アルカング(Arcangues)とは、1988年3月12日生まれのアメリカ生産・フランス調教の競走馬である。栗毛の牡馬。
主な勝ち鞍
1991年:ウジェーヌアダム賞(G2)
1992年:プランスドランジュ賞(G3)
1993年:イスパーン賞(G1)、ブリーダーズカップ・クラシック(G1)
1994年:ジョンヘンリーハンデキャップ(G2)
父Sagace(サガス)、母モンプティクール、母父Irish River(アイリッシュリヴァー)という血統。
父Sagace(サガス)は13戦してG1を3勝したヘロド系の凱旋門馬。凱旋門賞連覇を目指した3度目の挑戦でRainbow Quest(レインボウクエスト)を妨害したとして2着降着となった。種牡馬としては3世代のみを残して9歳で早逝したこともあって輩出したG1馬はアルカングのみに終わった。
母Albertineは7戦2勝。牝系が頭文字Aで数代揃っているが代々フランス産馬である。Albertineは17頭も出産し32歳まで生きた。ついでに孫の代ではCape Verdi(ケープヴェルディ)、Aquarelliste(アクアレリスト)、Artiste Royal(アルティストロワイヤル)、Angara(アンガラ)と4頭ものGI馬を輩出した。
母父Irish River(アイリッシュリヴァー)はG1を7勝した名馬で、代表産駒としてはG1を4勝してジャパンカップでマーベラスクラウンの2着となった*パラダイスクリークが挙げられる。
生産者はアメリカのアレフランスステーブル。画商でSagace(サガス)やAllez France(アレフランス)など多くの名馬を所有していたオーナーブリーダーのダニエル・ウィルデンシュタインが運営しており、そのまま同氏が馬主となっている。
アンドレ・ファーブル厩舎に入厩し、ドミニク・ブフ鞍上で11月のアダリス賞に出走したが、19頭立てでGiltyの19着に終わった。
3歳初戦となる6月のプレカトラン賞はMichel Georgesに半馬身差の勝利。
7月にウジェーヌアダム賞(G2)に出走すると、ここはティエリ・ジャルネを鞍上に後方からの競馬でFortune's Wheelに4分の3馬身差付けて重賞初制覇。
日本馬アロヒアリイが2025年に勝利したことでも知られるギヨームドルナノ賞(G2)に出走すると、後方から*コタシャーンは交わしたがGiltyに短クビ差届かず2着。
9月にはニエル賞(G2)にパット・エデリー鞍上で出走したが、先行してSubotica(スボティカ)の3着。
凱旋門賞の前哨戦として知られるレースが続いたが、凱旋門賞には出走せず次走はコンセイユドパリ賞(G2)。ジャルネ鞍上で臨んだがここも3着に終わった。
4歳初戦となる4月のアルクール賞(G2)は後方からの競馬でFortune's Wheelの6着に終わった。
5月のイスパーン賞(G1)は低人気ながら先行してZoman(ゾーマン)にクビ差の2着と健闘。
6月にはイギリスのエクリプスステークス(G1)に遠征。2番人気に支持されたレースでは先行したが、日本人の芳賀満男が馬主であったことでも知られるKooyonga(クーヨンガ)の8着に終わった。
9月はシリウスシンボリがかつて出走し、2025年にはクロワデュノールが勝利したプランスドランジュ賞(G3)に出走。*アラジに次ぐ2番人気で臨んだレースでは、後方から末脚を見せてPrince Polinoに6馬身差付けての圧勝。
10月にはジェラルド・モッセ鞍上で凱旋門賞(G1)に出走したが、ここは後方からの競馬でSubotica(スボティカ)の7着。
5歳初戦はジャルネ鞍上で5月のガネー賞(G1)に出走したが、Vert Amande(ヴェールタマンド)の7着に終わった。因みに2着*オペラハウス、3着*ミシル。
同月のイスパーン賞(G1)では7頭立ての5番人気に留まったが、先行して*ミシルに1馬身差半差付けて勝利。
7月には再びエクリプスステークス(G1)に遠征したが、4番人気で迎えたレースでは後方からの競馬で*オペラハウスの6着。因みに2着は*ミシル。
10月にはドラール賞(G2)に出走したが、2番人気でKnifeboxの4着に終わった。
次走は……何故かアメリカに遠征してダートのブリーダーズカップ・クラシック(G1)。鞍上にはフランスでの騎乗予定があったジャルネ騎手の代わりにアメリカのジェリー・ベイリー騎手を迎えたが、英語が使えない陣営とフランス語が分からない騎手の組み合わせであり、レース直前にはベイリー騎手が馬名の発音すら知らないと言ったとか。ただでさえ期待できる要素が少ないのに外枠も不利な条件に見えたことから、単勝134.6倍と最低人気。ところがレースでは中団からの競馬で末脚を見せ、逃げた1番人気タイのBertrando(バートランド)を差し切って2馬身差付けての勝利。
エイダン・オブライエン調教師が欧州のG1馬を送り込んでは米国馬に阻まれている印象のブリーダーズカップ・クラシックであるが、次に米国馬以外が勝利したのは、2008年にイギリスのRaven's Pass(レイヴンズパス)が勝利した時。とはいえ、これは2011年のヴィクトワールピサがドバイワールドカップで勝利した時と同じオールウェザー時代であり、次に米国馬以外がダートで勝利するのは2025年の日本馬フォーエバーヤングを待つこととなった。実質欧州馬のような血統の米国馬アルカングと米国色の強い血統の日本馬フォーエバーヤングと思うと興味深い違いかもしれない。
因みにアルカングに加えてRaven's Pass(レイヴンズパス)も米国産馬である一方、非米国産馬で米国所属時代に勝利した例としてはアイルランド産の*ブラックタイアフェアーやアルゼンチン産のInvasor(インヴァソール)が存在する。
本来は前年に種牡馬入りの予定であったが、アメリカのリチャード・マンデラ厩舎に移籍して現役続行。
6歳初戦となる5月の芝のジョンヘンリーハンデキャップ(G2)では1番人気に支持され、エディ・デラフーセイを鞍上に、こちらもアメリカに移籍していた*ミシルに半馬身差付けて勝利。
同月のハリウッドターフハンデキャップ(G1)では2番人気に支持されたが、先行してGrand Flotillaの5着。
続いて7月にはダートのハリウッドゴールドカップ(G1)に出走したが、5頭立ての2番人気で後方からそのままSlew of Damscusの5着に終わった。
当初はフランスで種牡馬入り予定であったが、ミルジョージを導入したことでも知られる中村畜産によって輸入されたため、日本で種牡馬入り。
初年度の1995年は種付け料180万円で種付け数79頭、2年目は種付け料130万円で76頭、3年目54頭、4年目58頭、産駒デビュー後の5年目は公営新潟競馬で初年度産駒のハイテンションパルが活躍していたこともあってか種付け料80万円で82頭。その後が続かず、6年目は24頭、7年目は7頭と激減。種付け料50万円に減額された8年目の2002年は初年度産駒アルアランの活躍もあってか47頭に復活したものの、9年目は27頭、種付け料30万円に減額された10年目は9頭に留まった。
11年目となる2005年には青森県の競馬牧場に移動して無料で供用されたが種付け数7頭、12年目の2006年は4頭。この年に種牡馬を引退し、JRAからは後に同年10月に蹄葉炎で死亡していたと報告された。
輸入された1990年代はまだパーソロン系のメジロマックイーンやトウカイテイオー、そのほかの系統からもダイタクヤマトやフジヤマケンザンが出るなど、日本においてヘロド系が一定の勢力を維持していた。しかしこの頃から既に世界的に衰退傾向にあったため、ヘロド系の現役馬が僅かとなった2025年に*パールシークレットが導入されるまではヘロド系で最後に導入された輸入種牡馬はアルカングとなっていた。
| Sagace 1980 鹿毛 |
Luthier 1965 黒鹿毛 |
Klairon | Clarion |
| Kalmia | |||
| Flute Enchantee | Cranach | ||
| Montagnana | |||
| Seneca 1973 鹿毛 |
Chaparral | Val de Loir | |
| Niccolina | |||
| Schonbrunn | Pantheon | ||
| Scheherezade | |||
| Albertine 1981 鹿毛 FNo.8-f |
Irish River 1976 栗毛 |
Riverman | Never Bend |
| River Lady | |||
| Irish Star | Klairon | ||
| Botany Bay | |||
| Almyre 1964 鹿毛 |
Wild Risk | Rialto | |
| Wild Violet | |||
| Ad Gloriam | Alizier | ||
| Ad Altiora |
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最終更新:2025/12/26(金) 16:00
最終更新:2025/12/26(金) 15:00
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