ルーラーオブザワールド(Ruler of the World)は、2010年生まれのアイルランドの競走馬・種牡馬である。
父Galileo、母Love Me True、母父Kingmamboという血統。
父と母父は言うまでもなく、母ラヴミートゥルーも既に2008年カルティエ賞最優秀古馬Duke of Marmaladeを産んでおり、祖母のきょうだいにWeekend Surprise (Summer Squall、A.P. Indyの母で2011年BCマイル優勝馬Court Visionの祖母)、Charming Lassie (2000年エクリプス賞最優秀古馬牡馬Lemon Drop Kidの母)、Wolfhound (1992年フォレ賞、1993年スプリントカップ)がいるという良血馬である。
本馬はクールモアの所有馬としてエイダン・オブライエン厩舎に預けられた。主にライアン・ムーア騎手やジョセフ・オブライエン騎手が騎乗した。
本馬のデビューは遅く、英ダービーまで2ヶ月を切った3歳4月7日であった。カラ競馬場の芝10ハロンのメイドン(未勝利戦)でデビューしたジョセフ・オブライエン騎手鞍上の本馬は先行して3/4馬身差で勝利した。
続くチェスターヴァーズ(GIII・12f66y≒2474m)は4頭立てで、ライアン・ムーア騎手を背にした本馬は逃げたMister Impatienceを2番手から交わすと6馬身差で完勝し、ダービーステークスに向かうことになった。
ダービーステークスの1番人気は前年にGI2勝を含む6戦無敗でカルティエ賞最優秀2歳牡馬を受賞し、始動戦の2000ギニーステークスも勝利していたDawn Approachだったが、本馬も3番人気と上位の支持を集めていた。
レースではまともに引っ掛かったDawn Approachが道中暴走気味になったが本馬は落ち着いてレースを進め、直線ではDawn Approachが元々の距離不安もあったか失速(最終的には12頭中12着)する中、中団から脚を伸ばすと追い込んでくるLibertarianに1馬身半差をつけて優勝。デビューから僅か56日目にして頂点に立ち、*コマンダーインチーフ以来20年ぶりとなる3歳デビューのダービー馬となった。チェスターヴァーズとの連勝はShergar以来32年ぶりであった。
オブライエン騎手に乗り替わって出走したアイリッシュダービーでは単勝1.8倍の1番人気に推されたが、英ダービーの時のような伸びがなく、3番手から抜け出して勝ったTrading Leatherから10馬身も差をつけられた5着に終わった。3ヶ月弱で4戦してお釣りが残っていなかった可能性があるということで、その後は休養となった。
秋は凱旋門賞を目指してムーア騎手とのコンビでニエル賞(GII・2400m)から始動し、パリ大賞の勝ち馬Flintshireやこの年の日本ダービー馬キズナと対戦した。このレースでは馬群の中で窮屈になるところがあったのもあり、外から伸びたキズナに迫ったが短頭差の2着だった。
凱旋門賞ではキズナやニエル賞で4着だったFlintshireに加え、日本からは前年の三冠馬オルフェーヴル、地元勢もディアヌ賞・ヴェルメイユ賞を含む4戦無敗の牝馬Treve、この年のジョッケクルブ賞を勝ったIntelloなどのメンバーが増えて17頭立てとなった。中団からレースを進めたが、フォルスストレートから直線入り口にかけてもたついている間に前が塞がり、7着に終わった。
続けて出走したチャンピオンS(英GI・10ハロン)ではこの年のロッキンジSを勝ったFarhh、前々年のカルティエ賞最優秀古馬牡馬を受賞していたCirrus des Aiglesに次ぐ3着となり、シーズンを終えた。3歳時は7戦3勝だった。
2014年は当時オールウェザーで開催されていたドバイワールドカップに出走したが、レースの週になってカタールの王族であるジョアン殿下の馬主団体、アル・シャカブレーシングに所有権の50%が購入された。レースでは先行したものの勝負どころで手応えが怪しくなると直線でも伸びがなく、African Storyから大きく離された13着に終わった。
帰国後は筋肉痛のため予定していたコロネーションカップを回避し、秋シーズンに入って凱旋門賞を見据えてフォワ賞(仏GII・2400m)で始動した。初コンビを組んだランフランコ・デットーリ騎手は本馬を逃げさせると、この年もコロネーションカップで2着に入っていたFlintshireに1馬身半差をつけて逃げ切り、英ダービー以来の勝利を挙げた。しかし凱旋門賞では直線粘りきれず、連覇したTreveの9着に終わった。
その後前年と同じくチャンピオンSに出走したが、直線で伸びを欠き、逃げ切った*ノーブルミッションの9着に敗れ、これを最後に引退した。通算11戦4勝・GI1勝。
引退後は父が健在というのもあってか1万5000ドルというそこそこ安めの値段でクールモアスタッドに入ったが、怪我によって6週間にわたって種付けを休止したこともあり初年度産駒は44頭だけであった。その中から*イリデッサがGI4勝を挙げたが中々その後が続かず、2020年からフランス、2022年からイタリア、更に2024年からはスペインで供用されることになった。
| Galileo 1998 鹿毛 |
Sadler's Wells 1981 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
| Natalma | |||
| Fairy Bridge | Bold Reason | ||
| Special | |||
| Urban Sea 1989 栗毛 |
Miswaki | Mr. Prospector | |
| Hopespringseternal | |||
| Allegretta | Lombard | ||
| Anatevka | |||
| Love Me True 1998 栗毛 FNo.3-l |
Kingmambo 1990 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
| Gold Digger | |||
| Miesque | Nureyev | ||
| Pasadoble | |||
| Lassie's Lady 1981 鹿毛 |
Alydar | Raise a Native | |
| Sweet Tooth | |||
| Lassie Dear | Buckpasser | ||
| Gay Missile | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
クロス:Mr. Prospector 4×3(18.75%)、Northern Dancer 3×5(15.63%)、Raise a Native 5×4×4(15.63%)、Special 4×5(9.38%)、Buckpasser 5×4(9.38%)、Native Dancer 5×5×5(9.38%)>
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最終更新:2025/12/26(金) 06:00
最終更新:2025/12/26(金) 06:00
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