ジョーカー(バットマン)とは、DCコミックのアメリカンコミック『バットマン』に登場する代表的な悪役=ヴィランである。
概要
真っ白な皮膚にカラフルなメイクを施したピエロのような顔に、引きつったような笑いを常に浮かべている狂人。
代表的な服装は紫のスーツにオレンジのインナー。また、髪の毛は緑色である。
また、入れ歯であることが多い。
知略・謀略に長けた鋭い頭脳と残忍さの持ち主であり、幾度となくバットマンたちを苦しめる。
一方で単純な戦闘力は低く、むしろ腕っ節の弱さに定評がある。もちろん常人よりは強いが、バットマンとまともに勝負した場合は大概フルボッコにされる。
原作では1940年に初登場し、以降バットマンの最凶最悪の宿敵として同シリーズに君臨しつづける。
町を引っかき回すコミカルな悪役から、人々の良心を嘲笑し、これに挑戦する哲学的な狂人まで、幅広い役を持つ。
原作コミック、映画シリーズなどで設定は一定していないが、外見と性格はほぼ同じ。
原作コミック
シリーズごとに出自が一定していないが、現在では「ジョーカー自身の記憶も曖昧で、もはや誰にもわからない」というのが定説。
胸に着けたコサージュから毒やガスを噴出したり、ビックリ箱やトランプなどのジョークグッズなどで相手を小ばかにするような戦いをする。手や足から仕込みナイフが飛び出すことも。
精神に異常をきたしており、つまらない世界・社会に自分なりのジョークを利かせることを目的としている。彼にとって全ての犯罪はジョークであり、バットマンを苛立たせることもその一つ。彼の行動を「偽善」「独りよがり」として嘲笑し、ことあるごとに彼を怒らせる。
が、『キリングジョーク』では、重いトラウマを負った末、発狂するという「非常口」に逃げ込んだ自分と違い、同様の環境にありながらも精神を正常に保ち続けるバットマンに、ある種の羨望の念を抱いている描写もあった。
敵を殺さないというバットマンの信条ゆえ、騒動を起こすたびにバットマンに捕らえられ、アーカムアサイラムに収監されるが、毎回脱走する。
実写版
2011年までに3人登場。いずれも、かっ飛んだキャラクターを実写化するために、かっ飛んだ役者を起用している。
バットマン 66年度版
バットマン3度目の実写化作品で、テレビドラマ。コメディアンのシーザー・ロメロが演じた。
後述のニコルソン、ヒースの陰に隠れがちだが、ジョーカーの狂気とユニークさを非常にオーバーな演技で再現したことを高く評価するファンも多く、ロメロを含めた3人を、『3人のジョーカー』として称えることもある。
AVGNもとりあげたが、最終話でバットマンとサーフィン対決を繰り広げる場面が有名。
バットマン(ティム・バートン版)
ゴッサムシティの有力マフィア、カールグリソムの右腕であるジャック・ネーピアとして登場。
化学薬品工場でバットマンと対峙した際、跳弾が自分の顔に当たってしまった上、薬品で皮膚が漂白されてしまう。
何とか生き延び、闇医者に駆け込んだものの、銃弾のダメージで顔の神経が麻痺したことで、真っ白な皮膚で常に笑い続ける不気味な顔になってしまう。これを鏡で見た彼は発狂し、ジャックであることを捨ててしまう。
その後、顔に件のメイクを施してジョーカーを名乗りグリソムの前に出現。笑いながら彼を射殺し、さらには町のマフィアたちを残酷な手段で処刑したりしてあっという間に裏社会のトップへ登り詰める。
自己顕示欲が強く、バットマンばかりが報道される現状に不満を持ち、"引きつった笑いを浮かべて"死んでしまう毒を化粧品に混入して町にばら撒いた上、現金を撒いて人々を引き寄せたところで毒ガスを散布して大量殺人を働くなど、狂気じみた行動を繰り返して町を恐怖に陥れる。
また、バットマン=ブルースの恋人であるヴィッキーに目をつけ、新たな伴侶として奪い取ろうともした。
最期は、時計塔の上でヴィッキーを人質に取りつつバットマンと対決。2人を追い詰め、自身はヘリで脱走を図るが、バットマンのワイヤーで足と彫像をつながれ、必死に梯子に捕まるものの、重さに耐え切れず墜落死した。
狂気を発した後も頭脳は冴え渡っており、また、芸術方面にも優れた才能を持っていた。が、その価値観は独特であり、美術館の古典的名画を片っ端から嫌悪した反面、現代美術には肯定的な態度を示した上、ヴィッキーの死体写真にも高い評価をしていた。
実写版ジョーカーで、原作の「入れ歯」という設定を再現したのは今作のみ。口から出た途端、勝手にカタカタと笑い出す妙な逸品だった。
ジャック・ニコルソンの怪演として有名。後にヒースレジャーがジョーカーを演じた際も、「どうせ彼には及ばない」と批判されたほど。AVGNも、彼のジョーカーが一番好きだとか。
日本語版の吹き替えはデーモン小暮。TBS版では大平透、テレビ朝日版では内海賢二。
「月夜に悪魔と踊ったことはあるか?」
「今夜は体中が燃えるような~、熱い思いでいっぱいだ~♪」
「笑いは百薬の長なんだぜ?」
ダークナイト
重いテーマを湛えた狂人として登場。
従来のジョーカーとはかなり設定が違い、指紋・DNAの全てが一切記録されていない謎の人物で、顔も漂白されてるわけではなく、ピエロのようなメイクを自分で(指で直接) 施しただけである。髪も緑がかった金髪である。
常に笑っているわけでもなく、代わりに口から耳元まで裂けた傷がある。 処刑しようとする相手にこの傷の由来を冗談交じりで教えるのがお決まりであり、「父に裂かれた」「恋人のために自分でやった」など、一定しない。
一切の罪悪感が欠落しており、全ての犯罪をジョークとして仕掛け、街をゲーム感覚で恐怖に巻き込む。が、精神に異常をきたしているという明確な描写はなく、高いプライドと洗練された頭脳の持ち主。
非常に残忍で自分を侮辱するものには容赦せず、部下も頻繁に使い捨てる上、自分の命にも全く執着していない。大胆かつ危険な作戦を平気で取り、バットマンとゴードンたちを翻弄する。
人の心をかき回し、扇動するのが非常に得意であり、バットマンを激情させ、ハービーデントを悪の道に引きずり込んだ。
何の意味もなく犯罪を犯しているように見えるが、その裏にはゴッサムシティの人々(バットマンやハービーを含む)の良心に挑戦するという意味があり、終盤で死刑囚の乗った船と民間人の乗った船に仕掛けた爆弾ゲームは、その最たるものであった。
ナースのコスプレをしたり、鉛筆を使った悪質な手品を披露したりと、妙なユーモアも持つ。
バットマン達を極限まで苦悩させたが、最後は立てこもっていたビルでバットマンと対決。ジョーカーとしては珍しく直接対決で彼を追い詰めるが、船の爆弾ゲームが思い通りに行かなかったことに動揺した隙を突かれて敗北。地上へ落下するが、直前でバットマンに助けられた。彼曰く、「アーカム行き」らしい。
なおこの際、ジョーカーはバットマンに「俺はあんたを殺さない。こんな面白いおもちゃ他には無いからな。あんたも、そのつまらない独りよがりの正義という奴のせいで、俺を殺せない。どうやら俺とあんたは永遠に戦う運命だ」と言い残している。
作品の完成後急逝したヒース・レジャーの名を一気に知らしめ、死後にもかかわらずアカデミー助演男優賞を受賞するまでに押し上げた。「史上最高のジョーカー」と絶賛され、ハリウッドの歴史に残る名演として名高い。一方で従来のジョーカー像と対比させるとあまり笑わない等、ジョーカーの本来のキャラクターから離れているという評も存在している。
日本語吹き替え版の声優は藤原啓治。
"Why so serious?"
"Very poor choice of words!"(その言葉選びはまずいんじゃねえのか?)
"How about a magic trick?" (マジックはいかが?)
アニメ
バットマン・ジ・アニメイテッドシリーズ
過去にも数本のTVシリーズが存在しているが、ここではシリアスな作風で90年代のカートゥーンシーンを席巻した本作(TAS)について述べる。バットマンの映像化作品の中でも映画を含めて決定版とまで言われる本作において、ジョーカーもまた概ね原作の沿った優れた映像化が為されている。
原作コミックの様々シリーズや時代の入念な研究・再構築が行われた作品であるが、特に悪役としての役柄が広がっていたジョーカーは、各エピソードごとに性質の異なった犯罪を行う異常者という設定がなされた。
ある時は粗暴な略奪を行い、ある時は入念で抜け目の無い完全犯罪を目論み、ある時は街を仮装させた戦車で破壊しTVで放映する劇場型犯罪を行い、自分の名を語る偽者を拉致監禁し唯只管怖がらせるなどその凶行は統一性がなく多岐にわたる。
一方で、自分の言った趣味の悪いジョークで一人で爆笑する姿(部下にすらいたたまれない視線を向けられてる事がままある)はほぼ毎回にように見られ、彼にとって犯罪は規模の大小や死人の数、猟奇性の有無に関わらず全てが自慢の作品=ジョークであるという原作の時期ごとの差異にみられる矛盾を逆手にとった演出で彼の絶対共感不可能な狂気を巧みに描いた。
本名は、映画「バットマン」と同じジャック・ネーピアであり、劇場版ではその前身である出身不明のマフィアの殺し屋が回想シーンなどに登場する。ただし、バットマンがこの事実を知った頃にはジョーカーがこのマフィアの関係者を面白半分に殺害しており、結局、その出身は不明のままである。
彼自身は度々、作り話の悲惨な生い立ちを自分を研究したがる精神科医に語っているが、真剣に研究するあるいは同情する姿を見て、やっぱり一人で爆笑してているとされる。
日本語吹き替え版の声優は青野武。 本作以降のアニメ版のジョーカーは、バットマンのアニメシリーズのみならずゲスト出演作品の殆どを担当しており、ジョーカーといえばこの人、というファンも多い。
英語版の声優は、スターウォーズのルーク・スカイウォーカー役でお馴染であり、今やアメリカのアニメ界では押しも押されぬ大物となったマーク・ハミル。やはり青野と同じく、殆どのジョーカーを担当している。
バットマン・ザ・フューチャー
上記のアニメイテッドシリーズの世界の未来を描いた作品で、既に故人。一方で凶悪犯罪者として歴史に名を残し、ジョーカーを名乗る犯罪者が複数存在する。その後、数十年たっているにもかかわらず何故かそのままの姿で未来の世界で復活する。
過去
3代目ロビンであるティムを連れ去り、残酷な手段を用いて洗脳し、自分とハーレイの養子J.Jに仕立て上げる。
怒るバットマンを挑発しつつ、J.Jに彼が攻撃できないのを利用して、J.Jに止めを刺させようとするが、直前で心を取り戻したティムの反撃に遭う。漏れた水に濡れ、コードが絡まった状態で逆上し、ティムに襲い掛かるが足を滑らせ、そのはずみで電源が入ってしまい感電死した。
ちなみにこれは、アメリカの規制に配慮した描写であり、差し替え前の描写では、ティムがバットマンに向けた銃の標的が、直前でジョーカーに替わってしまい、射殺された。
洗脳の過程でバットマンについてティムの脳内を調べ、彼の考えなどをこれまで以上に詳しく知り、嘲笑していた。
「これほど痛ましくなければ笑ってるところだ…………いやぁ、かまうものか、笑ってやる!」
未来
長編エピソード「蘇ったジョーカー」に、何故か数十年前と同じ姿で登場。
その正体は、ヒーローを引退し家庭を持っていたロビン=ティムであり、過去の洗脳の際に頭に埋め込まれたチップの作動により、ジョーカーの自覚が芽生えたための出現だった。
新バットマン=テリーによってチップは摘出され、焼き払われた。これによって、ジョーカーの存在は完全に消滅した。
ゲーム
アーカムアサイラム
映画版ともアニメ版とも原作版ともつかない(殆どの世界に当てはめられる)世界設定で登場。
例によって騒動を起こしバットマンに捕まるが、妙に神妙に捕まったのでバットマンに疑念をもたれていた。
彼の予感は的中し、収監されたアーカムアサイラムで過去最悪の反乱を決行、名だたる囚人達をまとめて扇動し、病院を大混乱に陥れた。
最後は薬の力でハルクさながらの巨体に変異して、バットマンに戦いを挑む。何度倒されてもしぶとく立ち上がったが、バットマンは自分の体を省みず、遠隔操作用の爆薬を拳に塗りつけて対抗。爆発付のストレートを顔面にもろに喰らい、ノックアウトされてしまった。
何故かアーカム中に自分の入れ歯を放置しており、回収すると隠し要素を解放できる。
関連人物
- バットマン
いわずと知れた宿敵。体を張ったジョークで彼に嫌がらせをしたり、彼の行動を「偽善」と嘲笑したりと、その関係は様々だが、仲が良かったことだけは一度も無い。ジョーカーは、彼こそが狂人だと度々話している。
といっても、「コメディはお前のような役者がいなきゃ始まらない」と言い放つなど、ジョーカー(と彼の繰り出すジョーク)にとっては不可欠な存在のようである。ふざけたアプローチをしてはぶん殴られるという流れを何年にも渡って繰り返している。彼を殴り殺したと勘違いした時など、彼なしのジョークには意味がないとでも言わんばかりに萎み、しまいには記憶を失って一般人に戻ってしまった。 - ハーレー・クイン
ひたすら言い寄ってくる相棒。顔だけでなく服装まで完全にピエロな女で、もとはジョーカーの治療を任された精神科医だったが、逆に彼の思想と行動に魅了され、彼のまねをして付きまとうようになった。
協力していることも多いが、ジョーカー自身は迷惑がっていることが多く、時に彼女をぼろぼろに痛めつけることもある。が、何をされても、彼女のジョーカーへの愛は尽きない。
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関連項目
http://dic.nicomoba.jp/k/a/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%28%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%B3%29


ページ番号: 4414841
リビジョン番号: 1421680
読み:ジョーカーバットマン
初版作成日: 10/07/13 21:04 ◆ 最終更新日: 12/01/26 22:19
編集内容についての説明/コメント: ティムが「2代目ロビン」となっている点を「3代目ロビン」に修正
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