THE NEXT GENERATION -パトレイバー-(以下、TNGパトレイバー)とは、2014年~2015年公開の映像作品である。
そして月日は流れ、バビロンプロジェクトが一段落ついた2013年東京。
長期的不況により手間とお金のかかる『レイバー』はお払い箱になっていた。同じように、特車二課の第1小隊は解散。第2小隊はレイバー運用経験の継続という名分のもと、かろうじて存続している状況である。そんな時代に取り残されたように、『98式イングラム』だけは栄光の初代、無個性の二代目、無能の三代目と引き継がれていった。
今作は特車二課存続問題が見え隠れする中、奮闘する『三代目』らの物語である。
「WXIII 機動警察パトレイバー」「ミニパト」(2002年公開)以来の機動警察パトレイバーの映像作品となるTNGパトレイバーは、シリーズ初の実写作品として2013年9月に製作が発表された。
全12話のシリーズ(総監督:押井守、シリーズ各話監督:押井守/辻本貴則/田口清隆/湯浅弘章)と劇場版(監督:押井守)が1本製作され、シリーズは2週間限定で劇場で上映された。
2015年5月1日より劇場用長編が公開、2015年10月10日に長編のディレクターズカットが公開。(押井監督は元々119分の尺で編集したが製作サイドが90分まで短縮したいと要請。最終的に119分版を後で公開することを条件にプロデューサーが90分に編集したものが先に公開された。[1])
第1章…2014年4月5日 エピソード0 「栄光の特車二課」 / エピソード1 「三代目出動せよ」 |
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第2章…5月31日 エピソード2 「98式再起動せよ」 / エピソード3 「鉄拳アキラ」 |
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第3章…7月12日 エピソード4「野良犬たちの午後」 / エピソード5「大怪獣現る 前編」 |
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第4章…8月30日 エピソード6「大怪獣現る 後編」 / エピソード7「タイムドカン」 |
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第5章…10月18日 エピソード8「遠距離狙撃2000」 / エピソード9「クロコダイルダンジョン」 |
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第6章…11月29日 エピソード10「暴走!赤いレイバー」 / エピソード11「THE LONG GOODBYE」 |
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第7章…2015年1月10日 エピソード12「大いなる遺産」+シリーズ総集編 |
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長編劇場版…2015年5月1日 「THE NEXT GENERATION -パトレイバー- 首都決戦」 |
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長編劇場版…2015年10月10日 「THE NEXT GENERATION -パトレイバー- 首都決戦 ディレクターズカット」 |
TNGパトレイバーに登場する隊員たちはアニメの初代、劇場版パトレイバー2にちょっとだけ登場した二代目に続く三代目という設定である。2011年に押井守が発表した小説『番狂わせ 警視庁警備部特殊車輌二課』でも同名の人物が実写版と同じく特車二課の隊員として登場していた。
三代目の隊員たちの名前はそれぞれが初代の名前をもじったものであり、外見もそれぞれの面影を多少なりとも思い起こさせるものとなっている。名前をもじったことについて、押井守はインタビューで「初代を継ぐ人間の宿命を表現した。ひいてはこの映画の企画自体が忘れることは出来ないアニメの設定、作品を背負う意味を込めた」と述べている。
第一小隊の解散により、第二小隊が特車二課を執行隊たらしめている唯一の部隊になっている。
シバシゲオが班長を引き継ぎ、特車二課の伝統をいろんな意味で守る整備班。今やポンコツとなった98式AVをどうにかこうにか稼動状態で維持する為に日々奮闘しており、暇そうな第二小隊と違ってこちらは常に忙しい。
本編では回想シーンと、シバシゲオが語った内容のみの登場。シバが言及した主要な人物に関しては、概ね全員が警視庁を退職している。
以下一覧のメカが登場している。今の所は98式AVのみが、実物大セットとCGを組み合わせたものになっている。
現在の特車二課は第一小隊の実質的解散により、規模を縮小して存在している。レイバー犯罪は、レイバー自体の減少によって減少傾向にはあるが、全く無くなったわけではなく、特車二課は第二小隊のみをもって出動態勢を維持している。
しかしその存立意義が甚だ怪しい事から常に廃止の噂がある。その一方、後藤喜一が残した「置き土産」のせいで、未だに警視庁は特車二課廃止を決定できないでいるとも言われている。
アニメ版と比べれば規模そのものが縮小したこともあるのか、現在の二課棟はやや小さい印象を受ける。昔の二課棟の片ウィング分ハンガーに、機能を全て集約したような感じである。
98式AVは通常は移動式パレットの上に載せられており、充電用(?)コネクタで接続している。警視庁警備部から602態勢(出動準備)が発令されると、パレットがレールに沿ってレイバーキャリアの後ろまで移動。そこでターンテーブル(駐車場のアレ)が回転し98式AVを180度方向転換、デッキアップしたキャリアに後退で積載される。
塩原曰く「そんなものがあればだが、二人勤務のコンビニのようなもの」。
まず隊員の勤務態勢は以下のようになっている。
この勤務態勢自体は平成10年頃(1998年)と変わらないが、決定的に異なるのは第一小隊が無くなった事である。二課自体は今でも24時間対応ができる状態を維持しているため、つまるところ第二小隊の二つの班のみでこれを維持しているのである。
宿直班と非番班の引継ぎは午前9時に行われる。待機を引き継いだ前日の非番班は、翌日の午前9時まで24時間勤務となり待機と宿直を行う。前日に宿直を行った班は午後5時まで準待機を行い、午後5時以降は非番となり、何もなければ次に出勤するのは翌日の午前9時である。これを1班と2班が交替で行う。つまり拘束時間は次のようになる。
勤務 | 待機・宿直 | 準待機 | 非番 | 待機・宿直 | ・・・・ |
時間 | 24時間の拘束 | 8時間の準拘束 | 16時間の自由時間 | 24時間の拘束 | 以下無限ループ |
日 | 一日目 | 二日目 | 三日目 | 四日目以降 |
警視庁の採用サイトによると交替制勤務は三部制~六部制に分かれており、交番勤務の場合で四部制である。第二小隊は上記のとおりであり、強いて言うとこれは24時間勤務のある二部制になるのだが、特筆すべきは非番とは別に用意されるべき休日がないことである。
24時間勤務のある東京消防庁の勤務サイクルを引用すると。当番(待機・宿直)、非番(準待機・非番)、週休日(第二小隊にない)を組み合わせた三週間1セットの勤務態勢が取られており、週の平均労働時間は38時間45分になるように調整されている。これは労働基準法で定められた週40時間という労働時間に準じて勤務時間を調整している、という意味である。
第二小隊は休日がない(というか交替する隊員がいない)為、恐らく四日目で週40時間を越えて、労働時間がひたすら累積していくことになる。特車二課の勤務の過酷さは劇場版1でも述べられていたが、今は当時より酷くなっているのは間違いない。
レイバー犯罪も減ってい意義が減っている事から、「特車二課は廃止される」という噂が絶えない。レイバー運用実績の維持という名目に基づき、上記のような過酷な労働時間と隊員の自己犠牲によって辛うじて維持しているのだが、こういう中途半端な部隊が存在していること自体が奇跡と言われている。だが廃止はただの噂でデマかも知れないし、ただのデマだという噂もある。
なぜ特車二課は廃止されないのか?。理由の一つとして噂されているのが、前隊長(後藤喜一)の置き土産である。その置き土産は、警備部全体が吹っ飛びかねないほどのものであり、警視庁上層部はビビって特車二課を廃止できないのだと。だがただの噂でデマかもしれないし、ただのデマだという噂もある。噂の出所はシゲさんのようだ。
掲示板
139 ななしのよっしん
2022/04/01(金) 20:57:54 ID: 93axe8SL3r
なんやかんやで押井守「監督」なんよな、
元々監督出来るやつがいなかったから引っ張られたわけだし。
押井抜きのヘッドギアじゃ企画通せないんでしょっていうか。
140 ななしのよっしん
2023/01/08(日) 15:18:10 ID: mynXHncbke
ロボットがなくても成立するロボット作品という立ち上げを踏まえた上でやっぱりダメな作品だと思う。税金泥棒とかメディアに言われつつ然して特車二課はその時代に必要だった訳で、実写は不要なのに(遺産を理由に)無理に存続させてたんだからマジで税金泥棒だった訳で最後も本来は絶対勝てない勝負だったのだから特車二課マジで要らないじゃんと思ってしまった。
141 ななしのよっしん
2024/04/20(土) 17:43:53 ID: LnZMS4xyzU
改めて観ると良い悪いは別として、すごく記録映画的な作品だと思った
あの頃(2010年代)こういう魅力的な役者たちやスタッフが集まって、こんなバカな事を真面目に芝居してて(誉め言葉です)
文化的にはこういう新しい物が出回り始めて、逆に古い物はこんなのがまだ残っていたりして、主な舞台の東京はこんな姿をしていて……
実写映画なんだから当然だろとか叩かれそうだけど
そういう当時の「あたり前の空気感」をなるべく逃さずフィルムに注ぎ込んで、エンタメに仕立てあげた邦画は稀有だと思う
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最終更新:2024/11/30(土) 03:00
最終更新:2024/11/30(土) 03:00
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