下級生とは、エルフから発売された、18歳未満購入禁止の恋愛アドベンチャーゲームである。
概要
初版は1996年6月7日にPC-98にて発売された。2015年現在はDMM独占によるダウンロード販売でも入手することが出来る。キャラクターデザインは門井亜矢、シナリオは蛭田昌人が務めた。
卯月学園3年C組に所属する「けんたろう(名前変更可能)」となり、学園での最後の一年間を通して意中の女の子と仲良くなることが目的。
基本の流れは学園内や街中で女の子と会って会話を重ね、好機と見れば住所や電話番号を聞いてアクセスしやすくしたりデートの約束を取り付けて休日を一緒に過ごしたりし、やがては男女の一線を越える、といった具合である。
デート、プレゼントの購入などに用いる資金は長期休暇のアルバイトや街を探索中に見つかる臨時の仕事で手に入れる。長期休暇の収入は一定だが臨時の仕事での収入は当たり外れが大きくなっている。
いわゆる恋愛ADVと異なり決まりきったシナリオが存在しない代わりに、ヒロインが登場した時の反応、セリフや表情によってゲームの進行を確認し、攻め時を判断し、同時に反応の変化を楽しむ(例外あり)。
このゲーム性のためか、ゲーム内のイベントは攻略する際に必須となる物もあるが、基本的にヒロインの魅力を掘り下げるための物として用意されている。
特殊なイベントの存在しないヒロインであれば、ヒロインが恋に落ちていく過程を自由に楽しむことが可能である。
もっとも、デートできるようになるまでが一番忙しくてデート解禁後はルーチン化するとか、ヒロインの好感度が極大まで上がりHなシーンも全枠埋まってしまうとやることがなくなる、とかいう欠点もある。
ちなみにスケジュールを調整すれば同時攻略も可能であり、ヒロイン複数の好感度が極大状態になった時の優越感は凄い…のだが、たまに不安も訴えられるので派手に遊んでいればいるほど良心が疼く仕様でもある。
また仲が進めば進むほど、浮気(?)がバレた時やその言い訳を間違えた時の反動も大きい。最悪の場合は二度とまともに会話出来なくなってしまう。
いちいちデートなんてしてらんないという場合でも街にある地蔵に金を積めばヒロインの好感度が上がってしまう。随分ズルいようではあるが、普通にプレイしている限り効果が実感できるほどの金額をお布施するのは難しい。
しかしアダルトグッズを学園にいる怪人と取り引きすることで多大な臨時収入が得られる仕組みなので、地蔵頼みのヒロイン攻略も一応可能である。ただし、好感度が高すぎると発生しないイベントが多々あるのでご利用は計画的に。
バランスを崩さないように所持金が少ない状態でしかアダルトグッズを取り引きできず、地蔵に金を積んでも誰の好感度がどれほど上がったかは分からないようにはされている。
アニメ作品も存在し、OVAとテレビアニメ版がある。
歴史
登場人物
主人公
- けんたろう
- 卯月学園3年C組。腕っ節が強く女好きだが正義感も強い。学園最後の1年で本気の恋をしようかと思い立つ。
プレイスタイルによっては訳の分からないバイトを大量にこなしたり一日中卯月町をほっつき歩いたり二股三股当たり前だったりするが、同級生シリーズでもお馴染みの無尽蔵の体力を持っており、金と時間が許す限り行動できる。ただし門限があるので一晩中起きていることは出来ない。
ヒロイン
タイトルに反して狭義の下級生が3人(他校生の真歩子含めても4人)しかいないのはこれ如何に。『同級生』と似て非なるゲームということでつけられた名前と見られる。
ちなみにオリジナル版のパッケージに写っている瑞穂もWin版で瑞穂と一緒に写っているみこも下級生ではない。
- 結城瑞穂(ゆうき みずほ)
- 卯月学園3年C組。成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗な学園のマドンナだが、同時に親しみやすい性格で「高嶺の花」という印象はない。
いわゆるメインヒロインでありながらその攻略に特別な条件がなく、ただハッピーエンドを迎えるなら難易度がかなり低い。
ただし、すべてのCG(回想)を埋めるとなると話は別で、友人の稔が美夏と付き合っていないと起きないイベントもある。
ちなみに稔と美夏が付き合っているかどうかでEDの会話の内容が変化する(CGの追加などはない)。
- 新藤麗子(しんどう れいこ)
- 卯月学園3年C組。地元の名士の令嬢で高飛車な言動が目立つ上に、何かとけんたろうに食って掛かることから、さすがの彼も苦手としている。
好感度の変動による態度の変化が表情を除いて基本的に分かりづらい。というかH解禁のあたりまでいかないと顔が赤くならず、照れ顔で上から目線の憎まれ口を利く光景はシュール。デレないツンデレ(?)が苦手ならあまりオススメしない。
選択肢の分岐が多く、一度ですべての回想を見るのは不可能であるため、ある程度のところでセーブしておくことをオススメする。
また、デート後の選択肢が「相手が麗子でも家まで送る」というように、わざわざ麗子が嫌いであるかのような文句で書かれている。
- 加納涼子(かのう りょうこ)
- 卯月学園3年C組。美術部所属。創作活動の妨げになると考えているらしく、恋や異性にほぼ無関心である。二科展ならぬ三科展に出品する絵のモデルを探している。
まずモデルを依頼されるようにしないことにはデートも出来ないどころか、住所や電話番号も教えてくれない。
そのため、まずは美術部であることを聞き出し、その後は美術室にコツコツと通い、好感度を上げる必要がある。
デートできるようになれば後はサクサク攻略できるので、難しく感じるのは序盤だけ。
- 橘真由美(たちばな まゆみ)
- 卯月学園3年C組。遊んでいる風貌の女子で、実際貞操感覚が希薄。ケンカの強いけんたろうに興味を持っていたらしく、初対面で何かと絡んでくる。
デートやHなことは早期に出来るが、攻略必須イベントを持っているキャラでエンディングを迎えるためには、割と複雑な手順を踏まなければならない。攻略必須イベントをクリアしないとハッピーエンドにはならない。
一定以上好感度が上がると急にしおらしくなり、Hの内容も変わってしまうので、イベントを意識するなら早めに手を出すのが吉。
- 神山みこ(かみやま みこ)
- 卯月学園3年B組。卯月町にある神社の一人娘で瑞穂の友人。理不尽に厳格な父の影響で世間知らずに育ち、特に男女の機微に極めて疎い。門限は午後5時までと早過ぎる。
デートにはあっさり誘えても、その性格のせいか親密な仲になるまでが長い。しかし特別なプロセスは必要としないので、難易度はまだ低い部類である。晴彦と衝突する場面が何度もあるが、実際は見なくてもエンディングを迎えられる。しかし、みこ自身が門限破っていいと言うまでは4時台でデートを切り上げないと好感度が下がってしまうことに注意。
お子様だが、好感度が一定の値を越えるとさりげなく女の子にクラスチェンジする。そのためイベントの内容がかなり変わってくる。
- 南里愛(みなみざと あい)
- 卯月学園2年A組。赤面症で引っ込み思案な性格のお嬢様で、奔放なけんたろうに好意を寄せるもそれを伝える術を持たない。
好感度は最初から高いが、デートに誘うためには後述する美雪との連動イベントを起こす必要がある。それさえクリアすれば後はエンディングまでトントン拍子だが、イベントを埋めるには美雪との関係も維持しなければならない。
- 飯島美雪(いいじま みゆき)
- 卯月学園2年B組。愛の友人で陸上部所属。男っぽい口調で物事をハッキリ言うたちで、愛とは正反対。愛に近づかないよう、けんたろうを牽制してくる。
イベントの多くが愛と連動しているので、愛の攻略やイベント埋めという面でも避けて通れないキャラ。本人を攻略する場合は好感度の初期値が低いことに注意が必要。同時攻略したいなら彼女からデートに誘うと良いだろう。
- 皆川奈々(みながわ なな)
- 卯月学園1年A組。テニス部に所属。いまだに少女漫画を好み白馬の王子様を夢見ているが、若干コンプレックスでもある。
夏の途中から秋になるまでまともに会話が出来ないので、本気で攻略する場合は春のうちに好感度を稼いで電話番号を聞いておかないと後々面倒なことになる。
- 三月静香(みつき しずか)
- 卯月学園の養護教諭にして3-Cの担任で、けんたろうが暮らす学生寮の管理人でもある。派手めの容姿だが、性格上は教師としての節度を保っている。
イベントを意識せずにプレイする限り、あくまで教師という立場を崩さないため、攻略は不可能。状況を打開する鍵は高田慎二が握る。
- 持田真歩子(もちだ まほこ)
- 卯月町の隣にある葉月学園の2年生で、卯月町の花屋でアルバイトしている。花と読書を好み、大人しい子のようだが、実際は色々と熱中しやすいタイプ。
最初は名前すら分からないため、彼女の名前を聞かないことには始まらない。高いが売り物の花を買うのが近道。名前聞けてデートさえ解禁すれば後はお好きに。
たぶん、一番難易度が低い。だが、好感度の上げすぎでイベントが見れなくなるということも起こりうるので、好感度の上げすぎには注意したい。
- 緑谷麻紀(みどりたに まき)
- 卯月町にある魚屋の娘で、ゲーム開始の前年に短大を出て家業を手伝っている。喧嘩っ早い上に実は嫉妬深い。
こちらも名前を聞かないと話が始まらない。売り物の魚を買うのが近道。真歩子のことが嫌いらしく、ある程度親密な状態でうっかり花屋に行くと破局してしまう。どうしても同時攻略したいなら、電話番号を互いに聞き出した後は店に通わずに電話を使ってデートに誘うと良いだろう。
- 山下美夏(やました みなつ)
- ピアノ科に所属する音大生。4月の終わりから日曜限定でけんたろうの叔父が経営する喫茶店にてバイト中。実家にはそれほど余裕がないため、学費の捻出に苦心している。
喫茶店で会うたびにコーヒー代を取られる。デートできるようになっても最期まで関係を発展させる為にはあるイベントを発生させ、彼女の秘密を知る必要がある。
稔と付き合うことになった場合はクリア不可。ちなみに稔がアタックしている間にデートを申し込む事は出来る。
- ティナ
- 4月後半に突如現れる転校生。何故か宙に浮けて年がら年中水着のような衣装を着ている。南の国のプリンセスらしいのだが、詳しいことは謎。
自発的にデートに誘うことは不可能で、同級生のように連続するイベントをこなすことで攻略を進めるタイプ。他のヒロインと男女の一線を越えた時点でアウト。そのシナリオ展開は「ワールド」の原型だろうか?
サブキャラクター
マスターとティム以外は基本的に恋敵であるが、彼らとくっつくのはプレイヤーへの好感度が最も低いヒロインの誰かになることが多い。
- 後藤稔(ごとう みのる)
- 卯月学園3年C組。けんたろうとは入学以来の悪友関係で、一緒にナンパやら派手な騒ぎやらをやってきた。しかし最近本気の恋がしたいと考えているらしい。
美夏に会った状態で喫茶店の近くをうろうろすると、美夏を狙う稔を目撃できる。何度も見続けているとそのうち本当に付き合い出してしまう。そうでない場合は上の通りプレイヤーへの好感度が低い誰かと付き合い出す。
- 高田慎二(たかだ しんじ)
- 卯月学園3年C組。ヒョウタンかピーナッツのような不健康そうな顔が特徴。難関大学を受験するために進学塾をハシゴする生活を送っている。友人が少ないらしく、けんたろうにかなり依存している。
夏休み明けに過労で倒れるのだが、その後の対応によっては静香の攻略フラグが立つ。
退院後に何度か会っていると、そのうち塾で意気投合した子と交際し始めるのだが、最後までイベントを進めなかった場合は稔と同じ結末を迎える。
- 佐竹晴彦(さたけ はるひこ)
- 卯月学園3年C組。新藤家とタメを張れる名士の御曹司。尊大でキザで女好き。本人は否定しているが、何かとけんたろうに対抗意識を燃やしており、その行動は言動ほどには余裕がない。
けんたろうの周りの女の子にちょっかいをかけまくり、特にみこにはわりと本気のようで、しつこく付きまとう…のはいいが、そのアプローチは度を越していて、大抵は自分の印象を貶める結果になる。
このシリーズには珍しく、主人公が何をどう失敗しようと他のヒロインとはくっつかない。
- ティム
- ティナの弟で、同じ時期に転校生として3-Cに現れる。何故かけんたろうを敵視している。カナヅチ。
「バカヤロウ」で「ありがとう」を表現する不器用少年。
- 土下座のマスター(本名不明)
- けんたろうの叔父であり、けんたろうが祝日や長期休暇で働く喫茶店「土下座」のマスター。親戚なのをいいことにほぼ半日拘束で時給400円という労働基準法違反上等な労働条件でけんたろうを扱き使っている。顔は笑っているが眉毛は常につり上がっている。
愛もしくは美雪を攻略するための連動イベントに一応関わっている。しかし寝取られるわけではない。
登場施設
- アイテムショップ
- 書店、風邪薬専門のドラッグストア、内装がカオスなファンシーショップに、果ては今は亡き?ブルセラなど変な店が多い。持っておくと女の子にねだられた時役に立つ。ブルセラは上で書いた通り、怪人に売り渡すことが可能。ファンシーショップだけはデートスポットになる。
- ゲーセン「スターシップ」
- 遊ぶとポスタードリームで同級生シリーズのイラストが入手できる。Win版以降は門井亜矢のイラストコレクションも出る。
- 占いババの店
- 漫画の占いババを病的にしたような顔のオババが、交霊術で任意のヒロインとの相性(というか好感度)を占ってくれる。ただし、一番上の表現である「強烈な愛情」になったからといってセクハラOKとは限らないことに注意が必要。そこはカンである。
- 怪しいじじいの店
- 1本5000円でヒロイン攻略のヒントなどが書かれた巻物を見せてくれる。ただし長文で1本につき一度しか見せてもらえないのでメモのご用意を。10本見ると別の10本が用意されてしまい、全て見るには10万円必要である。
- ボウリング場「ハッピーストライク」
- ボウリングを練習して上達すると、デートでボウリングした時褒めてもらえる。たまに外国人が賭けボウリングを挑んでくることがあるが、勝てるかどうかは運次第である。
- ホテル
- 要するに女の子を連れ込む場所。半分以上のヒロインがここでないと2人きりになれない。
利用1回ごとに15000円でヒロイン1人あたりの回想枠は9なので、全部埋めるためには一人あたり135000円もの資金が必要になる。
- 臨時バイト
- 卯月町の各地に散らばっている。実行すると2時間経過と引き換えに所持金が増える。
バイトスポットによって傾向はあるものの賃金はかなりまちまちで、募集がないことも多い。さらに一部のバイトはやるとヒロイン全員の好感度がガタ落ちする(悪い噂が立ちそうだ、との警告がある)。
猛獣や猛毒生物の世話から家庭教師やDIYもどきまで無駄に仕事内容が豊富だが、何をやっても死にそうな目に遭っても2時間過ぎるだけ。
なおバイト代の相場は、当たり外れの小さいパターンで2000円から8000円、大きいパターンで1000円から10000円、さらに大きいパターンで1000円から15000円である。好感度と引き換えの場合は一度に万単位稼げる。
- お願い地蔵
- 卯月町の児童公園近くに鎮座している謎の地蔵。ゲーム内のヒントにも「卯月町の主」と言われているくらいとんでもない存在で、金を積むだけでヒロインの好感度を上げてしまう。しかもベタボレ状態になってから初めてデートに誘ったときに発するセリフもちゃんと用意されているのが、本作のイヤなところ(日常会話だけでベタボレに追い込むのは地蔵を当てにしないとほぼ無理なので)。ただ、さすがに名前も知らない子から惚れられるようなことはない。
ちなみに他にはヒロインとの約束の確認や時間経過をお願いすることも出来るが、同級生シリーズと違って有料。
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