オーサムアゲイン(Awesome Again)とは、1994年カナダ生まれ・アメリカ調教の競走馬・種牡馬である。
父は名種牡馬Deputy Minister、母は従姉に1987年エクリプス賞最優秀古馬牝馬を受賞したNorth SiderがいるPrimal Force、母父Blushing Groomという血統である。4歳下の弟に2000年のブリーダーズカップ・ジュヴェナイルを勝ったMacho Unoがおり、ブリーダーズカップ・クラシックを勝った本馬と合わせて史上初のブリーダーズカップ兄弟制覇を達成している。
本馬はオーナーブリーダーや事業家・政治家として多方面で活躍するオーストリア出身のカナダ移民、フランク・ストロナックの生産所有馬として、カリフォルニア州に拠点を置くデビッド・ホフマン厩舎に預けられた。
*シルバーチャームが二冠を達成した翌週の1997年5月25日に遅めのデビューを迎えた本馬は、初戦3着を経て2戦目で勝ち上がった。その後カナダのダービーに当たるクイーンズプレート(LR・ダート10ハロン)では最後の直線で歓声に驚いて内にヨレる若さを出したが3馬身半差をつけて完勝した。続くジムダンディS(GII・9ハロン)も3馬身差で勝利した。
3連勝で挑んだトラヴァーズSでは1番人気に支持されたが、Deputy CommanderとBehrensの争いから脱落しハナ差で勝ったDeputy Commanderから7馬身差をつけられた3着に敗れた。続くスーパーダービー(GI・10ハロン)も伸びを欠いてDeputy Commanderの5着(6頭立て)に敗れた。その後休養に入り、この間にパトリック・B.バーン厩舎に移った。
4歳時は初戦の一般競走を単勝1.3倍の支持に応えて7馬身差で圧勝すると、この年の主戦となるパット・デイ騎手を初めて鞍上に据えたスティーヴン・フォスターH(GII・9ハロン)では、本馬の方が14ポンド(約6.3kg)軽いハンデだったとはいえこの年のドバイワールドカップも勝っていた*シルバーチャームを破ってレコード勝ちを収めた。
勢いに乗って挑んだホイットニーH(GI・9ハロン)ではスローペースからの末脚比べを制し、2着Tale of the Catに3馬身差をつけGI初勝利を挙げた。更に単勝1.25倍のサラトガブリーダーズカップH(GII・10ハロン)と単勝1.1倍のホーソーンゴールドカップ(GIII・10ハロン)をいずれも楽勝し、ブリーダーズカップ・クラシックに駒を進めた。
ブリーダーズカップ・クラシックは10頭立てだったが、*シルバーチャームや前年覇者Skip Awayを筆頭に、この年のドバイワールドカップで2着だったキングジョージVI世&クイーンエリザベスS連覇などの活躍馬Swain、アルゼンチンから移籍してきた実力馬Gentlemen、トラヴァーズSまで5連勝した*コロナドズクエスト、この年のベルモントSで二冠馬Real Quietを退けたVictory Gallop、本馬と同陣営で*シルバーチャームの三冠を止めたTouch Gold、スーパーダービー勝利を含む6戦5勝の3歳馬Archと、最低人気のRunning Stagを除く9頭がGI馬、全馬合わせてGI31勝という超豪華メンバーとなった。
このレースでは後方から直線末脚を伸ばし、外にヨレながらも伸びてくるSwainに寄せに行った*シルバーチャームと内で粘り込みを図る*コロナドズクエストの間を強襲。2着*シルバーチャームに3/4馬身差をつけ、この年6戦6勝で頂点に立った。
このレースを最後に通算12戦9勝・GI2勝で現役引退となった。エクリプス賞ではブリーダーズカップこそ敗れたものの年間でGI5勝を挙げていたSkip Awayが年度代表馬・最優秀古馬牡馬とも受賞したため無冠だったが、カナダの年度表彰であるソヴリン賞では特別賞を受賞した。なお獲得賞金437万4589ドルはカナダ産馬として史上最高であり、2001年にカナダ競馬の殿堂入りを果たしている。また2012年からサンタアニタパーク競馬場のグッドウッドSがオーサムアゲインSと改名され、2023年までこの名称で施行された[1]。
引退後は生産所有者であるストロナックが所有するアデナスプリングスファームで種牡馬入りし、初年度産駒から快速を武器に大暴れしたGhostzapperが登場した。Ghostzapperがブリーダーズカップ・クラシックを制した2004年にはWilkoもブリーダーズカップ・ジュヴェナイルを勝っており、史上初めてブリーダーズカップ勝ち馬から同一年のブリーダーズカップ勝ち馬が複数出るという記録を樹立している。他にもディスタフを制したRound Pondと*ジンジャーパンチが産駒におり、4頭のブリーダーズカップ勝ち馬を送り出している。三冠競走勝ち馬はしばらく出なかったが、2010年代に入ってOxbow(2013年プリークネスS)とSir Winston(2019年ベルモントS)が優勝馬となった。
日本においては直仔は*フサイチピージェイ(OP特別1勝)が出世頭だったものの母父としては存在感を見せており、特に繁殖牝馬として輸入された*パーソナルレジェンドと*ジンジャーパンチが大活躍。前者はローマンレジェンド(東京大賞典など)とミラクルレジェンド(ダートグレード競走4勝)を、後者はポタジェ(大阪杯)とルージュバック(きさらぎ賞など重賞4勝)を出している。本国でも母父としての活躍は素晴らしく、2018年にブリーダーズカップ・クラシックを勝ったAccelerateがいる。
2019年の種牡馬引退時点で14頭のGI馬を出す大成功を挙げたオーサムアゲインは、余生を送っていたオールドフレンズで2020年12月15日に死亡した。26歳だった。
Deputy Minister 1979 黒鹿毛 |
Vice Regent 1967 栗毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Victoria Regina | Menetrier | ||
Victoriana | |||
Mint Copy 1970 黒鹿毛 |
Bunty's Flight | Bunty Lawless | |
Broomflight | |||
Shakney | Jabneh | ||
Grass Shack | |||
Primal Force 1987 鹿毛 FNo.1-c |
Blushing Groom 1974 栗毛 |
Red God | Nasrullah |
Spring Run | |||
Runaway Bride | Wild Risk | ||
Aimee | |||
Prime Prospect 1978 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native | |
Gold Digger | |||
Square Generation | Olden Times | ||
Chavalon | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Nearco 5×5(6.25%)、Native Dancer 5×5(6.25%)
掲示板
1 ななしのよっしん
2022/04/20(水) 23:37:14 ID: 6ed50YKFcF
記事作成乙です
おお、ついにオーサムアゲインも記事ができたか!
本馬はとにかくBCクラシックにつきる
当時はスキップアウェイとシルバーチャーム、それと前走マッチレース同然でスキップアウェイに先着していたジェントルメン、加えてスウェインあたりに注目していて、年内無敗で5連勝中だったオーサムアゲインにまで目が回らなかった、それぐらい凄い豪華メンバーだった
しかしレース後はデットーリの騎乗の是非やジェントルメンの競走中止に話題を奪われエクリプス賞はスキップアウェイに奪われ、と凄い馬の割に話題になり損ねていた印象
ところが初年度産駒からいきなりゴーストザッパーを出して自らの力で Awesome! Again してみせた
ほんと偉大な馬
ちなみに4着ヴィクトリーギャロップもカナダ殿堂馬なので、あのレースからは殿堂馬が4頭も出ている
2 ななしのよっしん
2023/01/23(月) 02:33:46 ID: TRsBKVaugN
現代にオーサムアゲインSがあるの
スーパーメンバーのBCクラシックを勝った名馬だからだけど5%くらい名前の演技がいいからだと思ってる
3 ななしのよっしん
2024/09/29(日) 10:12:24 ID: PmCL5FL+39
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最終更新:2024/12/23(月) 01:00
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