた物には触るだけで使い方を理解する。
身体の周りには弱風が渦巻いており、差し詰め歩く扇風機。信仰が集まった状態で憤怒すると嵐を巻き起こす。
大神に登場する太陽神アマテラスに憧れていて、よく書物を読んで調べていたという。
上記の通りアマテラスを調べていく過程で、大神奈子シリーズのラスボス・常闇ノ后の存在を知り得た。
森の深奥にある捨てられた神社で過ごしてきたため、やや世間知らずで好奇心旺盛。
ファッションに疎く、持っている服は普段着用の白い服と寝巻用のネグリジェだけである。
世間知らずゆえ信仰を集め、功徳として人々に還元する事以外、神として何をやるべきか殆ど分かっていない。
そのため神社で祀られるどころか宮司や巫女すら用意しておらず、天涯孤独の状態。
人間に対しては非常に心優しく、他人のために泣く事さえあるほど。
好きな色は白色。
ゲームも科学技術の産物なので得意。サクサクと難なくクリアしてしまう姿は、ゲーマーさえも舌を巻く。
ただしＳＴＧと恋愛シミュレーションは大の苦手で、いつも惨憺たる結果で終わってしまう。

科学神誕生までの秘話

今でこそ設定がしっかり練られ、大神奈子シリーズ本編への出演も果たした科学神であるが意外にも難産であった事は知られていない。

大神奈子シリーズの基になった大神には、100年もの時間を超えて過去に遡るシナリオがある。このシナリオを再現しようとした氏は幻想郷に引っ越してくる前の、過去の神奈子を描く事にした。この頃の神奈子は科学に信仰を取られつつあり、内心焦っていた。そこに目を付けた氏は、科学の神を強大な敵として登場させ、神奈子を幻想郷へ追いやる遠因を作る役目にした。これが科学神誕生の切っ掛けとなった。ただ当時は今のような可愛らしいデザインではなく、もっとゴッツイ感じだったらしい。ちなみに過去編の舞台が1908年なのは風神録発売の丁度100年前だからである。

科学神は、描き起こされた当時長髪だった。しかし科学神の容姿はメディスン・メランコリーを基にする予定だったので、それに合わせて短髪となった。頭のリボンもメディスンが基になっている。それでも長髪デザインは捨てがたかったため通常時は短髪、本気モード時は長髪と描き分ける事で折衷した。ちなみに、瞳の色が変わる設定はオリジナル。

服装に関しては衣玖を基にしているが二転三転しており、かなり苦心した模様。科学神がちょっこと登場する第十六話(ただし顔は映っていない)の服装と、本格的に登場する第十七話の服装とでは様々な部分が異なる事から登場させる直前まで悩んでいたと思われる。悩みに悩んだ結果、今の服装に決まったのである。

攻撃技については当初から科学の延長線上であるビームを主体とする事が決まっていたが、それ以外にも巨大な歯車を投げて攻撃する案も存在した。が、没となっている。念力による攻撃は、ルコディオラの磁力がモチーフとなっており、第十九話になって急遽取り入れた設定である。科学神本人は「科学の力」と言い張っているが、どう見ても超能力。

つまり科学神は氏が産(生)みの苦しみを散々味わった末に、ようやく誕生した愛娘なのである。

余談

創造主こと神奈子様に信仰を捧げる人氏は科学神ラドゥエリエルの事をいたく気に入っており、容姿の可愛さと同情を誘う過去を背負っている事から、視聴者にも一定の人気がある。なお、氏曰く科学神は自分の心とアマツマガツチをモチーフにしたとの事。そのためか「大神奈子シリーズの本編では酷い事をした」と嘆いており、次回作に出る事が既に内定している。その前哨戦として、おまけの小話の主人公に据えられている。

随所でアマツマガツチを参考にした点が見受けられ、「小夜嵐瑞雨」という別名もアマツの素材から造られる武器の名前が基になっている他、科学神戦で使われたＢＧＭもアマツ戦である。

本編では復讐に駆られていたため攻撃的な面が強調されていたが、本当は人間の笑顔を見るのが大好きな、人間想いの優しい神である。

長野県某所の、誰も来ない森の深奥にある廃れた神社の本殿を居所としている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ちなみに、80年間虐げられてきたため精神が少し幼稚で、俗世にも疎い。しかし100歳前後の年齢。　

ＥＡＳＹシューターで、永夜抄ＥＡＳＹに挑戦したがクリア出来てない模様。

実は科学神の別名には「時雨(しぐれ)」、「水禍(すいか)」、「瑞雨(ずいう)」という三つの候補があった。当初は、小夜嵐水禍で殆ど内定していたのだが、萃香と名前が被るのを嫌って急遽時雨に変更するも発音しづらいという事で、結局最後まで残った瑞雨に決まったという。

服飾

白いリボン

科学神が愛用し、常に頭に付けている白色のリボン。シンプルなデザインだが、彼女の可愛さを引き立てている。今となってはオシャレの一環として付けているが、付け始めるようになったのは頻繁に男と間違われて誤解される事が多々あったため。自分が女の子である事を周りにアピールするためにリボンを頭に付けたのである。確かに短髪の科学神は、人によっては男の子に見えるかもしれない。

白い装束

荒ぶる科学の神を包む、神々しい衣装。驚くほど軽い履き心地は、天を舞う事さえ出来るのではと錯覚させる。科学神の普段着でもある。正式名称は、翠嵐(すいらん)。着用すると身体の周りに弱風が渦巻くようになり、一挙手一投足に追い風が吹いて行動を助ける。劇中、神奈子との戦闘の最中にもその風を活用して俊敏な動きを見せつけ、鈍重な御柱の攻撃を事実上無効化にしている。材質は一切不明だが、どんなに粗暴な扱いをしても決して裂ける事は無い。さすがは神の衣と言うべきか。ただし透き通るような白色をしているため、カレーが食べにくいと科学神は悩んでいる。ちなみに汚れを落とす機能は無いらしく、汚れたら井戸の水で洗濯するという。

キュウリの浅漬け

袋に入れて持ち歩いているという常備食。居所としている神社の境内で大量に漬けられていて、しっかりと手入れが行き届いている。神の手によって漬けられたためか絶妙な塩味で、ご飯にピッタリと合う美味しさである。なお、作った漬物は自分で食べる以外にも、空腹に苦んでる人や自分の信者に御裾分けしたりする事もある。ちなみに漬物は日持ちしないため、持ち歩かずにさっさと食べましょう。

風雲の羽衣

背中にある薄い絹のような衣。この世の物とは思えぬ幽玄の美しさを持つ。科学神の外見を特徴づけている他、彼女に力を供給する重要なエネルギー源として機能する。集めた信仰の力は、この羽衣に集束され、功徳として人々に恵みを与える時や戦闘時に力が解放される。よってこの羽衣を失う事は力の供給源を失うのと同義。神奈子と矛を交えた時はその弱点を見抜かれ、羽衣を失ってしまう。その後、科学神が一気に弱体化した事から、いかに羽衣が彼女にとっての生命線であるかよく分かる。

黒曜石の指輪

科学神が黒魔術を以って作製した、自身の力を抑える指輪。彼女は力を使いすぎると身体の自由が利かなくなるという己の弱点を知っていたため、指輪を使って力を少し抑える事でこの弱点を克服したのである。前述の羽衣と組み合わせる事で、弱点の事は何も考えずに力を解放する事が出来る。が、耐久性に難があり科学神が激昂した際には指輪は粉砕してしまい、機能を失ってしまった。

ラドゥエリエルの名前について

科学神の名前であるラドゥエリエルの元ネタは、ユダヤ教に登場する天使である。しかし天使は神の使いの事、いわばしもべのような存在であり、科学「神」なのに何故天使の名前なのか。

ユダヤ教のラドゥエリエルは神以外で唯一他の天使を生みだす事が出来る天使である。よって神と同等の能力を持っている事になる。しかし天使は天使であって、神ではない。劇中で科学神は自分を認めてくれない周りの神々に復讐を果たさんと決起したが失敗している。そして神奈子は、科学神の事を紛い物の神と評している。つまり科学神は神と　同等の力を持つが誰にも認めて貰えない、神の姿をした天使だと皮肉っているのである。