シャコーグレイドとは、1988年生まれの日本の競走馬である。ごく平凡な戦績ながら、競馬におけるドラマを凝縮したような馬であった。
通算成績45戦3勝[3-8-5-29]
父は三冠馬ミスターシービー。母は未勝利馬シュアンス、母父ダンディルート。半弟に98年の日経賞を勝つテンジンショウグンがいる。
3歳(旧表記)11月の新馬戦でデビューし勝利、次の葉牡丹賞(500万下)も勝利と順調な滑り出し。しかし続いてオープン特別に2回出てどちらも2着。初の重賞挑戦となった共同通信杯4歳ステークスでは5着。勝ちきれないレースが続き、普通ならクラシック戦線でそこまで注目を集める存在ではないだろう。
しかし次の若葉ステークス(OP)でのクラシック大本命、トウカイテイオーとの激突には大きな注目が集まっていた。なにせ彼の父はシンボリルドルフ。父ミスターシービーが現役時代どうしても倒せなかった相手であり、三冠馬の息子対決、父の仇を討てるかという競馬ファン垂涎のストーリーがそこにはあった。結果はトウカイテイオーが勝利、シャコーグレイドは3着に終わる。
そして迎えた本番の皐月賞。オープン以上の勝利が無いシャコーグレイドは18頭立ての16番人気と期待されていなかった。直線で抜け出したトウカイテイオーに猛然と襲いかかるが、差を縮められず2着。これが評価されて次の東京優駿では3番人気に推されるが8着に惨敗し、トウカイテイオーのライバルたる資格を失う。結果的にこれがトウカイテイオーとの最後の対決となり、父同様3戦全敗に終わった。
トライアルの京都新聞杯はナイスネイチャの2着、怪我でトウカイテイオーを欠く菊花賞へ。ここはなんとしても欲しいところだったがレオダーバンの5着に沈む。初の古馬との対決となる鳴尾記念(当時はGII)は同期ナイスネイチャの4着で4歳シーズンを終える。…この時点でなんとなく嫌な予感がしてきた人もいるかもしれない。
5歳シーズン春、重賞に4回出て5着・2着・4着・3着。好走すれど勝ちきれない。いまだ主な勝鞍は3歳時の葉牡丹賞(500万下)である。勝利を求めてオープン特別に出走、単勝1.9倍の堂々一番人気を背負って2着。競馬ファンからの扱いが完全に決まった瞬間だった。シャコーグレイドには「万年入着馬」というありがたくないあだ名が着くことになる。インターネットが発達した時代だったらもっといじられていたことだろう。その後も重賞を中心に出走するがアルゼンチン共和国杯(GII)の2着が最高で5歳シーズンを終える。この年は10回出走して勝利なし、しかし着外は2回のみだった。
6歳シーズン、この年は菊花賞以来となるGIに2回出走するがいずれも着外に終わる。他のレースでも着外が増えはじめ、特に前年2着だったアルゼンチン共和国杯では2番人気に推されながらシンガリ17着の大惨敗。初の2桁順位だった。一方、この年の有馬記念では今やはるか遠くに行ってしまったかつての宿敵、トウカイテイオーが奇跡の復活優勝を遂げていた。
7歳シーズン、10月23日。その日の東京競馬場は超満員だった。といってもレース目当てでは無い。稀代のアイドルホース、トウカイテイオーの引退式がこの日行われるのだった。この日のメインレース、東京スポーツ杯(オープン特別)にいまだ現役のシャコーグレイドは出走していた。そして直線で好位から抜け出し加速、2着に2馬身以上の差をつけて文句なしに葉牡丹賞以来3年10ヶ月ぶりの勝利をあげた。苦しみ続けてきた善戦マンの勝利、しかもかつてのライバルの引退式の日に、というあまりにも劇的な一閃に場内は割れんばかりの歓声に包まれ、あれはトウカイテイオーへのはなむけだ、いや宿敵に弱みを見せたくない意地だ、と噂しあったのだった。
その後も8歳春で引退するまで掲示板に入ったり入らなかったりを繰り返したが、結局東京スポーツ杯が最後の勝利となった。45戦3勝。名馬と呼ぶには程遠い成績だが、シャコーグレイドの名は競馬ファンの心に深く刻まれたのだった。
引退後は福島競馬場の誘導馬を務める。誘導馬の役目も終えたあとはいくつかの牧場を転々とするが、岐阜県の牧場に身を落ち着ける。2014年6月には時代劇映画『超高速!参勤交代』に出演。公開半年後の2014年12月12日に26歳の生涯を終える。死因は老衰であり、波乱万丈の馬生を送った彼の最期はオーナーに見守られながらの穏やかなものであったという。
「9無印」では初期譲渡馬が過去最少の2頭から選択になっているのだが、この2頭は史実においてクラシックレースでトウカイテイオーの2着となった馬が選ばれている。そう、皐月賞2着のシャコ―グレイドが入っているのだ。ちなみにもう1頭はダービー2着のレオダーバン。競走能力はレオダーバンの方が高いが、競争寿命が長く設定されているため稼げる金額はシャコーグレイドの方が上である。
以降のシリーズでも「1991」スタートでは初期譲渡馬の候補として残り続けている。当たり前だがゲーム中なら手薄な重賞ならあっさり勝てるし、種牡馬となって自身の、シービーの血を繋ぐことも可能である。
ゲーム版では未登場だが、アニメSeason2はトウカイテイオーが主役、すなわちシャコーグレイド自身の現役時代も扱っており、「シダーブレイド」とよく似た名前のウマ娘が登場した。衣装の配色が「シャコー」の「黄・赤」。
1話では観戦に来たミスターシービーが「期待を寄せて」おり、シダーブレイドも「運命的レベル名何かを感じ」ていた。
2話の菊花賞では、トウカイテイオー不在のレースと見られていることに各ウマ娘が口々に意地の叫びをあげるシーンがあり、メインキャラのナイスネイチャをさしおいて最後に、一際大きな声で「(トウカイテイオーより)上なんだー!」と絶叫している。
→超高速!参勤交代
シャコーグレイド自身が動物タレントとして出演。ムービースター
なんと主演の佐々木蔵之介を乗せるという馬の中では破格の扱いであり、スタッフロールにも単独で名前が載っている。
撮影当時推定25歳と高齢のため、出演箇所は常足(なみあし)のシーンに限られ、それ以外の部分は「スタント馬」が代役しているようである。スタント馬の方には、額に三日月模様(環星)があるがシャコーグレイドにはない。
以下が、(映像を見る限り)シャコーグレイドが登場するシーン。
他のシーンは「高萩から牛久まで(という設定の)山道をショートカット」「佐々木蔵之介と深田恭子が2人乗り」「その状態で駈足(かけあし)」「途中急に止まって2人落馬」「そのまま放馬」と激しいシーンのオンパレードなので、高齢でなくともサラブレッド種には厳しいと思われる。
ミスターシービー 1980 黒鹿毛 |
トウショウボーイ 1973 鹿毛 |
*テスコボーイ | Princely Gift |
Suncourt | |||
*ソシアルバターフライ | Your Host | ||
Wisteria | |||
シービークイン 1973 黒鹿毛 |
*トピオ | Fine Top | |
Deliriosa | |||
メイドウ | *アドミラルバード | ||
メイワ | |||
シュアンス 1980 青鹿毛 FNo.4-d |
*ダンディルート 1972 鹿毛 |
Luthier | Klairon |
Flute Enchantee | |||
Dentrelic | Prudent | ||
Relict | |||
スタームーン 1976 黒鹿毛 |
*シャトーゲイ | Swaps | |
Banquet Bell | |||
ブラックバトー | *ヒンドスタン | ||
チエス |
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最終更新:2024/11/09(土) 00:00
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